2018年7月1日
福島県と栃木県にまたがる田代山と帝釈山に行ってきました。標高は2060mです。
福島県と栃木県の県境を成すのが帝釈山脈で、その主峰が帝釈山です。田代山は帝釈山の隣にあり、高層湿原が広がります。帝釈山は日本二百名山に選定されていますが、どちらかというと登山者のお目当ては田代山にあります。
6月中旬に山開きがされ、代表する高山植物である「オサバ草祭り」が開催されます。高層湿原では初夏にかけてワタスゲやニッコウキスゲが一斉に登山道を彩ります。
近いようで遠い場所、奥会津。
田代山に登る計画は毎年のように立てていましたが、天候の壁に阻まれたり、別の予定に潰されたりと、なかなか実行に移せなかった登山でした。2018年は酷暑ではありましたが、毎週末晴れる確変年でした。
夏山をいち早く楽しむべく、炎天下の下界から冷たい風の吹く高層湿原を旅してきました。
田代山・帝釈山について
地図
「馬坂登山口」「猿倉登山口」の二つの登山口があります。田代山がメインなので、今回は「猿倉登山口」を選択しました。
コースタイム
- 05:27猿倉登山口
- 06:24小田代
- 07:25田代山
- 09:29帝釈山
- 12:26猿倉登山口
行動時間は6時間59分でした。
田代山・帝釈山 登山
12キロの悪路を越えた奥会津の秘境、田代山の猿倉登山口
土曜日の深夜に大宮駅に集合して、奥会津を目指します。
燧ヶ岳や会津駒ヶ岳などの福島県桧枝岐村に行ったことがある人はわかると思いますが、栃木県の西那須ICを降りてからの下道が相当長いです。これから目指す田代山の登山口は、さらに+αの長さを感じることなります。
栃木県民にとってはおなじみの奥会津のスキー場などを抜けると天候がどんよりしてきました…。おかしい予報では晴れだったはずだが…。県道350号線を走り、湯ノ花温泉を過ぎて、いくつかの集落を抜けて行きます。
そして、登山口のある駐車場まで悪路が12キロ続きます。
SUVなどのアウトドアフィールドに特化した車高がある車でない限りは、神経をすり減らす運転が問われます。タイヤの寿命を一気に減らし、実際に駐車場に辿り着いたときには、パンクしている車がいました。
愛車に傷をつけたくないという人は、この山は諦めた方が良いかと思われます。
悪路を乗り切ってようやく猿倉登山口に到着しました。駐車場は2段階になっていて、下の方にはトイレがありました。既に5~6台駐車していました。50代以上は停めれそうなキャパがあるけど、あの悪路だけは頂けない…。
栃木県側は通行止め。
ちなみに駐車場にはかなりの羽虫がいました。
虫よけは必須です。刺してくるブヨはいなかった気がします。
猿倉登山口(5:27)
田代山・帝釈山登山口とでかでか表記された看板が設置されていました。
- 田代湿原まで2.0km
- 帝釈山まで4.5km
田代湿原まではそれほどの距離ですが、帝釈山を含めると結構な距離です。ピークハントを目的としている人は少ないようで、田代山だけを目的としている人が多かった印象です。
登山口すぐにMAPBOXが設置されていて、田代山の「おもしろ発見マップ」が置かれていました。
天狗が「田代山はプリンみてぇな山だなあ」と話しているアバンギャルドなマップです。田代山に咲く花が紹介されているので、是非とも手に入れておきましょう。地元の村おこしの一環で作られたマップは非常に好きです。
プリンみたいに見えるのは航空写真じゃないとわからないけど。
蒸し暑さとの闘い、尾根道を経て田代湿原を目指す
登山口付近では沢が流れていて、橋を渡って山道へと入っていきます。
登山者カウンターを通過。
燧ヶ岳にも同じようなのがあったので、尾瀬国立公園の仕様なのかな。
開始数分は沢沿いを歩きます。
日照時間が少ない谷のためにシダ類がびっしりと自生しています。触れてみると冷たく、清涼感を与えてくれます。
沢沿いの道はすぐに終わり、尾根道へと階段を登っていきます。
2018年は梅雨明けが異常に早く、関東地方では7月を待たずに6月29日に梅雨明け宣言がありました。しかしならが、湿気は開けてくれないようで、早朝とは言え樹林帯の蒸し暑さに参りました。福島県と栃木県の県境なので、エリア的に曖昧ですけど。
登山道から少し下ったところに丸パイプから水が出ていました。
キーンと冷えていて美味しいですが、登山口に限りなく近いため、必要とする人はあまりいないかも。
