2021年11月28日
神奈川県鎌倉の葛原岡・大仏ハイキングコースに行ってきました。
鎌倉にあるハイキングコースの一つで、北鎌倉駅から長谷エリア(鎌倉駅西側)に抜けるコースです。山道の区間は1時間分もありませんが、鎌倉のメイン観光スポットと隠れた観光スポットを巡れるコースになっています。
ネットフリックスで「カウボーイ・ビバップ」のドラマが公開されました。98年のアニメが原作で、それのハリウッド版です。日本より海外人気が高い作品なので、国内の話題性は空気なのが悔しいところ。夜遅くまで見ているせいで、早朝から登山なんて出来るはずもなく…。そういう時に頼りになるのが、鎌倉のハイキングコースであります。
全国的に紅葉終盤の11月下旬、古都鎌倉を旅してきました。
葛原岡・大仏ハイキングコースについて
地図
JR横須賀線の北鎌倉駅から長谷の大仏まで抜けるコースです。
また、鎌倉観光公式ガイドに記載されている地図を参考にしています。
コースタイム
- 10:55北鎌倉駅
- 11:09浄智寺
- 11:33葛原岡神社
- 12:44樹ガーデン
- 13:15鎌倉の大仏(高徳寺)
- 13:52由比ヶ浜
- 15:06鎌倉駅
行動時間は4時間11分です。休憩や飲食店に入っている時間も含まれているので、山道を歩いている時間は1時間前後です。
葛原岡・大仏ハイキングコース
北鎌倉駅の浄智寺から歩くハイキングコース
北鎌倉駅は、複数路線が乗り入れる大船駅と鎌倉観光の拠点となる鎌倉駅の間にある小さな駅です。どこか、地方の田舎駅に来たような感覚があります。しかし、6月のあじさいと11月~12月の紅葉時期は、観光客で大変混雑する駅です。
今回のハイキングはこの北鎌倉駅からスタートします。
電車を降りた瞬間に、鎌倉方面にある改札には列が出来、駅から出るだけでも数分の時間を要しました。
駅から1分ほどの円覚寺に、大量の観光客が吸い込まれていました。入口のもみじが真っ赤に染まっていてとても綺麗でした。ただ、このお寺はスルーして、先に進みます。
今回歩く葛原岡ハイキングコースの入口は、浄智寺にあります。円覚寺や明月院と比べると観光客・参拝客もわずかで、静かな空気に包まれていました。
浄智寺は禅寺として有名で、自然との調和がとれているお寺。山門は、中国の建築様式が採用されているので、少し違和感を感じるかもしれません。
拝観料は200円で、見学することができます。スルーしますが。
さて、ハイキングコースは浄智寺の左側に沿っている道路を歩いていきます。
奥に行くにつれて、道幅は狭くなり、二人が並んで歩けない小径へと変わります。
グラデーションするように舗装がなくなり、山道へと変わります。
常緑樹の木の根っこがむき出しの登山道。神奈川や千葉の海沿いのハイキングコースって感じです。
日本・英・韓国・中国の4言語対応された看板。まず、目指す源氏山公園は300mの距離なので、あっという間。
登山道の小高い場所にある、こちらの塔は「天柱峰」と呼ばれるもので、浄智寺が管理しているもの。その昔、中国の僧侶が名付けた場所みたいです。山門もそうでしたが、中国っぽいデザインです。
一度、階段で下り、急坂を登り返すポイントがあります。観光のつもりで来て、日ごろ運動不足のお父さんは、ここで脱落するでしょう。
就学未満の幼児を引き連れて、ハイキングする親子がたくさんいます。一人で歩きに来るような場所じゃないな、ここ。
登山道は早々に終わりを迎え、葛原岡神社に到着しました。山道に入ったかな?という場所から、10分しか歩いていません。
縁結びの葛原岡神社とこもれび広場
「こもれび広場」と名がつけられた広場があり、たくさんの木製のベンチとテーブルが置かれているので、お弁当を食べるのに最適です。
家族連れで賑わうスペースで、一人寂しく、とんこつラーメンを食しました。知人に教えてもらった韓国ドラマを見ながら…。まるで、自宅のような快適空間。とんこつの臭いをまき散らしたので、チラチラ見られていた気がする。
ぼっち飯はチタンアルコールストーブで作ることが多いです。
