2013年4月14日
山梨県の南アルプスの前衛峰である日向山に行ってきました。標高は1660mです。
広大な南アルプスの山の中でも、市街地から近いためアクセスがしやすい山です。花崗岩が削られてできた山頂は、砂浜のように広がっています。尾白川渓谷は、甲斐駒ヶ岳からの雪解け水が流れる綺麗な渓谷です。
日向山と尾白川渓谷、この二つを楽しんできました。
綺麗な水と新緑の美しい渓谷、海岸のような山頂の旅スタートです。
日向山について
地図
尾白川渓谷を経由する周回コースを歩きました。
尾白川渓谷・日向山 トレッキング
南アルプスの天然水、山梨の清流の尾白川渓谷へ
今回は2月に一緒に伊吹山に行った上様が車を出してくれることになりました。早朝一番の電車で立川駅に向かい、モノレール下の場所で集合しました。
朝の中央道は小仏峠付近で20分ほどの渋滞につかまりましたが、その後は混雑することなく山梨へ。
須玉ICで下道に入り、南アルプス山脈のほうへ車を走らせます。一級河川の尾白川、その先には鋭い頂を持つ甲斐駒ヶ岳が見えました。
途中、道の駅はくしゅうに立ち寄りました。
2年前、八ヶ岳に深夜バスで行ったときにここで休憩しましたが、その時は深夜だったので仮眠をとってる車しかいませんでした。
野菜とフルーツが豊富にそして安く売られていて目移りしました。
例年だと山梨県内では4月中旬が桜の見頃ですが、今年の春はフライングだったためすっかり葉桜。
韮崎にある「わに塚の桜」というのが有名なので、もし来年以降に来る機会があればチェックしてみてください。すっかり桜は散ったと言う情報だったので行きませんでした…。
「白水名水コーナー」
名水百選に選ばれている尾白川の水を汲むことができます。
イケ好かないオフィスにおいてある交換式の水サーバーありますよね。あの青色ボトルタンクに大量に汲んでいる人がいて邪魔でした。
南アルプス天然水でおなじみのサントリーの工場はこの尾白川のそばにあります。
9時53分に尾白川渓谷の駐車場に到着しました。
日向山だけを周回するための駐車場は「矢立石駐車場」になるので注意してください。
20台以上の車が止まっていました。
と、その時
パァン!!パアアアッン!!!!
ビクッッッ!!!?
突然、大きな発砲音が鳴り響きました。
近くに熊が出没して猟友会が出動しているのか!?
そんな一抹の不安を抱えつつ、尾白川渓谷に向け出発しました。
入り口付近にはキャンプ場がありました。
営業しているかどうかわからないほど、事務所は錆付いていました。
歩いて数分で駒ヶ岳神社に到着。
幟(のぼり)に書いてある駒ヶ岳は旧字で「駒ヶ嶽」になってました。
甲斐駒ヶ岳を信仰していた人たちに今から270年前建立された神社だそうです。
ちょうどこの日は「例大祭」をやっていました。4月10日~16日の日曜日に開催されるそうです。
なるほど、さっきの発砲音はこの祭りの開会を知らせるものだったか…。
甲斐駒ヶ岳に登るわけではないけれど、登山祈願をしました。
神社の裏手に尾白川渓谷の入り口の吊り橋があります。
絶壁を歩く、甲斐の雪解け水が流れるトレッキングコース
尾白川渓谷から日向山を周回するルートです。
日向山だけを周回するルート+2時間くらいのコースになります。
道の駅では葉桜だったけど、尾白川渓谷の桜は見頃でした。そんな数は咲いていませんでしたが、渓流と桜はひときわ風流です。
標高差2200mとぶっ飛んだ登山道である「黒戸尾根」も同じ道になります。昔からの修験道なので、登ってみたい気はしますが、5合目あたりでへこたれるのが目に見えてます。
紫色の山つつじが開花していました。
山奥にも春が訪れているんですね。
凍結はしてないと事前に聞いていたのでレッツゴーです。
冒険の匂いがぷんぷんします。
