
2022年3月6日
東京都青梅市にある青梅丘陵ハイキングコースに行ってきました。最高峰は雷電山で、標高は494mです。
青梅線の青梅駅から軍畑駅をつなぐ10キロのコースです。序盤は公園から始まり、次第に林道へ、最後は山道へと変化します。今回は、栗平集落に咲く青梅草(福寿草の原種)が目的です。

3月に入ると、ロウバイも終わり、いよいよ梅のシーズンに入ります。
しばらく、青梅線・奥多摩方面に行ってなかったので、青梅の梅林でも行くかと思いました。しかし、病気で伐採されたことを思い出し、どうするかと思っていると、「青梅草」というワードを目にしました。
そんなわけで、昭和で時が止まったレトロな街、青梅を旅してきました。
青梅丘陵ハイキングコースについて
地図

青梅線の軍畑駅から青梅駅まで、「青梅丘陵ハイキングコース」を縦走しました。
途中、物見山~三方山の途中で、青梅草の群生地に立ち寄っています。
コースタイム
- 08:38軍畑駅
- 09:02榎峠
- 09:28雷電山
- 10:33青梅草の群生地
- 11:55矢倉台
- 12:36鉄道公園
カフェと地ビール屋で休憩
- 13:49青梅駅
行動時間は5時間11分でした。
食事の時間や青梅草の往復の時間も含みます。単純に駅から駅まで歩けば、3時間半~4時間くらいです。
青梅草の群生について

青梅草の群生地はハイキングコースから外れた栗平集落にあります。
Google Mapで「青梅・賢治の農楽校」の検索していると分かりやすいです。青梅駅から行く場合、栗平集落への看板があります。軍畑駅からは、ノスザワ峠を下ります。
青梅草の案内板などは一切ありません。
青梅丘陵ハイキングコース
青梅線の軍畑駅からハイキングコース入口へ

本日のスタートは青梅線の軍畑駅です。東京の難読地名にも挙げられ、「いくさばた」と読みます。
2012年に高水三山に登りに来ているので、10年ぶりに降りました。青梅線に乗るのも久しぶりで、5年以上は経ってました。

無人駅ですが、40~50人の登山者が駅前で準備中。ほとんどが高水三山に行くと思われます。

青梅市のハイキングマップがありました。
ちなみに青梅丘陵ハイキングコースのマップを見る限り、青梅→軍畑が紹介されています。しかし、軍畑から歩いた方が、アップダウン多いエリアを先にこなせる、下山後に食事ができるメリットがあります。軍畑駅周辺は、飲食できる店が何もないです。

軍畑駅の目の前では、個人商店が営業しています。最低限のお昼ご飯、食事、ドリンクは揃うので安心です。

それでは、青梅線の踏切を渡って、ハイキングコースの入口を目指していきます。

しばらく、県道に沿って山の方へと歩いていきます。


歩いていると「国立奥多摩美術館」がありました。「国立」でもなさそうだし、エリア的に「奥多摩」ではないです。
ホームページを見たけど、何してるのよくわからない。定期的にイベントを開催しているようです。

高水三山と青梅丘陵ハイキングコースの分岐がありました。

さらに分岐から10分くらい坂道を進んでいきます。

地味な場所にハイキングコース入口を見つけました。この場所は榎峠という場所です。軍畑駅から20分ほど歩きました。
榎峠から青梅丘陵ハイキングコースへ

ハイキングコースの入口は車道に面していて、たまたま車が通過したので、運転手からジロっと見られました。

ちょっぴり急な階段を登っていきます。
最初に言っておきますが、ハイキングコースとは名ばかりで、アップダウンが連続する厳しめの登山道です。高尾山に登るより体力が必要です。

基本的に植林された杉の中を歩きます。
重度な花粉症の人だったら、画面越しでも鼻がムズムズしてくるかもしれません。

自分は超軽い花粉症なので、鼻水がちょっぴり出る程度で済んでます。いや、花粉症の人は無理ゲーなんではないだろうか。

距離が把握できる看板が、頻繁に設置されているので、現在地がよくわかります。
しかし、こんな地味なコース、誰もいないんじゃないのではと思っていると、青梅方向からたくさん人がやってきます。

どうやら、トレイルランナー御用達のコースらしく、たくさんのランナーとすれ違います。この日、50人以上はすれ違ったと思います。

始発で青梅駅を出発したんだろうか…。高水三山を縦走して、さらに棒ノ峰くらいまで走り抜けるんだろうか。

軽やかに駆け抜けるランナーの横で、ひいひい言いながら急な雷電山の階段を登っていきます。
青梅丘陵ハイキングコースの最高峰、標高494mの雷電山山頂

雷電山の山頂に到着しました。
鶴峠の入口から26分での山頂です。軍畑駅から登ると、アッサリ最高峰を踏んでしまうので、青梅駅からの方が達成感はある。

展望はと言うと北側が伐採されていて、360度中60度くらいは開けています。

解説にもあるように、武甲山をはじめとした奥武蔵の山々が見えます。

見えても見えなくても一緒だな(ちょっとだけだけど、山々が見えて清々しいなぁ)。
おっと、本音と建前が逆だった。

麓には奥多摩工業の工場が見えました。

雷電山から急転直下、ここからアップダウンが連続するコースになって行きます。平坦なところもあるけど、休まる暇はありません。
風が出てくると、森の中が花粉で黄色く見える気がする。

