2023年5月4日、長野県の霧ヶ峰高原で山火事が発生し、現在は鎮火しています。
現在は、ビーナスラインなどの主要な道路は交通規制は解除され、霧ヶ峰及び車山高原は問題なく歩くことができるようです。また、自然環境・植物への影響は限定的のようです。
霧ヶ峰の山火事状況
2023年5月4日午後1時40分頃、長野県茅野市米沢の霧ヶ峰高原で「煙が出ている」と、近くのグライダー発着場の利用者から119番があった。
茅野署によると、山火事が発生し、同日夕方までに下草約9万平方メートルを焼き、延焼している。けが人は確認されていないという。
広範囲にわたって延焼しましたが、人的被害はゼロで終息しています。また、出火原因については、現在も不明となっています。
霧ヶ峰で人気の山小屋「ころぼっくるひゅって」付近まで迫っていたようです。
ちなみに、早朝のオープン前から行列ができる小屋で、ボルシチとサイフォンコーヒーを目当てに来る人が多いです。
高山植物で有名な八島湿原は無事
諏訪市は8日までに国天然記念物の指定を受ける八島ヶ原、踊場、車山の各湿原の植物群落を現地調査し、被害がなかったことを確認した。
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023050500240
霧ヶ峰といえば、黄色い花を咲かせるニッコウキスゲの群生が有名です。ニッコウキスゲが群生するエリアの延焼は免れたようです。
広範囲に燃えたけど、植物への影響は限定的?
霧ヶ峰高原にある「ころぼっくるひゅって」のツイートに興味深い内容がありました。
あくまで「個人的な見解」と表現されている点に注意です。
要点をまとめると以下です。
- 燃焼物の多くはクマザサ(人間視点だと良くない植物)
- 木々への延焼は表面だけ
- 時期的に高山植物への影響は少なめ
- 霧ヶ峰高原は”火入れ”をしている
- 自然の回復力で夏にはイキイキ回復するかも
最も心配したのは、木々でした。
木の中心が炭化してしまうと死んでしまいます。しかし、今回の火事の燃焼物の多くは乾燥したクマザサで、点火スピードは早いものの炭化が速く、長く燃え続けなかったため、木の表面を焼いただけで済んだのかもしれません。
もちろん部分的な炭化、火力が強かった地帯では木全体が燃えてしまってる個体もあります。自然の回復力は目を見張るものがありますから、人間の過ちなどなかったかのように、イキイキと夏を迎えてくれるかもしれません。
丁度この季節、霧ヶ峰高原の特定地域によっては、”火入れ”を行います. 理由としては、土壌の性質を戻したり、枯れた雑草を燃やし、これから出てくる高原植物の新芽の成長を助ける、など。実際、先ほどお話ししたクマザサなんかは、(非常に人間視点の言い方だと)あまりにとっては良くない植物だったりします.幸い今の季節は多くの高山植物は土の中でおやすみ中でしたから、もしかしたら、今回の件によって、さらに元気に育ってくれる植物もいるかもしれません。 今回燃えてしまった面と、燃えなかった面が隣接する場所があります。
今回の山火事によって、自然環境がプラスに働くかもという見解でした。
2013年に山火事発生、2ヶ月後には緑が戻る
2013年4月29日付朝刊「霧ケ峰、154ヘクタール焼く火、ビーナスラインに接近」
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023050400501
10年前、2013年のGWにも霧ヶ峰で山火事が発生しています。
しかし、2ヶ月後には緑が茂っているようです。山火事と言っても、森林が燃えたわけじゃないので回復は早そうです。
6月から霧ヶ峰のベストシーズンへ
霧ヶ峰は、6月にレンゲツツジ、7月にニッコウキスゲのシーズンが到来します。
山火事後に霧ヶ峰の植生がどう変化するのか気になるところです。
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