2014年3月9日
長野県の八ヶ岳連峰の一つ北横岳に行ってきました。標高は2480mです。
ロープウェイで標高2200m地点から登山することが可能で、山頂までのコースタイムは90分と短めです。登山者の出入りが多く、冬期営業の北横岳山荘があることから、トレースが消えることも早々にありません。
雪山初心者が登る定番中の定番の一座です。
2年ぶりの訪問になる冬の北八ヶ岳。
あの時は寝坊という不測の事態によるトラブルがあり、北横岳を楽しむ時間がありませんでした。登頂もしていません。そして、今回はその北横岳をあますことなく堪能するのが自分にとっての目的です。
雪山に登ってきたというより、遊び倒してきた旅になりました。
北横岳について
地図
ピララス蓼科ロープウェイの山頂駅より、北横岳ヒュッテを通過して、北横岳山頂に向かいます。
コースタイム
- 10:35山頂駅
- 11:37北横岳ヒュッテ
- 12:07北横岳
- 14:57島枯山荘
- 15:45山頂駅
各ポイントで時間をかけて写真を撮ったり、遊んだりしているのでコースタイムはあてになりません…。
開始を早くしてサクッと登れば、北横岳に加えて島枯山を登ることが可能です。
北横岳登山
北八ヶ岳ロープウェイで標高2200mの雪の世界
入笠山(にゅうかさやま) の時と同じように静岡在住のまゆつんさんの誘いの元、再び雪山である北横岳に行くことになりました。
今回は前回と同じメンバーに加え、雪山デビューを果たすサミーさんも一緒です。
ということで大月で合流し、八ヶ岳を目指します。
東京の天気はどんよりでしたが中央道に長野方面へ向かうと晴れ間が見えてきました。
山梨市内に突入し、一際白く見える山脈は標高3000m越える白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)です。
山梨市内を通り過ぎると見えてくるのは八ヶ岳。
雲一つないではありませんか。
諏訪ICで降り、八ヶ岳へ。
北八ヶ岳ロープウェイまでの道は除雪されていますが、樹林の影になっている場所は行きが凍結している箇所もあります。
10時に北八ヶ岳ロープウェイに到着です。登山するには遅い時間ですが、ロープウェイ利用するので時間は十分です。
準備を入念に行い、ヨーロッパ風を気取るロッジへ。
ロープウェイの往復券を購入します。東北2DAYS、入笠山と今回でロープウェイとリフト代で1万円以上使っていることに。
※北八ヶ岳ロープウェイのホームページに割引券があるので、必ず印刷し、持参して下さい!
LINK 北八ヶ岳ロープウェイ
ロープウェイに乗り込みます。
前回の登山の時は、集合時間に起きるという大失態をやらかし、午後14時30分ごろに乗り込んだったけ…。
穏やかに丸みを帯びた北八ヶ岳。
東側は赤岳を主峰とする南八ヶ岳の岩岩しい山域。本格的な雪山登山をする場合、あちら側の世界になります。
山頂駅からスノーシューで坪庭をトレッキング
ロープウェイを降りると標高2237mの坪庭です。山頂まで200mしか登らないっていうのが素晴らしいです。
名物のキツツキです。
下部に付けられている紐を引っ張ると嘴が丸太を叩きます。
ザックに桜をつけて(?)出発です。
雲ひとつ無い青空が広がり、これ以上ないくらいの雪山登山日和です。
1月の入笠山で雪山デビューを果たしたまゆつんさんは、スノーシューを購入済。しかも、MSRの高級品です。
自分のスノーシューはサミーさんにレンタル。
男性用のスノーシュー、そしてサミーさんの足のサイズが小さいことで、何度もベルトが外れて大変でした。
しかし、雪山デビューにはこれ以上ないくらいの天気です。
前日まで晴れていなかったのか、木々にたくさん雪が残っています。
坪庭から北横岳山頂を目指します。
目印付きの竹竿に沿って歩きます。自分はスノーシューを履いていないので、少しでも道を逸れると足を持っていかれる。
ぎゅっぎゅっと雪の音を鳴らしながら歩きます。
いきなり現れる急斜面。
先頭を行くムーミンさんのスノーシューは安物なので、こういう場面では踏ん張りが効かず、ずり落ちる。
まゆつんさんの冬山コーディネートが上級者。
サミーさんはなれない雪歩きに苦戦中。
前回の印象だと登山客の往来が激しいと思っていなのですが、あまり人が歩いていません。
走る。
寝る。
寝っ転がりたくなるほど、心地よい。
雪山です。
にゃー。
