2023年2月26日
埼玉県の大高取山・越生梅林に行ってきました。標高は376mです。
「越生町」は、埼玉県西部にある人口1万人の小さな町です。越生梅林は関東三大梅林の一つで、1350年ごろから梅の木が植えられ、歴史のある梅林です。
また、「ハイキングのまち」として町興しをしており、たくさんのハイキングコースが整備されています。
暖かくなってきた、雪が降らなくなった、花粉症がひどくなった、街におかしい人が増えたなど、「春が来た」と感じる要素は多々ある。その中でも、梅の開花は冬と春の明確な境界線だと思っています。
以前、関八州見晴台の帰りに越生梅林の存在を知り、梅の花咲く越生町を旅してきました。
大高取山・越生梅林について
地図
越生駅を基点にした周回コースを歩きました。
越生町観光協会が作成したハイキングマップが配布されています。
コースタイム
- 9:29越生駅
- 10:01高取山
- 11:07大高取山
- 11:50~12:33越生梅林
梅林散策~酒造見学~岩井屋で食事
- 14:10越生駅
行動時間は4時間41分でした。
大高取山・越生梅林 ハイキング
東武越生線に乗って越生駅、梅とハイキングのまち
越生駅にやってきました。
池袋から東武東上線に乗り、坂戸で東武越生線に乗り換えました。また、JR八高線の駅でもあります。チコリーとロマネスコのサラダみたいに、マイナー同士の駅。
9時20分着の便でしたが、意外と乗客がいました。みんな、梅林を見に来ているのかな…。ハイキング客もチラホラ見かけます。
駅前にコンビニは無いですが、個人商店がやっていたので、総菜パンとご当地の梅ドリンクをゲット。
やはり、梅を前面に推しだしていますね。
まず、大高取山を目指すので、駅正面の道を真っすぐに進んでいきます。
越生は「ハイキングのまち」として売り出しているようです。梅林が有名ですが、桜、つつじの名所があるようです。オンラインで「越生町ハイキングマップ」が見れるので、参考にしてみて下さい。
ハイカーを誘致することで、経済効果が得られるか、個人的には懐疑的ですけど。
報恩寺の境内を通過しました。
それでは、ハイキングコースまでは看板に沿っていくのですが、「世界無名戦士之墓」の方向へと進んでいきます。
住宅街をしばらく歩いていると、越生神社の石碑がありました。
「ハイカーの守り神」と書かれた看板が!?
山道みたいですが、どうやら神社に入れるようです。
越生神社の境内に入りました。
高取山の麓にある神社で、創建年代は不明だそうです。社務所は閉鎖されていて、日常的に無人の神社なのだろうか。
ハイキング祈願で、お参りしておきました。
境内の中に「子ノ権現」を見つけました。これがハイカーの守り神のようです。
建立当初に「ハイカー」と言う英語が存在したかはわかりませんが、ご利益として足腰が良くなるようです。まさに、「ハイキングのまち」を謳うだけあります。
境内には梅の花が咲いていて、最初の越生の梅です。
武蔵おごせハイキングコース、筑波山を眺める高取山
神社に隣接する形で、わかりやすいハイキングコース入口を発見しました。
「武蔵おごせハイキングコース」と名が付いているようです。
まずは、高取山の山頂を目指すわけですが、山頂まではたったの300mです。
入口を入るとすぐに分岐がありました。最終的な山頂は、大高取山ですが、労力が変わらなそうだし、高取山経由の道を選択します。
前半は緩やか、後半は急です。
あ、ちなみに今回のコースですが、国民を苦しめ続ける純度100%杉林の中を歩きます。
越生神社の奥宮がある高取山、遠くには筑波山が見える
それほど、時間はかからず山頂です。鳥居と越生神社の奥宮がありました。
最後は階段状になっていました。
標高170m、高取山の山頂に到着しました。
越生町観光協会が作ったとても簡易的な山頂看板が設置されていました。山名以外はマジックで書かれてます。
奥宮の正面は、杉林がない配慮(?)がされているので、展望が開けています。
東の方角なので、茨城県の筑波山が見えました。東松山市かな?この周辺は森が広大です。
奥宮の周辺は神域になっていて、しめ縄で飾られたご神木のような巨大な木がありました。
都心の眺めが良い幕岩展望台
高取山から再びハイキングコースに合流します。
途中、入口にも表示があったけど、世界無名戦士之墓の分岐がありました。中二の心をキャッチするワードで、立ち寄ろうかと思ったけども…。
調べると、大戦後に遺族不明の方のお墓があるようです。詳しくは越生町のサイトに記載があります。
白石様と書かれたポイント。
石灰岩の塊が露出しています。
石灰岩と言えば、同じく埼玉の秩父にある武甲山の採掘が有名です。この辺も採掘していたのかな?
