
2014年2月1日
埼玉県の秩父にある宝登山に行ってきました。標高は491mです。
長瀞(ながとろ)にある宝登山は2月初旬に山頂に咲く蝋梅の名所として知られています。宝登山はロープウェイがある観光地ですが、コースタイム3時間弱の「長瀞アルプス」という比較的にお手軽な縦走路が整備されているため、お手軽な登山を楽しめることができます。

2014年のテーマは「旬の山」です。とある山に登って最も適した季節と時期に日本中の山を巡る壮大な計画です。その皮切りに相応しく、冬を彩る黄色い蝋梅の咲く宝登山を旅してきました。
宝登山について
地図

秩父鉄道の「野上駅」からスタートして、「長瀞駅」に降りる縦走ルートです。縦走とは言え、全体で3時間ほどのコースです。
コースタイム
- 8:33野上駅
- 10:49宝登山
- 12:22長瀞駅
行動時間は3時間49分でした。
蝋梅(ロウバイ)の開花情報
ロウバイの開花情報は「宝登山ロープウェイ」のホームページで随時確認ができます。
LINK 宝登山ロープウェイ
宝登山(長瀞アルプス) ハイキング
秩父鉄道で行く宝登山は都内からかなり遠い

今回の登山行程は、登山と観光の密度が濃いため最初にアジェンダを紹介しておきます。
野上駅(秩父線)→長瀞アルプスを縦走→宝登山山頂でロウバイ鑑賞→宝登山神社を参拝→長瀞の岩畳見学→長瀞駅(秩父線)→秩父駅(秩父線)→シャトルバスで星音の湯→秩父駅(西武線)→高砂ホルモン→秩父駅(西武線)→帰京
この秩父を骨の髄まで貪り尽くすようなプランが完成した時は、モーツアルトが晩年に「魔笛」を完成した時の心境と同じでした。
タイムスケジュールはぎっしりと分単位で組まれています。

都内から東武東上線で「寄居駅」に向かい、秩父鉄道に乗り換えます。
秩父鉄道の改札でパスモが使えないという洗礼を浴びる。秩父鉄道は埼玉県の羽生と三峰口の71.7キロを結ぶ私鉄です。

秩父鉄道の「野上駅」で下車します。
雲ひとつない快晴で、関東の冬晴れというお天気。

ホームでそれぞれの路線で集まったメンバ3人と合流しました。


時代から取り残された雰囲気ある駅構内。


野上駅を利用している人にとっては失礼にあたるかもしれませんが、アウトドアメーカーのモンベルのショップが。なぜ、この田舎駅にあるのが謎でしょうがない。

お食事とカフェ←わかる
お食事とコーヒー←わかる
カフェと山いもステーキ←?

野上駅から宝登山へ向かうために「長瀞アルプス」の登山口を目指します。筆で書かれた手作りの看板が味があります。

宝登山山頂に咲く蝋梅を楽しみにスタート。
駅前に咲いていた蝋梅みたいな花はスルーします。うん。

一軒家の庭が広く、そこで飼われている大型犬に吠えられながら住宅街を抜けた場所に長瀞アルプスの登山口があります。

蝋梅の種が売っていました。
立派に育ち花が咲くまで、どれくらいの年数が必要なのでしょうか…。
緩やかな尾根道の長瀞アルプス

8時50分登山開始です。

長瀞アルプスは細い尾根道になっているコースです。

冬枯した木々の間から景色が眺められるのはこの季節だけの特権ですね。


少しだけ秋の気配を残すオブジェクト達。

アルプスの定義に当てはめていいのか疑問ですが、小さなアップダウンを繰り返します。勾配はなく比較的緩やか。
会話しながら冬のトレッキングを楽しみます。

宝登山への分岐点に到着。
この看板は有名らしいので、毒キノコで苦しんでいる演出をしたが、果たして必要だったのだろうか。

久しぶりに見た「関東ふれいあいの道」。

ここからは容赦の無い勾配の階段があります。ここが踏ん張りどころ。
この場所で本ブログの読者さんに見られていたことを後で知り、とても恥ずかしい。

先ほどまでは冬枯れの山に会話の花を咲かせていましたが、すっかり枯れ落ちてしまった様子。

階段を登り切ると山頂の蝋梅園に到着。
秩父の象徴と言えるべき山「武甲山」の眺めです。
甘い香りが漂う宝登山の蝋梅園

そして、満開の蝋梅が…。
あれ、咲いていない?

あれ?
全然咲いてないぞ!

