
2023年4月22日
埼玉県の皇鈴山に行ってきました。標高は679mです。
今回のメインは、二本木峠のヤマツツジ群生です。コースは二本木峠ハイキングコースを歩きながら、複数の山を巡ります。代表的な山が皇鈴山で、その他にもいくつかの山を登りました。最後は秩父鉄道の波久礼駅まで歩きます。

以前、ヤマツツジの群生地を調べていた際、都心から近い場所にも群生があることを知りました。
秩父方面は自宅から遠いため、しばらく足が遠のいていましたが、ご褒美に秩父名物のみそ豚丼を設定し、旅してきました。
二本木峠・皇鈴山 縦走コース
小川町駅から東秩父村の路線バスで打出バス停

池袋駅で東武東上線に乗り、小川町駅で下車しました。東京にも同じ駅名があるので、検索の時にいちいち選択しないといけないのが面倒です。


山間部の東秩父村を運行するイーグルバスに乗車し、内出(打出)バス停で下車しました。1時間に1,2本しか本数がないので、入念な調査が必要です。

訪れるまで、「東秩父村」の存在を知らなかったのですが、埼玉県内唯一の村らしいです。
今回の見どころである二本木峠〜皇鈴山へは、さまざまなルートでアクセスできると思いますが、バスを利用した最短ルートはおそらく今回の方法です。ゴールの飲食店の営業時間に合わせて、自分はこのコースを選びました。

小さな集落の中に設置された「二本木峠」の看板を頼りに進んでいきます。
二本木峠ハイキングコースを登る


皇鈴山の登山口がありました。ここが正統派の登山口なのかな?
「外秩父七峰縦走ハイキングコース」ってなんだろう?そういうコースがあるのかな。そして、秩父に「内」と「外」の概念があるってことも初耳です。

私有地みたいなコースです。

山間にポツポツと家が建っていて「村」って感じの風景です。


山道に馬頭観音があったり、池袋から1時間ちょっとの雰囲気がまるでないです。

人里から離れて、杉の樹林帯に変わりました。

手厚い看板に沿って登って行きます。


七滝祓戸大神がありました。ただのほったて小屋でしたが、中に何かあるんかな…?

少年漫画だったらストーリーを劇的に変えるアイテムが封印されてそう。

奥には牛のションベンくらいの水量の滝がありました。

4月ですが湿度が高い日で、特に面白みもない山道を汗かきながら登って行きます。


そしたら、今日初のヤマツツジと出会いました。真っ赤な花で、新緑の山の中で主張が際立ってます。
二本木峠のヤマツツジの群生から愛宕山へ

車道に出ると、ヤマツツジの群生がありました。


森の中で、見渡す限り真っ赤な花を咲かせています。正直、想像以上の規模でした。

知らずに車で通過して、この光景に出会ったら、異世界に迷い込んだと思って、むしろ恐怖を感じるかも…。

今回の目的地である二本木峠に到着しました。
丸太の3本柱の看板ってたまにあるけど、このデザインの元ネタがあるのか気になっています。

二本木峠が最大の群生規模があり、これから登る愛宕山から皇鈴山までツツジの群生が続いています。

「二本木峠の山つつじ」について、あまりピンとこない解説がありました。
- 二本木峠はかつて山火事対策工事の拠点だった
- ヤマツツジの自生地で、村民が下方の山からツツジを移植した


休日でしたが、ヤマツツジを鑑賞している人は10人~20人程度で、登山者はあまりいませんでした。それほど、自治体に推されてないし、知る人ぞ知る場所なのかも。


先へ進むため、まず愛宕山を登ります…。関東ふれあいの道の看板だ!!
この看板に出くわすと、「どうせ、こういうところを歩きたいんだろ?」と問いかけられているようで、まるで手のひらの上で踊らされている気がします。

