2014年12月30日
東京都と神奈川県にまたがる陣馬山に行ってきました。標高は854mです。
高尾山から伸びる縦走路の先にあり、富士山を望むことができる開放的な山頂があります。山頂には馬だと思われるモニュメントがあり、都内屈指の人気の山です。
2014年の午年の最後を飾るのに相応しい名を持つ陣馬山。
年末と言うこともあり、誰もついてきてくれないだろうとぼっち登山です。暮れも押し迫る12月30日。午前中を利用して、2014年に歩いた山々を振り替えながら、東京を見下ろす馬の山を旅してきました。
陣馬山について
地図
陣馬高原下のバス停から藤野駅に縦走するコースです。
コースタイム
- 7:29陣馬高原下バス停
- 8:46~9:29陣馬山
- 10:35陣馬山登山口
- 11:09藤野駅
午前中に収まるようなコースです。
高尾駅→陣馬高原下のバス料金は560円です。
陣馬山 日帰り登山
JR高尾駅からバスに乗って、陣馬高原下へ
2014年は飛行機を利用した九州と北海道の遠征がターニングポイントでした。
巡り巡って最後の山は、歩いていなかった東京都の山でした。
ほぼ始発で最寄り駅を出発し、JR高尾駅に到着した時刻は6時47分でした。
北口にあるバス停から6時51分発の「陣馬高原下」のバスに乗ります。
八王子出身バンドのアルバムを宣伝するラッピングバス。解散したんだっけか?
東京都は思えない閑散とした風景の中、40分ほどバスに揺られ陣馬高原下に7時30分に到着しました。
バス停の周辺は50年前にタイムスリップしたかのような木造の売店があります。
広告ベンチを見ると切ない気持ちになるのはどうしてだろうか…。
関東ふれあいの道でした。
関東をほとんど歩いてなかったので、久しぶりに歩くな。
陣馬山は登山を始めた2010年の冬に来ているのですが、カメラのバッテリーを忘れて記録を残せなかった経緯のある山です。
4年の時を経て再び歩きます、しっかりと写真に焼き付けたいと思います。
レトロな街並みから陣馬街道を進み、陣馬山の登山へ
山間部の都内奥地の気温は低く、陽の当たりが遅いため、路面が凍結していてツルツルと滑ります。
登山靴だと凍結したアスファルトはより滑りやすい。
陣馬高原に向かう歩道を歩いて行きます。徐々に民家は無くなり、植林された杉林に変わります。
バスを降りた登山客は10名もいなかったと思います。陣馬山だったら、もっと遅くスタートしても問題ないし。
木についた水滴が凍っていました。夜はかなり冷え込むようです。
バス停を出発してから20分ほどで、ハイキングコースとの分岐を見つけました。
ザックを年末年始仕様にチェンジし、スタートします。
植林された安心感のある杉の樹林帯。
光の届かない場所にはシダと苔が生えていて、小さな沢が流れています。
頭上を眺めると徐々に太陽の光が届いてきます。8時になろうというのに太陽光線をまだ浴びていない。
森の中に徐々に光が差し込み、地面まで後1mで届きそう。時間の変化によって、徐々に登山道の光量が変化します。
ようやく、太陽を捕まえた。
陽が射すと着こんだウェアでは暑くなり、Tシャツでも十分なくらいになりました。
杉林を孤独にぐいぐいと登ると和田峠との分岐点に到着。
広場っぽくなっているスペースを陣馬山山頂方面に歩いて行きます。
「前回来たときは会社の人に誘われて、総勢18名で来たっけか」と一人で来ていることに少し寂しくなる。
種を放出しきった残骸。
長い冬が始まり、新芽が出始めるのは4月頃でしょうか。
稜線に近づいてくると空の面積が増え、開放的になってきました。
奥高尾縦走路にぶつかると快晴の空の下、冠雪した富士山がくっきりと見えました。
まだ雪が残る富士山に登ったのは半年以上前かと月日の流れる速さに感慨深くなります。
富士山が見えれば、山頂まであと少しです。
陣馬山のシンボルが見えてきました。
遮るものがない陣馬山の山頂
8時49分 陣馬山山頂
バス停を出発して、1時間20分ほど掛かりゴールです。早い!
