2016年11月3日~4日
徳島県の剣山に行ってきました。標高は1955mです。
愛媛県の石鎚山に次ぐ標高で、四国では2番目の高さがあり、日本百名山に選定されている一座です。剣山から西へ続く稜線の先にある三嶺は高知県との県境になり、剣山と三嶺を結ぶ稜線は、四国山地の自然と展望を堪能できるトレイルです。
前年の2015年は石鎚山は究極と呼べる素晴らしい紅葉を堪能し、次回の四国はやはり剣山という情熱が沸々と沸き上がりました。剣山は四国の山深い場所にありますが、高原道路と登山リフトの充実で、観光客でも登れる山です。しかし、一介の登山者として、剣山と三嶺を結ぶ、四国山地の稜線を歩いてみたいと思っていました。
2か月前より日程を11月初旬の連休に決め、当日の天気を祈るように待ちました。そして、当日は西日本が晴れということで、快晴の下に四国の美しい稜線を旅してきました。
剣山・三嶺について
地図
剣山と三嶺の縦走ルートを1泊2日の行程で歩きました。それぞれの登山口に路線バスが通っているので縦走は容易です。
- 三嶺の登山口(名頃)に駐車
- 名頃から見ノ越にバス移動(1日2本)
- 剣山頂上ヒュッテ宿泊
- 剣山から三嶺の縦走
- 1に戻る
1日目に名頃から午後便(13:43)に乗りました。路線バスは三好市のホームページを確認してください。
LINK https://www.miyoshi.i-tokushima.jp/docs/4292.html
コースタイム
- 14:19見ノ越登山口
- 15:00リフト西島駅
- 15:35剣山頂上ヒュッテ
- 15:43剣山頂上ヒュッテ
行動時間は1時間24分でした。
- 6:35剣山山頂
- 7:19次郎笈
- 9:34高ノ瀬
- 11:27白髪避難小屋
- 13:16三嶺
- 13:49三嶺山頂ヒュッテ
- 15:22名頃
行動時間は8時間47分でした。
剣山・三嶺 縦走(1日目)
東京から夜行バスのエディ号に乗って、四国の徳島県へ
東京から徳島へは夜行バス「エディ号」を利用しました。
本州を飛び越え、四国までの距離の乗車時間は9時間もあります。石鎚山の時に利用した愛媛松山行きの11時間よりは少ないですが、やはりとんでもない乗車時間です。
夜行バスはいまだに慣れないので、寝れるときと寝れないときがマチマチです。プロの登山者になるには夜行バスに順応する必要がありますね~。無理だけど…。
2回目か3回目の休憩時に淡路島SAに立ち寄りました。
真っ暗だったので明石海峡大橋を通過したという実感はまるでなく、初の淡路島は面積がとても大きいので、島という認識が持てないままだった。
早朝6時30分にJR徳島駅に到着しました。
長時間固定された座席で、体のあちこちが悲鳴を上げています。スッキリと目覚めらえれる人は、特殊な訓練を積んでいる鉄人に限るでしょう。
大都会徳島駅のメイン改札。
剣山の登山口へはローカル線と路線バスを乗り継いでアクセスが可能です。今回は下山後に高知県に向かうこともあり、また、縦走に支障がないことからレンタカーを利用しています。
徳島駅前は早朝から開店している店があまりないのですが、リサーチしておいた駅前から少し歩いたところにあるうどん店にやってきました。口コミを見ると出張のサラリーマンに利用されているようです。
LINK セルフうどん やま
お隣の香川県が讃岐うどんであまりにも有名ですが、徳島県もまたうどん店の多い県らしいです。徳島県内で5店舗展開されているチェーン店。
朝に食べても美味しく食べられる優しい味でした。麺も讃岐うどん同様にこしが強いです。
ご当地感のある「鳴門わかめの天ぷら」は、衣も中身もサクサクしていて、ワカメの味が際立っていました。始めてワカメの天ぷらを食べましたが、徳島駅に来ることがあったら、また食べたいです。
レンタカーを借りたら、海側にある温泉施設で夜行バス疲れを癒しました。
徳島駅から剣山までは、国道438号線を約2時間ほど下道を走ることになります。徳島県内の市街地は20分も進めば、山間部へと入っていきます。
今回のマニアックな旅には、ゆみえもんさんに同行してもらいました。四国初上陸でしたが、夜行バスの苦行に少しお疲れのようです。
道の駅「神山」に立ち寄り、徳島っぽいものを購入してみます。徳島の山間部は関東の人間からすると謎に包まれている土地です。
杉を使った工芸品や鹿の角の置物などが売られており、この辺は本州の山間部とはあまり変わりのないところ。
道の駅のシンボルになっていましたが、徳島県はすだちが名産です。すだちのシェアは徳島県が100%だそうです。
徳島市内から剣山にかけての道沿いの市町が、特にすだち農家が多いそうです。
神山を過ぎると道は狭くなり、いよいよ山奥に入ってきます。見渡す限りの四国山地で、国道とは思えない荒れた道です。
峠のうねうね道を登っていると「何で?こんな山奥に?」と誰でも思うであろう場所にイタリアン料理店がありました。正面にイタリアのシェフの格好をした案山子が立っています。
後で検索しても見つからないので、幻だったのでしょうか…。
山頂に小屋らしきものが建っている山を発見、いよいよ剣山が近づいてきました。
剣山の登山口を一旦通り過ぎ、バス待ちの時間調整のため、「奥祖谷かずら橋」を観光しました。ちなみに最後まで覚えれませんでしたが祖谷は「いや」と読みます。
