2012年1月17日
神奈川県の丹沢山・丹沢三峰の縦走に行ってきました。最高峰は丹沢山の1567mです。
丹沢山は丹沢山塊の最高峰ではないけど、日本百名山として、山頂扱いされている山です。また、丹沢三峰は西峰(太礼ノ頭)、中峰(円山木ノ頭)、東峰(本間ノ頭)の総称です。
都内からアクセスがいい丹沢ですが、山地の中心にある丹沢山は登山口から距離があるために到達は容易ではありません。夏は暑く蛭も出没するらしいので倦厭して、秋は時期を逃して行けず、なんだかんだで真冬になってしまいました。
毎度のように思い立ったのが金曜日で、誰も修行でしかないような登山に来てくれないと思い、武甲山以来のぼっち登山で旅してきました。
丹沢山・丹沢三峰の縦走
本厚木駅からバスに乗って三又路バス停へ
時期は日照時間が短い冬-―
歩行距離が長い登山のため出来る限り早い時間に家を出なければありません。ということで4時起き。未明、住宅街の路上で一眼レフカメラで撮影する行為は危険です。というか捕まる。
24時間営業の100円ローソンにてのむヨーグルトを購入し朝食代わりに。これから長い時間歩くというのに整腸作用を高めてどうするんだ。
最寄り駅から本厚木駅までは1時間、その後バスに揺られること40分かかる。一人じゃ話し相手もおらず、暇なので友人に薦められたライトノベルを続きが気になっていたので持って来ちゃいました。この作品は映画化もされるらしいです。
登山の基本と言えば、荷の重量をできるだけ軽くすることなのによりによってハードカバー。
6時45分小田急線本厚木駅-―
厚木に来るとシロコロホルモンが食べたくなりますね。朝だけど。
宮ノ瀬ダム行きのバスがある5番バス停。
こんな早朝にもかかわらず、登山客が列を成していたので一発でわかりました。
立ち客が数人出る満員状態・・・・。いやー朝のおばさんたちは元気だな。口を閉じることができない生物なんだろうか。
えーそんなに人気の登山ルートなのと思っていたら。
仏果山登山口あたりのバス停で大半下車しました。どうやら団体さんだったみたい。
宮ヶ瀬ダムの橋を渡ります。
神奈川県の主要部である横浜や川崎に供給されるダムらしいです。12月には湖畔にクリスマスツリーが飾られてイルミネーションが綺麗らしいです。
終点手前の三又路バス停に到着しました。
自分のほかに登山客4人下車しましたがここ最後、この後に出会うことはありませんでした。どこいったんだろ。
2つ上の看板でヤビツ峠方面に曲がり100mくらい進むと登山口がありました。
丹沢山登山口から丹沢三峰コースへ
登山道を目の前にし、ここから20キロを日没までに歩き通せるのかという不安が歩を躊躇させる。
あ~なんでこんなところに一人で来ちゃったんだろうか。
AM8:00登山開始---
丹沢奥地へ向け出発である。被写体がいないので、自分を撮影しながら登る単独の登山家「栗城史多」ばりのセルフショット。
一人のときくらい登山カードを持ってくるべきなんだろうけど、忘れてしまった・・・。自分が迷ったら誰か無償で助けに来てください。
蛭ヶ岳(ひるがたけ)という名前の山がある通り、丹沢には蛭が出没することは有名。冬なので活動はしてませんが、蚊やアブはよくても蛭だけには血を吸われたくないな。
蛭と言えばスティーブンキング原作の映画「スタンドバイミー」のワンシーン。少年4人が沼から上がったら体中に蛭がひっついて、一人は股間までに・・・・。あのシーンは印象に残ってる。
そんなわけでベン・E・キングの「スタンドバイミー」を口ずさみながら丹沢山へ向かいます。4人じゃなくて1人だけど。
10.7キロ・・・遠いな。
冬季で人気のないルートだけれどしっかり道は踏み固められていて歩きやすいです。
存在意義を疑われる朽ち果てた鹿除けと思われるゲートを潜ります。
看板もしっかり立っていて道を迷う心配はないのですが、山名の下にある距離がどうも心を挫かれる。
今回1人で来る気分になったのも新しいザックを買ったからでもあります。容量は20リットルと小さく、日帰りで大した荷物を持たなければ十分な容量です。
North Face直営のセールで買いました。
1人で歩いて、被写体のない登山道を撮ってもツマラナイ。やはり単独には向いてないのか。
2キロちょっと進んだら分岐がありました。
高畑山に登るルートと迂回するルートで基本的に行き着く先は一緒。そういえば展望台がある写真を見た気がするので山頂を目指します。
8時58分高畑山山頂---
雑草が生い茂っている広い山頂です。展望台はと・・・。
アッー!!!解体されてるー!!
