どうも、夜行バス登山家です。今宵は夜行バスを利用した登山について紹介します。
ここでいう夜行バスは登山者用の「さわやか信州号」、「毎日あるぺん号」ではありません。東京~大阪、東京~広島などの都市間を深夜に運行しているバスです。
この夜行バスを利用することによって、登山活動の範囲が劇的に広がります。
夜行バス登山に向いている人
夜行バス登山はいろいろ制約があるため、特定の登山者しか向いていません。なので、以下に該当しないとこの記事に内容を見ても意味がありません。
- 夜行バス発着ターミナルまで、1時間以内のところに住んでいる
- 単独登山向け
- 交通費にお金をかけることができる
もちろん、夜行バスが許容できるかが前提です。快適なバスが増えていますが、それでも夜行バスの旅は過酷です。当然ですが、マイカー持ちで夜行バスを利用する人はほぼ皆無です。山脈を跨ぐような縦走に使う人はいます。
夜行バス発着ターミナルまで、1時間以内のところに住んでいる
夜行バスの発着は新宿駅もしくは東京駅がほとんどです。
金曜日の夜、早々に帰宅し、お風呂を済ませて、準備しておいた荷物をもって、駅に向かうのはかなり至難です。夜行バスの出発に間に合う場所に住んでいないとアウトです。
単独登山向け
予約のことを考えるとグループ登山には向いてません。
1か月前から予約していれば問題ありませんが、直前で天気が変わると言うこともありますし、直前予約の時に面倒です。
交通費にお金をかけることができる
「夜行バス=安い」というイメージですが、帰りの交通手段を考えると高くつきます。
常識的な社会人なら帰りはさすがに新幹線を利用したいところです。帰りも夜行バスだと、翌日の仕事はポンコツで使い物になりません。学生ならまだしも、マジでお勧めしません。
夜行バスを利用して登れる山はどこか
実際どこの山に登れるか、いくつかサンプルをまとめてみました。
東京基準なので悪しからず。
山 | 都道府県 | 解説 |
---|---|---|
岩木山 | 青森 | 津軽富士の名称で親しまれる名峰 |
八甲田山 | 青森 | 世界屈指の豪雪、でも冬でも行ける |
鳥海山 | 山形・秋田 | 日本海にそびえる孤高の独立峰 |
秋田駒ヶ岳 | 秋田 | 高山植物が豊富な火山 |
飯豊山 | 福島・山形・新潟 | 東北のロングトレイルを縦走する |
立山 | 富山 | 日本有数の霊山、アクセスは便利 |
白山 | 石川 | 北陸の花の名峰、金沢から路線バスで |
伊吹山 | 滋賀・岐阜 | 琵琶湖の東にそびえる霊峰 |
剣山 | 徳島 | 笹尾根が雄大な四国の名峰 |
石鎚山 | 愛媛 | 四国最高峰、紅葉が素晴らしい |
伯耆大山 | 鳥取 | 山陰の独立峰、夏もいいけど冬もいい |
六甲山 | 兵庫 | 六甲おろしで有名で親しまれている山 |
東京基準の出発だと北は青森、南は福岡まで夜行バスが出ています。夜行バスを降りてから、現地の電車や路線バスに乗り換えて、地方の有名な山は大体登ることができます。
ただし、日本百名山など、知名度がある山じゃないと、路線バスが出ていなかったりするので、 その場合はタクシーかレンタカーを利用するしかありません。百名山は路線バスがありますが、二百名山くらいになると登山口までのバスがない場合が多いです(残念ながら)
北海道・九州はさすがに飛行機を利用した方が良いです。さすがに鉄道大好きじゃないと辛い。
夜行バスの登山プラン
では実際に、夜行バス登山プランのサンプルを3つほど紹介します。
夜行バスプラン①~高山植物で有名な秋田駒ヶ岳の日帰り
ムーミン谷の高山植物で有名な東北の秋田県にある秋田駒ヶ岳の夜行バス日帰り登山プランです。
- 22:30東京駅八重洲口
9時間30分の夜行バス移動
- 8:00田沢湖駅
- 8:15田沢湖駅バス停
- 9:14駒ヶ岳八合目登山口
秋田駒ヶ岳の登山(5時間)
- 15:15
駒ヶ岳八合目登山口 - 15:40
アルパこまくさ温泉に入る
- 16:50
アルパこまくさ - 17:24
田沢湖駅バス停新幹線の時間まで食事、もしくは途中下車して田沢湖を散策
- 19:12田沢湖駅
秋田新幹線を利用
- 22:04東京駅
東京から570キロ以上離れた、秋田駒ヶ岳の登山が日帰り24時間で可能です。
23時頃には帰宅して、秋田で買ったいぶりがっこを肴に田沢湖ビールでを飲んで、24時には就寝できます。日曜日はまるまるネットフリックスで映画を見てダラダラ過ごせます。素晴らしい休日ではありませんか?