かずら橋はさるなし等の葛類を使った作られた原始的な話です。徳島県の観光名所の一つです。橋に乗るとギシギシと音が鳴り、高所恐怖症の人は渡るのに苦戦していました。
実際は中にワイヤーが仕込んであるので、大人数でも耐えられる仕様になっています。
奥のベンチで道の駅で買っておいたさんま寿司を食べ、こかららの登山に備えます。
何だかんだ時間がギリギリになり、三嶺の駐車場に駐車し、慌てて準備を開始しました。案山子がたくさんいます…。
名頃バス停(13:43)
三嶺の登山口にある「名頃バス停」から剣山へ向かいます。1日2便の三好市の市営バスです。
午後便でしたが、登山者が4~5人ほど乗っていました。
再び、剣山が近づいてきました。
「見ノ越バス停」に到着しました。
紅葉祭りが実施中ということで、いくつもある駐車場は埋まっているようで、見た限り警備員が5人以上は動員されていました。
さすがは百名山ブランドを冠しているということでしょうか。
見ノ越は標高1400mあり、晩秋の11月の空気は肌寒いです。
四国の山奥中の山奥である剣山ですが、民宿と売店、食事処がいくつもあり、観光資源の価値が大きいということがわかります。
全体的に昭和から引き継がれている施設をずっと使い続けている感じがあります。
紅葉は山頂では終わりかけ、登山口付近が見ごろになっていました。剣山の山頂付近の紅葉は10月中旬ごろのようです。
リフトを使わず見ノ越登山口から剣山を目指す
見ノ越登山口(14:19)
剣山の登山口より入山します。
中腹まで移動できる登山リフトがありますが、霊峰らしく登山口から登ろうと思います。
大剣神社は、剣山をご神体とする神社です。まずは、神社の境内に向かうため石段を登っていきます。
大剣神社を参拝し、今日明日の縦走を祈願しました。
この神社は土日と祭事のみに神職の人が駐在するそうですが、天候や体調によっても来ない日があるそうです。この日は休日でしたが無人でした。
境内に登山口があります。
御神体である結界を示すため、木にしめ縄が巻かれています。登山口を切り取ると栃木県の男体山のような雰囲気を感じます。
登山道は緩やかな登りで、よく踏み固められています。紅葉も少しだけ残っていましたが、冬の玄関に立っているようです。
登山用リフトの横を通過します。
この時間になると降りる人が多いです。結構な急勾配でなかなかのスリルがありそう。
リフトで楽すれば良かったと思いつつ、今日は山頂に登るゆとり行程のため、明日の縦走への足慣らしをしておく、という欠如気味なスポーツ観点意識も一応は忘れてはいません。
海抜1600m地点。
樹林帯は依然としてそのままですが、植林地帯ではないので「四国まできて奥多摩みたいな…」と言うことはありません。
山頂を見上げると今日宿泊する山頂小屋が見えました。山頂付近は風の流れが速いらしく、雲が勢いよく移動しています。
下山をするハイカーと何度もすれ違います。
リフト西島駅(15:00)
リフトで来れる場所まで到着しました。ちなみにトイレもありますが、なかなかのボロさなのでした。
ここからは誰もが同じスタートラインとなり、歩いて山頂を目指すことになります。山頂までは1360mの距離です。
ケーブルカーを利用して高尾山が登れれば、運動靴で歩ける距離です。
剣山はコースが豊富ですが今回はスタンダードな大剣神社を経て、山頂に至るスタンダードなコースを歩きます。
筑波山のような岩めぐりができるコースも魅力ですが…。
入口の鳥居に「四国つるぎ山」と書かれています。
「おさるの山」みたいなファミリー向けの観光地を思わせるフォントで、威厳が感じられないませんが、親しみのある感じがよいです。
後ろには「おつかれさま」と書かれていました。
売店っぽい建物は閉鎖されているようでしたが、営業されてないんでしょうかねえ。これだけ人が来れば儲けがありそうなものですが。
剣山は亜寒帯に属するため、貴重な高山植物の宝庫になっているらしいです。時期が秋なので何も咲いていませんが…。
あまり意識して見ていませんでしたが、剣山と石鎚山でしか見られない「シコクシラベ(シラビソのような木)」が貴重らしいです。
リフト駅から歩きだすと徐々に展望がよくなり、剣山周辺の山々の景色が広がります。正面は国道438号線の走る谷を挟み、黒笠山や矢筈山などでしょうか。
大剣神社(15:18)
リフト駅から歩き始めて18分、大剣神社が見えてきました。山と高原の地図では40分となっていたので少し大げさなコースタイム。
御神体を「御塔石」として、「天地一切の悪縁を絶ち、現世最高の良縁を結ぶ」という由縁のある縁結びの神社です。神職の人が駐在しているわけではないようで、閉ざされていましたが、お参りをしておきました。
病気を治し、若返りする「御神水」が沸いているのでチェックしてみてください。
大剣神社の裏手にあった御塔石を俯瞰することができるポイントがありました。
剣山と言うと穏やかな笹が茂る峰という印象ですが、巨岩や奇岩が点在する修験道らしい二面性があります。
ドラゴンクエストのマドハンドのように拳が地面から突き出たような形をしているなと。
徐々に雲が沸き始め、太陽が隠され寒くなってきました。
大剣神社から頂上までは、10分ちょっとの道のりです。急斜面で最後は階段状になっていました。