ベンチに座り、ウィダーインゼリーもどき98円を飲んで、体力を蓄えます。
うおおおお。
登る→カメラを回収しに戻る。
9時21分金冷シ---
丹沢にはいくつかこの金冷シがあります。昔、夏場狩りをする猟師が休憩する際に、股を広げて風をそこに受けて体を冷やしたことから付けられた名前・・・だと想像している。
こんなアクロバティックな悪路も・・・。
雪が山陰に現れ始めました。
まだ午前中だというのにこのあたりで初めて人とすれ違いました。時間的に反対側から縦走してたどり着く時間じゃないから山荘泊まりで下山する人かな。
ふとわきから山中を見てみると普通に雪山になっていてびっくり。
金冷シから1時間、特にハイライトもなく一つ目のピークが見えてきました。
10時26分本間ノ頭---
やっとたどり着きました。
地図で現在地を確認。手前の袋はレモンピール。
丹沢らしくアップダウンを経て、いくつものピークを越えて行くことになります。
登って降りては本当にきつい。
特に下っているときは「この下っている分だけ、また登らないといけないのか・・・」と精神的にくるものがあります。
雪がどんどん道に積もってきました。
10時53分 円山木ノ頭---。
あと2.5キロですが、ここからが長い。
降りる登るの繰り返し。
11時10分 太礼ノ頭---。
標高が高くなって、稜線上ということもあり少し寒く感じてきて着込みました。
整備されたいいコースだと思うんですが、いかんせん距離が長い・・・。
完全に雪道になってきました。凍結はしていないのでアイゼンは不要です。雪の上を歩くのは好きですが、疲労がたまってきてぜぇぜぇ。
ついに後200mのとこまで来ました。
このあたりでごく小さな雪の粒が舞い始めました。
最後の道を登ります。
遂にだだ広い山頂が見えました。
展望ゼロ、雪景色の丹沢山の山頂
11時52分 丹沢山山頂 ---
登山初めて1年と数ヶ月ようやく丹沢の奥地「丹沢山」を踏みしめることが出来た瞬間です。
久しぶりのカップラーメンでお昼です。
1畳分くらいある大きいベンチが4つあるのでそこで食べました。この時期、お湯を湧く待ち時間が寒すぎて命取りですね。お湯を入れて90秒、硬麺OK。
後日、サーモスの登山用魔法瓶を購入しました。
山荘の入口にあった温度計はマイナス5度を指していました。もってきたボトルの水が一部凍るくらいの寒さ。
野球グラウンド一つ分はある広い山頂です。はらはらと雪が舞う曇り空なので、眺望は全くありません。
晴れていれば富士山を初め、素晴らしい景色が広がっているはず。丹沢の天候に恵まれることがないんですよね。
この丹沢山から1時間掛ければ丹沢最高峰の蛭ヶ岳があります。いつかは行きたいけど、しばらくはいいかな・・・。
蛭ヶ岳ではなくこの丹沢山が百名山に選定されているのは、きっと蛭ヶ岳まで行くのが辛くて諦めたんじゃないでしょうか。というのがみやじゅんの説。
登山する人にたまにいる特殊な属性「三角点フェチ」
真似して撮影しています。
下山を開始します。
まずは主脈コースを通って、5月以来の塔ノ岳を目指します。
12時半下山開始---
長い長い下山の始まりです。
稜線上の木道を通ります。風除けになる木がないので、風をもろに受けました。
木の枝に薄く霧氷がついていて、白いアーチを演出してくれています。
この道は植生保護のためなのか、だいぶお金掛かってますよね。
いくつもアップダウンを繰り返します。これが晴れていたら気持ちいいコースなんだろうな。
誰にもすれ違わないので、頭がいかれて来たのかもしれない。曇り空に向かって歌を歌い始める。
ガランとした塔ノ岳山頂、大倉尾根を下山する
13時18分 塔ノ岳 ---
小屋が見えてきたようやく塔ノ岳に到着しました。
去年の5月以来の塔ノ岳です。
前回は雨に降られ、今回は雪に降られ、ほんとろくなことがないね。
さすが丹沢で一番人気の山塔ノ岳です。人がいっぱいいます。
ようやく誰もいない登山道の緊張感から開放されて一安心。
13時38分塔ノ岳下山---
小休憩を挟んで大倉方面に下山を開始しました。
人がいる登山道が懐かしい・・・。
ここからは大倉尾根。通称バカ尾根と呼ばれている道です。
ここを登った人のほとんどが「あの登りはきつい」「単調で飽きてくる」という嘆きを聞くので、降りのコースにするのは正解だったのかもしれない。
下界が見えてきました。どうやら曇っているのはこの丹沢山地だけのようで、街には光が差していました。
山荘がところどころにあって、冬季でも営業しているようです。
自分が「しょんべんおやじ」って名づけている登山者がいます。
健脚ですいすい降りていくけれど、前方を歩いている登山者が気付かず、追越が出来なくて足踏み状態になっているおじさんのことです。その姿が、おしっこを我慢している状態に似ていることからです。
2名ほど見ました。
あなたも見たことがあるかも?
