2023年4月9日
長野県の光城山・長峰山に行ってきました。標高はそれぞれ912m、933mです。
安曇野市にある光城山は、地元の人に植えられた約1500本のソメイヨシノが山頂まで続き、お花見の名所です。見頃を迎える4月中旬は、ハイキング客で賑わいます。
長峰山は光城山と隣接し、山頂には巨大な展望台があり、北アルプスと安曇野が一望できます。
日本と言えば桜、桜と言えば日本なので、北から南、桜の名所が無数にあります。
しかし、雄大なアルプスのパノラマを背景に眺める光城山の桜は、お花見のロケーションの最高峰と言われているとか、いないとか。
桜を眺めに遥々、長野県安曇野市を旅してきました。
光城山・長峰山について
地図
光城山~長峰山の縦走コースを歩きました。下山後は一般道路を歩いて戻っています。
コースタイム
- 9:02光城山登山口
- 10:18光城山
- 11:36長峰山
- 12:57長峰荘
行動時間は3時間55分でした。
光城山~山頂まで続く、桜の回廊
松本市の中心から離れた桜の名所「弘法山古墳」
光城山の登山前に寄り道です。
松本市の中心地から少し離れた弘法山古墳にやってきました。駐車場で2時間くらい仮眠していると、中国人グループの騒がしい声で起床しました。
駐車所のキャパは広くないので、日中は交通規制されるようです。
3世紀終わり頃この地方を支配していた有力者の古墳だそうです。現在では桜が植樹され、公園として利用されています。
桜の咲く時期ですが、松本の朝は関東民の我々にとって身に染みる寒さです。
2023年は桜の開花が2週間前倒し。
例年だと咲き始め~満開なのですが、既に葉桜へと変わりつつありました。
駐車場から歩くこと数分で、古墳のてっぺんが見えてきました。
眺望が抜群だ!!
眼下には長野県第2の都市松本の街並み、北には安曇野、そして、北アルプス連峰の大パノラマ。
長大な北アルプスですが、松本市からの風景では、常念岳が「センターの座」を勝ち取っていますね。左肩あたりに、槍ヶ岳がこっそり見えています。
松本にあるヤマダ電機は、池袋駅くらい密集している。
7時前の時間ですが、散歩する地元の人、観光客、カメラマンなどチラホラ見かけます。
雪の残る北アルプスが背景にお花見できるなんて、長野県民は他県の桜を見て満足できるのだろうか…。
全体的な見頃は過ぎていたとは言え、いくつか満開状態の桜の木が残ってました。
それでは、弘法山古墳の桜鑑賞も終え、光城山へと向かいます。
しかし、登山と言えば、朝ラーだよね。ってことで、「らあめん寸八 総本店」にやって来ました。弘法山古墳からは車で10分程で、早朝営業しているラーメン屋です。
朝専用中華そばは、価格高騰の時代にまさかの550円。
だけど、看板メニューが食べたくて、「豚骨こってり 信州味噌らあめん」を注文してしまった。胃袋はまだ若くありたいと信じたい。
松本市では人気のラーメン屋らしく、非常に美味しかったです。
そして、更なる寄り道で「アガタベーカリー」を訪れました。山頂で食べるパンとお土産の松本名物の「牛乳パン」を買いました。
松本はパンの有名店が多いらしい。登山で通過はしているけど、松本について何も知らなんだ…。
牛乳パンは、子供が悪ふざけで入れたくらいのクリーム量で、食べ応えがありました。松本で買わなくても、似たようなのはコンビニで買えると思いますけど。
ようやく、松本から移動して、安曇野へと移動します。
登山口渋滞が発生する光城山の登山口
光城山の登山口が近づくと、渋滞が発生じゃないですか。
「寄り道しすぎたか?」と、少し後悔したけど、15分くらいハマった後、臨時駐車場へと誘導されました。
2023年時点は駐車場無料ですが、料金徴収してもいいんじゃないだろうか…。
畑の中に登山口に通じるショートカットコースがありました。
光城山登山口に到着です。
駐車場の桜はちょうど満開状態でした。
松本~安曇野は10キロも離れてないけど、気温が違うのだろうか。
登山口にトイレがあります。
世界に誇る日本のトイレですが、光城山のトイレは、人口が爆発している南アジア級の激臭を周囲20mに放っていました。事前に済ませておくことを推奨します。
それでは、光城山の登山開始です。
山頂までは60分で、標高400mは高尾山と同等です。
丁寧に階段が整備されているので、老若男女が登りやすいコースです。
さくら池の分岐があり、200mなので立ち寄ってみます。
そしたら、駐車場の裏手に戻ってしまい、ドブのような色した池がありました。さくらの花びらが浮かぶ、澄んだ池があると思ったのに…。これは、立ち寄る価値なし。
往復10分の無駄な時間を費やし、本線へと戻りました。
「さくらコース」と名付けられているコースなので、最初から最後までずっと桜が咲いています。
こんなにも桜見放題コースは、日本全国探しても吉野山くらいなもんじゃないでしょうか。
そして、飽きる程の常念岳を眺めることが出来ます。
ツツジコース、アカマツコースの二手に分かれていますが、桜が咲いているツツジコースを進みます。
登り一辺倒ではあるけど、ジグザグになっているので登りやすいです。
コースには電球があったので、夜桜ハイキングもできるのかな??