日帰り登山に交通費、その他もろもろで3万円を払えるかというのが問題ですけど…。
せっかく秋田まで行ったのだったら、乳頭温泉郷に泊まって、岩手周辺の山をもう一座くらい登ったほうが良いかと思います。
夜行バスプラン②~紅葉の石鎚山の縦走登山プラン
四国最高峰の石鎚山にも夜行バスを利用して登ることが可能です。
表参道から登り、山頂の小屋に宿泊、下山は別の登山口から降りています。公共交通機関をフルに使ったプランで、1泊2日ながら大充実のプランでした。こちらはブログ記事を参考にしてください。
たいへん長い記事ですが…。
夜行バスプラン③~最北の百名山、利尻山の北海道プラン
最北の百名山である利尻山、こちらにも夜行バスで行くことが可能です。
会社帰りの金曜日に札幌へフライト、札幌から稚内フェリーまで夜行バス移動、フェリーで利尻山登山の往復、高速バスで札幌、東京へフライト。
このようなトリッキーな裏技を使えば、料金を抑えて、あの利尻山の登山が1泊2日(1泊3日?)で可能になります。
夜行バスを少しでも快適に過ごすには
荷物を制限したり、睡眠が十分取れなかったり、バスを降りたら体がガチガチで、そこからの登山は結構辛いですが…。
最低限、夜行バスの三種の神器を用意しましょう。サービスエリア休憩の際、車内のライトが点灯するので、必須アイテム。耳栓もあったほうがいいです。マスクは乾燥対策。
ネックピローはあってもいいですが、登山の時に邪魔になります。百均でも売っているので、使い捨てをしてもいいかもしません。
夜行バスでは寝れない人はとことん寝れません。その場合は諦めて、リラックスできる音楽を用意し、最低限のストレス解消に努めましょう。
夜行バス登山のまとめ
夜行バスを利用すると登山の幅が広がります。
夜行バスを利用した登山の利点をまとめてみました。「マイカーがなくても、地方の山に登れる」です。 夜行バスを使うことによって、行動範囲は大きく広がり、地方の駅から出ている登山口へ行く、始発便のバスに乗れます。
一日の時間を最大限使えるのも大きな利点です。秋田駒ヶ岳の例のように帰りに新幹線を使えば、マイカーよりも短い移動時間で、帰宅することができます。
夜行バスを使った登山プランを是非検討してみてください。
もし夜行バスを利用した画期的なプランをご存知でしたら、コメントをお待ちしております。
コメント
北海道の百名山の一つ「羅臼岳」のアプローチには札幌からウトロに行く夜行バス「知床ライナー」が使えます。道外の方でも新千歳空港へは日本各地の多くの空港から便があるし、主要都市からは格安航空会社が多数運航しているので意外と安く行けます。
余談ですが、飛行機にガスボンベは持ち込めませんので、札幌駅のコンビニ受け取りでボンベを送り(アマゾンで購入)、バスに乗る前に受け取りました。
>いたぞうさん
コメントありがとうございます。
自分は利尻山に行く時に名前は忘れましたが、夜行バスを利用しました。確かに知床行きのバスがあったなぁと覚えております。
羅臼岳にも行けるのは朗報ですね。
コンビニ受け取りはいいですね。新千歳空港に早朝もしくは夜遅くに着くと店がやってないですし…。
羅臼岳は登山口にある小屋で、自由に使ってくださいと余ったガス缶の置き場があった気がします。え、わざわざ買いに走った意味はとなった思い出があります。
羅臼岳はガスガスになってしまったので、また行こうと思っています。一人で行く度胸がないのですが…。
確かに登山口の木下小屋に残ったガスボンベを置いて来ましたが「御自由にお使い下さい」には気づきませんでした。でも確実にあるという保証もないのでちょっと当てにしかねます。
ウトロのバスターミナルには大きいコインロッカーがありました。下山後登山口のホテル地の涯で泊まるならウトロまでの送迎、荷物の一時預かりもしてらえます。
私はホテルに荷物を預け、羅臼岳から硫黄山経由でカムイワッカ湯の滝まで縦走し2日後にホテルで泊まって次の日に女満別から直行便で帰りました。
札幌に戻るバスは夜行じゃないので残念です。
夜行バスは高齢者には厳しいかなー、睡眠不足で相方がダウンしました
あの硫黄山ルートを縦走したのですね。羨ましい。
自分じゃ怖くて中々…。
女満別空港から直行便はさすがに利用しますね。知床⇒札幌を昼にずっと移動するのはもったいない気がしますね。
私も同様に利尻山では帰りは稚内空港を利用しました。
稚内空港の高い料金を払わないためにずっと陸でマイル貯めてました。
また、絶対に羅臼岳に登りに行きます。