2014年6月21日
栃木県の大平山に行ってきました。標高は341mです。
栃木県南部の歴史ある山の一つで、山頂には大平山神社があります。6月になると表参道に植えられたあじさいが開花します。大平山の隣にある晃石山を合わせたハイキングコースが定番です。
大平山という山は北海道から九州まで多数存在しますが、一番有名なのは栃木県にある大平山です。というのは、グーグルの検索トップになっているからという根拠ですけど。
全国的な知名度はありませんが、栃木県民にとっては小学校遠足の定番スポットです。
世界中がワールドカップの熱気に包まれる中、栃木県の里山を旅してきました。
太平山 ハイキング
登山前に佐野ラーメンを食べる
ブラジルワールドカップまっただ中の2014年6月。
地球の裏側である日本、栃木県の里山を舞台に一つの試合のホイッスルが鳴り響きました。
大雨。
東北道を北上する途中、文字通りバケツをひっくり返したような大雨に遭遇です。低山ハイキングの企画ながら、車から降りるのを躊躇する雨量です。
序盤から猛攻にあい「0-1」と先行きの悪い展開です。
そもそも大平山は代案で、晴れていればレンゲツツジの咲く「湯の丸山(ゆのまるやま)」だったことを付け加えると点差は開き「0-2」と圧倒的なビハインドをつけられての試合スタート。
途中に寄ったサービスエリアでは、水溜りに足を突っ込んでしまいました。
更に突き放され「0-3」と圧倒的な点差で攻めこれまれました。
登山が始まる以前に「夢をありがとう。」という常套句のフレーズが頭をよぎります。
大量リードを許した我々が登山する前に立ち寄った店は、栃木県の佐野市のラーメン店。
佐野といえば佐野ラーメン。あっさりながら出汁の効いた醤油ベースのスープに手打ちの縮れ麺が特徴のラーメンです。
Saku氏チョイスのこのお店は、テーブルに占いのおもちゃが置いてあるといった風情あるラーメン屋です。
どことなく船橋市非公認キャラクターを連想させるカラーリングです。
チャーシュー麺850円。
写真ではチャーシューが薄く見えますが、分厚く幅も大きいので、そんじょそこらのラーメンに乗っているチャーシューとはワケが違います。
縮れ麺も極太を通り越しているデカさがあります。
佐野ラーメンはあっさりですがボリュームあるのが特徴です。
こちらの餃子は揚餃子です。
野菜多めでさっぱり頂けるのが嬉しい。
満足度が非常に高い昼食となり、初めての1点を奪い、「1-3」と追い上げ開始です。
佐野ICから国道50号に乗り、県道11号に入ると大平山に到着です。
山の手前に立派な鳥居がありました。
太平山のあじさい坂
大平山の駐車場に入ろうとする車で、短い渋滞ができていました。
車から眺めるとあじさいがたくさん開花しているではありませんか。
その名もズバリな「あじさい坂」は、太平山神社に続く表参道の一部です。
あじさいの株数こそ他の名所と比べると少ないものの、密集度は高いです。
あじさいは晴れの日より、雨滴が付いている方が見栄えがよく、色に変化を味わえます。
高速道路で食らった大雨は、傘をさすかどうか迷うほどの小雨に変わりました。
天候的な不安要素をプラスの方向へ。
これにて「2-3」となり、一点差に詰め寄りました。
本命のあじさい鑑賞。
あじさいを絵に書いてみましょうと言われれば、真っ先にクレヨンの青色をとって丸く塗りつぶす。スタンダードなあじさい。
中心部が白く弾けるような印象を受けるあじさい。紫色とクリーム色の組み合わせが新鮮。
たくさんの色と種類のあじさいが咲いています。
あじさい坂の途中にある六角堂。
ここには変わった種類のあじさいが咲いていました。
藤の花のように枝垂れているあじさい。
鮮明なピンクで花びらが3つか4つに分かれているあじさい。
入道雲のように膨らんだ形のあじさい。
あじさいがこんなに種類あるとは思わなかったので、見てて楽しいです。
次第に雨が上がり傘はしまいました。残されたのは雨滴がついたあじさいだけ。
看板に露骨にパワースポットと記載するのはどうなんだろうと思いつつ寄り道。
窟神社があるらしい。
小さい洞窟の中に池があり、小さい弁天様の像があるだけでした。
途中にあるお茶屋の赤い傘が風景を引き締めます。
のんびり眺めながら、写真を撮りながらあじさい坂を抜けるのに1時間も掛かりましたが。
あじさい坂の終点。
ここからは太平山神社への階段が続きます。
梅雨まっただ中なので湿度による不快指数はマキシマムであり、階段をゆっくり歩くだけでも汗が吹き出します。
普段の登山以上に汗かいてます。
梅雨の湿気った空気の中を歩くのは大変です。
汗だくになりながら、太平山神社に到着。
交通のご利益が特に強く、栃木県南部の人は新車を買ったらここに祈願する人が多いとかなんとか。
過酷な蒸し暑さ晃石山登山
太平山神社の正面右手に奥宮への登山道があります。
今回は大平山の更に先、あの!栃木百名山の一角を成す晃石山を目指します。
奥宮へは石段があるわけではなく、土の道です。朝の雨でぬかるんでいます。
太平山神社奥宮に到着。
?