ヤマツツジを横目に見ながら緩やかな坂道です。

ツツジは街なかでもよく見る花ですが、山に自生しているツツジは軽く背丈を超えます。



標高634mの看板がありました。スカイツリーと比べたい気持ちはよくわからない。

愛宕山に到着しました。
特に展望はない山頂です。先ほどの解説にもありましたが、山火事を防止する「火伏せ」といえば愛宕山の愛宕神社で、その本社は京都にあります。

この石碑が守り神でしょうか。

関東ふれあいの道で、今回の区間は「高原牧場を通るみち」らしいです。高原牧場は5月のポピー畑が有名ですね。

う~ん、それにしても曇り空が残念です。


愛宕山を下山して、皇鈴山を目指します。なだらかなアップダウンなので、疲労なく進めます。
皇鈴山はピンクのポストと天空のベンチ

皇鈴山に到着しました。看板が壊れて、地面床置きでした。
「皇鈴(みすず)」って名前はカッコよくてカワイイのに、使う山を間違えたと思う次第です。


山頂は公園のように広々しています。

そして、かなりのキャパの駐車場がありました。

ピンク色のポストが目立ってました。手紙を送るのではなく、景観保護の支援金ポストです。

「どうせここ座りたいんでしょ?」と言わんばかりの展望ベンチがありました。
「天空のベンチ」と名付ければもっと人が来そう。食べ物に「塩」とか「生」とかつければ購買力が上がるように、山にある物には「天空」を付ければホイホイ来ます。


メインどころを終了したので、あとはサクサクと消化していきます。

次は登谷山を目指します。相変わらず、なだらかなアップダウンが続きます。

茱萸ノ木峠を通過しました。「ぐみ」の漢字を初めてみました。難しい…。

ちゃんと、グミの白い花が咲いていました。ビジュアル美味しそうな赤い実を付けるけど、酸っぱくて渋い残念な実です。


このタイミングで、晴れ始めました。1時間ちょっと遅い!青空だとツツジの赤が輝きます。


登谷山に到着しました。「とやさん」と読みます。


通過点の山ながら、埼玉北部から群馬県にかけての平野部の展望が開けています。特に何の感情も湧きません。

奥秩父方面も少しだけ見えます。
百名山で印象薄いほうだけど、秩父方面の山に来ると展望に爪痕を残します。

山頂から一段下がった場所にあるサイコロ状の建物のほうが興味がそそられます。

登谷山を過ぎると車道へ合流します。


桜が猛烈に咲いているレストランの廃墟がありました。
「軽喫茶」と「バーベキュー」と書かれていましたが、共存するワードか?

そして、秩父の山を見ながら、しばらくは車道歩きです。

ソーラーパネルの角度が怖い…。ソーラーパネルのせいで、山の風景もだいぶ変わってしまいました…。
釜山神社の奥之院から下山、風のみちを歩く


釜山神社の参道を進んでいきます。
かつては、熊谷から秩父や甲州(山梨)を往来する古道があったようです。今の国道140号沿いにある荒川はよく氾濫していたのだとか。

秩父の狛犬は「狼」なのですが、アメリカのアニメに出てくる意地悪犬みたいなデザインです。


これまで車道と並走して歩いてきた分、この神社は森の中にひっそりと佇み、より神秘的な空間に感じられました。

釜石神社の奥の院がある「釜伏山」を目指します。
蛇紋岩でできた山らしいです。蛇紋岩の山といえば、尾瀬の至仏山、岩手の早池峰山が有名で、珍しい高山植物が咲きます。

「日本水」と呼ばれる採水ポイントもあるらしい(寄り道に時間がかかりそうだったので、訪れなかったですが)。ちなみに、「やまとみず」と読むとか。ネトウヨが好きそうな名前です。


再び、登山道に変わります。

蛇紋岩(おそらく)の岩場を登ります。濡れると滑るでおなじみの蛇紋岩。


手書きの釜伏山の看板と共に奥の院がありました。

こちらの狛犬はポップな

それでは、奥に進み下山です。

5mくらいの耳かき?ブラシ?のような形状の何かがありました。何ですかね?