渓谷周遊道として整備されているので階段が充実しています。
最初のポイント千ヶ淵にわずか数分で到着。
美しいエメラルドグリーンをした清流が流れ込む小さな淵があります。
夏場は底も浅いので泳げるそうです。この時期は雪解け水なので、泳いだら凍死しそうな冷たさ。
国語の教科書に載っている田舎を舞台にした小説にありそうな清流です。その地域のガキ大将が都会から来た転校生を馬鹿にする感じのやつ。
ここで、水の流れを一日中昼寝をすることにしました。
置いてかれました。
上から見るとその緑の色が際立ちます。
日本にこんな綺麗な場所があるんですね。もっと渓谷トレッキングしてみたいです。
渓谷沿いに続く周遊道。
周遊道とは名ばかりにアップダウンは激しく、急斜面に沿って作られた道なので、スニーカーではなく登山靴で来るべきです。
最初、コースタイムが長くなると渋っていた女性達は、緑が美しい渓谷に開始15分で来て良かったと感想をこぼしていました。
何個もの滝があります。かすかに虹が架かっていました。
ずっと階段が続くのかと思いきや、尾根沿いの山道も歩きます。
空を見上げると不気味な雲が浮かんでいます。
空に浮かんでいる使徒みたい。
鎖場も登場。
どんどん冒険ちっくになってきました。
開始1時間で旭滝に到着。
ここも下まで降りれれば泳げそうですね。夏に来ようかな…。
完全にコースタイム無視でゆっくり歩いています。
奥に進むに連れてどんどん険しくなる道。
この黄色い花の芽はなんでしょう。
百合ヶ渕に到着。
謎の岩「グドバ岩」があります。Google先生で検索してもグドバという言葉はない模様。
きっとこの渓谷をフィールドとする猟師がグァバが好きなんでしょう。
下を見るとメロンソーダみたいな色している渕があります。
まだ色彩が乏しい山の中に、この輝いた水が違和感ありまくりです。
今日の上様は一人3カメ体勢できました。最近、発売した「GoPro」というカメラで試行錯誤しております。
この小さいカメラで女湯を撮影するとかなんとか。
まだまだ、進みますよ。
尾白側渓谷には小さな橋がいくつもあります。橋の手前には必ず定員が記載されています。
足を踏み外したら10mは落下しそうな道です。
神蛇滝(じんじゃだき)に到着。
この尾白川渓谷の一番の見所で、切り立った岩の上から見ることができる三段の美しい滝です。
「次のコースは?」
「あの滝を登るんだよ」
「え?」
はべらせてみた。
調子に乗るんじゃないとのことで鋭い肘を食らう。
一人撮影部隊上様。
シャッタースピードを遅くして、滝が糸のようになる撮影法。
私にはこんな技術はありません。
まだまだ先に進みます。
看板に書いてあるタイムが全くあてにならないんです。結構ギリギリのタイムで。
繰り返されるアップダウン。いい加減疲れてきました。
大きな吊り橋が見えてきて、渓谷周遊道の一番奥地に到着です。
ここまで辿り着くのはなかなか骨です。ハイキング気分で来たらえらい目にあいます。
さて、我々はここから日向山山頂に向かわねばなりません。
渓谷周遊道は標高はほとんど上がらないため、ここから一気に登りがきつくなります。
ひたすら急登で体力をがんがん削ってきます。
必死の思いで登り、舗装道(だったであろう道)と合流しました。
土砂崩れがあり道は完璧に破壊されていました。
正面の山は茅ヶ岳(かやがたけ)でしょうか…。
日向山を周回する道と合流しました。
ここから日向山の山頂へは1時間の登りです。
東屋で少し休憩をして出発します。
既に時間は13時47分となり、渓谷でだいぶ時間を使ってしまいました。一回の休憩に15分くらいはとってたし…。
日向山の山頂は砂浜と聞いていたのですが、全くそんな景観が現われる様子がありません。
いつまで立っても山道が続きます。
山道が砂浜に変わるはずなんてないんですよ…。
砂だッー!!!