広場の中央には見事な大イチョウの木があり、葉っぱを黄色に染めていました。
さすが鎌倉、かどうかはわかりませんが、渡航制限中のコロナ禍においても外国人をよく見かけます。ワインを開けて陽気にパーティーしていました。楽しそう。
とんこつラーメンを食べ終えて、葛原岡神社を参拝しましょう。
葛原岡神社は日野俊基を祀る神社です。
誰と思って調べたら、鎌倉時代に後醍醐天皇の下で、鎌倉幕府の討幕を計画した人だそうです。そして、この葛原岡の地で処刑されたと。時代にそのまま葬られそうな人物ですが、明治維新になって功労者として評価され、神社が建立されたとか。
500年以上の時を経て、評価されるって、歴史って面白いですね。
そんな背景のある神社ですが、縁結びにご利益があり、ハート形の絵馬が飾られているのも面白い。なので、参拝客に若い女性が多い。
神社の入口には、魔が去るうに願いを込めて盃を投げる「魔去ル石」があります。盃一枚100円でチャレンジできます。すごいよ!!!マサル石。
葛原岡神社の周辺は全てを木々に囲まれているので展望はほぼ皆無。かろうじて、隙間から海が見える程度です。
源氏山公園は家族連れが楽しむ紅葉レジャースポット
ハイキングを再開して先に進みます。
葛原岡ハイキングコースから大仏ハイキングコースにシフトします。葛原岡神社から先は、源氏山公園の敷地になります。
清潔そうな公衆トイレが設置されているので、飲みすぎても安心です。
源氏山公園は敷地が広いので、人はまばらです。家族連れがビニールシートを広げて、お弁当を食べていました。駅前のごみごみした雰囲気とは隔離され、落ち着いた場所です。
そよぐ風と大空を飛ぶトンビの鳴き声しか聞こえないので、もみじの赤を見ていると、一句浮かびそうです。
とんこつに 紅ショウガを 家に忘れ
せっかく、紅ショウガ買ったのに…。
大仏ハイキングまた長谷寺方面の案内に従って、しばらくは舗装道を歩いていきます。
住宅が数件立ち並ぶ場所に来ると、ハイキングコース全体で一番の展望スポット。鎌倉の町と由比ヶ浜が眺められる場所です。さらに奥には三浦半島が見えています。唯一の展望スポットが、住宅地って皮肉なものです。
そして、登山道へとフェードイン。ここからが大仏ハイキングコースになるのかな。明確な分水嶺があるわけじゃないのでわかりません。
葛原岡ハイキングコースと比べると、少しだけ長く山道を歩くことになります。
登山者目線だと大したことないアップダウンですが、小刻みなアップダウンが4~5回繰り返されます。2回くらいオンブを要求する子供を見かけました。
山道から逸れると、天空カフェの「樹ガーデン」
山道を歩き続けていると、カフェの看板がありました。これは夢か幻か。山の中にカフェがあるなんて、そんなわけは…。と、一人茶番を演じつつ、立ち寄ってみることに。
開放的なオープンテラスのカフェがありました。ここは、カフェテラス「樹ガーデン」で、鎌倉で天空カフェとして知られているようです。
丘陵地帯の向こうに富士山が見え、絶好のロケーションなカフェです。
コンセプトとしては大仏ハイキングコース利用者にトイレや救護の提供が必要という理由で建てられたらしいです。ハイキングコースから来る必要はないですが、鎌倉駅からはどっちにしろ遠いカフェです。
実は別日に訪れていたので、過去の写真からピックアップ。価格帯としては、一般的なカフェより少し高めではあります。風景代ですかね。
「樹」の字が書かれたコーヒーゼリーが有名。ビターな大人の味。
クリスマスっぽい陶器のジョッキでビールが飲めます。富士山を見ながら流し込む、ビールは抜群ですね。この日は満席状態で、数十人の待ちが発生していました。
カフェを後にして、ハイキングコースに復帰します。
カフェでビールを飲みすぎると有刺鉄線にぶつかって、大仁田厚のように流血するので注意が必要。
鎖の柵が設置された、岩場がありました。子供の足の長さでは、ちょっぴり苦戦しそうな場所です。
ゴールも間近に迫ったところにある分岐点。150m先にある大仏切通の文字が気になったので、寄り道してみました。