中間地点まで来ると高度感が出てきて、安曇野の田園風景を一望できます。水稲の生産は県内一だとか。
登ったら楽しい燕岳や蝶ヶ岳はあるけど、見映えはピラミッドなシルエットをしている常念岳が圧倒しています。
光城山はトレーニングで登る人も多いようで、何往復もするツワモノもいるのだとか。
斜面を登り終えると、サクラが植樹された広場に出ました。空を埋め尽くさんばかりの桜が咲いています。
標高差400mあるので、麓から山頂まで、段階的に咲きそうなものですが、一斉開花したのかな??
一部の桜にマリモのような緑色の球体がくっついていました。
正体は寄生植物の「ヤドリギ」です。
親の脛をかじるニートのような植物で、宿主の栄養をチューチュー吸い取っているようです。鳥が食べるとうんこがネバネバして、木の枝にこすりつけるので、木の上で種子が発芽するのだとか。
広場の一帯は草原になっているので、ビニールシートを広げ、たくさんの人がお花見していました。
無人の小屋があったり、またトイレもあります。登山口のトイレより臭くない!!!
満開の桜咲く光城山の山頂、限界突破するパノラマビュー
光城山の山頂に到着です。
西側の展望が開けていて、引き続き安曇野と北アルプスの展望を見渡せます。
展望が開けたところに眺望図があったのですが、アクリル板の透明仕様でした。こんなの初めて見た…。
実際の風景と重ねることが出来ます。
北は白馬岳まで見れるようす。ちなみに、前日は天気が悪く雪が降ったようで、白馬連峰の方角の山は雪の量が多かったです。
山の名前の通り、かつて「光城」があり、跡地を示す看板がありました。
鎌倉時代に「海野氏の一族、光氏によって、16世紀の戦国時代に築かれた。天保22年の1553年には落城。」と解説してありました。
光氏と言えば、伊集院光、太田光しか思いつかないJUNKリスナーですが、戦国時代の要所だったようです。
桜登山としては、前週に登った瀬戸内海を眺める紫雲出山と共に最高峰なんじゃないかなと思う次第であります。
展望以外に付け加えると、年季が入った古峯神社がありました。
栃木県の古峯神社なのかな??
戦国時代は狼煙台があって、火の守り神である古峯神社を祭ったとありました。
神社の横に看板が打ち付けられていたけど、これが山頂看板なのかな…。
(おっさん二人で来る山じゃないのは確か…。)
長峰山~独特のモニュメントと大展望
光城山はこれにて終了、徒歩40分の長峰山山頂を目指します。実は光城山は山頂付近まで車道が走っているので、登らずに登頂が可能だったりする。
車道をずっと歩いても長峰山に行けそうですが、並行するハイキングコースを進みます。
見所も無いのでササッとこなしていきます。
一部、妙にくぼんだ地形があり、水田跡として紹介されていました。貴重な水源で、江戸~明治には、人が住んでいたようです。
この人里離れた場所で、「鬼滅の刃」の主人公みたいに暮らしていたんでしょうかねぇ。
堤平と看板が立てられていた場所には、薪小屋があり、現在でも人の手が入っているようでした。
車道に出て少しだけ戻ると「天平の森」というオートキャンプ場があり、トイレを借りました。食事をすると、展望風呂入浴無料というナイスサービスを提供していました。
公式サイトは、2000年前後のネット黎明期を感じるデザインでした。
車道から長峰山山頂へ続くコースを進みます。
コース入ってすぐは探勝路が整備されていて、さまざまな植物が観察できるようでした。時期的に腐ったコブシの花しか咲いていませんでした。
一部、展望が見える稜線。
山頂直下に駐車場があると、登山した身からするとちょっぴり萎える瞬間です。
巨大なモニュメントと展望台、桜満開の長峰山の山頂
長峰山の山頂に到着しました。
「でっかぁ~…」
お台場のガンダムよりも高そうな、巨大な展望台が建っていました。
展望台の奥は広場になっていて、光城山と同じように桜が咲いていて、たくさんの花見客がいました。
やはり、目につくのは高さ10mはある巨大なモニュメント。
鎖のデザインなのか、もしくは、放課後電磁波俱楽部でWこうじが持っていた磁石のどちらかだと思います。
1971(昭和46)年に明治元年(1868)から100年目を迎えたことや、長峰山林道が開通したこと、明科町商工会が創立10周年となったのを記念して建てられた塔。
「過去」「現代」「未来」を意味する3つの輪を縦に連結させた姿。
時間を表現するアートって70年代からあるのか~。美大2年生あたりが作ってそう。
まぁ、展望に関して言えば、今更感動はしないが、せっかくなので展望台に登ります。
「はえー、すっごい」
光城山より見える範囲は格段に広く、桜を真下に眺めるので、絶景メーターを振り切ってきました。
ここでも、主役は常念岳です。
小腹が減ったので、アガタベーカリーで買ったうぐいすパン、そして、コンビニで雑に購入した桜いちごオレと桜フィナンシェを食べました。
長峰山の斜面は、木が生えておらず、芝生になっています。
その斜面にあるパラグライダー発射場は、フォトスポットになってました。
ここからの飛び出しは、さぞかし爽快なんでしょう。自分は小便を垂れ流す自信があります。
山に雪が残るこの時期も良いけど、稲穂が育つグリーンシーズに来ても良さそう。
長峰荘コースで下山して、光城山の駐車場に戻る
それでは、長峰山から下山します。長峰荘コースで下山します。
標高が下がると、新緑が清々しく、ミツバツツジが咲いていました。
ミツバツツジが咲いていました。
長峰山→光城山と登る人もいるみたいですが、10人くらいしかすれ違いませんでした。
良く歩かれているコースですが、砂利が多めで滑りやすかった印象。
レトロな広告ベンチがありました。名糖アイスクリームって、今のメイトー?