大平山の山頂より晃石山に向けての稜線歩き開始です。
こんなところにまで「関東ふれあいの道」の魔の手が迫っているとは。
歩きやすい道ですが、6月中旬まっただ中に歩くには体中の水分が奪われますね。
紫陽花などは全く見かけませんが、野草がところどころに咲いていました。
パラグライダーの発着地点でしょうか。
やってみたい気持ちはある。
最後は、ぐいっと坂を登らせてきます。
晃石山山頂に到着です。
栃木百名山をまたひとつ登ってしまったぞ!後、何座残っているかは数えていないのでわかりません。
晃石山の山頂に大盛り上がりする一同の様子をご覧下さい。
とても蒸し暑く羽蟲も湧いているので、麓の桜が咲く4月初旬、紅葉の11月下旬がおすすめだと思います。
マジで。
存分に晃石山を堪能です。
というわけで、更に1点を奪い「3-3」の同点に!
下山を開始です。
ハイキングコースですが、周回コースがあるので利用します。
下山は地面がぬかるんでいて非常に転びやすく、実際一人転んでいました。
ぐみの木峠を分岐して大中寺へ降ります。
子供の頃、ぐみの木という甘美なフレーズに心がときめいた時期があります。赤い実が美味しそうですが、渋くて食べられない思い出。
湿った樹林帯も悪く無いと思える。
倒木もあり難儀しながらの下山でした。
余談ですが、この日ボリュームのあるディナーが控えており、昼に食べた佐野ラーメンがお腹から消えず「チャーシュー麺にするんじゃなかたわー」とか「大盛りにするんじゃなかったな」という会話していました。
湧き水が流れていて、実際飲めるらしいです。あまり、飲む気になれない感じでしたが。
ぬかるみに苦戦しながらも大中寺に降りてきました。こちらも歴史ある寺で、1400年頃に建てらているようです。
こちらのお寺もあじさいが植えられており、存分に楽しめることができたのはラッキーでした。
あじさい坂に比べると観光客は少ないので穴場という印象です。
あじさいといえば神奈川県の鎌倉が有名ですが、身動きが取れないほどの行列が待っているので、栃木県の大平山に来られてはいかがでしょうか。
そんなわけで最後まであじさいを楽しませてくれる山でした。
大中寺からスタート地点のあじさい坂に舗装道を歩くのが意外と大変でした。
太平山神社に一番近い駐車場がある「謙信平」に到着。
午前中の土砂降りは嘘のように晴れ渡りました、ここで逆転の1点「4-3」となりました。
下山後は大平山の売店で瓶に入った炭酸で乾杯。
同じ中身でも瓶>缶>ペットボトルで味の印象が変わるのは何故だろう。
ハイキングコースでしたが、6月の湿気で全身ナメクジ状態です。
大平山からほど近い場所にある柏倉温泉「太子館」にやってきました。
屋敷風の造りで趣きのある旅館の日帰り温泉。料金は900円でした。
栃木県はスーパー銭湯施設が充実していますが、多少高くても風情のある温泉に入りたいのが人情です。内部には聖徳太子神社などがあり、敷地面積が相当広い印象。
内装はとても綺麗で、露天風呂もあります。露天風呂まで石畳だったので、それが痛かった。
今日だけニラが100円でした。
ブラジル料理シュラスコで打ち上げ(現在は閉店)
我々のワールドカップ最終決戦とも呼べるブラジルを目指し、車で1時間ほど離れた群馬県太田市にやって来ました。
ブラジル料理シュラスコの「Primavera(プリマヴェーラ)」です。
群馬県太田市は富士重工(スバル)と三洋電機(パナソニック)の工場があり、人員不足のためにブラジルから労働者をたくさん雇っています。
大泉町はそういった背景からブラジル人街(リトルブラジル)が形成されています。町中を走ってみると日本人の姿は少なく、ブラジルの公用語であるポルトガル語がひしめき、異様な町並みになっています。
世界中がワールドカップに沸く中、我々はここブラジル(群馬)でシュラスコ食べ放題に挑むことになりました。
シュラスコとは、ブラジルの肉料理。
鉄串に刺した肉を炭火でグリルし、そぎ落としながら客に提供し、そぎ落とした表面を焼くというスタイルの料理です。シュラスコフルコースは11種類のお肉(サーロイン、イチボ、豚バラ、ウィンナーなど)にビュッフェがついて3000円と破格です。
