2012年1月22日
山梨県大月市にある高川山に行ってきました。標高は975mです。
高川山は大月市が選定する富士山が綺麗に見える「秀麗富岳十二景」の11番山頂に選ばれています。駅から山頂まで2時間と、アクセスしやすい山になっています。
2010年まで山頂に「ビッキー」と名付けられた野犬が住み、登山者に可愛がられていたことで有名です。
1月中旬から関東近辺はぐっと冷え込み、去年は暑い夏が長かったけれど、そんな余韻すら感じません。東京から山梨へ抜ける山間はすっかり雪化粧をしていて、今年初めての本格的な雪山登山になりました。
高川山について
地図
中央線の初狩駅をスタートして、富士急行の田野倉駅に下山するルートです
コースタイム
- 9:50初狩駅
- 11:45~12:41高川山
- 15:02田野倉駅
行動時間は5時間12分でした。
高川山 登山
中央線に乗って初狩駅へ、山梨に入ると雪景色へ
登山日の前日、2012年1月21日は関東地方で雪が降った日でした。
本来21日に三つ峠山を計画していましたが中止。翌日の日曜日は、天気回復傾向ということで、難易度を下げて、高川山へ行く計画となりました。
自宅から高尾駅に移動し、中央線山梨行きに乗り換えます。
ホームの端っこ(新宿寄り)に、巨大な天狗の顔面増があることを初めて知りました…。地面にライトがあるので、夜になると天狗の顔が闇夜に浮かび上がるのかな。
山梨行きの中央線に乗り換えます。この時間のほとんどの乗客は登山者です。しかも、前日に雪が降っているので、かなりコアな登山層。
中央本線の高尾から初狩までは55分の乗車です。
区間 | 距離 | 運賃 |
---|---|---|
新宿~高尾 | 40.8km | 770円 |
高尾~初狩 | 42.8km | 561円 |
距離はほぼ同じなのに、山梨の方200円も運賃高いのが納得できないのであります。
山梨県に入り、上野原駅を過ぎたころ、車窓の外が雪景色に変わってきました。そして、回復傾向と思っていた天気は…なんだか期待が持てない感じです。
初狩駅から雪の積もる高川山を登る
9時40分に初狩駅に到着しました。
この駅で降りたのは、自分たちの登山仲間だけでした。
線路上に雪がびっしりと積もっていて、今日だけ見ると雪国のようです。ガチ雪国は積雪が1m~2m以上はあると思いますが、山梨県でこの風景になるのは稀です。
初狩駅はとてものどかな田舎駅で、売店などはなく、自販機2台が営業中でした。
今日は登山仲間3人とスタートです。左の赤い彼は、初対面でしたが、同じ大学の後輩でした。
写真の左に大型バスが止まっていて、水戸アルパインクラブ?ってプラカードが掛かってました。どうやら団体が先行している模様。よく、こんな雪の日に来るな…。
地図を頼りに高川山の登山口を目指します。
さすがに都内よりも降雪量は多く、車道の積雪は20㎝はあったでしょうか。山の方は踏み抜くくらい積もっているんじゃないかと不安になります。
街に点々と立ててある案内板に従い、迷うことなく高川山へと入りました。
順調かと思いきや、先行者の足跡が全くなくなりました。団体も通ってるはずなのにおかしい…。
とはいえ道なりに来ているので、先行する登山仲間「みやじゅん」のラッセルに任せ、進んでいきます。
杉の枝にもびっしり雪がかぶっています。
そして、曇り空から少し太陽の光が届くようになり—
雪が溶けて冷たい雪解け水の直撃を食らっている図。
爽やかな済んだ空気の中雪道を歩けるはずが雨が降っているのと変わらない状態になってくる始末。
全員レインウェアのフードをすっぽりかぶったり、防水の帽子をかぶって雪解けの雨を凌ぎながら進みます。
山道を示すような看板が立っていたので、どうやら車道は終了みたいです。約30センチくらい積雪があるので全然わかりません。
山道に入ってきました。相変わらず雪解けの雨は降り続きます。
雪の重みで木が横倒しになっていて潜ることに。
これが思いのほか苦戦!
ザックにつけている荷物が引っ掛かるは、木の上に乗っている雪がドサッと落ちてきたり。
「ザックカバーつけるべきじゃね?」
あ、そういえばそんなものがあったな・・・。初めてザックカバーを使用しました。
だいぶ登ってくると霧の上に出てきました。
そして意外なことに富士山が木の合間から見えました。天気が悪くて期待してなかったので、嬉しい誤算と言うやつでしょうか。
何故かトレースがなかったのは自分たちが男坂のコースを登っていたからです。皆さん、女坂のコースを行くみたいで。分岐があったことに全く気付きませんでした。
雪山ではこういうちょっとしたコースの選択が命取りになるのかもしれないね!