自分は完全に雪山を歩く女性陣を取材するカメラマンである。
平坦な坪庭は終わり、ここから樹林帯の登りが始まります。
意外と傾斜のある北横岳の登り
急激に道幅が狭くなり、人一人が通れる幅です。
これだけ晴れていると樹林帯歩きも捗ります。
厚着をしていると汗をかくくらいになるので、インナー類の調整をしながら。
すれ違いが難しい道です。
樹氷の定義がわからないけれど、これも樹氷の一つ。
都会では見られない造形です。
先ほどまで歩いていた坪庭から随分上に登ってきました。
正面に見える山は縞枯山(しまがれやま)。
当初は行く予定でしたが、これほど晴天だと歩みは遅くなり、「今度来るときでいいよね」と蛇足扱いになるのは至極当然なこと。
縞枯山から白駒池、天狗岳に至るルートは冬の八ヶ岳で歩きたいコースの一つです。
樹林帯を登るだけなのに無駄に枚数が多い写真たち。
登りが穏やかになってくるときつい登りは一旦終わりです。
北横岳ヒュッテが見えてきました。
北横岳ヒュッテで小休憩、山頂を目指す
前回はこの山荘に宿泊しました。
ここまで登ってくると八ヶ岳の向こう側の景色、群馬県側の視界が開けます。
浅間山が正面にあり、奥には谷川岳をはじめとする上越国境の山脈。
北横岳ヒュッテから山頂へはピストンするため、荷物をデポさせてもらいます。
スノーシューの出番はなく、ここからはアイゼンに履き替えます。
自分は着脱が簡単なチェーンスパイクを使いました。
自分が荷物を持ち、山頂を目指します。
ここからは、素の状態だと厳しいくらいに傾斜があります。ストックとアイゼンが必要です。
樹林も少なくなるので、風も強まります。
立派な樹氷が形成されています。
西吾妻山で見たような丸みを帯びてサンドウォームみたいな形ではありませんが。
そして、森林限界を突破。
樹氷がモンスターと化した北横岳の山頂
諏訪市内の大展望。
奥に見える山脈は中央アルプス。
そして、最後の一本道を行くと北横岳の山頂です。
前回は未踏だった北横岳山頂に到着。
正面に君臨するのは蓼科山。
奥には北アルプスの稜線が羽根を広げています。
蓼科山の雪山の記事です。併せてご覧下さい。
これほどまでに素晴らしい山だとは思っていませんでした。
登った時期と積雪量が良かったのでしょうか。
なぜかほとんど人がおらず、山頂付近のビクトリーロードでここぞとばかり遊び始める面々。
蓼科山のドアップ。
この山もまた登らねばならない。
北アルプス。
360度の展望が素晴らしい。関東方面が霞んでいて、富士山は見えませんでしたが。
浅間山。
御嶽山。
この時はまだ噴火し、多くの犠牲者が出るとは到底考えも及ばなかった。
一応持ってきたけど、好評を得られず、この山にて打ち切りに…。
人一倍寒がりらしいサミーさんに、寒そうに見えなくなるからと言いレイを渡す。
実際に暖かくなるわけじゃないため、樹林の中に避難していました。
というか、自分のダウンがあったことを忘れていたので渡しました。
最初からそうしていろよと。
フラダンス。
カンフー。
ヨガを初めたり。小道具のせいでヨガに見えませんが。
それぞれの山頂の過ごし方をします。
収拾がつかなくなってきたので下山します。
北横岳からの下山、七ツ池と島枯山荘を巡る
ありがとう北横岳。
雪山に桜はよく似合う。
はよ、降りれと。
樹氷ともおさらばです。
北横岳ヒュッテまで戻るとたくさんの登山者がこれから山頂へ向け出発しようとしいました。ザックを見ると例のタグ(クラブツー◯ズム)が付いています。
いい時間帯に山頂に着いたもんだ。
そして、昼食です。
冬山で食べるカップラーメンは美味しい。特にカレー味。雪の中で食べるカレーがそもそも美味しい。科学的根拠はあるのだろうか。
山専ボトルでお湯を持ってくるとマイナスの気温でも冷めません。
元々、縞枯山に行く予定があったので時間が余っています。
縞枯山に登る時間はないので、代わりに北横岳ヒュッテから七ツ池に行ってみることにしました。
ヒュッテから5分ほど樹林帯の中を歩きます。
樹林帯の中にポッカリと空いた空間で、夏季はここに池があるのでしょう。
というわけで、また転がり始まる。
ゴロゴロし始める。
ダウンを着たまま転がり始める(自分の)。
処刑。
サミーさん自身、アニメ「エヴァンゲリオン」のリリスみたいと評価していました。
だとしたらロンギヌスの槍刺さりすぎだろう。
写真の撮り比べ。
