2017年1月22日
群馬県の赤城山に行ってきました。標高は最高峰の黒檜山で1828mです。
関東地方では有名な山の一つで、群馬県を代表する山です。冬は凍り付いた大沼でのワカサギ釣りが有名ですが、それほど難易度が高くないので、雪山登山者も多いです。日本海から吹き付ける冷たい風によって、条件に恵まれれれば、山の斜面の森に霧氷が発生します。
冬の赤城山に訪れるのは3回目で、1回目はガスで降りてきて捻挫、2回目は記事にしてませんが、快晴だけど霧氷ゼロの惨憺たる結果でした。
今回は赤城山の気象条件を学習した上で、パーフェクトな条件の霧氷を見に、冬の群馬県を旅してきました。
冬の赤城山について
地図
前橋市のホームページに赤城山の地図が掲載されています。
コースタイム
- 11:29黒檜山登山口
- 12:53黒檜山
- 14:21駒ヶ岳
- 14:58駒ヶ岳登山口
行動時間は3時間29分でした。
最高峰の黒檜山から駒ヶ岳への周回コースを歩きました。
霧氷の発生条件
霧氷の見頃は12月から2月です。
赤城山で霧氷を見る攻略法は、赤城山山頂ライブカメラを確認するのが一番です。登山する前日に以下を確認します。
- 山頂の気温が氷点下
- 風速がそこそこ(7~8m以上)ある。
- ライブカメラを見て、山頂に雲がかかっている
そして、当日に晴れ予報が出ればGoです。
冬の赤城山 霧氷登山
路線バスに乗れず、タクシーを呼んで赤城山へ
赤城高原を車で目指します。しかし、同行してくれた人の車はノーマルタイヤなので登山口へとそのまま行くのは自殺行為。
ですが、JR前橋駅から赤城山行きの路線バスが出ているので問題ありません。なので、雪道ではなさそう、かつ駐車場がある富士見温泉から途中乗車する計画を立てました。
しかし、富士見温泉にバスが来て驚愕。登山者がパンパンに詰まっていました。アメリカのポップコーンの袋くらいに詰まっていました。
乗れるスペースが全然なく、乗客からも運転手からも「乗車を諦めろ」の無言の圧力。ということで、まさかのバスに乗れず登山断念という形になりました…。
ちなみに前回は前橋駅からバスに乗りました。路線バスなのに、お土産にタオルをくれる素敵なバスでした。現在、もらえるかは知りませんが…。
諦めるわけにはいかず、タクシーを召喚することができ、事なきを得ました。
麓は雪は全くないからっからだったけど、山道を入って数十分で雪景色になる赤城山。
順調にいくかと思っていたら、運転手+我々4人の重さのせいか、タイヤが空転する事態になりました。チェーンスパイクを履き、タクシーを押して乗り越える場面がありました。
バスに乗れない、タクシーが空転すると、トラブル続きでしたが、正面に見える赤城山は、思惑通りに霧氷が出来上がっている様子です。ようやく、安堵できました。
赤城神社付近でタクシーを降車。時間は10時45分と、バスで到着する予定の40分オーバーのスタートとなってしまいました。
登山の前に、大沼湖畔にある赤城神社を参拝していきます。
赤城神社は大沼の畔にある神社です。冬は大沼は雪原になるので、神社との境界がわからない形になってます。
冬の赤城山と言えば、ワカサギ釣りのレジャーが有名。一回、トライしたことありますが、日も明けぬ早朝から4人で挑んで成果はまさかのゼロ。バラエティ番組だったらお蔵になる釣果っぷり。売店で唐揚げだけ食べて、群馬大田でシュラスコだけ食べて帰った思い出があります。
