登山におけるアルコールストーブは、使い勝手が面倒くさそう。もしかすると、不手際でミスをして火傷したり、服やテントを焦がすのではないかと手を出さないでいた。
そしたら、ソロキャンプブームからコンパクトなキャンプブームの流れで、アルコールストーブの需要が一気に伸びた時期があった。Youtubeにはたくさんのレビューが上がり、それらを見ているうちに、ガスバーナーとは違う、火を操作する感覚と揺らぎのビジュアルに心がトキメキ、気が付いたらポチッと購入ボタンを押していた。
アルコールストーブは歴史あるトランギアやガレージブランドからも発売されているが、軽量で火力が売りのEvernewのチタンアルコールストーブを選択した。
34gのチタンアルコールストーブ
アルコールストーブには別売りの五徳が必要らしく購入した。旧タイプ・新タイプがあり、安定性重視の旧タイプを購入した。旧・新の違いは、いくらでも参考ブログとか動画があるので参考にしてほしい。
さて、アルコールストーブの本体(34g)と五徳あわせて52gと軽量。Mサイズの卵と、ほぼ同じ重量である。
軽量を売りにしているガスバーナーが70g~100gなので、比較すると軽いっちゃ軽い。ただ、中華メーカーのガスバーナー25gというのがあるので、アルコールストーブが圧倒的に軽いというわけでは決してない。
アルコールストーブの利点の一つが燃料の入手のしやすさである。マツモトキヨシなどの薬局やホームセンターで売っており、山奥のコメリ等でもたぶん購入できる。
登山のガスバーナーで主に使用されるOD缶はアウトドア関係の店でしか購入することしかできない。飛行機を利用した遠征や離島は、OD缶入手がネックになったりする。
アルコールストーブに必要なもの
- アルコールストーブ本体
- 五徳
- 風防
- 燃料アルコール
- アルコールのケース
- 着火するライター等
- バーナーシートや受け皿
アルコールストーブを実際に山で使うには、上記の道具が必要になってくる。所持する点数が多く、ライターでも忘れようものなら乾麺をそのままバリバリ食べる悲しいことにもなりかねない。
場合によっては、ガスバーナーと同じくらいの価格になったりする。
アルコールストーブを着火してみる
アルコールを注ぎ、ライターで着火すると「ボン!!」という音を立てて燃焼が開始される。「キン…キン…」と金属音を鳴らしながら、徐々に火力が安定する。立ち昇る炎が10cmと大きくなり、火力はかなり強い。しかし、調整は一切できない。
平坦な場所であれば、五徳がなくても大丈夫だが、地面が安定しない山では、五徳は必須。このまま使ったら、テントに熱湯をぶち撒けることになるのは目に見えるようだ。
山でアルコールストーブでチキンラーメンを作る
じゃあ、実際に山でラーメンを作ってみようではないかということで、標高500mの山頂(丹沢・南山)でクッキング。
- 11月にしては暖かい気温19度
- 快晴・無風
条件に恵まれすぎている感はある。クッカーは同じEvernewのチタン鍋を使用。燃料アルコールは45ml程度入れてみた。
着火して3~4分ほど沸々と泡立ち始め、熱湯になってきたところでチキンラーメンを投入。
無風なので、せっかく買った風防はお飾り状態。
チキンラーメンは問題なく完成。卵も入れてみたけど、良い塩梅に固まってくれた。
アルコールを多めに入れてしまったので、鍋をよけてからもしばらく燃焼し続けていた。燃料を無駄なくするためには、データを取って研究が必要なようだ。
チキンラーメンは。大人になると駄菓子みたいな味で、食べない人は食べないが、自分はいくつになっても好きだ。3晩くらい続いても飽きない。
アルコールストーブを使って思ったこと
ガスバーナーと比較するとデメリットだらけだ。
- 火力調整が不可
- 消火不可
- 時間が掛かる
- 風に弱い
- 寒さに弱い
- バランスが悪い
- 五徳・風防・バーナーシートなど必要なものが多い
- 何だかんだ値段も変わらない
登山においてはガスバーナーを使う方が間違いない。
しかし、使い手がマスターし、「気温が何度だったら、何mlの燃料で、何mlの水が沸騰する」などの数値を把握したら、かなり有用なアイテムであることは間違いない。軽量化ができて、ガス缶のゴミが発生しない。
アルコールストーブをストリートファイターで例えると、ブランカを使いこなすようなものかもしれないなと思った。
ソロキャンプブームの際は、定価以上に高騰していたが、今では値段が落ち着いているようだった。
旧タイプの五徳。安定感がある。
新タイプの五徳。旧より軽く、火力が強くなる。
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