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【Mt.Radio】夏山からの登山再開はするのか – Part.11

夏山から登山再開

本格的に始まるゴールデンウイークの登山客を抑制するため、北アルプスなどの主要登山口の駐車場を閉鎖するよう管理者に依頼する考えを明らかにした。春山シーズンは例年、県外を含む多くの登山客でにぎわうことから、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために「限りなく登山客ゼロを目指す」としている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200428-00000069-mai-soci

ゴールデンウィーク中、長野県では登山の自粛を登山者に限らず、事業者にも呼び掛けています。登山口への電車・バスなどのアクセスを封鎖し、入山できない措置をとっています。

北アルプスに限らず、全国の主要な山・山域では登山者をお断りしている現状です。

登山の最盛期は7月~9月にかけての夏です。全国の登山者が気になるのは「夏山から登山は再開するのか」でしょう。

2020年5月15日時点の記事です

大きく変化するこれからの登山

わたすげ

予め、一つだけわかっていることを言うとコロナ終息後であったとしても、例年と同じ登山はできないということです。

登山が感染拡大を助長するかと言うと決してそう思いませんが、世界全体がそうであるように、登山業界もまた大きくスタイルが変化すると思います。

細かいところをあげると切りがありませんが、大きく変化するのは山小屋と交通機関の二つだと思います。

大きく変化するところ①~山小屋~

最も影響を受けるのが真っ先に山小屋。

夏山にでかける登山者であれば当然ご存知だと思いますが、夏の山小屋は超がつく「密」であり、衛生環境は下界と比べてよくないです。

山小屋のコロナ対策
  • 十分なスペースを確保する(予約制にする)
  • 登山者一人一人にマスク持参させる
  • 共有の食器を使うようなことはしない
  • 消毒・清掃を徹底する
  • 寝具用のシーツを持参する
  • 団体予約は受付しない
  • マスク着用で就寝

上記のような対策で運営が考えられているようです。

営業する小屋に宿泊する場合、登山者一人一人が気を付ける必要が十分にあります。どちらにせよ、小屋の管理者やスタッフの負担はかなり大きい。

対策が取れないと判断した山小屋は、既に今年いっぱいの営業を休止決定しているところもチラホラある状況です。

大きく変化するところ②~交通機関~

登山専用の夜行バスは出るのか。

マイカーがない場合、さわやか信州号、アルペン号のような都心から出発の夜行バスを利用しなければなりません。現在では7月下旬まで運休していますが、都心で感染者が発生し続ける限り、夏に営業開始しない可能性があります。

そして、登山者用のバスって、大体4列シートですからね…。

バス以外にも夏のロープウェイは、登山者・観光客をぎゅうぎゅうに詰め込んで運行しています。定員を引き下げる可能性は十分にあり、登山口に立つことができないという状況すらあります。

例えば、木曽駒ヶ岳のロープウェイなんて、夏の週末なんてただでさえ1時間~2時間待つわけですし、かといって麓から歩いたら相当時間かかりますし。

夏山の再開は現在厳しい状況

飯豊山

富士宮ルートでは9つの山小屋で作る組合が26日この夏の営業について話し合い休業を決めました。休業により登山者の安全登山が難しくなるため、組合は県に登山道開通の取りやめを要望しています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200429-00000007-sut-l22

4/29のニュースですが、富士山の小屋は夏の休業を決定しています。

また、事故が発生した場合の安全が確保されなくなるため、登山道の閉鎖が検討がされています。夏山の再開は厳しい状況にあるようです。

登山者が向かうのはアルプス・八ヶ岳方面ですが、そちらについても同じことが言えます。ライフラインの小屋が休業=登山道の閉鎖があり、ゴールデンウィークに引き続き、北アルプスの観光地・上高地でさえ、閉鎖される状況があり得ます。

遭難や滑落と言った安全登山に加えて、新型コロナからの安全確保がプラスされたことによる、ダブルの負担は山を関係としている事業者にとって、相当頭を抱える問題だと想像できます。

これだけ登山文化が一般に浸透した後のパンデミックは前例がないと思うので、新規のガイドラインをまとめ、それを関係者が把握するのは、相当な大変ではないでしょうか…。

標高2800mの稜線上の山小屋に宿泊した登山者。夜に高熱が発生、コロナのような症状。ヘリで緊急搬送、検査をした結果、コロナ陽性判明。

という最悪なケースの場合、小屋は休業するのか、休業はどのくらいの期間か、従業員は下山させるのか、下山する方法は、除染する方法は、他の宿泊者の追跡、他の小屋に移動していないか。

そもそも、コロナかどうかもわからない高熱の登山者をヘリ搬送なんてさせてくれるのか…。ヘリの運用も切迫していると聞きます。天候ももちろん影響します。諸々の費用をどこが負担するのか…。これらの対策が果たして夏に間に合うんでしょうか…。非常に難しいように思えます。

夏山再開に向けて自分ができること

瑞牆山

各都道府県・自治体の方針、山小屋など一人一人の登山者がコロナ後の新しいルールを受け入れる必要があります。また、刻々と変化する規制と緩和は明確で、常に最新の情報を把握しておく必要があります。