リフト駅からヒュッテまでは1時間のコースタイムとなっていますが、実際はそれほどかかりませんし、Pコートでペタンコ靴の女子が歩いていました。
剣山本宮の鳥居が最後に待っていました。
剣山頂上ヒュッテ(15:35)
見ノ越登山口から1時間10分、リフト西島駅から35分ほど掛かりました。
ヒュッテの隣は剣山本宮(剣山本営宝蔵石神社)になり、小さい神社になっています。お守りやお御籤などもあり、御朱印も頂けるようです。
広々としたフラットな剣山の山頂と次郎笈の展望
ヒュッテと神社の間に階段があり、ここから山頂エリアに行くことができます。
山頂に出ると高い背のある樹木は一切なくなります。
剣山の頂上は植生保護と観光客のために、木道の散策路が整備されています。緑に覆われたフラットな山頂と言うと、長野県にある美ヶ原や霧ヶ峰などに雰囲気が重なります。
市街地から剣山に来るまでの道中のほうが自然が濃かった気がするな…。
雲がどんよりな天気に変わってきてしまいました…。
山頂は広いのでそれぞれの方角の景色が見れるようにコースが分かれています。
中央には現在では廃止になっている測候所の跡があります。剣山測候所は富士山の測候所に次ぐ2番目の高さだったこともあるらしいです。
84年は積雪295cm、81年は-23.5度、01年は風速55mという気象データ記録を見つけました。四国の山とは言え、下界とは完全に違い過酷な環境です。例年1m未満の積雪なのに84年に一体何が!?と言うデータ。
春から夏にかけては美しい緑色であろう山頂は、ものさみしい冬枯れの色になっていましたが、近寄ってみると薄く氷が付着していました。どうやら早朝に霧氷になっていたようです。
山の斜面を見ると溶け残っている霧氷の木々を発見しました。紅葉は終わっていましたが、そのぶん冷え込みが進んで、霧氷と言うのは良い代替です。
山頂一帯の全景です。
左がヒュッテのある建物、アンテナがある下にある建物は公衆トイレです。
ちなみにこのトイレは新築らしく、とても奇麗でした。
山の中で見かけたトイレランキングNo.1です。
しかも、これが山頂にあるトイレだというから驚きです。山頂の風景より感動するかもしれません。全ての山のトイレがこうであってほしい。
トイレから話を戻します。
しばらく山頂方面に進んでいくと登山道が分岐しています。
剣山山頂(15:43)
「あれ?これ山頂?」って、通り過ぎそうになりました。見ノ越登山口から約1時間半での到着です。
木道の分岐の中間に山頂があります。
剣山の山頂は岩で積まれ、しめ縄で囲まれ、まるで土俵のようになっていました。日本領土最南にある沖ノ鳥島のような守られ方です。
そして、山頂から数歩足を進めた先に剣山の象徴的な風景があります。
次郎笈へ続く稜線です。
剣山の別称が太郎笈(たろうぎゅう)で、その対ということで次郎笈と名付けられたそうです。シコクザサに覆われているので、抹茶ババロアのように真緑色しています。夕方の時間帯なので少しわかりにくいですけど。
日常で使われない「笈」という感じを調べると「おい」また「きゅう」と読む。山の名前が「ぎゅう」と濁るのは謎です。
修験者,遊行者が法具,仏像,経文,衣類などを納めて背負い歩く箱
「笈」は今でいうリュックのことらしいです。
山頂に誰もいないことをいいことに、遊びすぎて誰もいなくなってしまいました。ということで、ヒュッテに戻ります。
食事よし!風呂あり!こたつ個室!最高環境の剣山頂上ヒュッテ
剣山頂上ヒュッテに戻ってきて、受付を済ませました。宿泊料金は1泊2食付きで8500円です。
LINK http://tsurugisan-hutte.com/
1階は食堂兼喫茶スペースになっています。
宿泊客以外でも軽食などの食事メニューを注文できるようになっています。冷蔵庫もあり、ビール、炭酸、お茶なども充実しています。
チェックインを済ませて、2階へ移動。内装が山小屋とは思えないくらいにキレイです。剣山頂上ヒュッテは嬉しいことに2人以上のグループは、基本的に個室が割り当てられます。
単独の人はドミトリータイプになってしまいますが、それでも快適そうです。
そして、これが個室です。
こたつが設置されているではありませんか。電源ケーブルを500円でレンタルする仕組みで、もちろんのことレンタルしました。ドミトリーの人はこたつがないので可哀想でした。
1階で貰える暖かいお茶をすすり、こたつでぬくぬくできるなんて最高か。コンセントもあり、電気もON/OFF自由。
頂上直下にある山小屋では、最高レベルの環境なんじゃないでしょうか….。
夕日を見る予定でいましたが、部屋の窓から見るといつの間にかガスガスになってしまっていました…。無念ですが、夕日は諦め。
1階に降りると炊事場がありました。この日は学生グループが団体部屋?を使っていて、食事時はカレーを大量に作っていました。
そして、なんといってもお風呂があります。
「西日本一の高さにあるお風呂」とホームページでは触れ込みがあります。標高が上の石鎚山の山荘にはなかったので、確かにですね。
そして、お待ちかね、17時30分になると夕食の時間です。
夕食のラインナップです。
一汁三菜(四菜)のお膳で、全体的にあっさりしていますが、どれもこれも手が加えられたメニューです。
徳島の夕食はお味噌汁の代わりにお蕎麦を食べるんですかね?