山頂まで1.5㎞とブナの木に看板が設置されていました。
平地だと1.5キロは20分ちょっとで歩けるので、いくら山道とは言えオーバー気味かも。
さて、何もない樹林帯可と思いきや、苔の隙間にギンリョウソウが顔を出していました。山の中で自生していると洗練された美しさがありますが、庭の陰に生えていたら間違いなく不気味で気持ち悪い。
ブナが葉っぱを空一面に広げて、太陽の光を一滴でも無駄にしないと言わんばかりです。奥会津という豪雪地帯のため、新緑の時期は遅い。
前を歩くなべ氏。
自分は2年位前から結構な汗かきになってしまったのですが、なべ氏はそれを軽く超えていく汗かきです。蒸し暑さが充満する樹林帯は溜まったものではありません。
帽子が汗を吸収できず、端からポタポタ落ちる程です。頭用のオムツが欲しい。
後ろを歩くサミーさんからは「君たちを見てるとサウナに入ってる気分になる」と言われます。
樹林の隙間から少しづつ展望が見えるようになりました。南側の展望があり、どうやら雲海になっているようです。
ゴゼンタチバナが咲いていました。
こちらは白山の最高峰である御前峰に由来する高山植物。
高さ1m~2mの低木にはウラジロヨウラクの赤い花が咲いていました。緑とは反対色の赤なので、とても目立つ存在です。
徐々に背の高い木が減ってきて、植生の雰囲気が変化してきました。
石楠花がチラホラと咲いています。
湿原の気配、ワタスゲやコバイケソウが咲く小田代
おや?
これはコバイケイソウではないか。当たり前に咲くように見えるコバイケイソウですが、全国的に周期があるらしく2018年は当たり年らしいです。前回は2013年でした。
小田代(6:46)
最初の盛り上がりポイントとなる小田代に到着しました。登山口から1.5キロの位置にあります。
グラウンド2個分くらいの広さがあり、ワタスゲとコバイケイソウが咲いていました。
突如現れる湿原に気持ちが昂らないわけがなく、木道のすぐ近くにワタスゲが揺れていました。
ああ、尾瀬感あるな。
誰よりも花を愛する男、なべ氏もここぞとばかりにニコンのフルサイズカメラで撮影をしていました。
将来有望なニコ爺です。
帝釈山より福島会津方面側に目立つ三角形の山がありました。標高は高くなさそうでしたが、名前はわかりませんが、気になる感じの山です。
帝釈山より南側は日光連山の女峰山があります。霧降高原のニッコウキスゲの咲く時期に登ってやろうと思っていましたが、あまりの酷暑に「コースタイムが長いし、厳しいんじゃないか」と思って、二の足を踏んでいる山です。
湿原で目を凝らすとタテヤマリンドウが咲いていました。
小田代を過ぎると再び樹林帯に入りますが、南側の斜面の展望が優れています。風は穏やかでしたが、カラッと冷たく、とんこつラーメンスープのような汗を流す男二人を優しく癒してくれます。
足元にアカモノが咲いていました。
赤い茎が弧を描いていて、花瓶のようなピンクの花びらが可愛らしい花です。
北東方面には那須連山がありました。
茶臼岳や朝日岳の登山人気エリアは写真右で、左側の福島県側は裏那須と言われる山域。流石山のニッコウキスゲの群落は素晴らしいと聞きます。
後ちょっとな感じが出てきて、足取りが軽くなります。
そして、樹林帯のトンネルを抜けると…。
突如として湿原が広がりました。
ワタスゲが見渡す限りにふわふわ揺れる、天国への木道
少し登った場所には青空が大きく広がっていました。
開放感がたまらない。
このように樹林帯からL抜けると、木道がL字カーブ、いきなり湿原への道が続いています。
木道から少し遠いですが、南側の斜面にはニッコウキスゲが群生していました。今年はじめてのニッコウキスゲで、田代山においては、見頃はこれからと言ったところでしょうか。
ワタスゲの量が既にすごいのですが、前日に雨が降ったのか、毛先が濡れて、今一つふんわり感がないというハプニング。徐々に風も出て、日光も当たっているので、数十分後には乾きましたが。
長い下道と悪路を走り、来た甲斐があるというものです(自分は運転していないけど)。
標高1900mに広がる田代湿原は展望拡がるワタスゲの楽園
分岐点に到着しました。
田代山湿原は三角形に木道のコースが整備されていて、左回りの一方通行になっています。
見渡す限りの高層湿原…。
と、言わざるを得ない。
高層湿原が広がる山だったら他にもあるじゃん?
