2013年6月13日
福島県の会津駒ヶ岳に行ってきました。標高は2133mです。
山頂に高層湿原が広がる山です。しかし、近くの尾瀬ヶ原では、水芭蕉のシーズンも終盤と言う中、6月中旬でも残雪がたっぷりあります。
梅雨に入って天気が安定しない日々が続きます。
土日で登山を計画していましたが、土曜日が豪雨、日曜日に晴れ間の可能性ということで、福島県の檜枝岐村まで旅をしてきました。
会津駒ヶ岳について
地図
駒ヶ岳登山口から往復するコースを歩きました。
コースタイム
- 6:22駒ヶ岳登山口
- 9:15駒の小屋
- 10:05会津駒ヶ岳
- 13:09駒ヶ岳登山口
行動時間は6時間47分でした。
会津駒ヶ岳 登山
檜枝岐村でキャンプして、翌日の登山に備える
当初は土日で、帝釈山・田代山と会津駒ヶ岳に登る計画でしたが、土曜日の天気が悪く日曜日の会津駒ヶ岳だけの登山に変更になりました。
土曜日の日中に宇都宮に集合し、尾瀬へ向けて出発です。
途中、餃子の正嗣の今市店(現在は閉店しています)にて昼食にしました。宇都宮の餃子店といえば、みんみんと正嗣の二大巨塔です。
焼き餃子2人前と水餃子1人前を食べました。この店舗はライスの提供がない、餃子オンリーのストイックスタイル。
テイクアウトがメインなので仕方ないですが、旅行者としてはライスが食べたい…。
鬼怒川温泉郷を抜け山間部に入ると、栃木の秘境である男鹿高原にに入ります。野岩鉄道会津鬼怒川線の男鹿高原駅は、関東屈指の秘境駅だとか…。
川治ダムを越えたあたりで、土砂降りになりました。
宇都宮は晴れていたので、帝釈山をサクッと登山するかという目論見は外れました。
豪雨の中、福島県の桧枝岐村のキャンプ場に到着しました。
豪雨の為、キャンプ場は水たまりだらけです。この場所で、テント泊は厳しいのでバンガローを借りました。
「人が全然来ないから5000円でいいよ」
ありがたいことに、管理人のおじさんが通常8000円のところ、値引きしてくれました。
雑魚寝スタイルのバンガロー。雨風しのげてこのスペースが確保できれば万々歳です。
さぁ、男3人の豪華なディナーのはじまりです。
材料は今市(いまいち)市内のスーパーで買いました。牛肉の品揃えが悪くて、豚肉しか買いませんでした。
男だけの料理に小細工は必要ない。切って、焼く。シンプルな焼肉です。
バンガローに屋根つきの小さなテラスがあったので、雨を凌げるので助かりました。
〆はやはり焼きそばです。ごま油を少したらすのが好きです。
20時に男のバーベキューパーティーは宴もたけなわを向かえます。
バンガローのすぐ隣は崖っぷちになっていて、そこを流れる渓流と雨の降りしきる水の音を聞きながら眠りにつきました。
雨上がりの檜枝岐村、会津駒ヶ岳の登山へ
2日目の朝。
男だけのなんの色気もないバンガローから外に出ると、朝靄と小雨が迎えてくれました。
絶好の登山日和です…。
尾瀬の早朝、寒いかと思ったら全然そんなことありませんでした。上に薄手のウェアを羽織るだけで十分でした。
本日、尾瀬の天気予報は、引き続き雨です。
スマートフォンに映る傘マークに愕然としつつも準備を開始します。
朝から辛めのチゲ鍋とチャーハン。
爽やかな朝とは裏腹のメニュー。胃袋が間違いなく仰天していることでしょう。
朝食後、荷物をバンガローに残し、会津駒ヶ岳の登山口へ向け出発します。
朝6時20分に会津駒ヶ岳の登山口駐車場に到着しました。
既に数台の車が停まっていました。ナンバーを見ると横浜から来ている車もありました。
一番近い駐車場に停めることができたので、登山口までは歩いて2分です。
会津駒ヶ岳の登山口に到着です。
奥武蔵をフィールドにしているのぶさんにとって、東北の初舞台です。
傘を差さなくても気にならない程度の小雨の中、山頂を目指して出発です。
会津駒ヶ岳のルートはこちら。山頂までまっすぐな登りです。
入り口にあるこの階段。
40段~50段くらいで、この先に手すりのある階段は一切ありません。何故作ったのか…。
階段を登りきると樹林帯の坂道に入ります。
昨日の豪雨で登山道は泥だらけでした。
露で濡れ、白く輝く新緑を見ることが唯一の楽しみ。
木々の間から見ることのできる景色は、雲に一面覆われています。
これは全く景色を期待できないのでは…。
6月中旬の湿度は高く、風の通り抜けない樹林帯を登るのは、夏山以上に汗をかきます。
しかも、山頂までずっと登りが続くので、水分の消費量がいつもより多くなりました。
白い花。コブシの花かな?