メインディッシュは揚げ立ての天ぷらです。
渓流魚の「アメゴ(関東ではヤマメ)」のフライは淡白ながら衣に味がついていて、ご飯が進みました。
あまりにも恵まれた小屋です。すべての山小屋がこうであって欲しいですね。
快晴予報の週末でしたが、山荘が混雑していないのは、登山口からの近さがあるのでしょう。逆に宿泊すると良い思いができるパターン。
売店でビールを買って、こたつでちびちび飲んでいる内に眠りにつきました。
剣山・三嶺 縦走(2日目)
剣山山頂からご来光を見て、三嶺の縦走へ
夜、目が覚めて窓の外を見てみるとガスが晴れていました。小屋の外に出てみると満天の星空が広がっていました。
階段を登り頂上付近に行ってみましたが、非常に風が強く、氷の粒みたいなのが顔にあたり痛いので、潔く撤退しました。
朝、目が覚めると、窓枠にうっすらと雪がありました。
朝食はシンプルに卵かけごはんでした。ご飯をモリモリ食べて、これから待つ縦走に備えます。
お弁当を注文していたので、朝食後に受け取りました。
稜線を歩く時間を考慮して、飲み水もしっかりと貰っておきました。水場マークは3か所ありますが、あまり充てにしていませんでした。
日の出を山頂で見るために準備して外に出ると、昨日とは景色がガラリと変わり、白一色に変わっていました。
星空を見に外に出ていた時は霧氷になっていなかったので、未明にかけて放射冷却が進んだようでした。
つるつる滑る木道を慎重に進み、東側のデッキを目指します。風が少し強く吹いているため、とてもダウンを着込んでいても寒いです。
東側の空が明るくなっています。
瀬戸内海を挟んで、和歌山県がある紀伊半島を眺めることができました。
剣山の山頂一帯の植物が凍てつき、白く霜が降りていました。
遮るものが何もないため、北風に晒されながら太陽を待ちわびます。
早く出てほしい…。
宿泊客の半数以上がデッキに集まり、今か今かと日の出の時刻を待ちます。
自分たちは縦走に備えて、ハーフパンツにタイツのスタイルなので、とても耐えきれない寒さです。
そして、ようやく東の空から太陽が顔を覗かせました。
四国2番目の標高で眺める朝日です。
石鎚山は被写体となる天狗岳があり、カメラマンが先頭で構えていたので、煩わしかったのですが、剣山は落ち着いたものです。
日の出と共に登山者それぞれのスタート合図。
正直なところ、剣山頂上ヒュッテの満足度により、「このまま下山した方が幸せなんじゃないか?」と脳裏をよぎりましたが、太陽の光を浴びると「やってやるか」という気分にさせてくれます。
罰ゲームのような耐寒訓練でしたが、太陽も昇り、昨日と同様に山頂を目指します。
リフトが営業していない時間帯に頂上を目指してくる猛者はいません。山頂を訪れたのが夕方と早朝なので、日中はもっとたくさんの人が溢れているんでしょうか…。
剣山山頂(6:35)
剣山の山頂に到着。
標高1955mの山頂は誰もいませんでした。
山頂碑から太陽が昇ります…。
次郎笈が朝日を浴び、昨日より美しい姿をしています。
出発を早めて次郎笈で日の出を見てもよいですが、やはり剣山から眺める次郎笈が一番のベストスポットだと思います。
いよいよ、剣山から三嶺の長大な縦走の開始です。
剣山の登山口である見ノ越登山口から、三嶺の登山口である名頃まで全長22キロの道のりです。昨日は4キロ程歩いているので、剣山の山頂からは18キロ。
18キロというのはJR営業キロだと、東京駅から川崎駅間。こう聞くと長く感じる…。
シコクザサが生い茂る緑の次郎笈
白くなった木道。
雪が積もったかのように霜がびっしりです。木々も白く化粧をして、神聖な場所に様変わりしていました。
綺麗な山体に一筋の登山道が伸びている次郎笈。雑誌かネットかは忘れましたが、この風景を写真で見た瞬間から、いつかこの道を歩きたいと思っていました。今日はそれが叶う日です。
登山道は膝下くらいの背丈の笹に覆われています。
シコクザサは隈笹の種類一つで、三嶺や笹ヶ峰などの山に見られます。
今回の最終目標地である三嶺が見えていました。ひと際尖っているのでわかりやすいです。
北側から吹き付ける風に悩まされながら、次郎笈へと向かって一人分の稜線を進んでいきます。
白いサンゴのように枝に霜が付着しています。
中間点に分岐があり、次郎笈を巻ける道がありますが、せっかくなので次郎笈に登ります。
後ろから昨日ヒュッテに宿泊していた学生の団体が騒がしく迫ってきており、抜きつ抜かれつになると面倒なので先を急ぎます。
次郎笈を歩けるだけで念願が叶ったというのに、霧氷をおまけしてくれる剣山には感謝しかありません。
振り返ると2日目にして、ようやく剣山の姿がわかります。日が昇ってきて、笹の緑と木々の白のコントラストが明瞭になってきました。
日が昇ると溶けてしまうし、最適な時間に歩けました。頂上ヒュッテに泊まって大正解でした。
霧氷を楽しみながら登っていたら、あっという間に頂上に到着しました。日も登り、風は強いままでしたが、少しだけ暖かみを感じるようになりました。