真っ白な雪景色の中、朱色の社殿が美しい赤城神社。
赤城神社は伝説に起因して、女性の願いを叶えてくれる「女性の願掛け神社」として公式ホームページでも紹介されています。
なので、お守りやら絵馬やら、パステルカラーの女性向けデザインのものが多かったです。
メンズはこの場所に立っていると願いが叶うかもしれません。冬にこの神社まで来る女性は切実だろうし。
参拝を終えて、登山口へと向かいます。
赤城山と言えば、最高峰の黒檜山と駒ヶ岳を周回するコースが定番です。どっち側から登るか選択しますが、黒檜山から登ることを選択。
登山口まで向かっていくと、大型バスに乗りつけている団体がいました。うへぇ。
富士山も見える霧氷の森、黒檜山へ続く登山道
黒檜山の登山口に到着しました。早々に急斜面なので、入口でアイゼンを装着しました。
黒檜山までは標高差600m、コースタイム短めではありますが、等高線がギュッと詰まったストイックな坂道です。
この日は、前日に雪が降ったので、さらさらした雪でコンディションは良好。遅い出発なので、踏み跡も明瞭でした。
しばらく登っていると、大沼を見渡せるポイントがありました。黒い点々としている場所が、ワカサギ釣りのテント村です。
想定外の雪の量に足が埋もれ、ヒイヒイ言いながら登っていきます。
そして、いよいよ霧氷へ突入しました。
3回目にして、「これぞ冬の赤城山」と呼べる霧氷ワールドに出会えました。
枝の一本一本が凍り付いて、白く輝く光景はまさに神秘です。
地図上に猫岩と書かれたポイントかどうかは不明ですが、展望の開ける場所がありました。斜面にせり出した雪庇に気を付けながら、眺めを楽しむことができます。
目を凝らしてみると、富士山が見えました。
金峰山や瑞牆山のある奥秩父山塊が目の前にありますが、頭だけ出ている富士山が見えます。群馬県は、「富士見・ふじみ」と付く地名多いので、富士山への憧れが強かったのかな。
正面のアンテナが建っている山は地蔵岳でしょうか。
大沼湖面にはテントが30張くらい見えます。今日は果たして連れているのか。
ちなみに、この大沼でのワカサギ釣りは難易度が高めで、魚群探知機でも駆使しないと厳しいと教わりました。やる前に知っておけば…。
ワカサギが大量に釣れると思って、天ぷらにするための小麦粉、油、めんつゆを持ち込み、ワクワクしながら氷に穴を開けた思い出。釣果ゼロ。
登山前に参拝した赤城神社。駐車場と湖の境目がわからない。
さて、ここからの登りは、ずっと霧氷の森の中を歩けるようです。
まるで、童話やゲームの世界に紛れ込んだようなフィールドです。
霧氷のできる条件の山は、ざっくりですが、日本列島を日本海と太平洋で真っ二つにして、真ん中から太平洋側に寄った位置にある山。
赤城山はまさにその位置にあるわけで、ここまでの霧氷が見られるわけです。
ちなみに、冬山で見られる霧氷と言っても、樹氷、粗氷、樹霜の3つに分類されるようです。赤城山のものは樹氷だが、ものによっては粗氷だったり、樹霜だったりする。素人目にはよくわからない。
「赤城おろし」「上州のからっ風」という言葉がある。
冬の間は、赤城山の麓にある街には、冷たく乾いた強風が吹きおろされる。そんな過酷な環境で自転車を漕ぐ学生は、パンパンに足がパンプアップしているとか。
そんな乾いた風が生まれるのは、この赤城山が水蒸気や雨を雪に変えて、吸収しているからなのです。
赤城山は登山者の足を鍛え、学生の足を鍛える、優秀な筋肉トレーナーなのだ(?)
