春が近づいています。
長い冬が終わって、花や緑に囲まれた登山がしたい、冬眠中のクマのように雪解けを待つ登山者は多いです。標高の高い山はまだ雪が残り危険です。しかし、標高1000m以下の低山では、緑が芽吹くより先に花が咲き始めます。
- 早春の2月、3月、4月の時期
- 関東近郊にある標高1000m以下の山
2つの条件で、花盛りの春に相応しい山を桜、梅、蝋梅など、花別におすすめの山を紹介します。記事化されているものはリンクが張ってあります。
甘い香りの蝋梅(ロウバイ)
宝登山@埼玉県秩父(標高497m)
蝋梅が咲く代表的な山は、埼玉県秩父にある宝登山です。秩父鉄道の駅から3時間程度で縦走できる長瀞アルプスという縦走路が整備されています。蝋梅園は山頂にあり、武甲山をシンボルとした秩父の街並みを展望します。
観光客用のロープウェイがあるため、簡単に下山することも可能です。天候によっては、積雪がある時期なので、状況を見て軽アイゼンまたチェーンスパイクを携帯してください。
四阿屋山と節分草園@埼玉県秩父(標高722m)
同じく秩父の四阿屋山も蝋梅が咲きます。
宝登山ほどメジャーではありませんが、開花時期が違うため、宝登山の蝋梅を逃してしまったという場合に行ってみてはいかがでしょうか。
また、登山口のふもとには節分草という貴重な花の群生地になっています。非常に可憐な花です。
四阿屋山は上記二つの花より福寿草が有名です。新春を祝う花として名づけられています。
ピンクが濃い早咲きの河津桜
西丹沢の高松山と松田山@神奈川足柄(標高801m)
早咲きで有名な河津桜は神奈川県の松田山で見ることが出来ます。小田急線の新松田駅からバスまたは徒歩で行くことが可能です。桜祭りの時期は多くの観光客でにぎわうスポットです。
登山を絡めると西丹沢にある高松山からの縦走が可能です。高松山の山頂は展望が開けていて、遮るものなく富士山を眺められます。
本場の河津と三筋山@静岡県伊豆(標高822m)
河津桜の本場はやはり伊豆半島の河津です。全国的にも有名なお花見スポットで、開花時期の週末は大変混雑します。
「お花見に男4人で行くのはちょっと…」と言うことで、紆余曲折あり三筋山に登りました。登ったといっても10分程。ちょうど、山焼きをやっていて、山火事かと思ってかなり焦った思い出があります。
男だけで花見をするという行為に対する免罪符として、伊豆半島の登山を絡めてみて下さい。無理矢理に登山する必要はありませんけど…。
規模は広くはありませんでしたが夜桜ライトアップをしています。夜桜の時間まで滞在していると帰りが大変なので注意が必要です。河津は伊豆半島のかなり南の方なので。
三浦海岸~城ヶ島トレッキング@神奈川県三浦(標高0m)
神奈川県の三浦半島もまた河津桜の名所です。京急線の三浦海岸駅前から歩くと河津桜が植えられているポイントがあります。
せっかく三浦半島に来たのであれば、城ヶ島に足を運ぶことをお勧めします。海岸に沿ってトレッキングコースが整備されています。
城ヶ島には水仙園があり時期が重なれば、開花していると思います。
また、三崎漁港はマグロが有名で、漁港付近には美味しい料理屋さんがたくさんあります。「くろば亭」で食べたマグロのカルビ焼きは脂がのっていて、白いご飯が進みました。
三浦半島の旅は京急線で販売している食事券付きの切符を購入するとお得に移動することができます。
LINK 京急みさきまぐろきっぷ
お花見のはじまりの梅
紅白の梅の宴、幕山@神奈川県湯河原(標高625m)
神奈川県の湯河原にある幕山は、約4千本の紅梅、白梅が植えられています。梅見登山の代表的な山です。
歩行時間は3時間弱とお手軽で、真鶴半島と大平洋を眺めながら登山ができます。湯河原の温泉や魚介を一緒に楽しむと良いかもしれません。
みかん畑と梅林の曽我丘陵@神奈川県国府津(標高236m)
曽我梅林は有名な梅のスポットで、それを目指してハイキングするコースです。梅の間から富士山を眺めることが出来ます。これぞ日本の原風景的な花見をすることができます。
湘南の海を見下ろしながら2時間程度のトレッキングコースが整備されています。丘陵地帯はみかん畑になっているので、一袋100円~200円の路上販売があり、水分補給には困りません。
余裕があればJR二宮駅で途中下車して、吾妻山公園に行ってみてください。山頂は菜の花畑が満開になっていて、湘南の海と富士山を眺められるスポットになっています。
筑波山の梅まつり@茨城県つくば(標高877m)
茨城県の梅の名所は偕楽園だけではなく、筑波山の中腹に総数1000本の梅林があります。「筑波山にいつ登ろうか?」と思ったら梅の開花時期が良いかもしれません。
観光地化されているとは言え、関東平野を一望できるのでとても気に入っています。筑波山はつくばエクスプレスと路線バスでアクセス可能です。