丹沢の大山、伊豆ヶ岳にもありましたが、男坂と女坂なるものが色んな山にあるものなんですね。昔から山はジェンダー感が強い場所なんでしょうかね。
急って言うほどの坂道はなく、雪が積もっていても疲れることなく登れました。
高曇りの空に浮かぶ、藍色の富士山
11時45分 高川山山頂
狭い山頂に登山客がひしめき合っていました。この団体が駅に止まっていたバスの水戸アルパインクラブなのかな。
さすが水戸だけあって皆さん昼食には納豆を食べて・・・・ませんでした。
そしてこの景色!絶景です。
白い布地に藍染の染料をぶちまけて浮かび上がっているような景色が広がっていました。太陽の光が雲に遮られ、そこに冬の済んだ空気が加わったことで初めて見ることができる風景。
日本画家である横山大観の作品みたいな輪郭が淡い富士山。晴れを信じて出てきた甲斐がありますね。
そんな風景を動画でご覧ください。
お昼です。
山頂は風もなく寒くありませんでした。
サーモス山用の水筒を買った自分に手間など一切なかった。真冬の山頂でもあっという間に熱々のカップヌードルシーフードの出来上がりだ!
霧の海を見ながら食べるシーフードは最高だ!(スポンサーなってくれないかな)
そういえば神戸で家出した高校生が富士山の7合目で亡くなって見つかったニュースやってましたね。
15日午前8時25分ごろ、静岡県富士宮市の富士山7合目(約2800メートル)にある山荘近くで、うつぶせで倒れている人がいると、通りがかりの登山者の男性から110番があった。富士宮署員らが現場まで登り、死亡している少年を見つけた。
同署によると、少年は神戸市の兵庫県立高1年(16)。10日に冬休みの宿題をめぐり母親とけんかして家出、家族が同県警須磨署に捜索願を出していた。少年は顔を打っており、富士宮署が事故と自殺の両面で調べている。
よく家出した高校生が7合目まで登れたもんだ・・・。というかなんで登ったんだ・・・。
この高川山は秀麗富嶽十二景に指定されています。以前行った岩殿山もそうですね。
言わば富士山単独ライブのアリーナ席といった場所。
高川山山頂には2年前までビッキー(♀)という名前の名物犬が住んでいたそうです。山業界じゃ有名らしい。
めざましテレビの今日のわんこでも紹介されたことがある。
生きている間に会いたかったな。
帰りは田野倉駅(たのくら)に方面に下山します。
元々は大月駅まで行く予定だったけれど、ちょっと長すぎるなってことになったので。
降りで滑るのが怖いのでアイゼンをつけます。前日に神保町のさかいやスポーツでかった軽アイゼン(2000円)です。
ザックカバーにアイゼンとかはじめてつける装備が多いな。
美しい富士山の名残を背に下山を開始します。
名残惜しい富士山の眺め、下山は田野倉駅へ
下山となると雪山の難易度はグンと上がりますね。
ストックをうまく使い3点を確保して慎重に降ります。
自分のアイゼンは4本詰めなのですが、あんまり雪の上に固定される気がしない・・・。ないよりはマシなんだろうけど。
気を抜くと一気に滑り落ちそう。
天気が変わってきて陽が差し始める。
弁慶岩と名づけられた岩。弁慶は愛されキャラですね。
そういえばこの地下あたりにリニア実験線が走ってるらしい。
麓まで降りてくると雪はなくなり、アイゼンの隙間に泥が付着するので外します。
14時40分 高川山縦走完了
田野倉駅方面へ下山してきました。
中央道が走るトンネル高架下をくぐってから左方面に行くと駅があります。
ここは都留市(つるし)で、富士の裾野まで桂川が山間の間を蔓のように伸びてることから付けられた地名らしいです。へーへーへー。
指し色がラベンダーカラーの富士急行大月線の田野倉駅。
雪山とはいえ歩行時間4時間程度だったのでそこまで疲れたわけでもありませんでした。日曜日の登山にはもってこいですね。
初めて乗る富士急行。
初めて乗る路線はわくわくする。乗り鉄を自称してもイイかな。
大月駅で乗り換え。
中央線から見た夕焼け。
90分で雪景色から都会の雑踏に戻ってこれるのは不思議な感覚だ。中央線車内でみんなとお別れ。一人新宿まで乗っていきました。
欲しい本があったので渋谷のつたやに立ち寄りました。
ストックを指したザックを背負って、ライトブルーのマウンテンパーカーを着て、世界一人が通るスクランブル交差点を通るのは羞恥プレイでしかない。
京王線があるマークシティのわきにあるスタ丼で夕飯にしました。
学生の頃からお世話になっているこのスタ丼。
西東京発祥のこの店ですが、都内にも店舗がたくさんできて、数年のうちにメジャーになったもんだ。
にんにくの効いた豚丼です。
というかこの食事シーン要るの?
高川山の登山を終えて
駅から駅への縦走ができる稀有なコースの高川山は、初心者にもオススメの山です。
今回天気は今ひとつ優れませんでしたが、晴れを信じて出掛けてきたからこそ素晴らしい景色に出会いました。晴れを信じて出掛けてみれば、いつもとは違う世界が広がってるので皆さんも晴れを信じて出掛けてみてください。
この週の平日、東京にも雪がだいぶ積もりました。
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