突如として急斜面になります。

のどかな里山風景です。とても埼玉とは思えない。


標識にしたがって「風布」を目指します。

下山し、車道に降りてきました。日本水の案内が多くて、行けばよかったかもと後ろ髪を引かれます。

余談ですが、大宮に「駕籠休み」と言う有名なうどん店があり、3回ほど行ったことがありますが、この水を使用しているそうです。めちゃくちゃコシの強い武蔵野うどんです。

ここから波久礼駅を目指しますが、まだまだ先は長いです。


風布の観光案内所みたいなところから、降りると遊歩道があります。


風布川に沿って遊歩道が整備され、日陰になっていて涼しいです。川名から「風のみち歩道」と名がついています。

「日本の里(やまとのさと)」と名付けられた施設があり、レストランが併設していて、蕎麦が食べられるようです。

姥宮神社という神社がありました。時間がないので、立ち寄っていません。

んー、5人くらいよすれ違ったかな?この場所を目的で来る人はいなそうです。駅から遠いし、散歩で利用する人がいる住宅街がないし。






名水が流れる川なのに「風」ってネーミングを変えたら、ちょっとした観光名所になるかもと思った次第でした。

荒川に架かる橋を渡ると波久礼駅は近いです。
丘の上にあるのは亀の井ホテルで、日帰り入浴があります。自分は立ち寄らなかったですが。
焼肉たてがみでみそタレ豚丼、金尾山のつつじまつり

波久礼駅の隣にある「焼肉たてがみ」にやってきました。もう、お腹ペコペコです。

この店のランチ名物は「みそタレの豚丼」です。味噌豚は秩父の名物です。正確にはここは秩父ではなく寄居ですけども。


店内の窓からは、秩父鉄道の電車や貨物車が走っているのが見えます。鉄オタだったら歓喜していたかも。

こちらが豚丼です。炭火で焼いているので、味噌が焼かれた香ばしい匂いがします。セットについてくるキャベツとあおさの味噌汁が嬉しい。あおさの味噌汁一番好きです。


薄切りの豚ですが、味がしっかりしてて、ご飯が進みました。いやー、登山頑張って良かった。

食事を終えた後は、そのまま駅に向かうのではなく、もう一箇所のつつじの名所を訪れます。

金尾山のつつじまつり会場にやってきました。駅からは徒歩15分ほどで、坂道を歩くので結構大変でした。

入場料を支払って入山します。
この年の4月の気温が高く、つつじの見頃は過ぎていたため、半額割引でした。

金尾山は別名「つつじ山」と呼ばれていて、1万株が咲いているのだとか。つつじ列車が運行するなど、PRをしています。

斜面のつつじはまだまだ元気でした。

半分以上は枯れてしまっていました。
二本木峠とは標高が違うから、見頃が重なることはないのかな。


お腹いっぱいなので、もう登りたくないですが、気力で頑張ります。

山頂まで来ると、秩父方面の展望が広がります。手前の山が邪魔をして、シンボルである武甲山は見えないみたい。

見頃で観光できなかったのは残念ですが、のどかな里山風景とツツジの組み合わせは癒しスポットだと思います。

はぐれえきがあらわれた!
ドラクエとコラボしてもいいともいます。


時が止まったような駅舎で、昭和ドラマのセットみたいです。SUICAの入場機の調和のしてなさときたら…。


乗り換える寄居駅まで一駅だけの乗車でしたが、運良くつつじのラッピング電車でした。
いやー、秩父は遠いな遠いなーと言いながら、家まで帰るのでした。
登山を終えて

二本木峠、金尾山と真っ赤なヤマツツジを大量に喰らう旅でした。
単品で見ると地味だったり、車で行けちゃうような山ではありましたが、繋げて歩くと面白要素が多いコースでした。見頃になる4月中旬頃が狙い目です。

遠い遠い文句を言いつつも、郷土色が色濃い秩父周辺の山は毎回満足が高いです。登山歴14年以上ですが、まだまだ歩いていないコースがあるので、これからも楽しませてもらうと思います。
コメント