
2024年12月28日
千葉県の石射太郎山・高宕山に行ってきました。標高は高宕山の330mです。
君津市にあり、ニホンザルが生息する山域です。巨人伝説が残る石射太郎山や高宕観音のお堂などがあり、3〜4時間の短いコースながら変化に富んでいるため、千葉の隠れた名山と評価されています。

毎年、年末に登山を計画しています。当初は雪山に行く予定でしたが、冬型の気圧配置による天候不良のため、計画を変更しました。
以前から麓のグルメとあわせて訪れたいと思っていた高宕山プランを提案したところ採用され、旅してきました。
石射太郎山・高宕山 ハイキング
コースタイム
- 13:02登山口
- 13:19石射太郎山
- 14:25高宕山
- 15:56登山口
アクアラインで房総半島、「竹岡式ラーメン」を食べる

早朝にアクアラインを通って千葉方面に向かう人の7割は、アウトレットかゴルフ目的だと思います。登山はせいぜい10台ほどではないでしょう。逆張り趣味もいいところです。

本日は登山よりも重要な内容かも知れません。国道127号線の海沿いにある『梅乃屋』を訪れました。
ここは『竹岡式ラーメン』というご当地ラーメンの元祖とされる店です。開店前の10時、すでに10名以上並んでいました。


高倉健が食べてそうな店内、簡潔なおしながきが良きです。通常とチャーシュー麺の差額が100円というバグだったので、チャーシューメンを注文しました。ヤクミもトッピングします。

攻撃力あるビジュアルのラーメンが着丼です。思っていた1.5倍の量です。

おお、なるほどこういう味か…。醤油が濃い!!
竹岡式ラーメンは原始的なラーメンで、チャーシューの醤油ダレを麺の茹で湯で割ったスープに、乾麺を使用するのが特徴です。
ダシの効いたラーメンとは対照的なため、評価に賛否があるのも頷けます。

チャーシューがトロットロで美味しい。味が濃いので、ヤクミの玉ねぎがなかったら辛かったかも。
まさに漁師のような肉体労働のためのラーメンといった印象で、漁師町で生まれるべくして生まれた一杯ですね。

さて、肉体労働の登山前に、ラーメン屋から数分の「東善寺」に寄り道しました。

切通しの名所だそうです。
石切り場で有名な鋸山が近いこともあり、同じ技法で切り出されているのだとか。50~60代くらいのバイクツーリングおじさん達が熱心に撮影してました。

口の中が塩辛いので、千葉県産ピーナッツシェイクでリフレッシュしました。
「この後、登山とか考えられなくね?」とか、言い始める始末です。
巨人が名付け親の石射太郎山、富士山は見えず

海沿いから内陸に移動し、「石射太郎山 登山口」に到着しました。駐車場キャパは20台もないと思いますが、ほぼ満車でした。
ええ、そんな人気の山なの…?
失礼ですが、かなり意外でした。

それでは、登山開始です。
まずは、石射太朗山を目指します。登りは40分なので、気が楽です。


6体のお地蔵さんが並んでいました。赤い前掛けが新品同様でした。「天然記念物 高宕山のサル生息地」と大きな石碑がありました。


登りの傾斜はそこそこ急ですが、危なげな箇所なく登れます。所々、岩を切り出した部分を見ることができます。

広場のような場所に出ると、山頂は間近です。

スイセンの群生があり、ちらほらと花を咲かせていました。

サルの生息地の解説がありました。高宕山~石射太郎山は、ニホンザル生息地になっていて、餌付けされているようです。

餌付小屋がありました。タイミングが合えば、餌付の様子が見れるのかも?今回は猿は一匹も見かけませんでした。

一瞬、山頂方面がわからなくなりましたが、柵の奥に山頂に続く道を発見しました。


片側が崖になっているので、歩きにくい斜面でした。

石射太郎山の簡素な山頂に到着です。
西側の内陸方面の展望があります。房総半島って、高い山がないだけで、山だらけですね…。

これから向かう高宕山の山々が遠くに見えます。
昔、ある巨人が高宕山北方の高い山の上にある大きな石に向かって、鹿野山から矢を射ったところ、石は遥か南方の谷間まで射とばされました。その時に巨人の口から出た「石射太郎」という言葉から名付けられた。
「石射太郎」という珍しい名前について由来がありましたが、謎が更に深まる由来でした。ちなみに、「石射」という名字は神奈川県の厚木あたりに多いらしいです。
ニホンザルの生息地らしい高宕山の稜線、猿は見れず