と、思うかもしれません。苗場山、燧ヶ岳、巻機山などなど…。
言葉にしにくいのですが、他のどの山よりもフラットで、どの山よりも広大な空間に感じます。湿原の端に樹林がなく、周囲の山々をオーディエンスにした舞台の真ん中に立っているようです。
田代山の方へ歩いて行くと、正面にはフラットな山頂が特徴的な会津駒ヶ岳が見えます。7月ということもあり残雪が消えかけていますが、まだまだ谷沿いには残っています。
後を振り返るとニコ爺が望遠レンズで狙っている。怖い。
彼は普段から子供の写真を撮っていることから、ニコン使いでありながら、風景と人物を撮れる腕を誰よりも持っています(偏見)。
圧巻のワタスゲの密集量です。
噂では田代山の今年のワタスゲは当たり年なんて言われていましたが、ワタスゲに当たりも外れもあるのか疑問なところですが…。
湿って首を垂れているワタスゲが、太陽の光で乾き、起立し始めるようになってきました。
この時期に既にトンボが相当数飛んでいました。トンボは登山者の大敵である纏わりつく羽虫を食べてくれる存在なので味方です。
分岐点から少し歩くと池塘が出現します。
弘法沼と、どこにでもありそうな名前ですが、緑の草原に一点の青色を映し出していて、非常に爽快な景色を演出していました。
上層雲である巻層雲(けんそううん)がベール上になびいていて良い感じです。
標高1926mの田代山は湿原のど真ん中
田代山山頂(7:25)
分岐点みたいな場所に山頂の看板がありました。
明らかにこれから進む方向が登りになっているのですが、山頂はあくまで標高1926mのこの場所らしい。最高地点はこれから行く弘法大師堂の標高1971mらしいです。
田代山→たしろ→(反対にすると)ろした→ろしあ
実質的にロシアに限りなく近い名前である田代山で、ワールドカップの勝敗をロシアの伝統工芸であるマトリョーシカで祈願しました。2日後(7/3)のベスト16のベルギー戦、惜敗してしまいました。
無理がある語呂合わせだって?