杉林の中に光が射すと、ぼんやりとする時があるのは花粉が舞っているからだろうか。
幕岩の分岐があり、展望の良さそうなスポットらしいので、立ち寄ってみます。少しだけ下ることになります。
展望台になっていて、休憩できるスペースになっていました。高齢者グループが昼食を取っていて、ラーメンの匂いが充満してました。
幕岩展望台は南東側が開けていて、東京都心方面の展望が見えました。
スカイツリーが見え、東京都心のビル群が立ち並んでいます。
幕岩が正直どれかはわからなかったけど、筍のようにニョキっと生えてる石灰岩かな?
幕岩展望台を後にして、大高取山に向けてハイキング再開。ハイキングコースとは言え、ちゃんとした登山道だけど。
大高取山の本線に合流しました。
一時、反対方向の桂木観音の方に進んでしまいましたけども。
梅の花の形をした看板、大高取山の山頂
標高376m、大高取山の山頂に到着です。
梅の花デザインの看板で、メジロが描かれていました。越生10名山なるものの一座みたいです。2022年5月に選定された新生の名山です。
山梨県大月市のような「秀麗富岳十二景」のようなメジャーな存在になれるでしょうか。なれないかな…。
知る人ぞ知る「ご当地名山」は、上記の記事でまとめています。
山頂看板がある方角だけ、植林がされていないので、展望はそこそこ良いです。幕岩展望台の方が見える範囲が広いとは思いますけども。
やたら立派な三角点も設置されていました。
大高取山の山頂を後にし、越生梅林へと下山します。
途中、何の起伏もない登山道に標高304mの神ノ座山がありました。
こ、これが神の座でしょうか。何とも素朴な「座」でした。
分岐がありました、「うめその梅の駅」は、道の駅のようにお土産が購入できる施設です。特に要は無かったので、梅園神社方面に進んでいきます。
県道を走る車の音が近づいてきて、杉林が終わったらハイキングコース終了です。
まだ、梅林は先ですが、民家の畑にも梅の木があります。
というわけで、ハイキングはここで終了です。
県道に沿って越生梅林へと歩いて行きます。
梅と福寿草が咲く、春爛漫の越生梅林
ハイキングコースから5分程で越生梅林に到着しました。せっかくの看板なのに「梅林」の文字が隠れてしまっているじゃないか…。
入園料400円でした。
入口に張り出してあった開花情報だと、梅は7分咲きと見頃の手前でした。3月上旬~中旬が最盛期みたいです。
夕方~夜にかけて、梅の花のライトアップをやっているらしい。梅のライトアップってどうなんだろ…。
入口がプレハブ小屋だったので、「もしかしてショボい⁇」と、一瞬思いましたが、かなり奥まで梅林が広がっていました。
全体的には七分咲きでしたが、中には満開状態の個体もあり、タイミングは良かったかなと。
歴史は1350年頃にあり、ルーツは福岡県の大宰府だそうです。
越生梅林は関東三大梅林の一つで、その他には、茨城県水戸市の偕楽園と神奈川県小田原市の曽我梅林です。
曽我丘陵はハイキングで行ったことがあります。偕楽園は、梅が咲いていない時期に歩いたことがある。
園内には小さい列車が走っていて、子供が楽しめるアトラクションがあります。
梅の木の下には、黄色い花を咲かせる福寿草が咲いています。花に全く興味がないとタンポポだと思っちゃうよな。梅同様に2月~3月に開花する早春の花で、梅を追いかけるようにして花を付けます。
通常の梅より赤色が濃い紅梅も咲いていました。
ロウバイも咲いていて、周囲数メートルに甘い香りを漂わせていました。
人だかりができていると思って見たら、お猿さんの興行でした。
梅林の奥は売店が20店舗くらいズラリと並び、お花見会場になっていました。
2021年、2022年とお花見イベントはコロナで中止になってましたから、いつも通りの春が戻って来たって感じですねぇ。