と、思っていたら開花時期をずらすためのロウバイのエリアを区画しているので、移動してみたら普通に満開でした。

顔を近づけてわかる仄かに香る甘い匂い。とても上品です。

自分の会社にいる周囲3メートルに香水の臭いをまき散らす、バブル生き残りのあの女性の方に見習ってもらいたいものです。

節分間近なので、鬼に。

何をしているんでしょうかね。

秩父に来たのは作年2013年の12月ぶりで、前回は棒ノ嶺と秩父夜祭を楽しみました。

宝登山の山頂に到着です。埼玉県が設置する看板は相変わらず立派です。

集合写真。
悲しい距離感。

冬晴れの青い空に映える蝋梅の黄色い花。

梅とついてるけど、バラ科の梅とは無縁らしいです。
なので梅干しは実らない。

山頂らは奥秩父の名峰「両神山」の岩岩しい形を眺められました。
両神山の記事:【奥秩父】両神山 日帰り登山 ~ 紅葉の終わりに近いようで遠いアクセス不便な埼玉の秘境の旅

開花する前の玉のような蕾が可愛らしい。


蝋梅園の鑑賞を終えた後は宝登山神社の奥社へ移動しました。秩父らしい狼型の狛犬がいました。

奥社の側に営業している売店があります。
みかんが売っていると必ず購入してしまう病。

ストーブの前で店番をするお犬様がいました。


売店の前に焚き火をしている場所があって、そこで蒸かしたお饅頭が焼かれているではありませんか。小麦が焼ける香ばしい匂いと割れ目から見える黒い餡。気づいたら財布の紐が緩んでいた。

「お買い上げありがとうございやーす」
術中にハマった感じ。

さて、スケジュールが迫っているので下山を開始します。

動物園が途中にありました。観光地なのですね。

下山路は四駆なら走れるほどの坂道。長瀞の町並みと1000mに満たない奥武蔵の山々。

宝登山にはロープウェイが通っているため楽々です。


下山後は宝登山神社を参拝しました。

宝登山神社は、秩父神社と三峯神社と共に秩父三社と呼ばれています。
模様がカラフルで豪華。

奥社と違ってこちらはベーシックな形をした狛犬でした。

おみくじを引いたが良くも悪くもない微妙な内容だったので、あえて紹介する程でもないのが残念でした。

午前中をもって登山はおしまいです。
ここからはるるぶ的な食べあるき小旅行にシフトチェンジすることになります。

登山口入り口で秩父で生産されているというお餅とお団子を購入しました。

食欲を減退させる緑色の粉がかかっていますが、味はいたって普通のきなこ味でした。

2月3日には節分祭が開催されるようでした。
※2月1日撮影

続いてのスケジュールは、長瀞渓谷の岩畳鑑賞です。
宝登山神社から歩いて長瀞駅方面へ向かいます。
切り込みうどんという物騒な名前のうどんが気になったりします。


有名なかき氷屋があるようで気になっています。夏に来るかは謎ですが抑えておくべきポイントです。

カブが売っていると思いきやダイコンだった。

長瀞駅に近づくと観光地色が強くなってきました。
ライン下りスポットでおなじみ、長瀞の岩畳観光

秩父鉄道の踏切を超えて岩畳へ向かいます。

これはイケないですよ、お土産屋さんが並んでいるじゃないですか。

魅力的な食べ物がずらっと並んでいるではありませんか。

スペインの街なかで行われる牛追い祭りの参加者のごとく、おみやげ屋街を抜けてやってきました。

ミルフィーユ上に重なった岩畳。
地質学に詳しくないので、詳細はウィキペディアを参考にして頂きたい。

都会から引っ越してきた勉強のできる少年を地元のガキ大将が度胸試しで「飛んでみろよ」と言いそうな場所です。昭和にありがちな小説。

ライン下りの船があります。
こたつ船もあるらしいので、ちょっと乗ってみたい気もします。

電車の時間が迫っているので、岩畳は5分で終了。
若干の待ち時間に試食トレッキング開始。

甘いモノばかりを食べていたので、焼きたてのおせんべえを購入しました。

再び秩父鉄道で秩父駅へ移動します。

秩父駅の1Fはおみやげと物産展になっていて、ここでもおにぎりを購入した気がします。
今回は本当に何も食べ物を持ってこなかった。
秩父駅から送迎バスで星音の湯へ

本日の温泉は「星音の湯」です。
秩父駅と西武秩父駅から送迎バスが出ています。送迎バス40分弱の乗車中は早朝からの眠気を回復するのにちょうどいい。

星音の湯は新し目の温泉施設です。女性は館内着として浴衣を選ぶことができます。

内風呂複数と露天風呂が2つあり、広々と楽しめるいい施設でした。
館内は庭園もあり、仮眠できるスペースもあります。

本日のディナーはホルモン焼きですが、この星音の湯では里山バイキングというのをやっています。
「ここにする?」と女性陣に尋ねたところ
「肉の方がいい」と即答。逞しい限りです。