次郎笈(7:19)
先行していたグループがいたのですが、どうやら次郎笈は巻いたらしく、誰もいませんでした。山頂は程よく広いです。
次郎笈から見た剣山。
次郎笈が弧を描いているのに対して、剣山は鋭い角を描いていて対照的な形です。こうして見ると剣山の山頂が平べったくなっているとは到底思えないから不思議です。
そして、剣山とのお別れです。
今度は縦走ではなく、剣山をじっくりと見て回りたいと強く思いました。剣山は日帰りで登るにはもったいない山です。
フラットな笹の稜線が続く、四国の天井、大展望のトレイル
次郎笈からは300mも下ります。
霜が降りているため、足場が少し泥になり初めていました。設置されていたロープを掴み、慎重に降りていきます。
下りきったところにある看板に三嶺までの距離は15.2㎞と表示されています。10㎞を超える表示は他の山ではあまり見かけない。
ひとまず1.8㎞先にある丸石というピークを目指すことになります。
一人分の道幅のシコクザサの尾根道を歩きます。笹に霜がついていて、ゲイターをしていなかったので少し濡れました。
左側は断崖になっていて、転がり落ちてしまうとかなり危険かも。
次郎笈の陰になっていた場所から、日当たりの良い場所にでました。目指す三嶺はまだまだはるか遠くです。
稜線上には頻繁に看板が設置されていて、現在地が把握できるのでありがたいです。
こんもりとした丸石へと続く道です。指でなぞったかのようになっているので、登山道がわかりやすい。
本州の隈笹は背が高いで、かき分けて進む藪漕ぎになることもしばしば。シコクザサの低さは視界を奪うことはなく、全部移植したいくらいです。
丸石(8:16)
丸石の標高は1684mです。剣山から300mも標高が下がりました。
標高が下がっているので、次郎笈がより大きく見えました。ここで宿泊していた5~6人の中年グループを追い越し、それ以降に追い抜き、追い越されるグループはいませんでした。
丸石を過ぎると樹林帯に入ります。全ての木々の葉が飛んでいますが、紅葉の時期だと綺麗なんでしょうかねえ。
倒木を乗り越えるような道になってきて、栃木県の皇海山で、笹やぶの中で迷いに迷った悪夢が脳裏をよぎりましたが、やはり背丈が低いので道は明瞭でした。
日当たりの悪い場所では苔がもっさりと木に張り付いていました。
丸石避難小屋(8:36)
樹林帯の中にひっそりと避難小屋がありました。
中をのぞくと昨晩は誰も使った気配はありませんでした。
避難小屋に宿泊は指で数える程しかしていませんが、泊まりやすそうではありました。でも、次来る時があったとしても、ヒュッテの快適さを味わっているので、ここに泊まることはないでしょう。そういう体になってしまったんだ…。
丸石避難小屋からは、昨日観光したかずら橋に降りることができます。日帰りでプチ周回するのであれば良いかもしれません。降りたら入場料どうなるんだろうか…?
次は高ノ瀬(こうのせ)というピークを目指します。
丸石避難小屋を過ぎると細かいアップダウンはあるものの平坦な道が続きます。しばらくは樹林帯の中を歩くので地味な風景になります。
サクサク進めるので距離が稼げる区間です。最後は凶悪な登りが待っているので、体力は残しておきましょう。
まだまだ三嶺までは遠い。
樹林帯を抜けると登山道の隅っこで、山並みを眺めながらくつろいでいる単独のおじさんがいました。三嶺に宿泊していた人だと思います。
樹林帯の雰囲気が変わり、立ち枯れの木が目立つようになりました。
このあたりの風景は石鎚山にはなく、どちらかというと紀伊半島の大峰山や大台ヶ原にそっくりです。
高ノ瀬(9:34)
登山道の途中にポツリとある標高1740mのピークです。
しばらくは、立ち枯れと笹の穏やかな稜線が続きます。
振り返ると剣山からだいぶ離れて、結構歩いてきたことを実感します。
しかし、目指すべき三嶺はまだだいぶ遠いです。
RPGでダメージを何度も何度も与えても、一向に倒せる気配のないボスと戦っているようです。
一向に縮まらない距離とアップダウンに体力を奪われ始める時間帯です。
高ノ瀬から少し進んだ先にオオヤマレンゲ群落を示す看板がありました。大峰山の弥山と八経ヶ岳の間にもありました。
花期が6月下旬~7月上旬と梅雨真っただ中なのが難点です。
鹿の食害防護柵が張ってあり、守られていました。四国の山でもまた鹿が増えているのでしょうか。
アップダウンが続きます。
ゆみえもんさんは朝ご飯を食べると進みが悪くなるという症状が発症し、少しばて始めてきました。
三嶺まで9㎞地点を示す看板。
ここは徳島県と高知県の県境で、三嶺の山頂まで続きます。人生初めての高知県入りです。山の中で、初めての県に入るのは富山県以来の2度目かも。
県境の始点から少し進むと展望が良い稜線が復活します。登山道の左側が高知県、右側が徳島県です。立っている岩の上は高知県です。
