
2025年1月11日
千葉県勝浦市の鵜原理想郷をハイキングしてきました。
勝浦市が推している景勝地で、起伏のある岬にハイキングコースが整備されており、約1時間で散策できます。「理想郷」という地名は、大正時代の別荘地計画に由来しているそうです。

近年、真夏でも涼しいと話題になっている「勝浦」。ふと調べてみると、「理想郷(ユートピア)」という場所が実在することを知りました。物語や思想の中だけのものだと思っていた「理想郷」が現実にあると知り、千葉県勝浦を旅してきました。
鵜原理想郷 ハイキング
思ったよりも規模が小さい勝浦朝市で海鮮丼

目的はハイキングですが、まずは勝浦といえばの「勝浦朝市」にやってきました。日本の3大朝市の一つらしいですが、他の朝市は行ったことがないので知りません。

朝7時から営業している「朝市新鮮広場うおすい」で食べることができます。


お茶碗一杯分より少し多いくらいの小ぶりなサイズですが、海鮮丼をリーズナブルな700円代で食べらます。うにいくら丼でも1700円。味噌汁100円は貝がゴロゴロ入っているので、絶対に頼むべし。

冬の旬、ブリの漬け丼です。脂がとろっとろに仕上がっていて最高でした。

こちらは、マグロの漬けとイカのハーフ丼。

「三大朝市」と聞いて期待して訪れましたが、実際は約300mの区間に30店舗ほどと、思ったより規模が小さかったのが正直な感想です。


魚の干物や野菜が販売されています。めっちゃでかいニンニクを100円で買いました。ニンニクなんてあればあるだけ良いですから。


ラーメンやコーヒーなどの店舗も出ていました。
しかし、エビとかイカとか貝などを豪快に炭火焼きした屋台とか欲しかった。手作りのジャムやシフォンケーキは…。とか言いながら、美味しいケーキを買って帰りました。
夏は涼しいらしい勝浦を眺める遠見岬神社

朝市会場の中央には鳥居があり、そこをくぐって遠見岬神社(とみさきじんじゃ)を参拝します。

心臓破りの石段を登ります。
ひな祭りの時期には、石段がひな壇になり、1800体の雛人形が飾られるそうです。ちょっと、見てみたい。


遠見岬神社の本殿は簡素な造り。早朝にも関わらず、数十人の参拝客がいました。

境内には巨大なご神木があります。

高台にあるので、勝浦の街を見下ろせます。
ここ数年、日本の夏は灼熱のように暑くなっていますが、勝浦は真夏でも比較的気温が低く、涼しいと注目されています。標高1000mの奥日光と同じ気温なのだとか。

海底が深く冷たい水があり、南風が冷たい空気を陸地へと運ぶので、天然のエアコンになっているのだとか。夏の暑さは異常ですから、移住したいです。
ただ、山には行きにくくなるな…。最近は暑すぎて、真夏に山に行く機会も減ったけど…。
大正時代の別荘地計画、鵜原理想郷を歩く

勝浦市内から来るまで約20分ほど移動し、「鵜原理想郷駐車場」に到着しました。
車道の青看板に「理想郷」という表示があるので、知らずに通行する人は「何のこと?」と思うんじゃないだろうか。自分はラブホかなと思う。

10台くらい駐車するスペースがあり、公衆トイレがあります。観光に力を入れているのでしょう。

「鵜原館(うばらかん)」という旅館があり、同じ方面にハイキングコースがあるようです。


トンネルがありました。「もしかしたら本当にユートピアに繋がっているんじゃなか?」という期待を高めてくれます。

1つ目のトンネルをくぐり抜けると分岐あります。

2つ目のトンネルは、さらに薄暗く、まるで坑道のようです。

トンネルを抜けると別の世界、そんな設定は何度も目にしてきましたが、最初に思いついたのは誰なんだろう。

しかし、それはファンタジーの世界だけであって、普通にハイキングコースに変わります。まずは、「手弱女平(たおやめだいら)」を目指します。

分岐を曲がると、茂みの中から黒猫が現れ、こちらの前を歩き始めました。
「ファンタジーの世界が始まったのか?!」と思いましたが、少し距離を詰めると、黒猫は再び茂みの中へと姿を消してしまいました。