花崗岩で形成された砂浜のような日向山の山頂
いきなり真っ白な砂の斜面が出現してビックリしました。
急展開を向かえて今までの疲れはどこへやら、早く山頂からの景色が拝みたいと足が自然と前に動きます。
花崗岩がむき出しの稜線上に出れば日向山の山頂はもうすぐです。
甲斐駒ヶ岳の山頂を髣髴とさせる光景です。
眺めの良い山頂手前で、お昼ご飯を食べてくることしました。
雲にちょっと隠れてしまった写真しかないのですが、甲斐駒ヶ岳がばっちり見ることができます。
均整が取れ堂々とした山の形が目を引きます。
鳳凰三山(ほうおうさんざん)も見ることができます。地蔵岳のオベリスクは遠くからでも目立ちます。
2800mを越える南アルプスの主峰の雪はまだまだ残っていました。
砂浜みたいということで海の家の定番である焼きそばを作る
瓶入りのホワイトグレープサイダーで乾杯です。
Klean Kanteenにロックアイスを入れて、山頂で冷たい炭酸を飲むのが最高の贅沢。
砂浜と言えば焼きそばを食べるに決まっています。
焼きそば、トマトとパプリカのサラダ、きゅうりの浅漬け、杏仁豆腐(日向夏みかんシロップ)が今回のメニュー。
全部、自分が持ってきました。深夜2時ごろ眠たい目を擦りながら用意しました。
豚肉は生で持ってきても良かったのですが、行程がちょっと長いので一応チャーシューにして持って来ました。
「チャーシュー焼きそば」新たなB級グルメの誕生だ!と思いましたが、クックパッドで検索してみると既にあるでやんの。主婦の網の目をくぐるのはなかなか至難の業です。
天かすを入れてぱりっとした食感を出すのが個人的な好みです。
日向山なので持ってきた日向夏(ひゅうがなつ)。
宮崎で育ったこのフルーツもまさか南アルプスに持ってこられるとは思わなかっただろう。
エイリアンみたいな木の根。
そうしてようやく山頂を目指し始める。
この時点で16時37分。正直、ゆっくりしすぎています。お昼を食べたときちらほらパーティーを見ましたが、すっかりいなくなってます。
山頂西側の雁ヶ原(がんがはら)。
人間サイズの蟻地獄のようです。吸い込まれそう…。
少し地味なとこに立っている山頂の標識。
すでに17時直前なのにようやく山頂って…。
山頂を過ぎると八ヶ岳の展望が良く、裾野から眺めることができます。
空気の澄んでいるときに来ると気持ち良さそうです。
こんな遅くなるなんて聞いてないぞということで、ともみーずにお叱りを受けました。
日が傾き始めたので急いで下山します。
下山道は非常に歩きやすく、1時間半で登れてしまうのも納得です。急な道は一切ありませんでした。
ただ、見所としては何もないので尾白側渓谷のルートを通ってきて正解でした。
尾白川駐車場に行くまでの道が意外と長く大変でした。
最後、駐車場の手前でガサッと森の奥から音がしたので見てみるとカモシカがいました。
今までに浅間山と木曽駒ヶ岳で見てますが、いずれも帰り際。
「また、来いよ」と言われているのでしょうか。
日が暮れる手前で駐車場に到着しました。
アップダウンの多い渓谷からの山頂アタックは大冒険でした。
本日の立ち寄り湯は帰り道にある「尾白の湯べるが」です。
広く新しい日帰り温泉施設で、内湯も露天も広くてのんびり入ることができます。尾白川渓谷の水を利用して沸かしているそうですが、温泉成分はあんまり入ってないのかな?
