
2016年12月18日
山梨県の九鬼山と御前山に行ってきました。標高はそれぞれ969m、720mです。
大月市が選定する秀麗富嶽十二景の十番山頂の山で、富士山の展望が優れている山頂です。路線バスを使わず駅から駅への縦走が容易なので、時刻表に縛られず計画が立てやすいです。
今回は富士急行線の禾生駅から中央線の猿橋駅に縦走コースを歩きました。

秀麗富嶽十二景シリーズを制覇する予定はないのですが、時折、大月周辺の山を思い出します。今回は、ただその周期が巡ってきただで、まだ未踏だった山を目指し、旅をしてきました。
九鬼山・御前山 日帰り登山
コースタイム
- 09:14禾生駅
- 10:51九鬼山
- 13:07御前山
- 14:34猿橋駅
富士急行線の禾生駅でおにぎりを購入

九鬼山の登山口を目指し、山梨県大月駅で河口湖駅の富士急行線に乗り換えます。
料金高いでお馴染みの路線ですが、運営する富士急の鉄道事業は赤字なので仕方ないです。地方私鉄はほとんどが高いのが実情です。

禾生駅(かせいえき)で下車します。
増え過ぎた人類を火星に移住させるのはSFで昔からある設定ですが、この禾生にも移住をさせた方が良いかと。現在は都留市ですが、明治から昭和にかけて「禾生村」が実在したようです。

ご飯を調達するため、駅前にある「おむすびのおおみや」を訪れました。朝6時から営業している、この街の台所的な存在でしょうか。


具材が並んでいて、好感しかないお店です。唐揚げと卵焼きのパックも嬉しい。もちろん購入です。この店の存在で、禾生駅→猿橋駅の縦走を計画しました。


それでは、九鬼山の登山口を目指して歩道を進んでいきます。レンガ状のアーチをくぐったのですが、これは落合水路橋と呼ばれるものらしい。

リニア実験線が見えました。
政治や環境の問題を抱えていますが、自分としてもうさっさと開通してほしい派です。たぶん、(値段的に)乗らないと思うけど。
しかし、リニアで富士山が見えるポイントって、九鬼トンネルと高川トンネルの一瞬だけなのかな?

12月の山梨、そして山の麓の日陰は恐ろしく寒いです。畑の雑草は霜が降っていて白いです。

林道から徐々に登山道に変わりました。九鬼山の山頂までは70分です。
2種類のコースがありますが、見どころがある愛宕神社コースを選びました。

特筆することない、杉林を登って行きます。12月後半は落葉し切っているので、斜面に積もる落葉で滑ります。


30分ほど無心で登り、分岐を山頂方面へ。

木々の隙間から富士山が見えます。理想的な雪のつき方しています。

「新登山道」、「急坂登山道」の分岐がありました。感覚的に他の山で見かける「男坂」、「女坂」と判断し、時間が短縮できそうな「急坂」を選択します。

落葉のある12月は急坂の選択は間違った気がするが必死で登ります。
眺めよしの天狗岩からは富士山の展望

「眺めよし天狗岩」と書かれた看板がありました。これは行かないわけにはいきません。

天狗岩はキャッチコピー通りの展望の良さでした。九鬼山の象徴的な場所です。

河口湖方面に伸びる中央自動車道と都留市の街が広がり、その先には富士山がそびえています。他の山としては、三つ峠山と御正体山が見えています。

山頂は大月市に位置しますが、登山口から山頂までの地理的な観点では、九鬼山は都留市の山と言えます。


天狗岩を後にして、急坂を登っていきます。

そして、山頂が見えてきました。
秀麗富嶽十二景の十番山頂、九鬼山の山頂

駅を出発して1時間37分、標高970mの九鬼山の山頂に到着です。
大月市の秀麗富嶽十二景の看板と山梨百名山の看板がありました。

山頂は平らで、休憩するのに十分な広さでした。
桃太郎伝説があり、大月市の百蔵山で生まれた桃太郎が鬼退治にやってきた山であるという。

九鬼山は全部で12個あるシリーズの中で登りやすい山頂かなと。
個人的に秀麗富嶽十二景のようなものをご当地名山シリーズと呼んでいますが、登山者の制覇欲を刺激するものですね。

木々の隙間から富士山が見えます。
しかし、天狗岩の方が開放的だったし、この後行く御前山の方が見え方は良いと思います。

ポストがあったので中をのぞいてみたらノートが置いてありました。ゲストハウスとか山小屋で見るやつ。山頂にあるのは珍しい。

お昼には早いので、大休憩はせず、次の御前山を目指します。

細い尾根道があり、ロープを頼りに慎重に下ります。何より落ち葉が厄介…。

危険箇所を抜けると、歩きやすくなりました。


「紺屋の休場」と名付けられた広い空間。
「紺屋(こうや)」は染物職人のことらしいけど、なぜこんな山の中で休んでいたんだろう?

礼金峠を通過します。山に来ても払わないといけないんですか…。九鬼山からは標高140mくらい下っています。


馬立山までは再び90mほど登り返します。これが結構な急斜面です。山頂の展望はありません。

しばらくはアップダウンはなく、緩やかな尾根道歩き。
北西方面の展望が開けています。おそらく、大菩薩嶺やらがある山域ですが、特徴がないので山の特定はできません。
実はこっちの方が展望が優れている御前山の山頂

標高720mの御前山に到着しました。九鬼山から長く感じました。
団体が山頂看板周辺を陣取っていて、かなり邪魔でした。

騒がしいですが、ここでお昼にしました。
禾生駅前で買ったおにぎりは、具がたっぷり詰まっていました。登山口のある全ての駅にこのような店が欲しい。


唐揚げと卵焼きは、なんだか運動会でレジャーシートを敷いて食べたような懐かしい味でした。

団体が去り、静かになった山頂。
御前山は九鬼山と同じで、秀麗富嶽十二景の十番山頂に選ばれています。御前山は純粋な大月の山のようです。

富士山の見え方はチラ見えする九鬼山と違って展望が良いです。山頂付近は雪煙が上がっているように見えるので、かなりの強風なのでしょう。

ちなみに南側斜面は50m以上はある断崖絶壁なので、落ちたら即天国行きです。


それでは、御前山を後にし、猿橋駅へと下山します。

今日最後の山頂である神楽山ですが、名前が持つ期待感の割に、特に展望はありませんでした。

どこにでもある杉林の中をくだります。写真以外は記憶は全くありません。

車道と合流して、下山完了です。猿橋駅までは10分ちょっとくらいなので近いです。

山梨といえばのハッピードリンクショップで水分をチャージします。山梨出身の人にハッピードリンクショップのことを話題にすると「なんで知ってるの?」と驚かれます。

14時34分、中央線の猿橋駅に到着しました。禾生駅からスタートして、駅から駅で5時間20分でした。日が短くなった12月にはちょうどいよいコースタイムでした。

少し古びた中央線の車両に乗って東京へと帰りました。
登山を終えて

九鬼山と御前山の2つの山頂からは、それぞれ富士山を望むことができ、展望の満足度は高かったです。 ただ、両山の間はアップダウンが続き、なかなか骨太な縦走コースでした。
12月中旬以降は紅葉が終わり、完全なオフシーズンだったため、植物の見どころはほとんどありませんでした。季節を変えれば、また違った景色が楽しめるのではないかと思います。

正直なところ、秀麗富嶽十二景に選ばれていなければ、わざわざ訪れることはなかったかもしれません。大月周辺には日帰り温泉も山小屋といった登山者を引き込む施設がないので、そう考えると、大月市の登山者に対するブランディング戦略(苦肉の策)は見事だと感じました。
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