1時間教の温泉滞在の後、再び送迎バスにて今度は西武秩父駅です。
秩父鉄道の秩父駅と西武線の西武秩父駅はひと駅分離れているので注意が必要。


ホルモン焼き屋の開店(17:00)がまだだったため、仲見世通りにてショッピング。

「まだこのアニメで儲けを得ようというのか」

秩父のB級グルメの一つ「みそポテト」を購入し、みんなで味見。甘い味噌がじゃがいもに合っています。

赤ちゃんのほっぺたのようにぷにぷにとした触感が面白い「ちちぶ餅」を購入。
ホルモン後のデザートの位置づけ。

不思議なお菓子も売っていました。
細い甘い糸をグルグル巻いたもの。

夕日に照らされた武甲山。
秩父は武甲山あっての街ですね。

銘酒の「武甲」とスナックの名前「順子」が合体してフルネームみたいになっている看板。
煙が充満する高砂ホルモンで打ち上げ

やってきました!
高砂ホルモンです。

予約なしで行き、予約でいっぱいと言われました。
ショックを受けて別の店にしようかと踵を返そうとすると「4人なら7時まで大丈夫」という店主の粋な計らいで、入店させてもらえることになりました。
全てがうまく行ったパターンです。

秩父夜祭の時とは別の店で、こちらのほうが本家的な位置づけなのかどうかは定かではありません。
宴の開始です。

ビールとホルモン盛り合わせを注文。
世の中のどんな悪いことも許せてしまう絶対的な時間です。

七輪に張った網でタンを焼く。この作業にどれほどの人間が魅了されてきたことか。

盛り過ぎ。

店長さんが焼き加減について丁寧に説明してくれました。
新鮮なホルモンが食べられる曜日も教えてもらいましたが、それは平日なので秩父の人間にしか楽しめないですね。しかし、有休を使って登山しに来るのは大いにありえること。

肉を食べる。肉を食べる。お酒を飲む。肉を食べる。ご飯を食べる。
この作業の繰り返しで、いつの間にか2時間という時間が流れていました。

場末感のある秩父の仲見世通り。
2月の秩父の冷え込みは想像以上で、店を出た瞬間に一気に体が冷えました。歯をガチガチに鳴らすほど。

蝋梅の甘い香りを思い出せないほどのホルモン焼きで燻された臭いを纏い、都心へとレッドアロー号で帰京しました。
宝登山の登山を終えて

登山ルートは確立され、増えることも減ることも珍しいだろう。
しかし、交通機関が発達し、時間に余裕があるからこと登山ルートにプラスした新しいルートを開拓することが、これからの登山ではないかと自分は思っています。麓の名湯につかり、地元の食事を堪能し、おみやげを買って帰ることがわかりやすい一例でしょう。
登って降りるだけが登山ではなく、山があればそこに人が住む、それが日本です。広い視野で登山計画を立てることが自分の柱としています。

午前中は宝登山の登山、午後は秩父観光・グルメと日照時間が短い冬ながら、1日を存分に楽しむ旅になりました。
登山のコースタイム、電車のダイア、送迎バスの時間をこねくり回し、スケジュールが見事にハマった瞬間に「これだ!」と思いました。改心のプランとなったので、是非同じ足跡を辿ってみては如何でしょうか。
蝋梅の咲く宝登山に冬の朝、コタツを抜けだして行ってみませんか。来年もまた行きたいと考えています。
コメント
結構にんきですよね!リハビリに一番最初に登ったところです!長瀞アルプスも樹木生い茂る5月末でしたが、結構楽しむ事ができました!
秩父に行く理由がホルモンになってきてる自分がいます・・・^^
>みんみんさん
コメントありがとうございます。
そうですね。必ずホルモン食べてます。高砂以外にも店があるので行ってみようかなと検討しています。冬から春にかけて秩父は良さそうですね。
秩父はまだまだ登るべき山がたくさんあり楽しめそうです。
いつも楽しく拝見しています。
私のなか(レベル)ではアルプスシーズン終了し、冬の低山&観光をテーマに計画中です。
真似させて頂きますね(^^ゞ
>マメミさん
いつもコメントありがとうございます。
宝登山もまた行きたいですが、今年も色々と低山をめぐりたいと思っています。
何よりアルプスより気兼ねなく楽しめるのがイイですね。
百名山12座昨年〜登り始めました。正直、初心者やみくもに、登山を楽しんでます。参加したいです。中村信明41歳。やればできる、やらねば出来ぬ何事も、冬山登山ご同行お願いします。
>中村信明さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
登り始めで12座は凄いですね。
自分は気長に登って行きたいと思っています。
冬山のスキル全くありませんが、お誘い頂ければ是非とも。
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