ビュッフェだけでもお腹いっぱいになる内容なので、調子に乗って盛りすぎるとたいへんなことになる。
90分という時間制限がありますが、休みなく提供されてくる肉に対して、対抗できる日本人はいないのではないでしょうか。ブラジルサッカーの真髄を身を持って感じ、日本という島国サッカーが通用するのはまだ先の話であるということを知る。
運んでくるブラジル人シェフが肉を切りながら「アナコンダ」、「カンガルー」とブラジリアンジョークを交えてきます。口休めアンド消化を促すシナモンが振りかけられたパイナップルは癒やし。
ちなみにオーダーカードなるものがテーブルに置かれ、それを裏返すことによって「もう食べられないよう」をアピールすることができます。
看板の裏に描かれた牛の如くお腹がはちきれんばかりに食べました。これだけ無茶して食べたのはいつぶりだろうという感じです。序盤のビュッフェから肉へつなぐ采配ミスなどがあり、この最終決戦はドローという展開でした。
全員が翌日の朝食、人によっては昼食が食べられないという状況に陥るものの、短く長い一日が終わりました。
大平山・晃石山のハイキングを終えて
我々のワールドカップは、栃木県の里山である大平山で「4-3」で勝利を収めた一日でした。地元栃木のホームで負けられない戦いでしたから。
2014年のワールドカップの結果はご存知の通りかと思いますが、良い思い出にすり替えられたと思います。
雪も溶けいざ高い山を目指す時期ですが、梅雨の天候に悩まされる登山者は多いと思います。そんな時は雨でも楽しめるあじさい咲く大平山に出かけてみては如何でしょうか。
高いばかりが山ではありませんし、里山でも目一杯楽しめることが出来ます。
型にはまらず自由なスタイルで楽しむ、そう「伸びしろですね。」
おまけ - 大平山紅葉編 -
さてさて、梅雨に訪れた大平山ですが同年11月30日に再訪しています。
大平山の謙信平は紅葉の名所でもあるため、11月下旬から12月上旬は再び観光客で賑わいます。
謙信平から関東平野の眺め。
ちなみに大平山は夜景スポットとしても有名です。
6月に咲いていたあじさいはそのままの形を残し、半年を月日を過ごしています。
同じ山を同じ年に再び訪れるというのも月日の流れを感じて良いです。
6月は佐野ラーメンのおかげで食べることが出来ませんでしたが、大平山には3つの名物グルメがあります。
一つ目は大平団子。
大粒の団子にこしあんがびっしり塗りつけられています。美味。
焼き鳥。
地鶏を使った焼き鳥で特性のタレで焼かれています。塩はありません。香ばしく、ブロイラーの鶏にはない歯ごたえが楽しめます。
3つ目は玉子焼き。
もちろん、地鶏の卵を使用。少し甘めの味付けで、醤油を垂らして食べると一層美味しい。日常的に食べたくなる味。
珍走団が紅葉見物に来ていました。
総じて茨城ナンバーなのは言うまでもない。
名物グルメを堪能しつつ、紅葉ハイキングに大平山。如何でしょうか。
結局、また来た。
コメント
あじさいが有名な鎌倉の天園コースの山頂も大平山でしたね。
あじさいで有名な所がどちらも大平山と書くのに驚きです。
しかしこちらの方が温泉あり食事ありで鎌倉よりも満足度高いですね!
温泉最高!
>sakemaroさん
わたくしめもあじさいの鎌倉には挑戦していますが、あの人混みとリア充な雰囲気に辟易し、何度も撤退を余儀なくされています。
来年は奥多摩にあるらしいあじさい山に登りたいです。
鎌倉よりも満足度高いかは好みにもよりますが、グルメを堪能しつつ、少旅行気分を味わえますね。
大平山はカップルがデートに来ると別れると聞いたことあります。女の神様が嫉妬するんだとか。
太子館は階段上がって神社に行くと露天が見えませんでしたっけ?
kyさん
大平山にそんないわれがあるんですね。では、大平山に男一人で行けば、女神がつくってことですかね。※ただし、イケメンに限る。
階段にビビって参拝できなかったです。今度はきちんと参拝します。