2024年1月13日
静岡県下田市の須崎遊歩道に行ってきました。
伊豆半島南端の爪木崎にあるコースタイム2時間45分、2.8キロのハイキングコースです。1月上旬に見頃を迎える水仙の群生と伊豆七島を眺める岩礁の海岸が見所です。また、爪木崎は自生している野水仙が1月中旬頃に見頃を迎えます。
2月には河津桜、3月には梅など早春を彩る花が見られますが、1月を代表する花といえば水仙です。
そのため、以前から下田の野生の水仙群生地に行ってみたいと思っていました。ただ、都心から伊豆半島の南端までは距離があり、なかなか足を運べずにいました。
しかし、1月の連休がまるごと空いていたため、思い切って旅に出ることにしました。
須崎遊歩道 ハイキング
伊豆半島の南端、下田駅からバスに乗って爪木崎へ
最寄駅の5時台の電車に乗り、東海道線、伊東線、伊豆急行を乗り継ぎ、伊豆半島の最南の駅「下田駅」を目指します。片道3時間30分越えの長距離移動です。
伊豆急の終点である下田駅に到着したのは9時15分頃でした。
普通なら特急を利用する場所ですが、特急では到着が10時以降になってしまい、今回のハイキングスケジュールをこなすことができません。
旅の幸福度を上げるつもりが、スケジュールを綿密になって、不幸になっているなと時折思うわけで…。
下田駅周辺はコンビニ、マクドナルド、東急のスーパーなどがあり、自分が住んでいる雑魚駅より栄えている印象です。個人的に10年以上ぶりに来ましたが、夜がすごく暗かったことしか覚えていない…。
9時40分発、爪木崎行きのバスに乗りました。水仙まつり期間中は増便も出ているようです。
綺麗な砂浜があるらしいと事前に調べにあったので、終点「爪木崎」の一つ手前のバス停「爪木崎グリーンエリア」で下車しました。
誰も下車しないだろうと思っていたら、まさかもう一組の男女が降りました。
夏休みの青春映画で、高校生が自転車で駆け下りていきそうな坂です。先に見える砂浜のブルーが綺麗です。
沖縄に行かずとも南国気分を味わえるのでは?
この「九十浜海水浴場」は、プライベートビーチの雰囲気があり、夏に来たら南国気分になれそう。ただ、坂の傾斜がきついので、帰るときは疲労困憊必至だろうけど。
ビーチの対岸は、河津桜で有名な河津の街で、奥の山々はおそらく天城山です。
「ひと気のない冬の海も良いもんだ」とチルな気分になりながら、爪木崎へ続く遊歩道を歩きます。
公道なのか私道なのか、そして、ここは何の敷地なのかもよくわかってないまま進みます。標識があるから、一応は公道なのだろう。
15分くらい歩いたら、爪木崎の駐車場が見えてきました。
「爪木崎」のバス停に到着しました。下田駅から出ているバスの終点です。
海岸に野水仙が300万本が咲く水仙まつり
バス停から数分下ると、水仙まつりの会場がありました。
あらゆる場所からアクセスが困難な場所にも関わらず、観光客がたくさんいました。
水仙がメインですが、アロエの赤い花が目立ってます。
ヨーグルトに入っているアロエが、あの観葉植物のアロエだと知っていても、数年前まで、こんな独特な形の花を咲かせることは知らなかったです。
水仙畑は海風に吹かれ、黄色い波を立てていました。公式情報によると、300万本の水仙が咲いているそうです。
水仙の爽やかでほのかに甘い香りが、会場全体に漂っていました。普段から身近にある花ですが、こうして一面に咲きそろっているのを見ると、不思議とエネルギーをもらえるような気がします。
水仙は地中海沿岸が原産で、日本では房総半島、伊豆半島、越前海岸(福井)などで野生化したといわれています。
温暖な伊豆半島ならではの冬の風景でした。
そういえば、たまに庭先のアロエが繁殖して、道路まではみ出している家を見かけますよね?