本線から分岐して、「辛垣城登り口(急坂)」と書かれた看板がありました。城があるわけないと簡単に予想できますが、せっかくなので立ち寄ってみます。

そこそこのアップダウンがあり、最後は記載の通りに急坂です。

看板だけが設置された辛垣山に到着しました。案の定、杉の樹林帯です。
かつてお城があったとされる辛垣山

「展望ゼロじゃないか」と、からかう気も起きない簡素な山頂です。

どうやら城は、山頂より奥にあるようです。一段下がります。

特に何かがあるわけではなく、城跡があったよと書いてある看板がありました。かつては、杉も植えられておらず、敵の進軍を察知する機能があったのでしょう。
ちなみに、建造から数年で落城したようです。

城跡のある場所だけ、岩肌が露出していました。かつては、岩山だったのだろうか。

本線と合流し、先へと進みます。

名郷峠(長尾峠)を通過しました。
ハイキングコースは所々に分岐があって、青梅線の駅に降りることができます。この峠では、二俣尾駅に降りれます。


一部が伐採されている場所があり、多分、高尾山や丹沢方面の展望が開けています。

こちらは奥多摩の山々。お馴染みの御岳山と大岳山が見えました。
豆知識ですが、御岳山は青梅市に属していて、大岳山は奥多摩町に属しています。御岳山を奥多摩と言ってる人がいますが、正確には違います。自分も勘違いしてました。まぁ、どっちでもいいけども。

さて、そろそろ稜線から降りて、青梅草のある集落への分岐があるはずなのですが…。

左側の斜面に車道(栗平林道)が見えました。

半信半疑でしたが、下れる道を見つけたので、降りていきます。なお、看板はありませんでした。
「ノスザワ峠」ってところを降りると良いらしいですが、表示見つからなかったなぁ。

無事に車道と合流しました。
青梅駅から歩いてくると、看板があるのでわかりやすいですが、軍畑駅から来ると見つからないです…。結構、時間をロスするし。

Google Mapで「青梅・賢治の農楽校」を目指し、林道を歩いていきます。
東京都は思えないのどかな風景、栗平集落で見る青梅草の群生

いかにも民家の敷地内っぽいところに「青梅草の群生地」がありました。トレイルランのコース案内もあったので、私道ではないはず…。
特に群生地の表示があるわけではないです。

落ち葉の地面にたくさんの黄色い花が咲いています。

これが青梅草、福寿草の原種(野生種)らしい。福寿草をそんなに観察したことがないので素人目では違いがわからない…。
- 茎が長い
- 蕾が緑っぽい
- 一重咲き
これらの違いがあるらしいです。確かに福寿草は地面から直接花が咲いているように見えますし。

興味を持って来なかったら、たんぽぽ咲いているなと思って、一度見て終わりそう。

江戸時代の後期に青梅から、江戸・東京に出荷されていたようです。温室のない当時、春を告げる花として貴重だったようです。

奥に進んでいきます。青梅草の群生は、集落一帯に広く分布しています。

東京は思えないくらい、のどかな集落です。


日の当たる場所に咲いている青梅草の群生がありました。

青梅市の公式には紹介されておらず、観光地化されていないので、見学しに来る人は、登山系のSNSで知った人だけでしょうか。

かく言う、自分も調べていたら、たまたま見つけたので寄り道することにしたので。


秩父に咲くオレンジ色の固有種「秩父紅」という品種が、四阿屋山に咲いているのを見たことがあります。福寿草も色んな品種がありますね。

この栗平集落の群生が、いずれ紹介されるようになるのか、このままヒッソリとしているのか、どうなるんでしょうね。

ハイキングコースへ復帰します。いやーこれマジでわかりにくいとこから、降りてきちゃったな…。
ハイキングコースの後半戦、ひたすら杉並木を歩く

最高峰の雷電山、青梅草の群生地。距離的にはまだ半分以上残っていますが、見どころが終わっちゃったよ…。
下山後のご飯を美味しくするため、ハイキングコースを歩き切ります!!


途中、三方山の表示があったので、登っていきます。

期待通りのゼロ展望。
三方向が見えるって意味で名前を付けたわけじゃないのか!?