急斜面を登り切り、黒檜山と駒ヶ岳を結ぶ稜線区間に出ました。
既に午後になっていましたが、山頂付近でも霧氷は消えていませんでした。青空とのコントラストが素晴らしいです。
山頂付近では積雪が結構あるので、木の枝が重みで倒れていました。
空の面積が広がってきたので、山頂は近いです。
赤城山最高峰の黒檜山と絶景スポット
黒檜山の山頂に到着しました。登山口を出発して、1時間24分かかりました。
躍動感のある山頂到着。
展望は良いですが、目線の高さに木があるので、看板にある通り徒歩2分の「絶景スポット」に向かいます。観光地感あるな。
山頂の木の枝についている霧氷は、フランクフルトくらいの太さです。
絶景スポットは広々と開放感あるので、休憩している登山者が多数。が、さすがにここは風が強いです。
残念ながら日本海側は雲が多く、谷川岳などの山脈は見えませんでした。
変わりと言っては何ですが、好感度No1の皇海山が見えました。たぶん…。
風が強く、霧氷がバシバシ飛んできたりするので、さっと食べ物を補給しました。
道を引き返して見つけたのは、赤城神社の奥宮です。
霧氷の解けた稜線、アップダウンを経て駒ヶ岳へ
黒檜山から駒ヶ岳を目指していきます。急な登り返しこそないですが、緩やかに登っていくようです。後半にアップダウンがあると辛い。
黒檜山からは急斜面を下っていきます。
駒ヶ岳が南側にあるからかはわかりませんが、霧氷は溶けていました。
鞍部まで下ると、立派な雪庇がありました。
関東ふれあいの道の看板が埋もれています。
黒檜山方面に花見ヶ原と記載されているのが気になります。何の花が咲くんだろ…。
黒檜山を振り返ると結構な急斜面を降りてきたとわかる。
駒ヶ岳の直下にはまだ霧氷が残っていました。
じんわりと登りが続き、駒ヶ岳に到着しました。
全国にたくさんある駒ヶ岳の一つ。最高峰がこの駒ヶ岳だったら、赤城駒ヶ岳の名前で知られていたのかもしれない。
駒ヶ岳からは、どこまでも続く関東平野の街並みの展望があります。
うっすらと見えるのは栃木県を挟んでの茨城県にある筑波山が見えました。
冬山の天気は変わりやすく、いつの間にか谷川岳が見えていました。改めて谷川岳の積雪用は圧倒的です。
さて、後は大沼へと下っていくだけです。
プチ尾瀬と言う謎のポイントを経由するコースもあるらしいですが、冬に歩いても何も期待できなさそうであるため、最短35分コースで下山します。
時折尻すべりをしつつ軽快に下っていきました。
あっと言う間に下山完了、駒ヶ岳の登山口に到着しました。
わかさぎ釣り客の帰った静かな大沼、バスに乗って富士見温泉へ
後は500m程歩いてバス停へと向かいます。
初めての赤城山では、この舗装道でアイゼンを脱いで、くるくる滑り遊んでいたら、足を捻挫しました。そんな若さゆえの過ちは2度も犯さないゼ。
大沼畔のお土産屋街。既に15時を回っているので、ワカサギ釣りの人たちは、ほとんどが引き上げているようでした。
この日は食べなかったけど、ワカサギのフライを食べることができます。
捻挫することなく、無事にバス停に到着しました。15時17分「富士見温泉行」のバスに間に合いました。
15時のバスに乗れば、温泉に入ってから、再度バスに乗って前橋駅に帰れるダイアです。17時に乗ると、駅まで行けない???
行きのバスが満員御礼だけあって、たくさんの登山者が並んでいました。着席することができたのでヨシ。
富士見温泉でバスを降り、そのまま富士見温泉で汗を流しました。赤城山周辺はここ以外入ったことないなぁ…。
夕食は移動して、佐野バイパスの「共栄ラーメン」で食べました。ここのもつ煮は絶品です。
ゲレンデ帰りで渋滞する上信越道を避け、東北道で東京へと帰りました。
赤城山の登山を終えて
1回目は下山直後に捻挫、2回目は霧氷が全部溶け、3回目はワカサギ釣果ゼロ、冬の赤城山は通算4回目。ようやく、最良のコンディションで赤城山を楽しむことが出来ました。
栃木出身の男体山推しだし、赤城山に住まう神に嫌われているかと思っていました。伝説では、男体山と赤城山は争っているので。
登山道の大半が霧氷に覆われていて、素晴らしい景観でした。
東京から電車とバスを乗り継いで行けるので、霧氷の発生条件を満たし、「イケる!!!」と思った日に登ってみてください。
もう冬の赤城山はお腹いっぱいなので、今度はツツジの咲くシーズンに訪れたいと思います。
コメント
もう5年も前ですか!
この時妻のお腹に第二子がいて、赤城山神社で安産祈願のお守りを買ったのを思い出しました。その甲斐あってか?無事に元気な男子が生まれまして、もうすぐ5歳です。
雪の赤城もすごく楽しかったですが、帰りに食ったラーメンもつ煮がマジで美味かったですよね。
みっきーさん
お久しぶりです。5年前の写真を掘り返して、記憶を辿りながら書きました。
月日の流れは速いですねぇ。そして、いまだに、車内で話した会話は少しだけですが覚えております。
もうちょっとしたら、お子さんを連れてハイキングに出かけて、あのラーメンを食べる日が来るかもしれませんね!!!