水仙は圧巻というほどの規模ではない印象を受けましたが、見頃ではなかったのか、それとも不作の年だったのかはわかりません。
ただ、丘の斜面までびっしりと咲いていたら、さらに圧倒される風景だっただろうと思います。
それでは、水仙まつりの会場を出て、爪木埼灯台を見に行きます。
灯台に関して、特にロマンは持ってないので、なんの感情もないです。
Mr.Childrenの「Sign」というシングルジャケットの撮影場所だったので、真似た構図で写真撮ればよかったと、ちょっぴり後悔があります。
ありふれた時間、残された時間は、バスの時間があるためありません。それでは、須崎遊歩道へと向かいます。
伊豆七島を眺める海岸ウォーク、須崎遊歩道を行く
爪木崎バス停~水仙まつり会場の間にある南伊豆歩道(須崎遊歩道)の看板まで戻りました。
ウンコみたいにカットされた木がある花園を通っていくと、遊歩道の入口があります。
海岸線に沿って整備された遊歩道を進んでいきます。
犬を散歩させている人など、意外と人の往来がありました。正直、誰も歩いていないと思っていました。
海の向こうには利島、式根島、新島、神津島が見えました。東京からは伊豆七島は遠いけど、下田からは近いです。伊豆より西の人は、下田港から伊豆七島を目指すのかな?
海岸線の高低差に沿って作られているのでアップダウンがあり、樹林帯に入ると狭い道があります。
ベンチがところどころにあるので海を眺めながら休憩できます。
コース半分を過ぎたあたりで、開放的な展望スポットがありました。
分岐を少し下ると、「細間の段」と名付けられた場所がありました。江戸城の石垣を築くための石切り場だったようです。
人為的な形跡は見られませんが、当時、この場所から東京まで運ばれていた情景を思い浮かべると、とてもロマンを感じます。この工事を請け負った土建屋を思うと涙が出るけど。
バスの時間が迫っていたので、後半は急いで、須崎港まで歩きました。
須崎港側の遊歩道入口に到着しました。バスの時間まで10分を切っているので、急ぎます。
「須崎海岸」のバス停にギリギリ間に合いました。下田駅に戻るバスに乗り込みます。
金目亭で食べる金目鯛と開港の街下田観光
下田駅の少し手前、道の駅「開国下田みなと」付近のバス停で下車しました。
朝早く電車に乗ったり、バスを急いだりしたのは、「金目亭」のランチタイムに間に合うために調整したものでした。下田は、金目鯛の漁獲量が日本一だそうです。
満席でしたが、一組ほど待って案内されました。「金目三色丼」を注文しました。
身の色が美しいグラデーションです。時期によって金目の種類が違うようです。金目に種類があるなんて知りませんでした…。
金目鯛と言えば、やはり煮つけ。こちらも脂がのっていて美味しかったです。
今どき観光客向けの市場食堂は値段が上がる一方ですが、ここは良心的な価格を保ってますね。
午後は、下田市街のシンボルである寝姿山(下田富士)にロープウェイで行ってみようとか思っていましたが、強風のためロープウェイが動かず…。登山道があるのかは知りませんが、自力で登る気力もなく…。
下田駅から15分ほど、ペリーロードと名付けられた、江戸末期ごろの街並みが現存する場所を歩きました。
この下田で、日本の鎖国を終わらせたペリーの来航記念碑がありました。
下田と函館の2港を開港することを定めた日米和親条約が、この小さな町で結ばれたと考えると、歴史の一端に触れた気がして、とても興味深いです。
ち、チンポ…。この風刺画が教科書に載っていたら伝説になっていただろうな。
主張の強い飲食店?があったり、街歩きもそこそこ楽しめます。
平井製菓で「ハリスさんの牛乳あんパン」を買いました。ハリスは初代アメリカ総領事です。日本国内で初めて牛乳の売買をしたのは、ハリスさんだったらしいです。
ひもの店の小木曽で、夕ご飯用のアジを購入しました。
その他にもお寺や資料館などを巡り、16時前に下田駅に戻ってきました。
さすがに帰りは鈍行を乗り継いで帰る気はせず、特急踊り子号で帰りました。この日は、伊豆だけ晴れていて、神奈川方面は雲の中でした。伊豆で正解でした。
ちなみに、ハリスさんの牛乳あんパンは、ふっくら生地で美味しかったです。
須崎遊歩道 ハイキングを終えて
日帰りで訪れるには少し遠い場所かもしれませんが、海岸ハイキングや水仙の群生地、金目鯛をはじめとするグルメ、さらに港町ならではの独特な空気感が相まって、とても満足度の高い日帰り旅行となりました。
下田は6月のアジサイも有名で、群生規模は日本一なのだとか。また、その時期になったら来てみようと思いました。
伊豆の1月はオフシーズンかもしれないけれど、年中来て楽しい場所だと再確認しました。
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