ワタスゲの最盛期ということもあって登山客が多いですが、尾瀬や会津駒ヶ岳に比べると少ないです。確かに悪路は悪路ですが、約束された絶景が待っていますし、田代山だけだったらコースタイムも比較的短めです。
麦わら帽子って登山に最適だと思うんですよね。以下、麦わら帽子のメリット。
- 風通し良くて蒸れない
- 汗でべた付くことなし
- 絵的に夏っぽい
デメリットは邪魔なところ。ちなみにホームセンターのコメリで、400円で購入できるのでコスパ抜群です。
帝釈山からずっと北に残雪がある飯豊連峰が見えました。アクセスが大変で、いつかは歩いてみたいと思っています(3週間後に歩くことになりますが)
田代祭。
もはやこのネタを知っている人もいるまい。
田代山頂を存分に楽しんだ後は、帝釈山方角に向かって歩き始めました。こちらは木道に沿ってワタスゲが咲いていました。実にメルヘンロードです。
2車線の木道の中央分離帯にもワタスゲがびっしりです。
サミーさんは2日前に誘われ、事前調査まるでなし、地図しか見てこなかった状態だったので、「この山すごくいいね!!!」と大はしゃぎでした。
角度によっては木道が隠れるほどのワタスゲ密集度。
コバイケソウはと茎をのばして、人間の腰の高さ位に成長していました。「山のトウモロコシ」と表現しています。
田代湿原一帯は緩やかに登りますが、ハイキングコース。直径1mほどの池塘が点々としています。
山並みがずらーっと見えるのが素晴らしい。
栃木県の山々は関東側からしか見ていないので、どれが那須なのか日光なのかよくわからないけど…。元栃木県民として失格だろうか…。いや、ここは会津なわけですし。
帝釈山へ至る道へ分岐に到着。
分岐点には4~5人が座れるほどのベンチが設置されていました。湿原にある唯一のベンチです。
田代湿原を抜け、避難小屋方面歩いて行きます。
田代山避難小屋(8:22)
すぐに建物が見えてきました。
2階建ての新築のようなトイレがありました。
内部も綺麗で、登山靴からスリッパに履き替えて利用します。
綺麗なトイレなので安心してお使いください。
トイレと併設するように田代山避難小屋があります。本来は弘法大使堂となっていて、祠が祀られています。ここにも高山植物マップが置かれていました。また、秘境駅にあるような旅ノートならぬ、登山ノートが置かれていました。
書いてきたので、もし行く機会があったら探してみてください。
休憩スペースがあり、帝釈山方面と田代山方面それぞれからくる登山者が休憩していました。日差しが強くて、ベンチに座ってられませんでした。
帝釈山へはここから片道コースタイム1時間20分と結構時間がかかるので、ザックをデポしていくのも一つの手です。
田代山から帝釈山へ、ひっそりとオサバ草が咲く稜線
では、帝釈山を目指して歩いてきます。
田代山の開放的な湿原とはうって変わって、無慈悲な樹林帯歩きが始まる。木の根っこが張り巡らされており、若干歩きにくいです。日中に差し掛かって気温は高め。
不快指数が高いコースでしたが、オサバ草との出会いがありました。田代山直下に群生していました。
はて?
オサバ草祭りは6月中旬だったはずと思っていたら、その時期は馬坂峠付近で開花しているようでした。標高のある時期は田代山から少し降りた場所で咲くようです。
本州の中部と東北の亜高山帯の針葉樹林下で見られるケシ科の花。見た目はぺんぺん草のそれに近い感じでしたが、1センチにも満たない小さい白い花が可憐でした。
田代山からは平坦に帝釈山に行けると思っていましたが、標高60mくらい下り、尚且つ登り返す必要があります。この区間を地図で見たら楽勝かと思っていましたが、実際はそうではなかった…。
序盤のオサバ草以外にあまり見所もなく、淡々と歩きます。馬坂峠から田代山に向かう登山者と何度もすれ違いました。
田代山と帝釈山の中間には沢が流れていたような跡があります。そこからシダ類が豊富になり、微妙に植生がスイッチしました。
帝釈山が近づいてくると隈笹やダケカンバが登山道とかぶって歩きにくく、岩場を登るようになってきました。
振り返ると遥か遠くに田代山が見えます。縦走路の中盤は、平坦移動してきたはずですが、暑さのために体力消耗が激しい。
岩場に梯子がかけられている場所が3か所ほどありました。
道中に白い石楠花が咲いていました。