空をもっと入れなさいと指導しておいた。
さて、下山を開始しますが、今度は縞枯山荘経由で。
縞枯山荘の近くに良さそうなヒップソリスペースを発見したのでトライ。
白銀の天然ゲレンデにヒップのシュプールを描く。
バランスを崩し、頭から突っ込んだ。
縞枯山荘に到着です。
中で休憩していくことにしました。
おしるこを頂きました。あずきがゴロゴロ入っていて、頭を刺激する味。
一緒に出てくる野沢菜漬けが信州らしく、そしてありがたい。
なんだかんだ、ロープウェイの最終一歩手前の時間帯になってしまったので帰ります。
下山後は温泉に入ってステーキを食べる
北八ヶ岳はまた冬に来たいです。
ロープウェイで楽々下山です。本当はスキー板でも置いておけばいいのですが…。
帰りの温泉は記録が残っていませんでしたが、こんなアイスクライミングができる近くの宿です。
内湯と露天が別々にあり、少し難儀。
温泉後は、諏訪市内にあるステーキハウス「モーモー」にやって来ました。
LINK ステーキハウス モーモー 諏訪インターFC店(食べログ)
ステーキ食べるのが久しぶりすぎて思い出せないくらい…。
やはり、下山後は肉ですね。
入笠山の時は明るい時間に帰ってこれたのですが、遊びすぎたせいで日付周るギリギリでの帰宅となりました。
北横岳の登山を終えて
さて、2年ぶりに訪れた北横岳は快晴に恵まれとても楽しめました。それはもう小学生の如く。
前回の記事と比べると積雪量が断然違うので、2月の大雪の影響があるのでしょう。
写真の枚数の割には内容がとても薄いのですが、雪山の楽しさが伝わればと思っています。
道具を揃えるのはお金も掛かるし、経験者が周りにいないと不安な面もありますが、雪山は想像以上の楽しみが待っています。
北横岳の登山装備はこちら
山専ボトルがあれば、自宅でお湯を入れて、雪山の山頂で温かいカップラーメンが食べられます。
北横岳はアイゼンではなくチェーンスパイクでも登ることができます。ゴムを伸ばして登山口に装着するので、手間いらずです。
コメント
VERYBLUEさん、こんにちは。
いつも楽しく拝見しています。
雪山、ほんとうに楽しそうですね。
僕も今シーズンこそは雪山デビューしたいと思い、
これから少しずつ雪山用の装備を揃えていくところです。
(何もかも高いですね・・・)
春~秋の装備は一式持っているので、靴、アイゼンとあとはピッケルくらいでしょうか。
VERYBLUEさんは、冬用の装備でどんなものをお持ちですか。
あると便利なものなどあったら教えていただければと思います。
>みっきーさん
コメントありがとうございます。
雪山は夏にできないことをたくさんできるのでイイですよ!
雪山もほどほどから本格的なところまであるので、それに応じての装備購入が必要となってきます。
北横岳であれば、スパッツ、軽アイゼン、ストックがあれば登頂可能です。
ピッケルは北八ヶ岳ではなく、南八ヶ岳に行くことがあるのであれば必要でしょう。
サングラス、防寒具など細々しい物を買うと結構かかりますね。
なんにせよ、山専ボトルがないと冬山登山は始まりませんね。
バーナーでお湯を沸かすことが厳しいということもあるので。
そのうち初心者向けの冬山まとめを作成したいと思います。
はじめまして。
素晴らしいレポート、ありがとうございます。装備を揃えたのでチャレンジしてみようかと・・・
登山より負債の山を越えるのが大変そうです。
>のりぴさん
はじめまして、コメントありがとうございます!
北横岳は始めての雪山にちょうどいいと思います。
確かに登山装備ましてや冬の装備は馬鹿になりませんね…。
よい旅を!
初めまして!九州の者ですが、今度名古屋に行く用事があり、その後どちらかお山へと思っていたので、とても楽しそうな投稿で、北横岳行きたくなりました( ´ ▽ ` )ノ
質問ですが、ロープウェイからヒュッテまではスノーシューは必要でしょうか? またアイゼンは6本の軽アイゼンで大丈夫でしょうか?なかなか聞ける人がいなくてすみません
>ひろちんさん
初めまして!
コメントありがとうございます。
名古屋から北横岳に行かれる予定なのですね!
ロープウェイからヒュッテまでは特にスノーシューは必要ありません。登山客が常に歩いているため、雪道が踏み固まっています。
6本爪アイゼンで可能です。トレッキングポールがあると安心です。
また、前日の降雪を調べて行かれると確実です。