2013年3月10日
神奈川県の南端の温泉街である湯河原の幕山に行ってきました。標高は626mです。
2月上旬から3月上旬、幕山公園の湯河原梅林では、「梅の宴」が開催されます。約四千本の赤や白の梅が花咲き、桜より早くお花見を楽しむことができます。
幕山は梅林を歩いて、1時間ほどで登頂でき、お手軽な軽登山・ハイキングができます。
神奈川県は温暖な海沿いに梅林があり、三浦半島、国府津、小田原にありますが、登山的にはこの幕山の梅林が外せません。
3月中旬、春風が吹き荒れ、大陸からはPM2.5が襲来する中、お花見をしに旅してきました。
幕山について
地図
幕山公園を基点にして、幕山~南郷山を周遊するハイキングコースです。
神奈川県のサイトで「幕山ハイキングコースマップ」が掲載されています。
コースタイム
- 09:29幕山公園
- 10:41幕山
- 12:18南郷山
- 13:28幕山公園
行動時間は3時間59分でした。
休憩多めのゆっくりしたペースです。
幕山ハイキングコース
東海道線に乗って、神奈川県の南端の湯河原へ
小田急線と東海道線を乗り継いで、湯河原駅を目指します。
湯河原の隣は熱海なので、静岡県に隣接している神奈川県です。東京からの移動時間が掛かります。
小田原駅で乗り換えた際に、駅構内に3体のドラえもんがいました。100展ってのをやっているみたいです。
湯河原駅にて下車し、「幕山公園」行きのバスに乗り換えます。
「梅の宴」開催期間中は、臨時便が増発しています。この時も駅前にバスが到着していて、すぐに満員になりました。
9時ちょうどに終点である幕山公園のバス停に到着しました。
幕山公園には入園券200円(2013年当時)の購入が必要でした。
ケチ臭い考えだけど、山を経由してくると、もしかして無料になるのだろうか…。
4000本の梅が彩る、幕山公園の湯河原梅林
公園内に入ると早速、幕山がドーンと迫力ある姿と麓の4000本の梅林の風景が広がります。
まずは、彩り鮮やかなピンク色の梅の花がお出迎えしてくれました。
先月の2月までは、雪山に入り浸っていたので、久しぶりのお花見登山が新鮮で仕方がないです。
公園内には飲食店、お土産屋、たくさんのベンチが並んでいましたが、営業前なのでガランとしていました。
幕山を登る前に湯河原梅林のお花見散策。
公園内には、梅からただよう春の始まる匂いが溢れていました。
続々と人がやってきました。
周辺の話し声から察するに、平日に旅番組で紹介されていたらしいです。
梅林の手前の花壇には菜の花が植えられていました。
梅だけじゃないぞと、椿の花も大きな花を咲かせていました。梅、菜の花、椿、早春の花が一斉に見られました。
さりげなく、幕山って「花の百名山」に選ばれているんですね。
ただ、梅の花で選ばれているわけじゃないんだ…。「タツナミ草」という花が咲くようです。まぁ、梅は人工的に植えられたものだし。
梅のトンネルを歩いて、幕山のハイキング開始
幕山の登山口は麓の梅林の入り口を兼ねているため、登山客と散策する観光客入り混じっていました。
それでは、湯河原梅林の中へ。
湯河原梅林には、たくさんの品種が植えられています。
白加賀、鶯宿、王牡丹、一重緑萼など、よく聞く品種から、珍しい品種まで、たくさんの梅の花が咲いています。
梅のトンネルになっていて、とても華やかな空間です。
手のしらサイズのリュックを背負ったワンちゃんもハイキングしていました。ランチで食べるドックフードを運んでいるのかい?