田代山からの帝釈山はピストンに往復2時間くらいあるし、次に田代山を訪れる時があったとしてもわざわざ歩く道でもないなという評価。
暑さでへとへとになりながら登っていると、ようやく休憩している登山者の声が聞こえてきました。
帝釈山山頂(9:29)
標高2060mの帝釈山の山頂に到着しました。
帝釈山の山頂は田代山の山頂と比べるとこじんまりとしています。尾瀬や日光などの周囲の山々を見渡すことができる山頂です。
看板の頭が欠けています。落雷でも直撃したのでしょうか…。
檜枝岐登山口(馬坂峠)から0.9kmしかなく、こだわりがなければ馬坂峠から登った方が距離は短いようです。
狭い山頂でギリギリの集合写真。
田代山と違ってここは異様に羽虫が沸いており、「ブヨ絶対許さないマン」を自負するなべ氏は、巨大な虫よけスプレーを映画「ランボー」の如く乱射していました。ブヨはいない印象でしたが。
仏教の神である帝釈天(たいしゃくてん)に由来するものだと思います。
夏の雲が帝釈山脈を覆い、下山を開始
ダラダラと山頂で撮影していたら、雲が湧き上がってきました。いいタイミングで山頂に到着できました。
帝釈山から田代山へは、ほぼ無言で戻りました。
もう一度、田代山に来ることはあったとしても、帝釈山の往復を歩くことはないなというのが全員の意見が一致。
おやつに「ご飯にかけるギョーザポテトチップス」を食べる予定でしたが、暑さのせいか全く食欲がわかず、ここではお預けになりました。
下山を開始します。
田代湿原に出て一方通行の矢印通りに来た道に戻ります。
中層の雲が上空を覆いつくしてしまい、太陽の光が届かない、どんよりとした天気になってしまいました。
これでは湿原の緑もワタスゲの白もいまいち映えません。
元の分岐点に戻ってきました。
下山中に30~40人の団体とすれ違いました。マイクロバス2台で乗り付けているようです。こんな悪路を通らなければならないのにツアーとかよくやるな。
下山後、Tシャツが汗でぐっしょになったなべ氏は川の水で洗濯し、それをまた着ていました。ワイルドな男だ。
猿倉登山口(12:26)
想定では5時間30分くらいで降りる予定でしたが、随分押して7時間で下山しました。見積もりが毎回甘すぎる。
小さな町の小さな温泉、湯ノ花温泉で汗を流す
再び、うんざりするような悪路を抜けると集落が出現します。街道の両サイドに「南会津 湯ノ花温泉」と書かれた幟が立ち並んでいます。温泉施設が今一つわからなかったので、営業していた「星?店」で聞いてみました。「商」だろうけど、「座」や「屑」だったらロマンあります。
70代くらいのおばあちゃんが座っていて、温泉に尋ねると入浴券を売ってくれました。
共通入浴券200円で、4つの共同浴場に入ることができるようです。それぞれの浴場に管理人がいるわけではないが、誰かに訪ねられたら見せるようにと言われます。最後に入った浴場で、回収箱に入れれば良いらしい。
不思議なクエスト方式です。
我々は男子は混浴の石湯に向かいました。商店前に駐車していいらしく、川の方へ歩いて3~4分ほどの場所にあります。気温は30℃を越え、汗を垂らしながら向かいます。
しばらくすると木の橋がかかり、清流が涼しげに流れています。
川の岸に水車小屋のようにあるのが石湯です。
3mはあろうかという巨岩がめり込んだような掘っ建て小屋。
入浴心得が書かれていました。壱百円(いっぴゃくえん)の表記や部落というキーワードに古めかしいものを感じます。
内部へ。
誰もおらず、気兼ねなく男二人で真っ裸になり、2畳ほどもない湯舟へ。
「熱ッッッツツツ!!!!!」
尋常じゃないほどに湯温が高い。45度以上はありそうです。ホースで水を混ぜれるようになっていましたが、熱い源泉もまた流れ続けているので相殺できず…。一応、肩まで入ってみましたが、耐えきれず数秒で出ました。
ダチョウ俱楽部プレイをしにきたんじゃないんだぞ…。
川の方に出れる扉があるが、別に水につかって冷やせという感じの段差でもなく、意味がよくわからない…。
むろん、真っ裸なので橋の方から丸見えである。
体が温まり、この炎天下。汗を流した分だけ、汗が垂れ流し状態です。
石湯から戻り、メインどころの「弘法の湯」にやってきました。田代山にも弘法堂があったり、弘法様にゆかりがあるんですねえ。