潮風で侵食した複雑な地層がありました。フィギュアや花瓶を置くのにちょうどよい空間です。


分岐から数分歩くと、草原の広場に出ました。ここが「手弱女平」です。

芝生から石を登っていきます。


「幸せの鐘」は理想郷の象徴的なスポットで、壮大な太平洋の眺めがあります。

理想郷の全景です。
平屋が1軒建っているけど、誰かの別荘なんだろうか。

冒頭でも書きましたが、「理想郷」は別荘地計画が由来しているそうです。
やさしい潮風が吹く、あなたの求める理想郷ーユートピアー
高級マンションの広告に使われているコピー(通称マンションポエム)だったのかもしれない。

うねうねした常緑樹の幹の中を歩いていきます。
ガサッと音がしたら、目の前をキョンが横切りました。房総半島で増えてるらしいですね。


次は毛戸岬に向かいます。

すぐに毛戸岬がありました。英語にすると、「ヘアードアーケープ」言葉にしたくなります(?)


毛戸岬も展望が良い場所で、丸テーブルが設置されていました。ここは「黄昏の丘」と名が付けられている場所です。

リアス式海岸の風景と、波の侵食によって剥き出しになった白い断崖を眺めることができます。

与謝野晶子や三島由紀夫などの文豪や画家がこの地を訪れ、作品に残しているそうです。理想郷とされる何かが、この場所にはあるのでしょうか…。
とはいえ、それよりも、この後に控えたラーメン屋の営業時間が気になり始めました。

入り組んだ海岸線に海水が入り込み波打ってます。


更に奥まで進んでみると「白鳳岬」がありましたが、ここは展望がありませんでした。

ゴミのポイ捨てポスター史上で一番怖い。
夜道で振り返ったら、目の前にこの少女がいたら心臓止まる。

理想郷のトイレ。1時間のコースなのに手厚いです。


鵜原海岸側の理想郷入口に降りてきました。海岸沿いに歩き、元の駐車場に戻ります。


こちらにもトンネルがあり、抜けると小さな漁港がありました。

鵜原海岸の水の透明度はとてもクリアです。
ちなみに、「日本の渚百選」ってのに選定されているらしいです。全ての渚で海水浴したら名誉なのかな。


海中に白い鳥居がありました。正式には八坂神社の一ノ鳥居です。


日の出の時間に写真撮影したら、映えること間違いなしです。写真右の方はたくさんのサーファがいました。


海岸からは、集落の中の道を歩き、駐車場へ戻りました。のんびり歩いて1時間20分の周回コースでした。
真っ赤なラー油スープ、勝浦タンタンメンの元祖「江ざわ」

理想郷を離れ、お昼を食べるため、勝浦市の内陸へ移動しました。「江ざわ」は「勝浦タンタンメン」の発祥のお店です。

原点こそ頂点と言わんばかりの人気店で、週末は2~3時間の待ちができるらしいです。開店前に訪れたので、30分ほどの待ちでした。

「冬季限定のもつ煮は食べるべき」とあったので注文したら、予想以上の量でした。


チャーシュー担々麺の中辛です。見るからに辛そうな真っ赤なラー油が浮いています。

食べる前まではあまり美味しくなさそうだと思っていましたが、実際に食べてみると、県外から訪れる人がいる理由も納得の美味しさでした。
むせ返るような辛さのラー油とダシの効いたスープの相性が抜群で、辛さを玉ねぎの甘さが中和してくれます。


モツをスープいれると美味しかったので、チャーシュー増しは余計だったかも…。とても、良いラーメンでした。
昨年末に食べた「竹岡式ラーメン」に続き、今回は千葉県のご当地ラーメンを味わいました。どちらも漁師のためのラーメンという共通点があり、面白いです。

勝浦朝市、理想郷ハイキング、勝浦タンタンメンを食べて13時。午前中に一通りの勝浦観光を終え、木更津のアウトレットで買い物して、アクアラインで帰りました。
年末年始とアクアラインに乗るとは思わなかった。
鵜原理想郷のハイキングを終えて

理想郷は岬の地層を楽しめる良いハイキングコースでした。自分が周回を終えた後には駐車場は満車になっていました。自分と同じように、名前が気になって訪れる人が多いんじゃないでしょうか。

岩手のイーハトーブ、インドのガンダーラ、パレスチナのカナダ、伝説上の黄金郷ジパング、桃源郷、ヴァルハラ。理想郷にはさまざまな形がありますが、今やここは「夏に涼しい理想郷」でもあります。シンプルな理想郷は、この千葉にしかないのかもしれません。
お正月にふと計画を立てた勝浦の旅でしたが、大満足のうちに終わりました。
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