幕山は観光地、ハイキングコースとは違った一面があります。ロッククライミングの練習スポットになっています。
離れたところから見ると、垂直の巨岩が露出しています。
ロッククライミングができる場所は、登山を数時間した山奥にあったりするので、駐車場からすぐトライできる場所は貴重だそうです。
梅林を飛び交う、メジロ、シジュウカラなどの野鳥を狙う望遠バズーカ装備のカメラマン。梅林の楽しみ方は人それぞれです。
湯河原梅林の宣伝ポスターでよく見る場所を見つけました。斜面全体が白、ピンク、紅に染まっています。
この看板があるところまで来ると湯河原梅林は終了です。ここからは、幕山山頂を目指してのハイキングへと変わります。
先ほどまでは春の風景でしたが、山の上はまだ枯れた木しかない冬の風景です。葉に緑がつき始めるのは、まだ1ヶ月先ですね。
展望の開ける場所に出ました。湯河原の町と相模湾が見えました。ちょこんと飛び出しているのは、真鶴半島です。
真鶴半島にもハイキングコースが整備されています。湯河原に一泊して、歩いてみるのもいいですね。
湯河原梅林の終わりから、登ること30分で、幕山の山頂が見えてきました。
広々とした幕山山頂で、手作りのお菓子を食べる
幕山の山頂に到着しました。
幕山公園を登りはじめて1時間弱かかりました。梅の写真を撮るためにコースを外れて歩いていたりしたので、かなりゆっくりしたペースです。
山頂は広々として、真っ平らなので、休憩をするには最高のスポットです。桜の木があったので、4月に来るとお花見ができるのかな。
それにしても、びっしり人がいます。奥の茂みにまで人がいます。幕山の人気、恐るべしです。
我々もビニールシートを広げて休憩です。
同行者の方が、屋久島で買ってきた「たんかん(みかんの一種)」で、パウンドケーキを作ってきてくれました。サッパリしてて美味しい。
こんな女子力高いお菓子を作れる男子になりたい。
そして、挽きたてのコーヒー美味。
いいな、いつか屋久島に行って、宮之浦岳を登りたいです。まだ、遠い先の未来…。
自分もお菓子を持ってきてしまいました。和菓子だからセーフですよね…。自由が丘に本店がある「黒船」の春限定「桜どら焼き」です。皮がモチモチしてて美味しいです。
写真では伝わりませんが、山頂は遮るものがあまりないので、風が強く、砂埃や枯れ草が飛んできます。
塵が目に入って痛かった…。
源頼朝の伝説が残る自鑑水と南郷山へ
休憩を終えたので、せっかくなので、お隣にある南郷山を目指して、奥へと進んでいきます。コースタイム45分の道のりです。
幕山からは少しだけ標高を落とし、その後は緩やかに登っていきます。
ぎゃー、杉林だ!!
同行者が重度の花粉症なので、「目玉くり抜いて洗いたい」と叫んでいました。ここは植林された杉林です。
しばらく、杉林に沿って進んで行くと、分岐があったので、南郷山方面に進みます。
「鎌倉幕府開運街道」と名がつけられました。調べてみると、神奈川県が選定したコースのようでした。このコースで歩いても面白かったかも。
分岐からすぐの場所に、自鑑水(自害水)がありました。
名前だけ見ると、昔に誰か入水自殺でもしたのかと思いましたが、どうやら違うようです。
源頼朝は平家の追手から逃れ、この地に辿り着き、喉を潤し、水鏡で乱れた髪を結び直すと、平家を破り天下を納める自らの姿が映り、思い留まり、気を強く持ち直したという。
え?あの源頼朝が踏みとどまった場所のようです。この池がなかったら、日本の歴史は大きく変わっていたのか。
私は思った。こんな死んだ池の水なんて飲めないよ。
ま、あくまで伝説ですから、本当かどうかは誰にもわかりません。
南郷山の直下は背丈を越える笹で覆われています。箱根の山って感じで、金時山に登った時もこんな笹の中を歩いたな。
幕山から30分かからないくらいで、南郷山の山頂に到着しました。標高は、幕山より15m低いです。
こちらも山頂が平坦なので、幕山より落ち着いて休憩できます。
南郷山からまた幕山公園へと戻ります。
こちらの道は、自然が豊かで、沢が流れていました。
幕山・南郷山の周回コースを終えて、再び湯河原梅林まで戻ってきました。休憩を含めて計4時間の周回でした。
屋台で湯河原のB級グルメ「担々焼きそば」を食べました。ノンアルコールのウメッシュと共に。ピリッと辛いソースが絡まって、癖になる美味しさでした。
湯河原に残るたぬき伝説から付けられたそうです。
朝と比べこの混み具合!
幕山公園に来る道路は一本道なのですが、渋滞が発生していて路線バスの到着も遅れていました。
湯河原では柑橘類の栽培が非常に盛であるため、道行く露店ではみかんやオレンジが沢山売られていました。
みかんは7~8個詰められたものが100円です。都内で買うと3倍はしますね。
温泉に向かう送迎バスが渋滞で幕山公園まで来れないとのことで、仕方なく歩くことにしました。
みかん畑がそこらにありました。
川に飛ばされたみかんが流れていました。もったいない…。
新幹線の高架を抜けたところで、温泉の送迎バスが通過したので声をかけて乗せてもらいました。
ゆとろ嵯峨沢の湯に入り、小田原で金目鯛を食べる
ゆとろ嵯峨沢の湯。
お値段は1200円とお高いですが、幕山公園から寄るならここが一番近いかな?