山関連の最新情報は調べるのは大変です。最新情報がホームページだったり、Facebookだったり、Twitterだったり、本当にバラバラなのです。そもそも、情報掲載がどこにもない場合もあります。個人でまとめているサイトがあるようですが、本当に最新かどうか怪しいしいので、リンク先の公式から情報を得るようにするのが最善です。

登山口について、今日の小屋泊、テント泊は定員に達しました。お帰り下さいみたいな悲しいことがあるかも知れません…。

そして、新しいルールに適応できない登山者がいると思います。例えばですが、マスク着用ルールが決められた小屋で、食事中にマスクを着用していない人がいて、スタッフや他の登山者と揉めたり…。適応できない登山者ならまだしも、マイルールが絶対と思っている非常識な登山者もいます。そして、今年いっぱい自粛を続ける登山者もいます。

コロナ後の変化によって、大なり小なりトラブルは発生すると思います。そして、大きなトラブルになった場合は、GW中に様々な事故が起きた後の反響の通り、登山に対する世間の目は非常に厳しいです。

その為にもこの夏は、例年通りの登山はできないことを受け入れ、コロナ後の新しいルールを守り、最新の情報に気を配り続けることが大切です。

ちなみに自分は自分が住んでいる地域が解除され、行き先がウェルカムな状態になれば、行くつもりです。そして、日帰り登山がメインになるかなと思います。

コメント

  1. いわゆる「正義マン」的な登山者が登場すると思うんですよね。
    登山口で注意、すれ違う時に注意、山頂でも注意みたいな。で、トラブルも発生すると。
    殺伐とした雰囲気の山行が増えないと良いのですが。。

    もちろん個々が気を付ける、意識を持つ事は大前提ですけどね。

    • 自分が正義と思っている人は絶対に登場しますよ。
      殺伐とした雰囲気に出くわすと思っていますし、大丈夫とわかっていても頭の隅にあると思います。
      自分だって「マスクつけてないのかよ」「なんか距離近くない」と思って過ごしています。
      トイレ並んでるときにマスクしないで咳払いされると過剰に反応しそうです。

      なるべく、登山がストレスにならないように過ごす方法を模索しようと思います。

  2. こんばんは、いつも楽しくブログを見させてもらっています。
    登山の今後、コロナの今後、どう折り合いをつけて行くのか悩ましいところです。
    個人的には登山者や小屋利用者の人数制限が良いのかなって気もしますが
    全ての登山道に監視員を置くわけにもいかないですし、簡単には行かないですね。

    自分の目下の悩みはグループ登山をどうするかです。
    普段全く別々の地域で生活している者達と同じ車で移動となると、山小屋並みの密ですし
    車内で会話やおやつ類の受け渡しまで行ったりすれば最早、危険レベルの感染リスクとなってしまいます。
    公共交通機関も出来れば避けたいところです。
    マイカーで現地集合、現地解散が望ましいのでしょうが、それだとグループ登山のメリットが薄れますし
    そもそも車を持たないメンバーもいるのでなかなか厳しい。
    しばらくは単独登山にしようと思っていますが、いつかグループ登山も再開させたい
    でも、なかなか難しいですね。

    • コメントありがとうございます。

      本当に単純じゃないですね…。
      ソロ登山が増えたら増えたで、ただでさえ駐車場が足りない人気の登山口とかどうなってしまうのか…。
      例えば、駐車料金を2000円とか3000円の高額にすれば、単独が減る一方で、グループが増える…。

      私はグループ登山を好むので、同じように悩ましいところです。
      色んな方法があると思いますが、その時、その山によって最善の方法を見つけるしかありませんね。

      精神面でも大きく変わると思います。
      ソロ登山者がグループ登山を嫌うような傾向もあると思います。

      しばらくはそんなストレスはあると思いますが、再開できるといいですねぇ。

  3. いつも楽しく拝見しています。今は過去の記事を読ませていただいて、妄想登山しています。
    私はテント泊愛好者ですが、この夏行けるでしょうか?
    山好きはみんな仲間だと思っているのに、山で嫌な思いするなんて、哀しすぎます。ルールを守って、みんなで登山を守りたいですね。
    今後のご活躍も楽しみにしています。

    • コメントありがとうございます。
      ルールが統一されて、誰もがきちんと理解すれば摩擦は発生しないともうのですが、
      コロナと言う異常事態の前には難しいところですね。
      はじめて直面する1年は多少混乱はあるものの、月日が経てば確実によくなってくると思います。
      それも、今までもダメだった部分が改善されるといいかもしれませんねぇ。

  4. 自分はウイルスなんかより、人が怖いです。
    SNSでは登山者同士で批判の応酬ばかりですし、登山して遭難してしまった人の名前を公開しろみたいなことを言っている著名人もいます。
    登山界のこんな殺伐とした雰囲気のせいで、今後登山愛好者が減って、山小屋の経営や登山道の整備に影響が出なければ良いのですが…

    • 登山好きに悪い人はいないと言いますが、あくまで自分の周りだけの話だったと思います。
      ただ、誰も悪いわけでなく、全員が正しいと思っているんですよね。

      殺伐とした場面は必ず出ると思います。もしかすると自分自身が火種となるかもしれません。
      体調万全だったけど、山荘に宿泊していたら喉がやられたり、熱を出したりすることもありました。
      登山界のみならず、社会全体、世界全体、そして一人一人を変化させてしまうコロナは本当に恐ろしいです。

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