高知県はカツオが取れる海、四万十川の清流のイメージが先行し、山がある認識がありませんでした。
「これが高知県だ!!」と、この写真を貼られてもピンとこないこと受け売り。しかし、他のどこにもない稜線です。
剣山と次郎笈と大きく違い、稜線上に巨大な岩が点在しています。
「屋久島感があるな~。」
屋久島は花崗岩なので、岩の質がまるで違いますが、笹に覆われた岩が落ちているのはどことなく雰囲気が似ています。
突然、ポカンと笹だけが茂る何もない牧草地のような空間がありました。標高のある場所で、木も岩もない平坦地というのが不思議です。
地図上では「三嶺が見える平坦なササ原」と書かれている場所です。
正面に三嶺がそびえていて、絶好のロケーションです。
道の駅で買った徳島県産すだちジュースをここぞとばかりに開封。すだちの果汁にはクエン酸が含まれているので、きっと疲労回復効果あり。
縦走をする場合は必ず購入しておきましょう。
眺めもいいことだし、宿で頂いたお弁当を広げて食べることにしました。大きなおにぎりが二つ入ったお弁当です。
目指す三嶺はまだまだ遠い…。
剣山を出発して、3時間50分が経過していますが、後3時間のコースタイム分の距離を残しています。勝負どころの後半戦です。
昼休憩を終えて再び樹林帯に入った場所でリンドウらしき紫色の花を発見しました。この時期に見つけた唯一の高山植物です。
平和丸と比較的新しめの看板が立ててあった標高1700mのピークを通過します。
登り降りを感じることなく、片手スマホをして、大音量で音楽を聴きつつも歩けるような道が続きました。
平穏な風景の中に白い小屋が見えてきました。
白髪避難小屋(11:27)
稜線上にある二つ目の小屋です。開放的な雰囲気があり、泊まるならこっちの方が良さそうです。
内部は先ほどと同様に床一枚!!!!というシンプルな感じでした。テントを貼るスペースも周辺にはありました。
確認しませんでしたが、小屋から5分下った場所に水場もあるようです。
三嶺までは後5kmの道のりです。
三嶺を登らず林道経由で名頃に降りるルートがあります。エスケープする状態で、破線ルートにで熟練者向き、危険で迷いやすいコースになっているので、判断に困るところですけど…。
避難小屋から先は少しだけ登らせてきます。さすがに疲労が蓄積されて、ペースが落ちてきました。
カヤハゲ(東熊山)を目指しますが、今までとは違う高低差のアップダウンがあります。避難小屋からは50分の道のりですが、長く感じました。
三嶺まで後3.2km。
確実に近づいていますが、まだ遠い…。
カヤハゲ(12:20)
看板がありませんでしたが、たぶんカヤハゲ(東熊山)であろう場所に到着しました。残すピークは三嶺のみとなりました。
風も弱くなり、暖かくなってきたので薄着に着替えます。
疲労が蓄積されつつも三嶺の急峻な登りへ
三嶺に向けての最後の樹林帯歩きです。まだまだ三嶺本体は先です。最後の最後にかなり下らせてくる鬼畜仕様。
そして、いよいよ三嶺本体へアプローチする鞍部にやってきました。
巨大な岩がお出迎え。特に名前が付けられている岩ではありませんが、存在感が抜群でした。
その岩の横を鎖を使って登っていきます。
三嶺本体は縦走ルートでは、味わうことなかった急勾配に変わります。
巨大な岩の上に登ると三嶺から天狗塚へと続く、甘美な稜線を眺めることができました。
三嶺との戦いはまだまだ続きます。
ひらがなにすると「みうね」と曲線ばかりの文字で、おっとりしたお姉さんタイプのイメージですが、実際は急峻で攻撃的な登りを強いられます。
途中にちょこっと架かった橋が可愛らしい。
ほぼ崖のような岩肌を梯子と鎖を頼りに登ります…。
三嶺の最大の特徴はこちらのコメツツジの群落です。
春に白い小さな花を咲かせるようですが、紅葉の時期が有名なようです。
訪れた時期が遅いので、鮮やかさに欠けていますが…。
シコクザサに覆われ、コメツツジがびっしりと個性的な山です。
そして、縦走ルートでは感じることのなかった人の賑わいを感じます。
コメツツジが紅葉する高知県の最高峰
三嶺山頂(13:16)
剣山の山頂を出発して、6時間41分。悲願の四国随一の稜線を歩き切りました。感無量の思いです。三嶺は日本二百名山に選ばれ、高知県の最高地点になります。
三嶺は「みうね」の読み方が一般的、「さんれい」とも読むらしいです。これは山の名前が、県や地域によって違うパターンでしょうか。
例:金峰山(山梨「きんぷさん」、長野「きんぽうさん」)
山頂は程よく狭く、360度の景色を見渡すことができます。
三嶺から西側、天狗塚へと続く稜線は、開放的で歩いて楽しそうです。高知県側にある西熊渓谷から歩くと良さそうです。
早朝に出発した剣山と三嶺は遥か遠くです。
日帰りで歩ける人もいるようですが、平坦な稜線が続くとは言え、細かなアップダウンも何だかんだ多いです。普通の登山者であれば、呆気なく終わることはないかと思います。