ちょっと、下ったところに都心部が見えるポイントがありました。

三方山を過ぎたあたりから、アップダウンの連続は多少緩やかになってきました。


青梅駅から来ると、青梅草の咲く「栗平・賢治の学校」の看板があります。軍畑駅からこの看板で曲がると、引き返すような形になるので、45分くらいはロスします。

鷹ノ巣山の手前に石神前駅の分岐を通過。この辺から、山頂がどこかすらわからなくなってきた。

無心で歩き続けます。
矢倉台からは公園のような林道歩き、筑波山と富士山が見える

山道が終了し、林道へと変わりました。

日向和田駅の分岐で、青梅駅まで後一駅分です。
車のタイヤ痕があるので、ここは作業用の車が走れるようです。


矢倉台というポイントには、休憩所の東屋が建てられていました。

山に囲まれた青梅市の市街地が展望できました。

この辺りは杉の植林は少なくなり、自然林でした。紅葉すると綺麗なのでしょうか。

第1~4休憩所が等間隔に設置されているが、高台にあるので、休憩する前に疲れるという罠。

太陽整髪塔という珍妙な名前の宗教団体施設がありました。髪の御利益がありそう。見学するのはちょっと怖かったが、見れるらしいです。

ハイキングコースと言うより大きな公園みたいです。


奥多摩の川乗山が見えるらしいが、杉の樹林帯で見える気がしない。

第1展望台までやってきました。ここは休憩するのに登らなくて良さそう。

都心方面が見えました。新宿の高層ビル群も良く見えます。

塩船観音寺と筑波山が見えるらしい。

遥か茨城県にある筑波山がうっすらと見えました。塩船観音寺はツツジの名所らしく、GW前後に見られるようです。

反対側を見ると、青梅駅が真下に見えました。

お寺が見えてきた、そろそろハイキングコースの終わりが近い。

富士山が見えると書いてある看板。見える気配が全くないんだが…。

ぴょこっと頭だけ富士山が見えました。雲と同化していて、見つけにくかったです。

このゲートまで来るとハイキングコースは終了です。「永山丘陵ハイキングコース」とあるけど、青梅丘陵はどこに行ったんだ?

駐車場を抜けると青梅鉄道公園がありました。
普通の公園じゃなく、入場料を払って遊ぶ、ファミリー向けの公園でした。

さて、後はご飯を食べて帰るだけです。
昭和レトロな青梅で、スパイスカレーとクラフトビール

「夏への扉」というお店でスパイスカレーを食べます。駅までの道なりに、お店を見つけることができます。タイムトラベル小説の傑作と同名で、10年前くらいに読んだことあります。


昭和レトロを売り出している青梅市ですが、まさにこの店内は昭和そのものです。

素朴な印象の60代くらいのご夫婦で経営されています。

真下を走る青梅線の音がBGMになっています。

野菜カレーとチキンカレーの2択で、チキンカレーを選択しました。野菜がゴロンと入って、玄米の健康的なカレーです。

家庭のカレーのように見えますが、しっかりスパイスが効いています。フルーツの甘み、たぶんリンゴの甘さが際立っていました。
ハイキング後のカレーは美味しいです。

橋の上から店を見たら、巨大な黒猫が青梅線を見下ろしていました。


昭和の雰囲気を残す町並み。

さて、もう1軒、カネボウで化粧品を見ていきます。

ではなく、「青梅麦酒」に立ち寄ります。空き店舗をリノベーションし、クラフトビールを提供するお店です。

8種類のクラフトビールから選んだのは、何だったっけかな?「奥多摩VERTERE」みたいな名前だった気がする。マンゴーみたいな甘さのあるビールでした。

ついでにポテトを頼んだら、二人前くらい来て、お腹たぷたぷ。後から3組くらい登山者が来ました。同じ考えの登山者がいるもんだ。

カレーとビールを済ませ、それでは青梅駅へ向かいます。猫と共に去りぬ。

JR青梅線の拠点となる青梅駅。乗り換えはしたことあるけど、駅の外は初めてだな…。

名作映画看板が飾ってありました。
昭和に作られた映画ポスターってデザイン性あるな。今はメインキャストをブロッコリー状に配置したデザインになってしまうので。

電光掲示板に卒業生に向けたメッセージが表示されていました。今年、卒業する子供達って、コロナのせいで学校行事をまともにできなかったんだよなぁ…。
それでは、青梅線に乗って帰ります。

今日のお土産は「夏への扉」で買ったハンドメイドのにんじんクッキー。300円なのにずっしり重さのあるクッキーでした。
青梅丘陵ハイキングコースを終えて

青梅丘陵ハイキングコースは、トレランに使用されるだけあって、ハイキング気分で行くと、打ち返されるコースでした。3時間~4時間くらいのコースですが、高尾山よりも御岳山~大岳山に登るよりも感覚的に大変でした。あのコースを走れるトレランってやっぱ凄いな…。

思いがけぬ青梅草との出会いもあり、展望のない杉林に彩を加えてくれました。10年以上、スルーし続けていた青梅でしたが、今回の旅で大いに満喫できました。
ただし、花粉症の人は地獄のようなコースであることは間違いありません
コメント
ちょうど行くか迷ってたルートで大変参考になりました。
意外とコースタイム長めですが、サクサク飽きずに歩けそうな雰囲気ですねー。
参考にしていただき、ありがとうございました。
コースタイム意外と長めだし、アップダウンの密度が濃かったです。行かれるようでしたら、楽しんできてください!!!