駐車場に下山してきました。さすがに、光城山駐車場ほどは混雑してないですね。
長峰荘は日帰り入浴をやっているのですが、13時からなのでタイミングが合わず、お昼ご飯もあるので今回はスルーしました。昭和レトロを売りにしている宿のようです。
稜線を歩いた分だけ、道路を歩きます。春の陽気で暑い…。
20~30分ほど、車道を歩くと光城山が近づいてきました。
駐車場に戻り、光城山~長峰山の周回登山は終了です。
安曇野の水で炊いた釜めし、「ほの香」の山賊焼き
登山口から車で移動して、3分くらいのところにある「穂の香」にやってきました。小さめの定食屋さんです。5組ほど待ちがあり、ブザーを渡されて車内待機しました。
やはり、長野県に来たら「山賊焼き」を注文せざる終えない。
ぶっちゃけニンニクの効いた唐揚げで、「山賊」というネーミング勝ちした名物だと思っているが、ボリュームがありジューシーという点で、登山後のすきっ腹を満たす最適解なメニューです。
山賊の由来は、居酒屋の名前で、別に山賊が食べていたわけじゃないです。
この店は、ご飯が釜で提供されるのが特筆するべきポイントです。安曇野の米と水で、炊いた銀シャリなんて、美味しくないわけがないよねと。
ガチガチに硬い衣ニンニクが効いた柔らかい鶏肉で米が進みます。
お腹いっぱいになり、時間があったので、安曇野を少しだけ観光します。
安曇野スイス村から光城山を見に行きました。
麓から山頂まで桜並木が続き、安曇野市では「昇り龍」のフレーズで広報しているようです。
大王わさび農場のワサビソフトでフィニッシュ
安曇野で一番の観光地「大王わさび農場」にやって来ました。入場無料で見学できます。
10年前くらいから存在は知っていましたが、訪れるのは今回が初めて。
日本昔ばなしでしか見たことないような、水車がある茅葺屋根の家屋が建てられ、日本の原風景が再現されていました。山梨県の忍野八海みたいだ。
外国人観光客が7割以上で、たぶん南米から来ている老人バスツアーがいたり、インバウンドの影響力を感じます。長野県には、猿が入る温泉くらいしかいないと思っていた…。
新緑の時期も相まって清涼感に溢れています。
Wasabeeeeeee!!!
川のような農場で、大量のワサビが栽培されていました。
透き通る水の中で、イワナ?ヤマメ?が泳いでいました。
自然に囲まれて、とても良い観光地、無料じゃなくても訪れる価値ありですね。
ということで、安曇野の旅を、わさびソフトで締めました。
良いわさびはツーンとしないと美味しんぼの知識であったので、一気に食べたら鼻の奥に激痛が走りました。
というわけで、今回は汗もそれほどかかなかったので温泉には入らず、光城山を横目に見ながら、都内へと帰りました。
光城山・長峰山のハイキングを終えて
長野県の山で、1000m以下は何気に初めてだったかも…。
アルプスや八ヶ岳、標高1500m以上の名だたる山を目指してしまいますから。しかし、桜の季節の光城山~長峰山は、お金をかけてでもお花見しに来る価値ありです。上野の山でビニールシート広げて、まずいホットワイン飲みながらのお花見より1000倍良いです。
近所にこんな素晴らしい山があるなんて、山好きが松本・安曇野に移住したがる理由がわかります。自分は寒いところに住むの無理だけど。
ああ、今回もまた松本城に行けなかったな…。
コメント
今年の春、めちゃくちゃ行きたかったところ!
タイミング悪いとかなり駐車場待ちすることになりそうですねー
秋とか冬はどんな感じになるのか気になります
特に冬はアルプスが綺麗でしょうしね
駐車場は確かに混雑していましたが、長峰山側から来るとスムーズかも知れませんね。
桜の木の紅葉越しに見る冠雪したアルプス、厳冬期のアルプス、どちらも良さそうです。