変化もへったくれもない登山道をずっと登り続けること1時間弱。雪が出現しました。
山頂直下にある小屋までの中間地点に到着しました。
水場への分岐があります。
分岐点から少しくだると雪渓があり、その向こうに水場があるようです。
雪渓の下は水が流れているので、踏み抜いてしまうのが非常に怖いので慎重に渡ります。
水場らしいパイプ等はありませんでした。ワイルドに沢の水を汲みました。
水場の隣に本日の高山植物「ショウジョウバカマ」が咲いていました。
放射状に花弁が広がっているので花火のようです。
水場の分岐点から山頂まで2.9キロあります。
変化がまるでない道なので、余計に長く感じてしまいます。
中間地点から数分歩くと土の道は終わり、残雪の道になりました。
斜面は広く道がはっきりわからないため、木に括られているテープを確認しながら登ります。
まったく天気がよくなる気配がありません。
緩やかな斜面なのでノーアイゼンで登ることができます。
雪の下に木が埋もれているので、迂回するのが大変です。
時折、青空が見えましたが、尾瀬方面だけ雨予報なのであまり期待できないのですが…。
前日に山頂にある駒の小屋に泊まったグループが数組降りてきたので、山頂の景色の具合を聞いてみました。
山頂は雲に覆われていて、見晴らしは皆無との回答…。
一部の夏道は露出していましたが、基本的に全部雪の下です。
ちなみに前夜から皆、謎のテンションになっていました。
「俺たちは仲間だッー!!!」
「山頂についたら熱く語り合おうぜ!!!」
「俺たちは友達!いや、ファミリーだ!!!!」
みたいな少年ジャンプの主人公が叫びそうなセリフを大声出しながら歩いていました。
山頂付近は一体は一面雪景色です。
山頂直下は真っ白な雪原で、ポールが立っていないとまるで道がわかりません。
前日の豪雨でかなり薙ぎ倒されたようでしたが、下山する登山者の人が立て直していてくれたみたいです。
登山を開始してから3時間ほどで駒の小屋に到着しました。
山開き前でしたが、しっかり営業していました。
自分たちの奇声に対し、小屋番のおねえさんは「頭のイカれた連中がやってきた」と思ったようです。それからしばらく小屋番のおねえさんと一緒に缶チューハイをあおっている茨城から来たおにいさんと一緒に山トークに華を咲かせていました。
熊の開き!
駒の小屋から20分ほどで山頂です。ザックを小屋に預けて出発します。
空は相変わらずのガスガス状態。
「ガスが深くて展望は期待できないけど、俺たちの絆は深まった!!!」
とかそんなことを言い合いながら登っていると…
「お?」
「おおお?!!」
「うおおおおお!!!??」
「ガスが晴れたー!!!!」
なんと言うことでしょう。先ほどまで深いガスに覆われていのですが、川の水のように流れ去ってくれました。僅か1分ちょっとのことでかなりビックリしました。
雲の上にちょこんと現われたのは、尾瀬の燧ヶ岳(ひうちがたけ)です。
5月に登った至仏山から見た燧ヶ岳。
左奥に会津駒ヶ岳。燧ヶ岳と比べて会津駒ヶ岳の白さが際立ちます。山頂が平たいからでしょうか。
絶望的な状況から一転してこの好天。嬉しくないわけありません。
雲が晴れ渡る光景に目を奪われていた間に既に本来の姿になっている「_さん」
晴れた瞬間、脳の電気パルスが「脱げ」と命令しているとしか思えません。
ひとまず山頂を目指します。
山頂は意外なことに笹と松に覆われている場所にありました。
青空が見え隠れる会津駒ヶ岳の山頂
会津駒ヶ岳山頂に到着です。
しかし、ここでは展望はないため更に奥へと進みます。
会津駒ヶ岳から中門岳へ続く道の方面はどこまでも雲海が広がっていました。
東北の会津磐梯山や飯豊山と言った山々は雲に隠れて見ることができませんでしたが、越後駒ヶ岳や平ヶ岳といった山々を眺めることができました。
この稜線の向こうに中門岳があるそうですが、この時期だと標識はまだ雪に隠れているのでスルーしました。
夏であれば湿原が現れ始めるので、その時に訪れる機会があれば行ってみたいです。
のぶさんも当然のように脱ぎました。
しばし、誰もこないこのポイントで遊びつくしました。
!?