紫色の妖精が羽ばたくカタクリ
森が紫に波打つ三毳山@栃木県佐野(標高220m)
栃木県南部にある三毳山は最高峰が220mの低山ですが、カタクリの群生地で有名です。
咲き乱れるカタクリは圧巻の一言で、森に紫色の絨毯が出来上がります。森の中に風が流れ込むと大きめの花びらが揺れ、紫色の波を作り上げます。
苺の収穫の時期と重なるので、本場栃木の苺を食べてみて下さい。高級品種スカイベリーは、道の駅であれば安く購入できます。
記事
離島の花の楽園、ドンデン山@新潟県佐渡島(標高934m)
ドンデン山はあまり聞かない山の名前だと思います。本州では見られないほどのたくさんの春の野草が群生しています。
特にカタクリは出し惜しみなく、そこらじゅうに咲いていて見飽きる程です。離島ですが定期便があるのでアクセスが良く、金北山への縦走コースは見所がたくさんです。
カタクリ以外にも雪割草、シラネアオイの群生があります。他の山ではちょこっとしか見られないのに対して、大放出してくれます。
日本の春はやっぱり桜
山頂の一本桜、棒ノ嶺@埼玉県飯能(標高969m)
棒ノ嶺は都内からアクセスが良く、眺めも良く、沢沿いのコースが人気の山です。
山頂に桜の木があるので、埼玉県で、遅めのお花見をすることができます。ビニールシートを持ってきて、食事を広げて食べている登山者多数です。
新緑の白沢コースは幸せな気分になれます。ただ、温泉からの路線バスは超絶怒涛の混雑になるので注意が必要です。
古都の風流な天園@神奈川県鎌倉(標高149m)
天園ハイキングコースは古都鎌倉の人気のトレッキングコースです。別名は鎌倉アルプス。スタート地点の建長寺の桜並木、登山道中には山桜の木が転々としています。
山桜の白い花びらが苔蒸す登山道に待っていてとても風流でした。
由比ヶ浜を奥にして、山に囲まれた地形を眺められることが出来るコースです。
東北の桃源郷、花見山@福島県福島市(標高?)
花見山は個人の私有地で、一般に無料開放されています。花見シーズンには交通規制がかかる程の観光客が訪れます。
梅、桃、ソメイヨシノ、レンギョウ、ボケ、サンシュユ、モクレンそしてツバキ等が一帯に咲きます。まるで、昔ばなしの物語に出てくる桃源郷そのものです。
山頂付近からは吾妻山を見ることが出来、「花見山からの吾妻小富士」はふくしま市の景観に選ばれています。
春の登山のまとめ
今回紹介した山は初心者でも安心、ハイキングまた登山未満のレベルで、コースタイムが短めの山です。
2月~4月は朝起きるのがまだ辛いくらいに寒いですが、野山では春が確実に始まっています。山に咲く花は一週間もすれば散ってしまう儚い存在です。雨や風にも弱いです。昨日までは咲いていたけど、翌日には無くなってしまうということがよくあります。
「花の命は短し歩けよ登山者」
一瞬で過ぎ去る花のシーズンを逃さぬように計画を立てて登ってみて下さい。
コメント
近いのに見たことがない三毳山のカタクリ群生地、今年は是非見てみたいです。(o^^o)
けれど冬の山も良いですね〜(≧∀≦)
雪山登山はしないと決めているけれど、先日蔵王山にスキーをしに行ってきました。
◯◯年ぶりのスキーは恐かったけれど、雪山の美しさには感動!
雪山は諦めていたけれどスキーって形で触れていられるのだと発見し、
春まではスキーがてらに、あちこちの山に行って来ようと思ってます。(^^)
でも自分が楽しく滑り遊んでた日の晩に蔵王山の噴火レベルが上がり…
楽しむことに危険は付き物なんだなあと改めて実感したのだけど、でも山の魅力は言葉で表せないものがあります。
veryさんのブログを参考にしながら、自分は無理のない山巡りをして行こうと思ってます。(o^^o)
>ユメミンさん
コメントありがとうございます。
そういえば蔵王!!!火山警戒レベルが上がっていましたね。草津白根山が噴火したニュースが直近であっただけに恐怖をリアルに感じます。
蔵王はゲレンデ規模が大きく、また樹氷シーズンなので行ってみたいのですが…。
雪山もいいですが、やはり自分は花の咲く山の方が好きなので、春が待ち遠しいです。
また、ブログ参考にして頂きありがとうございます!!!
出遅れてしまったけど、こんばんわ♪
山道で出会う、ちっちゃい花に励まされながら登ってます。
たくさんのキレイな写真ですね。
今年の桜は早かったんですが、私は、宮島で花見登山しました。
ちょっと霞んでて、四国の山は見えませんでした。
明日は、地元のやまの山開きへ行きます。
山頂は八重桜が、満開だと思います。
次のレポも楽しみにしています。
やま子さん
コメントありがとうございます。
ネットの環境がなく返信が遅れてしまいました。
今年の桜は全国的に早く、ツツジなどの開花も早まりましたね。
宮島いいですねえ。
相変わらず行けていないので、秋に再び計画を立ててみようと思います。