剣山から三嶺の稜線は変化に富み、四国でしか見られない特異な風景で、人生最高の稜線だったと言わざるを得ない。
名残惜しい展望ですが下山を開始します。これ以上、登ることはもうありません。
10月中旬から下旬にかけて見頃らしいコメツツジの紅葉ですが、近くで見ると赤いのですが、引きで見るとくすんだエンジ色になってしまいます。
山稜部一帯は「三嶺・天狗塚のミヤマクマザサ及びコメツツジ群落」として天然記念物に指定されています。
三嶺は伝わりにくいのですが、造形が歪んでいます。片側は断崖のような地形なのに、片側はフラットな地形。テーブルマウンテンのような感じですが、それとも違う感じです。
三嶺直下に物語の世界にありそうな風景が広がります。覆われたササ原、コメツツジ、中央の池、白い山小屋。民族衣装を着た少女が、大型犬と一緒に勢いよく飛び出してきそう。
四国で一番美しい山と評価されるのも納得です。だけど、コメツツジはもっと赤いものだと思ってた。
三嶺ほど別天地という言葉が似合う山はないかなと思います。
特に名前がついていないようですが、穏やかな池です。火口湖になるんでしょうか。
三嶺ヒュッテ(13:49)
縦走ルートで3つ目の小屋です。1日目を頑張る場合、こちらの小屋に宿泊してもいいですね。営業小屋ではなく避難小屋なので、寝袋などの装備は必要です。
中をのぞくと2階建てで、キャパシティはかなりのものでした。
小屋の奥にはトイレがあります。
1日目に車を置いた名頃へと下山します。
縦走を終えて達成した気分ではありますが、まだ2時間の道のりを残しています。
解放感抜群な四国の天井を行くトレイルは終わり、樹林帯へと入っていきます。
下山路は勾配が緩やかで、落ち葉がクッションになっているので、縦走で疲労した足には優しかったです。
中腹まで下ると紅葉が残っていました。
一日中雲の無い天気でした。色々な手配の都合上、旅を直前に決めたわけではないため、それだけ運に恵まれたと思います。
歩いてきた稜線を見ながら下っていきます。
途中、林道と合流します。
白髪避難小屋から降りてくるとこの林道に戻ってくるようです。
林道を少し進むと、駐車場と記された案内があるので、再び山道へと入ります。
徐々に集落に近づいてきました。
剣山を訪れる観光客は多いので、車やバイクの音が響いています。
林業用と思われる滑車をくぐる。
そして、黙々と山道をくだると登山口が見えてきました。長く歩いたからこそ、この瞬間もまた山頂に立つと同じくらいに嬉しい。
名頃(15:22)
剣山を出発して、8時間強。
休憩はところどころ多めに取りつつ、無事に歩き切ることが出来ました。
駐車場にあるベンチで項垂れる私と到着を待っていてくれた案山子の皆さん。
説明を省きましたが、奥祖谷のかかしは有名です。一人の女性が、農作業をしたり、井戸端会議をしたり、村に溶け込む案山子を制作しています。
案山子の数は180体以上、住民の数より圧倒的に多いとか。
疲れた体を癒すため、バス一駅分を移動し、温泉へとやってきました。
剣山の登山口の見ノ越の昭和から続くボロボロな施設と比べると、真新しい旅館です。
はっ!?こんなところにも案山子が!!
東京に帰ってきて、通勤路の夜道にこの案山子が現れたら、おしっこちびって駄目になりそう。
時間帯が良かったのか、大浴場と大露天風呂を貸し切りでした。500円と言うリーズナブルな日帰り価格ながら、旅館の良いシャンプーとリンスが使える温泉でした。
ひろめ市場でカツオと屋台餃子を食べる高知ディープナイト
下山後は高知県に宿を取っていたので、2時間ほどの移動を経て、高知県の市街地に移動しました。そして、やってきたのは高知県中心地にあるひろめ市場です。
高知県は酒飲みのパワースポット。
たくさんの飲食店が集合し、好きな店で好きな酒と食べ物を注文し、オープンスペースの座席で食べるという観光名所です。
高知は「べく杯」という盃があります。
穴が開いていたり、テーブルに置けない底になっている盃です。つまり、貰った酒はすぐに飲み干さなければならないという、アルコールハラスメント万歳な文化がある程。
魅力的なメニューの数々が並び、どれを注文していいやら悩みます。市場も兼ねているので、パックされたお刺身を取るというのも選択肢に入る。
とりあえず、高知を訪れたんだからカツオでしょう。
高知県では10月~11月は戻り鰹が旬な季節で、最も鰹に脂が乗りる美味しい季節です。藁焼きのパフォーマンスを間近で見ることが出来ます。
初回に頼んだメニューはこちらの鰹の叩き2種と鰹のお寿司の鰹三昧。左下はあおさの天ぷらです。
高知県の最高峰に登ってから、高知県の最高の鰹を食べるという究極の美食です。
都内のスーパーで売っている鰹とは、味も香りも食感もすべてが違っていました。本当の鰹はこんなにも美味しいのか…。
特に塩鰹は本当に美味しかった。
来てよかった…。
厳しい縦走を終えて、何食べても美味しと言うのはありますが、普通に訪れてもずっと入れるなここ。