夏までにちゃんと溶け切れるのかと思う程の雪の量です。
再びガスが戻ってきたので、山頂に戻り記念撮影。
冬場だと山頂で僅か数分しか脱がない彼らですが、暖かい季節になると裸になって歩き回れるので楽しそうです。
十分堪能したので小屋まで戻ります。相変わらず裸です。
のぶさんはお腹が冷えるいけないからとシャツを腹部に巻いています。
下山途中に桜が咲いているのを見つけました。
まだまだ山頂は春なのです。
ゴールデンウィークに行った至仏山といい、完全に雪に覆われた印象しかない尾瀬。
湿原とそこに咲く花を見れる本来の尾瀬の姿を見ることができる日は来るのでしょうか…。
半裸のまま小屋へ。
道行く人にどう思われたかは知りませんが、熱い山頂ハントが終わりました。
来たときには見えなかった山頂部が小屋からはっきり見えていました。
駒ヶ岳と名の付くわりには非常になだらかな斜面です。
僅か15分の晴れ間。
その奇跡のタイミングに出会え、東京から遥か遠くの尾瀬に来た甲斐がありました。
下山を開始します。
「会津駒ヶ岳最高だったぜー!!!」
「会駒!Love駒!」
「イエス!!アイコマ!!!ラブコマ!!!」
二人ともアイゼンを着用しましたが、なくても慎重にあるけば全然平気でした。
残雪の斜面はそれはもうスイスイくだれます。わき目も振らず下っていたせいで、若干のコースアウトをしてしまい道を見失ったりもしました。
ようやく下山完了。
標高が下がると同時に上がる湿気と気温の変化にくたくたです。
再びバンガローに戻り、徒歩3分のところにある温泉へと出掛けました。
梅雨の蒸し暑さにやられたおかげで汗だくです。
プールも併設している日帰り温泉施設です。キャンプ場のおじさんが割引券をくれたので、300円で入浴できました。内湯はなく大露天風呂があります。
近くを流れる沢の音を聴きながら入る露天風呂は、緑豊かな木々を眺めながらとても開放感がありました。
尾瀬言えば涼しい高原のイメージがあったのですが、湿気があるせいか半袖十分なくらいでした。
そんな中、余っていたインスタントラーメンで昼食。旅の最後に食べる食事がインスタントラーメン…。
キャンプ場を後にして、栃木へと戻ります。
乾いたアスファルトと緑が濃い山を抜ける道は夏の気配を感じさせてくれました。
途中の道の駅で買った蕎麦ソフト。
真夏日の尾瀬で食べる冷たいソフトクリームは、とても美味しかったです。蕎麦の味が非常に濃かった。
東武線の下今市駅で「_さん」と別れ、のぶさんと共に帰宅の途につきました。
会津駒ヶ岳の登山を終えて
花と湿原の会津駒ヶ岳は、7月下旬から8月上旬の花盛りの時期がベストシーズンです。
うちの母親がこの会津駒ヶ岳に咲く「ハクサンコザクラ」を見たいとのことで、夏にまた来るかもしれません。
僅か15分の貴重な晴れ間。
当日まで曇天もしくは雨の予報だったので、一瞬の展望を垣間見れて本当に幸運でした。
会駒!Love駒!
今度はちゃんと雪に埋もれた尾瀬ではなく、花と緑の尾瀬を堪能したいです。
夏の会津駒ヶ岳の記事
高層湿原が広がる8月に訪れた記事です。
コメント
はじめまして!
いつもブログ楽しく拝見させていただいてます!
いきなりで申し訳ないのですが、登山の時など使ってるカメラはなんですか><?
前の記事を見てみたらcanonEOS-kiss-x4とのっていたのですが。。。
とても素敵な写真をいつもとっているので、参考させていただきたいです!
これから登山の時キチンとしたカメラで取りたいと思っていて、初心者なので、参考までに教えていただけると嬉しいです><!
長文でいきなりごめんなさい!!
>ふりかけさん
はじめまして!
コメントありがとうございます。
こんな拙いブログを見てくださりありがとうございます。
自分の使用しているカメラはまさに「Canon EOS kiss x4」です。レンズは主に標準レンズを使っています。
後は心に磨かれた綺麗なレンズを持って…いや、なんでもないです。
この記事では男の裸が写っていますが、それを素敵とは…。
山で一眼レフカメラを持ち歩くのは大変ですが、その分他の人よりいい写真が撮れるような気がしなくもないです!
写真の性能より、歩いているときにふと見つけた風景を切り取って絵にするそんな感性を身につけたほうがイイですよ!