食後のお飲み物は南アルプスの山脈塩を使った「塩サイダー」を飲みました。汗を流した温泉後に飲むには最高です!山脈から塩なんて取れるんですね…。
だいぶ遅くなりましたが、20時ごろに山梨を発ち東京に帰るのでした。
日向山登山を終えて
コンパクトに山の全てを楽しめる充実したコースでした。
日本百名山などの名山選定されている山があります。登山道の充実度という観点で今回のコースを省みると、多くの名山と引けを取らないものでした。
この日向山に行った人の話を聞くと大抵の場合、高評価です。
日向山の砂浜のような山頂と南アルプスと八ヶ岳の展望、3時間の周回コースでも十二分に楽しめると思います。駐車場からの往復はハイキングにもってこいです。
今回は車で来ましたが、バスも通っているので東京から中央線に乗って来ることも可能です。
とりあえず尾白川渓谷で泳ぎたいです。
コメント
こんにちは。日向山の感想を書かせていただきます。
まず、尾白川の人気さに心打たれこの場所を全然知らなかった事を恥じました。
下山後駒ヶ岳神社にお参りし、いつか行くべき甲斐駒ケ岳黒戸尾根登山口を確認いたしました。売店のおばちゃんの話が興味深かったです。
自分は尾白川駐車場から矢立口駐車場まで歩き、廃道と化した道を錦滝までいきました。
一緒に行った連れはここの道の荒れ方に精神的にやられたと、。
売店のおばちゃんの話ではここの道は直しても直しても土砂崩れとうの頻発でこうなってしまうんだとか。なのでここはもう直さなくなったと言っておりました。
前置きが長くなりましたが、日向山の山頂はこれまで経験したことのない山頂で、(南アルプス事態も初めてなので、、)時間に余裕も持ってきたので2時間もゆっくりしてしまいました。目の前に鎮座する甲斐駒ケ岳が忘れられません。
まだまだ、初心者なので行きたい山が沢山あるので参考にさせていただきます!
ちなみに、僕の最寄り駅はveryblueさんが実家に帰るときに通っているはずです。ご機会があればそのうちご一緒したいですね。僕は平日が休みになってしまうんですがね、、、
bambootakatomoさん
尾白川は本当に綺麗で、歩いていて清々しいです。
夏に入口付近のキャンプ場に泊まって清流遊びに戯れるものよさそうです。
岩壁で構成された渓谷ではないので、崩れやすそうですよね…。たまたま自分たちが通り抜けられたのは運があったのかもしれません。
日向山は花崗岩の山頂で美しいですね。
南アルプスでは甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山なども同じような感じなので楽しみにしてください!
ほうほう、宇都宮線の沿線なのですね。あのあたりに住んでいると高速のアクセスが良くてうらやましいです。
機会があればよろしくお願いします。休みも1週間前であれば取ることが可能です。
そうですね。キャンプも楽しそうですね!
甲斐駒ケ岳と鳳凰三山も今年挑戦出来ればと思ってます!
veryblueさんを拾って東北方面の遠征もよさそうですね!
東北道は勿論、北関東、圏央道も久喜から乗れるようになりましたし、便利になりましたね。でもやっぱり北アルプス方面は遠いですね。
その時はよろしくお願いします!
鳳凰三山も甲斐駒ヶ岳も日帰りじゃ中々大変なので、泊まりながら登ってみてください!
東北はまだまだ行き足りないのですよ。
というか、また登りたい山がたくさんあって困ります。
お気軽によろしくお願いします!
昨日、初めて甲武信岳に西沢渓谷から徳ちゃん新道で登りました。
下山は近丸新道を使いましが、だいぶ荒廃が進んでおりお勧めはできません。徳ちゃん新道が現在の正規ルートと思われます。
甲武信岳は登り5時間ともう少し早く登予定でしたが、久々に弱音を吐く登山となりました。霧降からの女峰山以来かもしれません。
ちなみに東北で今年中に狙ってる山ありますか?あまり遠すぎるときついですが、、、僕は磐梯、安達太良、一切経山には登ってます。
甲武信岳はまだ登ってないのですが、後で後でと言ってるうちに登る機会を逃している山です。
徳ちゃん新道はよく耳にしますが、登りが長くて大変そうな印象です。
自分はこの冬たいした長さを歩いていないので、不安だらけです。
千曲川源流ルートっていうのを歩いてみたいんですよね。石楠花の時期に!
東北は焼石岳に今年は一番行きたいと思っていて、八甲田山、奥入瀬渓谷、白神岳、船形山、帝釈山などなどを登りたいと思っています。