鰹と同じくらいに楽しみにしていたのが餃子です。
「屋台と餃子とビールは高知の文化です。」と書かれた安兵衛(やすべえ)というお店の餃子は絶品だとか…。餃子の本場、宇都宮の人間としては食べなければならない。
高知餃子は小ぶりで焼き餃子というより揚げ餃子に近い仕上がりでした。中身はキャベツ主体なので、普通の餃子とは違いますが、おつまみ感覚であっさりと食べられて非常に美味。
パクパクと食べられるので、いつの間にか無くなっていました…。
ひろめ市場での宴をいったん終え、寒風吹く高知の繁華街をブラつきます。
と言うわけで、ひろめ市場から徒歩で結構歩き、安兵衛の本店である屋台にやって来たのである。
空の下、屋台で餃子を食べる。これが高知の文化らしい。
サラリーマンのおじさんたちは11月の寒空の下、ビールケースを積み上げたテーブルで、ビールを飲んでいます。これが純潔の高知県民か…。
目の前で餡を皮に包み、焼き続けられています。
ひろめ市場ぶりの餃子です。
こんがりきつね色の餃子の焼き餃子。ああ、屋台で食べると余計に美味しいなぁ。おでんとラーメンもメニューにありますが、さすがにお腹いっぱいなので餃子だけにしました。
皮が薄くぱりぱり、餡は肉が多めですがあっさり。ニラは出荷量日本一の高知県産のものでしょうか。高知県でしか食べられないと思いきや、東京の恵比寿に店舗があるのでチェックです。
剣山から三嶺、そして初めての高知県で大満足のグルメ。
早朝から深夜まで体力の限りを尽くした長い一日でしたが、忘れることのない濃密な一日でした。2016年では最も記憶に残った一日だと思います。
足がもう棒の状態でしたが、何とか宿にたどり着きました。
翌朝は桂浜にて「日本の夜明け」見るため、すぐに眠りにつきました。
剣山・三嶺の縦走を終えて
一回の旅で石鎚山と剣山をそれぞれ日帰りで登って、「それじゃ、四国はバイバイ」とする登山者が多いです。本州、北海道、九州に比べると山域が狭いのが四国です。確かに一度の旅で日本百名山の2つを回ってしまえば、旅費が安く済むので、合理的です。
ディズニーランドとディズニーシーを土日にそれぞれ行くようなものです。どちらも1日で回り切れないテーマパークなので、忙しく回ることになり、乗りたかったアトラクションは乗り切れず、見たかったショーは見れなくなります。だったら、ディズニーランドを二日楽しんで、次回はディズニーシーという方が良いかなと思います。
かつて、隣接する蓼科山~霧ヶ峰~美ヶ原を1日で回りました。その時だけは達成感がありましたが、時間が経って振り返ると一つ一つに思い出が残らず、日本百名山というブランドに捕られた後悔でした。
剣山と石鎚山は距離とお金の優先順位を度外視し、一つの山をじっくり計画を立てる価値のある山です。今は四国は東京から夜行バスで来れて、低価格な飛行機も航行しています。
兎にも角にも剣山と三嶺は、文句のつけようもなく名峰でした。念願の四国の縦走路を歩けて幸せでした。剣山で思いがけない霧氷に染まる剣山と次郎笈、少し涸れかけていましたが三嶺では紅葉をみることができました。
10月下旬ごろから11月上旬は縦走路を歩く最適な時期かもしれません。
今度は剣山を一日かけて歩いたり、三嶺から天狗塚へと続く道も歩いてみたいです。
足の肥えた登山者であれば、是非とも四国でしか味わえない縦走路を歩いてみて下さい。また、剣山頂上ヒュッテは最高レベルの山小屋なのでおすすめです。
石鎚山の記事はこちら
紅葉最盛期に訪れた四国愛媛県の石鎚山の記事です。
この時も山頂の山小屋に宿泊し、日の出と日の入りに輝く最高峰の天狗岳を眺めました。併せてごらんください。
コメント
稜線沿いに続く登山道が最高ですね!
最近読んだ雑誌で剣山から次郎笈への稜線の写真を見て、今年行ってみようと思ってまして。
いつ行こうか考えてたんですけど、写真を見ていると今すぐにでも行きたい気分になっちゃいますね~!!
こちらの記事も参考に計画しようと思います。
これからもブログ楽しみにしてます。
>ujimachaさん
剣山から見る次郎笈、なんかこう緑の中に一本というのが、なんかこう良いですよね(語彙力不足)
今、行ってしまうと真っ白なので、雪解けしたら行ってみてください。
この記事で紹介している三嶺の縦走は大変ですけど、計画は幾通りも描けるので是非楽しんで見て下さい。
お疲れさま~
素晴らしい稜線ですね♪
初めはちょっと距離が長いのかな?とも思ったけど、
読んでる私まで幸せな気持ちに なりました。どこまでも歩きたい!
「Veryblueさん下山しないで!!」って思いました(ダメですか?)
本場で食べる鰹のたたきが美味しそう(*^^*)
>やま子さん
距離も長ければ、記事も長くてすいません。
アクセス解析を見ると6分~7分程読むのにみなさん時間がかかっているようでした。
四国はまだ行きたいところもあるので、行くことになると思います。
高知もまた行きたいです。
鰹!!!