国指定史跡になっているらしい、大仏切通がありました。植物が生い茂っており、かつての古道は少し埋もれた感じになっていました。
大仏切通から戻り、階段を降りると大仏ハイキングコースの入口に到着です。
トンネルの横に入口があります。こちら側から登る人もいるようです。ちょうど、外国人7~8人のパーティーが登っていきました。
鎌倉の大仏と長谷寺を流し見て、創業300年の力餅をお土産に
入口から鎌倉の大仏までは2~3分、狭い歩道を歩いていきます。世界観がちょっと違うようなイラストがいい感じです。
鎌倉の大仏はあまりにも有名だが、大仏のあるお寺の名前を誰も知らない説。高徳院という名前のお寺です。
2~3回は拝観しているので、外から大仏を眺めるだけです。正面入口からは、辛うじて頭だけ見ることができます。
格子の隙間から大仏をチラ見。み、見えない…。
鎌倉の大仏を見たことない人は、拝観料を払って見学して下さい。
大仏のある高徳院から、数分歩くと鎌倉観光のメインどころの一つ、長谷寺に辿り着きます。創業100年以上ありそうな老舗やカフェが立ち並ぶエリアです。
長谷寺は紅葉の名所なので、拝観するのに整理券配布の順番待ちでした。あじさいの時期も凄いけど、秋も大混雑です。夜には紅葉ライトアップもするみたい。
ここも以前訪れているので、格子の隙間から覗き込んで観光終了。
長谷寺から海側に南下していくと江ノ電の長谷駅があります。
ハイキングコースとしては、この駅から江ノ電で鎌倉駅に行って終了。でもいいのですが、せっかくだから海が見たい。ということで、由比ヶ浜まで歩いていきます。
そういえば、2021年は江ノ電の撮り鉄騒動が話題になったなと思いつつ、極楽寺方面に走る江ノ電を見送ります。
長谷寺や極楽寺あたりに来たら、必ず「力餅屋」に立ち寄ります。創業300年以上と鎌倉最古の老舗和菓子店です。
握り寿司のような見た目の力餅。これがまた美味しい。賞味期限がたった一日なので、その日のうちに食べなければいけません。数ある鎌倉土産でも一番のお気に入りです。
潮風が一層強くなってくると、由比ヶ浜に到着しました。夏の喧騒が去った晩秋の海も風情があっていいものです。
海岸線をしばらく散歩していたら、映画から抜け出してきたようなパツキンのゴリゴリマッチョの外国人が、半裸のまま冷たい海に入っていきました。サメでも絞め殺しに行きそうな雰囲気があった。
沖にはウィンドサーファーが風を受けて、漂っていました。
伊豆大島がくっきり見えます。こう見ると伊豆大島って近いなと感じる。東京湾から大島行が発着してるけど、鎌倉~湘南から発着した方がいいと思うんだよね。
由比ヶ浜の散歩を終えて、鶴岡八幡宮へと続く道を辿り、鎌倉駅から帰るとします。
寄り道せずに帰宅しようと思っていたが、鎌倉中央食品市場に併設している町中華にタダならぬオーラを感じ、気が付けば暖簾をくぐっていました。中華大新は、深夜も営業し、鎌倉市民に愛される中華店らしいです。
ラーメンが売りの店ですが、ランチがとんこつラーメンだったので、餃子一皿、そして瓶ビールをオーダー。拝観料を払って見るべきお寺が3~4つあっただろう、そう思いながらも、パンチの効いたニラとニンニクをビールで流し込みました。
今度は腹を空かせて、ラーメンを食べてみたい。
ほろ酔いで中華屋を出たらね、隣が焼き鳥屋さんなんですよ。意識を喪失していたのか、手のひらにいつの間にかモモとボンジリがおさまっていました。
お腹がいっぱいで、鎌倉駅へ。
ホームに立っていると、歯に挟まっていたニンニクの欠片に「おえっ」となった。なんで、食べるときは気にならないのに、時間が空いたニンニクは拒絶するんだろう。そう考えながら、横須賀線に乗り、帰宅しました。
葛原岡・大仏ハイキングコースを終えて
大仏ハイキングコースと葛原岡ハイキングコースの2つのコース。ほとんど、舗装道を歩いていたような気がしますが、寺社巡りと鎌倉の自然を両立して楽しめるハイキングコースでした。歩いているのは、ほとんどが家族連れだった気がします。もし、これから山を始めようという人がいれば、お試しで歩いて見るコースとしてちょうど良さそうかなと思いました。
コメント