露天風呂が五段階にわかれていました。
幕山を登ったであろう登山者で賑わっておりました。
温泉から駅に行く送迎バスがありましたが、時間がまだ先だったので、海沿いの街を歩き、真鶴駅まで歩くことにしました。
すっかり曇天模様ですが、海岸に出て、波打ち際を歩きました。私は内陸県の栃木出身なので、海に出るといまだにテンションがぶち上がります。
軒先で干物を乾燥させていたり、海沿いの街っていつきても新鮮です。
飽きることなく、ダラダラと歩いていたら、いつの間にか真鶴駅に到着しました。ここから、東海道線に乗り、小田原駅を目指します。
小田原城でお馴染みの小田原駅で下車し、夕食のお店を探します。
金目鯛のチラシに釣られて、「さくら」という居酒屋に入りました。梅をみて来たのにね。
ビールで喉を潤し、金目鯛の煮つけを食べました。ふわふわに煮込まれていて、とても美味しかった。ご飯3杯食べてしまいました。
朝早くから集合したのにも関わらず、すっかり夜です。陽が落ちると肌寒く、日中の梅が咲く陽気はどこへやら。
小田急線に乗って、長い帰路に着きました。
幕山ハイキングコースを終えて
お花見と言えば桜ですが、奈良時代までは梅ことだったらしいです。元々は中国から伝わった文化だそうです。その後、遣唐使の廃止などがあり、徐々に桜の人気が高まった歴史があるらしいです。面白いですね。
湯河原梅林の梅の宴はとても見事でした。
海と山が近く、ロケーションも抜群のハイキングでした。湯河原は温泉地、そして有名なラーメン店があったり、観光要素も強いので、来年以降も訪れたいと思います。
これから始まる春登山の「幕開け」に相応しい「幕山」の旅でした。
コメント
いつも素敵な紀行文をありがとうございます。
春の花は綺麗な桃色で、夏に咲く元気な花とは違った美しさがありますね。
昔の人はこの花を見て歌を詠んだのか、などと想うと、
一人でムフムフしてしまいます。
幕山と言えばやはりクライミングですね。
画像にはVERYBLUEさんのクライミング姿が写っていないようですが?
>adaさん
最近は山頂で裸の写真を載せているので、紀行文というより奇行文が正しいかも知れません。
ピンクという言葉がなかった時代は、桜色や桃色という具合に花の色で表現していたようですね。ピンクもまたナデシコの意なので、花と色の結びつきの強さがわかります。
季節ごとに咲く花は、人に対してインスピレーションを与えてくれるようですね。
僕のレベルになると、垂直の壁は重力を操作して歩くことができるのでクライミングという概念はありません。
いつもながらの素敵な写真と楽しい山行報告ありがとうございます。
幕山は行きたいけど、まだ行っていません。
梅の花がかわいらしく素敵なので来年こそは必ず行く!と思いました。
ところで、幕岩の写真が有りませんが、クライミングはされないのですか?チョット残念。
私事ですが、GWは丹沢主脈を南(大倉)から北(東野)へ抜ける予定です。
M田さんの予報では、お天気に恵まれそうなので楽みです。
>マメミさん
来年の開花の時期に行ってみてください。
湯河原まで行く東海道線に始めて乗ったのですが、海沿いを走る電車だったので新鮮でした。
クライミングですが花粉が飛んでおり鼻がむずむずしたため、大事をとってやめておきました。
くそー、花粉さえなければーなー。
丹沢主脈縦走とは凄いですね!
蛭ヶ岳はまだ行ったことがないので、暑くならないうちか涼しくなる秋に行ってみたいです!
余談ですが国産の無農薬レモンが4個入り100円でした。
是非、買って丸かじりして下さい!
幕山さっそく行きたくなりました。明日行ってみます。
山おばさん(ガールという歳ではない(;^ω^))になってからは山に取りつかれています。VERYBLUEさんのブログは本当に参考になります。いつも読ませて頂いています。為になるし分かりやすいし助かっています。
今年は山に出かけるのは3回目ですが もう神奈川県外に行くしかなさそうです。段々遠くなるのでしょうね・・・。
今後も 質問等メールさせて頂きたいので よろしくお願い致します。