石井太郎山を後にして、高宕山を目指します。

富士山・東京湾展望台がありました。

富士山の努力不足により、雲に隠れて見えませんでした。三浦と房総に挟まれた浦賀水道がよく見えました。


石射太郎山~高宕山は「ああ、ここもそうだったの?!」で、おなじみの「関東ふれあいの道」の一部でした。サブタイトルは「ニホンザルと出会うみち」だそうです。

ニホンザルでもいれば盛り上がるのでしょうが、稜線区間はただひたすら樹林帯を無心で歩くことになります。所々、荒れているのは数年前の台風の影響です。


樹林帯を進むと突如、狛犬、仁王像、そして長い石段が出現します。仁王像は顔上半分を喪失してて、ちょっと怖い…。

登山口から離れているので、突然の人工物が不思議です。

階段を登りきると、巨大な岩山の中に石塔がありました。

その先には、岩山に食い込んだ高宕観音のお堂がありました。自然と融合していて、ディズニーランドみたいなファンタージーさがあります。

お堂の正面は展望が開けていて、雄大な千葉の山岳地帯を眺めることができます。斜面側にはトンネルがありました。

人面犬みたいな石像が怖い…。

お動の裏手にあるくり抜かれた穴の先に登山道が続いています。

ディズニーランドのトムソーヤ島でこんな場所があった気がする。

しばらく、樹林帯の稜線歩いたところで、山頂へ続くハシゴが出てきました。


山頂はパックリ2つに割れた岩山のようです。その間に、鎖とハシゴが設置されています。
標高330mの高宕山の山頂、山頂は狭い岩の上

高宕山の山頂に到着です。
標高330mは鋸山と同じ標高で、標高333mの東京タワーより低いです。

山頂はとても狭く、周囲は絶壁です。落下したら無事ではいられないでしょう。

風景に圧倒的な華を持たせてくれる富士山は相変わらず雲隠れです。

高宕山から南側はフラットな大地に見えて、山深いです。高宕山と一字違いの県内最高峰「愛宕山」が見えているのかな?自衛隊の基地内で、登るには申請が必要だとか。

ちなみに、高宕山は「関東百名山」の一座に選定されています。
世の中から、映画やテレビ、Youtubeなどの映像娯楽が全てなくなったら、完登を目指すかも…しれない。
険しい下山と荒廃した高宕林道


高宕山から下山します。周回するので、別のコースで下山します。
この下山コースは道が明瞭じゃないのとロープが張った箇所が多く、なかなか険しかったです。

巨岩の側面を歩いたり、変化に富みます。


素材そのままの石段があったり、アスレチック要素強めです。

樹林帯の区間はピンクテープを辿るようにして下山しました。

高宕大滝があるらしいですが、水気はありませんでした。雨の直後とかに来れば出現する?

駐車場へはしばらく車道ですが、自然に還りつつある高宕林道を歩きます。

ハイエースくらいのサイズだと通行できないトンネルがあります。


崖に作られた側道を歩きます。
長野~富山県の黒部ダムにある「下ノ廊下」を歩いている気分になれます。

土砂崩れの後に、かろうじて作られたと思われる細い砂利道を通るときは、ヒヤッとしました。ロープは張られておらず、滑り落ちると50m以上斜面を落下します。


最後のトンネルを潜りゴールです。
下山の方が時間がかかったので、周回するより往復コースの方が短時間で済むようです。
サンセット露天風呂、漁師料理かなやでなめろう丼と浜焼き

天然温泉「海辺の湯」で汗を流しました。
東京湾を一望できる露天風呂があり、海風を浴びながらサンセットは爽快でした。そのまま、隣りにある「漁師料理かなや」で夕ご飯です。

大型バスツアーが乗り付ける大食堂ですが、年末ということもあり空いていました。海鮮パーティーの忘年会です。


千葉県最強の郷土料理の「なめろう」を丼でいただきます。新鮮なアジとネギが味噌と絡まって、実に美味しい。

ちょっぴり値はするけど奮発して、貝を中心とした「浜焼き」をいただきました。


浜焼き食べると醤油ってすごいソースだと改めて思う。味が濃いのに、対象の味は全く殺さないから…。
「海に近い山に登ったら海鮮を食べる。」
これは登山哲学の一つであると言える。

食事後は移動して、浜金谷港で「のこぎり山バームクーヘン」をお土産に購入しました。

登山の後に、海ほたるから煌々と輝く東京の光を眺めるのもまた格別です。

東京駅解散という初めてのパターンでした。丸ビルの中に入ると、マリオのイベントをやっていました。

登山ザックを背負ったまま、東京駅を見渡せる定番のフォトスポットに立ち寄り、そのまま帰路につきました。実は昨年の年末も登山の格好で東京駅を歩き回っていたので、これで2年連続です。
石射太郎山・高宕山の登山を終えて

房総半島の山では鋸山、伊予ヶ岳、烏場山、養老渓谷など、数多くはないですが登ってきましたが、今回の高宕山は”本格”要素のある山でした。奥深い場所に史跡があったり、巨岩を削ったトンネルや山頂など短時間ながら飽きませんでした。ニホンザルに遭遇できなかったのは心残りです。

漁師が食べる竹岡式ラーメン、漁師が作るなめろうと漁師グルメの旅でしたが、登山も楽しく、良い1日になりました。
房総半島で新たな山を開拓し、グルメやキャンプなどのアクティビティをプラスするのも、今後の選択肢に入ってきそうです。
コメント