5月2日午後2時45分ごろ、栃木県日光市中宮祠の男体山(標高2486メートル)で、川崎市川崎区の団体職員の男性(25)が遭難し、知人女性が日光市消防本部に通報した。
https://mainichi.jp/articles/20200503/k00/00m/040/176000c
栃木県の男体山で遭難事件が発生しました。
ゴールデンウィーク中、軽装で残雪のある山に登って遭難する、言ってしまえばよくある事件。しかし、新型コロナウィルスによる外出自粛要請の出ている最中と言うこともあって、世間からは猛バッシングを受けるニュースになっているようです。
男体山は一体どんな山か?
標高2486mの男体山は、栃木県の奥日光にあります。関東地方では実質的に日光白根山(奥白根山)に次ぐ、二番目に高さ。全国的に見たらかなり高い標高です。
普通一つの山には複数の登山ルートがありますが、男体山は二つのルートしかありません。そして、登山者の9割以上が麓の二荒山神社から登る表参道ルートを利用します。この表参道ルートは分かれ道のない一本道なので、雪のない時期また平時であれば遭難確率は極めて低いコースです。
難易度は危険度は低いものの、麓から山頂までずーっと登りなので、スタミナの要求される山です。登りで大体3時間~3時間半かかります。
もう一つの特徴として、男体山は国立公園ではなく、二荒山神社の私有地であるのが特徴です。開山している期間は5月から11月まで、それ以外の期間では入山禁止です。
今回の遭難事故について
要点を太字にしています。このご時世にやってはいけない事だらけ。
ラーメン特盛トッピングマシマシ+サイドメニューのミニ丼のようなシチュエーションです。
栃木県日光市の男体山(標高2486メートル)で2日午後2時半ごろ、単独で登山していた川崎市川崎区の団体職員の男性(25)が遭難し、知人を通して日光消防署に救助を要請した。栃木県防災ヘリが出動し、約1時間半後に救出された。男性は足に軽い凍傷を負ったという。
男体山は奥日光の中禅寺湖沿いにあり、百名山の一つ。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で、先月25日に予定されていた開山が延期され、立ち入り禁止になっていた。
県警日光署によると、男性は電車とバスを乗り継いで現地に入り、2日午前7時ごろ、日光二荒山神社にある閉門された登山口の脇から登山道に入り、頂上まで登った。下山途中に道に迷い、知人女性を通じて救助を求めた。足を滑らせて靴が脱げ、靴がないまま1時間ほど残雪の中をさまよい歩いたため、両足に軽い凍傷を負ったという。
救助活動は標高2200メートル付近の上空でヘリコプターがホバリング(空中停止)し、遭難した男性をつり上げて機内に収容したという。男性は反省の言葉を述べているという。
神奈川県川崎の自宅なのか職場かはわかりませんが、仮に川崎から出発したとすると、京急で浅草で東武線に乗り換え、そこから奥日光行きのバスに乗ったのでしょう。日帰りだとすると大移動を伴う登山です。
昨今のご時世の中で、よく決行したな…と思います。
登山バスが各地で運休していますから、探しに探して路線バスで行ける男体山だったのでしょう。たぶんですが、立ち入り禁止も承知だったと思います。初心者がいきなり男体山は行きません(自分は初めての登山が男体山だったけど…)
ゴールデンウィーク期間中だと登山道の上の方は残雪があります。登山靴に軽アイゼンは必要です。靴がすっぽ抜けたとあるので登山靴ではなく、トレランシューズ、もしくは運動靴程度だったのかもしれません。
ちょっと疑問なのが、知人女性を通じて救助ってのも謎。知人女性がどういう立場なのかは不明ですが、彼女なのかな…。25歳と言う年齢であれば、両親を頼ってもよさそうなもの。余談ですけど。
男体山遭難のニュースの反響
山岳救助隊の隊員が新型コロナウイルスに感染した疑いで自宅待機していたことが分かりました。
https://news.livedoor.com/article/detail/18189495/
4月28日に長野県の八ヶ岳で、救助した遭難者が感染疑いがあり、山岳救助隊が自宅待機になる事件があったばかり。ますます、登山に対する世間の目は非常に冷たいです。登山をやらない人にとっては、登山は不要不急ですから、仕方のないことです。
こういう輩は死ななきゃわからないのだから助ける必要はないと思うよ。
しかも入院って、、、これ以上医療機関に負担かけるなよ
無事で何より。 ただし、名前を公開し、救出に伴う費用は支払うべき。 一生後悔すればよい。
ニュースのコメント欄は、それはもう辛らつな意見しかなく、擁護は一つも見当たりませんでした。
自分は誰がいつどこに登ろうが、名前が公開されようがされまいが、本人が社会的制裁されようがされまいが、あまり興味はないです。会ったことない他人ですし。この状況下でも登山に行く人は行きますし、世間が絶対許さないのも事実です。
平時と比べて目に見えない重さのない巨大な荷物を背負っている状態です。多くのお叱りを受けるのは当然ですが、家族や友人の信頼、あまつさえ職を失う可能性も十分あります。
自分には代償が大きすぎて、その重圧をとても背負っては登れません…。
比較的、若い登山者の事件が全国ニュースになりがちですが、関西地方では高齢者の遭難事故・死亡事故が増えています。
いつか男体山の山頂から朝日を眺めたい
ちなみに男体山は地元の山と言うこともあり、お気に入りの山ベストです。
過去に5回登っています。苦労して登りきった山頂に待つ大剣、眼下に見下ろす中禅寺湖。広大な関東平野と果てに見える富士山。
登りきった達成感を噛みしめながらの山頂からの眺めは言葉にならないくらいに素晴らしいです。
そして、男体山の御来光登拝に参加し、朝日を眺めたいです。
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