馬(だよな?)の彫刻の首の曲がり具合と、腕の曲がり具合が一致しているところがポイントです。
「かながわの景勝50選」の碑が目立つように設置されていました。
自分は東京在住で、JR南武線を利用してきました。東京また神奈川の人にしかわかりませんが、東京→神奈川→東京→神奈川と行ったり来たり。
陣馬山の山頂からは富士山を初めとして、丹沢山塊、南アルプス、奥秩父の金峰山、日光連山を見ることができます。
奥秩父の山々は白く冠雪していました。
冬山も登る自分ですが、時期的には春から秋にかけてのスリーシーズンが好きです。山の冬は長すぎる。
スカイツリーより高い、標高857mの山頂はジッとしていると肌を刺すように寒く、だけどピリッと透き通る空気がとても心地よいです。
小屋も営業しておらず、静まり返っています。
登山客は四方から登ってくるので、常に10人ほどの出入りがあります。
藤野町が設置した看板があります。
1 茅丸 1019m
2 生藤山 990.3m
3 陣馬山 857m
4 明王峠 738.9m
5 石老山 694.3m
6 吉野矢の音 633m
7 石砂山 578m
8 峰山 570m
9 鷹取山 472.4m
10 鉢岡山 460m
11 名倉金剛山 456.4m
12 日連金剛山 410m
13 岩戸山 377m
14 京塚山(石山)
15 小渕山 350m
藤野十五名山。
石老山にはすでに登っているので、陣馬山と併せて2座です。登り切れる日は来るのでしょうか…。
しかし、「音」が山とは驚きだぁ…。
裾野は隠れて見えませんが、富士山を正面に眺めることができます。この山がない日本は、トンカツから豚肉を除いたようなものです。
年末年始休暇をもらっていますが、世の中的には平日です。都下1000万人のうち、何割かの人は働き始めている時間帯です。
山頂での昼食(といっても9時)は、一日早いですが年越しそばです。
正月を見越してちょろぎを入れてみた。
チョロギはシソ科の植物で、その根っこの部分(塊茎)が食されています。良くも悪くも印象に残りやすい、巻貝のような独特な形をしています。
限りなくカリカリ梅のその味ですが、得体のしれない形と相まって、お節の中で好きな食材です。
のっぺりと富士山の左側に雲がまとわりついていました。
陣馬山下山~JR藤野駅~立川駅で年越しそば
45分ほどの休憩をとり、下山は「一の尾根コース」を歩きます。
冬枯れした山は静かで、とても寂寥感があります。
積もった落ち葉の上で、今年を振り返りながら歩いていると、次第に愉快になってきました。
高い山も低い山も登り、北は北海道、南は九州の山々を登り、いろんなところを歩きました。人によっては、夏はアルプスの山々や冬は雪山というアスリート嗜好なタイプ、百名山を中心に目標を目指すタイプなど様々な登山者がいます。
自分は日本各地にある一級品の山々を登って来てはいますが、なんだかんだ陣馬山のような低く身近な山でも、アルプス等の高峰や遠方の名峰と同じように楽しめるっていうのが、この下山時にわかったような気がします。
一人「山登りって楽しいな」と至極原点回帰的な事を再確認し、ニヤつきながら足早に駆け降りていたので、登ってくる人に気持ち悪がれていたことでしょう。
登り始めの登山者と数組ほどすれ違いました。
徐々に里の雰囲気が出てきました。
10時35分 陣馬山登山口
山頂から55分で降りてきました。コースタイムを25分も巻いているので、足取りが速かったことがうかがえる。
2014年最後の登り納め、お疲れ様です、自分。
登山口からは県道522号に沿って、藤野駅まで歩きます。ちなみに登山口からバスが出ています。
クロネコの車が結構なスピードで、バックのまま民家の軒先に入っていきました。車から降りてきたのは20代の女性。最繁期の年末年始に物流業界の鍛えられた戦士が逞しいと思える一コマでした。
県道をとぼとぼと歩きます。
陣馬山には温泉郷がありましたが、年末年始で日帰りが営業しているのかも謎、午後から用事があるので今回は入りませんでした。次回は!
中央道の下にあるトンネルは不気味な雰囲気があり、車が侵入してくると爆音が響き渡ります。車幅が狭いので、歩行者としてはヒヤヒヤです。
中央線の踏切を越えて、ようやく藤野駅が見えてきました。
藤野駅からは例のラブレターが。
藤野は芸術振興に力を入れているらしいです。
11時00分 JR藤野駅
藤野駅からは扇山のどっしりとした姿を見ることができます。大月周辺の山も久々に登りたくなります。2015年の課題です。
11時10分の中央線に乗りました。
高尾駅で乗り換えて、12時前に立川駅で下車しました。
立川駅構内においしそうな店を発見。長田本庄店というオムソバ屋さんです。
ぼっかけオムソバを注文しました。この見た目反則である。
焼きそばの具は牛すじとこんにゃくの煮込みで、食感がアクセントになっています。甘辛のソースとマヨネーズが絡み合うシンフォニーは誰もが病みつきにある濃厚な味わいです。
聞きなれない「ぼっかけ」というのは、神戸の煮込みのことらしいです。
山頂で食べた年越しそばが、ぼっかけそばに更新されてしまうというハプニングは、予想していなかった出来事。
最終的に東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京と、13時までに6回も県境をまたいだことになりました。これもうわかんねぇな。
そして、年明けは初日の出を見に伊豆半島にある達磨山を登りました。
陣馬山の登山を終えて
2014年は全国を巡り巡って、登り納めは東京の陣馬山に落ち着きました。
午年の最後に飾るにふさわしい登山で、今年一年を振り返るに適した環境の山でした。早朝早出すれば、午前中には家に帰ってこれます。そして、高尾山から陣馬山へ縦走するルートはまた別に機会に楽しみたいと思います。
2026年の午年に登ってみてはいかがでしょうか。
2014年は総括して、それぞれの山の見頃に恵まれ、一年で最も素晴らしい時期を転々と歩くことができました。山が最も素晴らしい時期は、花の咲く1~2週間、紅葉の1~2週間だと思っています。
「来年もそこに山はある」とよく言いますが、人間の生活環境が変動するように自然もまた常に変化をし続けています。必ずしも次の年に同じ風景は待っていないと分かりました。事実、過去に自分が登った山のいくつかは立ち入ることができなくなっています。
来年以降もこの経験を生かした上で旅を続けて行こうと思います。
コメント
こんにちは♪
黒猫も走り回るほどの気忙しい年の瀬のボッチ登山。でもマイペースで登れるし、自撮りするために行ったり来たり((笑))
一年の反省もしみじみと……私も好きだなボッチ。
「午後は用事があるけど、ちょっと陣馬山さ登って来る」って、
行動力ある~
2015年の山も楽しみにしています。
午年だったので、最後は馬の山でキメると最後の最後までとっておきましたからね!
午前中登山は一日を長く感じ、とても充実した気分になります。
2015年もよろしくお願いします。
2014年の記事いくつか端折ってますけど。