自分もそれが欲しいです…。
では、もしよろしければまたコメント頂けると幸いです。
お疲れ様です。
今回、veryblueさんも新しい形態へと進化されたのですね。
裸族、おめでとうございます。
裸にカメラとか、パOツとか、やはり威力が凄まじく、目が離せません。
珍しく天気がイマイチだったようですが、男の料理風景や山での様子、とても楽しそうです。
燧ケ岳の写真が少しありましたが、私的には富士山よりもキツかった山です。紫色になった友人のくちびるが印象的な山です。(少しチアノーゼぎみだったのでしょうね。)
アルプスなどの高い山々に登られているveryblueさんなら、軽い山かもしれません。服も脱いで自らも軽いかもしれません。
私も北アルプスなどに挑戦したいなあと思っているので、過去の記事を参考にさせて頂きます。
>GRさん
裸になるには体を鍛え上げないと様にならないので、日頃からの運動を頑張ろうと思います。
またブログのベクトルが変な方向に向かないように気をつけます。
天気は予報どおりに曇りでしたが、山頂で雲がさっーと流れ去る瞬間を見ることができたので満足しました。僅か15分だけの晴れ間でした。
尾瀬の山は残すところ燧ヶ岳を残すのみになりました。
来年当たりにちゃんと花の咲く時期に登りに行こうと思います。そんなキツい山なのですね…。
北アルプスに行くならまずは自分が行った中では、乗鞍岳、焼岳、西穂高岳あたりがとっつきやすいと思います。
燕岳も人気ですね。
北アルプスの報告をお待ちしております。
お久しぶりです!
東北の山も素晴らしいですね!!
いつ見ても楽しそうでうらやましいですw
最近、面白いDVDを見つけまして、ベア・グリルスの
サバイバルゲームって知ってますか?
もし見てなければ、ぜひおススメです^^
>ジュナさん
お久しぶりです!
東北の山は、全国の人が集まるアルプスと違って、地元の人が多く静かで好きです!
ベア・グリルスの「Man VS Wild」は2年前くらいにはまりましたよ!
虫でも腐乱した動物でもひょいぱくっと「重要なたんぱく源」として食べちゃう人ですね。
久しぶりに見たくなりましたー。
こんにちは、いつも楽しく拝見しております。
VERYBLUEさんもついに脱いでしまいましたのですね。
でも小さい写真というのが、まだ心までは裸になり切れていないようですね。
そういえば私は先日、白馬岳へ登りました。
すると山頂には上半身裸の若者が2~3人いました。
山頂で裸になるのは、全国区になりつつあるかもしれません。
>adaさん
こんにちは。
いつも楽しく見て頂きありがとうございます。
夏は人を解放的な気持ちにさせますからね。そりゃ、誰しも裸になってしまうのも頷けます。
adaさんもサザンでも聴きながら開放的に山を楽しんで、「ひと夏の経験」をしてみては。
下今市駅・まさしの餃子下今市店、超地元です!(笑)
夏の山は、都内では30℃を越える日でも残雪があって夏の雪って贅沢な気持ちが味わえるのが魅力ですね!
栃木の山など、いいペースで山に登る機会のあるveryblueさんがうらやましいです!!この夏は、どちらへ登られる予定ですか?(≧∇≦)b
余談ですが、7月中旬に武甲山ぼっち登山して参りました。修行でした(笑)
>むらむらさん
下今市とは!
自分にとって夏の山で感じる風や沢の水といった「涼」は、もはやなくてはならない存在です。
アルプスや八ヶ岳などの各地の山を巡っても栃木の山の持つ雰囲気は、特別な思い入れがあるため好きです。
この夏は既に色々登ってはいますが、北アルプスの槍ヶ岳や立山など登ってみたいです。秋になったらまた栃木の山を登りたいです。
7月の武甲山ですか…。暑さに結構やられたのではないでしょうか@x@;
しかし、ロックアイスを入れた魔法瓶を山頂まで持って行き、炭酸のジュースを注ぎ飲むといつもの10倍おいしいですよ!
こんにちわ!会津駒ケ岳行ってまいりました!曇りの天気予報が一変、驚くほどの快晴になり、雪の残る会駒を堪能できました!
そして会駒が好きになりました!高山植物の咲く時期や紅葉の時期も是非是非行ってみたいですね!駒の小屋のねーさんに次は泊りにきます!と、勢いよく声をかけるくらい天気と相まって素敵な登山となりました。中門岳の標識の所までいきました。中門への稜線が素晴らしかったです。燧ケ岳は勿論、至仏、日光連山、白根、平ヶ岳、苗場山まではっきりと分かりました~!夏には御池から燧ケ岳へ行きたいです~
>bambootakatomoさん
こんにちわ。
会津駒ヶ岳、天気に恵まれたようで良かったですね。
自分はご覧のように消化不良だったので、また行きたいと思っています。
駒の小屋は宿泊代も安く、ゆっくりとした時間が過ごせそうですよね!
雪が解けたら、高層湿原を歩きたいです!