木造建築の年季が入った「堀山の家」
手作りの可愛らしいリースが売られていました。
下山中、富士山が見えていることに気付く。
途中からはずっと林道で飽きてしまい音楽を聴きながら歩いてました。
レッドツッペリンのロバート・プラントのような3オクターブのぶっとんだ高音を出したくて練習しました。当たり前ですが、出ませんでした。
1時間くらいで緑色の山荘「駒止小屋」に着きました。営業してなさそうでした。
ツッペリンのセカンドアルバムに収録されている「Bring It On Home」を聴いてモチベーションを上げつつ降る。
登山道が終わり、どうやらエンディングが近づいてきた。何度、早く帰りたいと思ったことか。
ついに登山道が終わり、大倉尾根のゼロ地点に。
きっと同時刻に武道館では会場の全員がZARDの「負けないで」を歌ってくれていることでしょう。
街の中に入ってきました。
野菜の無人販売所があって、大根や柚子なんか置いてありました。値段も100円なので、おじさんらが結構買ってるのを見かけました。
すごい威圧感のある居酒屋がありました・・・。
概観が店名とあわせて黒い。いろんな地方の名物売りすぎじゃ。
15時29分 大倉バス停---
日没を覚悟していましたが、陽のあるうちに帰ってくることができました。ヘッドランプも用意してた。
正義の下山コーラタイム。
バスに乗り込んで帰宅です。長かった・・・。
16時には渋沢駅に到着し、帰宅の途につきました。
丹沢山登山を終えて
近くて遠い丹沢山ようやく制することができました。感無量です。
大倉尾根をピストンでっていうのがメジャーなのかもしれませんが、縦走できる点で自分が今回通ったコースをオススメします。コースタイムはあまり当てにならないと思います。撮影しながらだったり、降りの時は少し早歩きしてたりと安定していないので。
丹沢にはラスボスである蛭ヶ岳を攻略していないので、また近い未来に訪れることになるでしょう。
コメント
adaと申します。
いつも楽しく拝見いたしております。
なんとなんと、このコースを1日で渡り切ったのですか?
一体どんな技を使ったのでしょう…。
(ゴクリ…)
ちなみに私も、3月に友人と丹沢を縦走する計画です。
veryblueさんのような強靭な肉体ではないので、山小屋泊です。
友人は私とは違って強靭なので、途中で見捨てられないように頑張ります。
adaさん
自分は別に強靭な肉体は持ってませんよ。
開始2時間ほどで帰りたいと思うようになり、半べそをかきながら空に独り言を呟きながら歩いていました。
丹沢縦走は山小屋泊で行ったほうがいいですね。更に奥地の蛭ヶ岳はどうしたもんかと思ってます。
はじめまして。最近知ったこのブログにハマり、楽しく拝見しています。(仕事中なのに^^;)
この縦走の逆バージョンを、先月末行ってきました。
ヤビツ峠~塔の岳~丹沢山~宮ケ瀬。 10時間歩きましたよ。。ひたすら登ったり下ったり…。 宮ケ瀬に着いて、バス停で靴脱いだら、左右の足にヒルが3匹ずつ、日帰り温泉で服脱いだら、お腹に1匹…夏場はヒルが本当に多いですね。 丹沢初心者なので、宮ケ瀬方面にヒルがこんなにいるとは。。。 思い出したら寒気がしてきました。
丹沢はまだまだたくさん魅力的な山があるので、楽しみですね。
>okazuさん
はじめまして!
コメントありがとうございます。
うわー…蛭ですか…。
歩いている途中は全然気づかないものなのですかね?お腹にまで取り付かれるまで気づかないとは。
蛭経験がないので、想像するだけでも恐ろしいです….。
東丹沢に出没すると聞いていましたが、宮ヶ瀬にも出るんですね。いい情報を聞きました。
丹沢は都心から近いながら面積は広いですからねー。
登ってみたい山がまだまだあるので、蛭のいなくなる秋口にでも行こうと思います。
また、よろしくお願いします!