売店も出ていて、ご当地のお酒やジュースが売られています。梅の他にもゆずが特産のようで、ゆずエール、チューハイが売っていました。
もちろん、梅干しも販売していて、B級品はたっぷり入って安く購入できます。越生梅林の固有種のべに梅の梅干し買いました。
小田原特産の印象がある十郎梅も置いてありました。
梅はよく食べる方なので、お得に梅を買えたので、実質、入園料が無料になったようなものです。
梅の実がなるのは、ここから3ヶ月の6月頃でしょうか。
もし、広い庭のある家に住んでいたら、梅の木を植えて、毎年「梅仕事」するのが夢。
それでは梅林を後にして、越生駅へと戻ります。
梅林〜越生駅間は路線バス(梅祭り中は臨時バス)が出ていますが、徒歩で移動します。
ちなみに、越生梅林から近い場所に「越生温泉 梅の湯」があり、汗を流すことが出来ます。今日は汗を全然かかなかったから寄りませんでした。
梅林から2キロくらいは渋滞が発生していました。人気なんだな…。
佐藤酒造で梅酒を買って、岩井屋で味噌カツ丼を食べる
梅林から歩いて10分もしないところに佐藤酒造があります。
「越生梅林」をブランド名として、日本酒と梅酒を展開しています。
「山廃」って名前の日本酒いいですね。ネットスラングの「ネトゲ廃人」があるように、登山に狂って抜け出せない「登山廃人」にプレゼントすると喜ばれるかも。
たくさん梅を見た反射で、梅酒の小瓶を購入しました。
酒造の正面に露店が出ていて、五平餅を売っていました。たっぷりのくるみ味噌が美味しい。露天をやっている人が、夜はクラブのママらしく、膝をついて渡されましたよ。
越生駅までてくてく、20分くらいは歩いたかな。
途中、ピンク色のオブジェ、レトロな看板を無造作に展示している変わった家?博物館?がありました。越生の名物ハウスだろうか。
本日の昼食は越生駅から徒歩7〜8分のところにある「岩井屋」に立ち寄りました。
メニューに「越生名物」と書いてあった味噌カツ丼を注文しました。味噌カツと言ったら名古屋だけど、埼玉で食べる味噌カツもいいもんです。
見た目は一緒だけど、断面を見ると違いがわかる。こちらは「梅味噌カツ丼」で、この店の個性派カツ丼です。ミルフィーユ状の豚肉に梅肉が挟んであります。
味噌カツはコッテリ、梅味噌はあっさり、ボリューム満点美味しかったです。
ただ、カツ丼をいただくほどのカロリー消費をハイキングでしていないけど。五平餅も食べちゃったし…。
お腹いっぱいにして、再び越生駅へと向かいます。途中、美容室の出窓にいた猫かわいい。
ぐるりと一周、越生駅まで戻ってきました。車道歩きが何だかんだ疲れました。
越生駅からは高取山が見えました。山中の白い建物が「世界無名戦士之墓」だったのかな。
帰りはガラガラだった越生線に乗って帰ります。次に乗る日が来るのはいつのことか…。
勢いで買った梅ドリンクたち。
青梅を買って梅シロップ作りたいが、青梅の時期はまだ後出しなぁ。
べに梅の梅干しは、次のハイキングで、おにぎりの具に入れたいと思います。
大高取山・越生梅林のハイキングを終えて
久々に梅見ハイキングに出かけて、春の訪れを感じ、3年に及んだコロナ明けを感じる旅でした。毎年開催していたイベントやお祭りが復活し、さまざまな行事が戻っていく1年になりそうです。殺人的な都内の電車混雑や大会議室に関係者をとりあえず集合させる会議は、戻らないことを祈るばかりです。
埼玉県の越生はそこそこ都内から距離があり、遠出する割に「山の魅力度が低い?」と思っていましたが、越生梅林、梅商品、酒造、味噌カツ丼など、とても充実したコース内容でした。
越生はハイキングの街、またツツジや桜、あじさいの群生があるらしく、近い内に訪れる機会があるかもしれません。
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