こちらも無人の公衆浴場で、最低限のロッカー(有料)と男女別の脱衣所があります。ドライヤー、洗剤などはありません。
洗い場2つに、2畳半ほどの湯舟がありました。
しかし、ここも石湯ほどではないけど熱かったです。入浴後は洗い場で水シャワーでたっぷりと浴び、汗が出るのを抑止しました。
ひなびた風情のある温泉で、肌寒い季節に入るならいいけど、炎天下の夏には少し酷な温泉でした。
女性にとってはドライヤーがないのは致命的なので、設備の整った温泉施設を探した方が良いかと思います。個人的に真夏の温泉は必ず水風呂が欲しい。
さて、ここからはおまけです。
奥会津の下道を1時間以上ほど走り、西那須塩原インター付近になると千本松牧場があります。ここは栃木県民にとって一度は訪れたことのあるプレイスポットです。
牧場なのでソフトクリームが非常に濃厚で美味です。牧場が営業している時間帯に通過するのであれば、是非立ち寄ってみてください。ジンギスカン料理もやっています。
千本松牧場牛乳も濃厚で美味しいので是非。
牧場を出ると17時前、夕食を食べようということで、牧場から15分ほどのところにある「阿Q」にやってきました。
燧ヶ岳の帰りにも寄りましたが、栃木県の県北にいくつかの店舗がある中華料理店です。安く、デカ盛りを提供する店として、地域の胃袋を支えています。
自分は焼きそばを注文しました。
「阿Q」のソースの甘みと麺の絡みが独特で、グルメ的に絶賛するような味ではないですが、後を引く癖になる味わいです。コアなファンが多いらしいです。量は多いのでシェア前提で注文することをおススメします。
餃子はミキサーで具をすり潰しているのか、少し好きではない感じだった。
とにかく全体的にボリューミー。ラーメンからハンバーグまで、メニューが豊富で一見して、どこにでもある中華料理店ですが、家庭的な味わいで地域に根付いた店です。
食べ終えた後は国道4号線でひたすら南下。
なべ氏の自宅に近いJR小山駅にて解散し、電車で東京へと帰りました。
田代山・帝釈山の登山を終えて
ファイナルファンタジーというファミコンからあるRPGシリーズをご存知でしょうか。田代山はそのファイナルファンタジーの世界に似ている。神秘的な池から生命力が可視化したかのような光の粒がふわふわと浮いてくるようなイメージ。
な、何を言ってるかわからねーと思うけど…。
田代山のワタスゲの最盛期は、6月中旬から7月中旬です。
ワタスゲ以外にもニッコウキスゲやコバイケソウ、オサバ草が咲き、それらが重なるのは6月最終週から7月1週目。今回はベストな日取りでした。
唯一無二の風景が広がる田代山ですが、行くためのハードルがかなり高いです。
- 最盛期は梅雨真っただ中
- アクセスの遠さと登山口まで12キロの悪路の運転
- 尾瀬の登山口が近く、訪れるブランド力不足
しかしながら、ワタスゲ密集度は数ある高層湿原でも群を抜き、レアな花であるオサバ草など、言葉通りに宝の山です。すっかり話題が持ってかれていますが、帝釈山は林道開通前は到達難の深山、幻の山だったそうです。
燧ヶ岳や会津駒ヶ岳も魅力的ですが、田代山・帝釈山も同様に価値のある山でした。
また、ワタスゲが揺れる初夏に訪れたいと思います。
コメント
いつも楽しみに読ませてもらってます。久しぶりの最新の登山記録はやはり鮮度があって面白いですね。
登山口までの悪路問題で、先になりそうですが、いつか登りたいと思いました。
次の更新も楽しみにしてます!
>こうさん
早速のコメントありがとうございます。
なるべく鮮度のある記事も公開していきたいです。しかし年々、写真の枚数と駄文量が増えて、更新ペースが守れなくなってきました。
少しボリュームカットしようと思うと、いつの間にか増えてるみたいなことが続いています。
どうしたものかと…。
是非、田代山登ってみて下さい。行くならレンタカーとかに頼るのもありかもしれませんね。
はじめましてですがツッコミます。
ウラジロヨウラクと記されてるのは、(ベニ)サラサドウダンだと思います。
個人的に一番好きな山の花です。
エルエルさん
はじめまして、コメントありがとうございます。サラドウダンなんですね。確かに。
後ほど訂正させて頂きます。
チングルマやワタスゲもいいですが、形が可愛らしい目によく止まりました。
またのコメントお待ちしております。