2011年8月27日
山形県の月山に行ってきました。標高は1984mあります。
東北地方に出羽三山の山岳信仰で知られ、日本の山岳史において重要な山の一つです。俳人の松尾芭蕉が「奥の細道」で登った山でもあります。
東北地方の山に初めて行きます。
山形県の中央部に位置し、東京から高速道路だけで片道450キロ。電車の移動を含めると総移動距離約1000キロの過去にない長旅となりました。
無謀な計画でしたが、東北の山の良さを知ることになる重要な旅になりました。
月山 登山
宇都宮を出発~山形の月山へ弾丸ドライブ
自身にとって縁もゆかりもない、東北の月山をなぜ選択したのか?
- 栃木に住むたちが被災証明を取得し、東北の高速道路が無料
- 月山ICがあり高速道路から近いので迷わなさそう
- 日帰りできそうなギリギリな距離間
当日早朝の日帰りは厳しいため、前日深夜に栃木入りして夜通しで、山形県の月山へ向かいます。
山と高原の地図は出発する前日の金曜日に買いました。登るコースも道中で決めました。
へへ。
金曜日の夕方、都内でとても激しい大雨がありました。
山手線をはじめ首都圏の路線ダイヤが混乱する中、宇都宮へ向かう湘南新宿ラインは通常通りの運行。
「はは、これはついてるぜ」と思っていたわけです。
しかし!ここで大失敗を犯す。
久喜駅で湘南新宿ラインから宇都宮線に乗り換えるため、別々の車両に乗っていたみやじゅんと合流しようと思いました。電話をするとみやじゅんは端っこの車両にいるとのことなので、ホームに出てその車両に向かって歩いていました…
プシュー、ガシャン(電車の扉が閉まる音)
「な!?」
ドアが閉まり、出発する宇都宮線。駅のホームに立ち尽くす自分。
アナウンスも発車ベルも鳴らないのかッー!!!
今まで乗っていた電車に再度乗り、栃木県小金井駅で降りました。30分も次の電車が来るのを深夜のホームで待ちましたよ、ええ。
今月3度目であろうか宇都宮。駅前でたちと合流。
月山IC付近はコンビニが一軒もなさそうだったので、飲み物などは宇都宮市内で購入しました。
最近のパーキングはコンビニが結構あるのね・・・。
宇都宮ICから乗った東北自動車道は、深夜にも関わらず復興支援でしょうか、大型トラックと路線バスが結構走っていました。
山形自動車道はガラガラでした。
朝5時前に月山ICを下りました。
宇都宮からの高速料金6500円の無料は貧乏登山家の僕たちには嬉しい限りです。
湯殿山コースを車中で決めていたので、登山口を目指します。
しかし!ここで2回目の大失敗を犯す。
湯殿山登山口がある駐車場までは有料道路で行くわけですが、朝8時に開通するらしく…
通行止め・・・。
有料道路手前に車を停めて、いまいち不明瞭な登山道を進めば行けるのでしょうが…
ちょっと怖いので登山口を変更しました。
月山ICからいける登山口はもうひとつあり、姥沢駐車場を目指します。
この姥って字、ずっと「えび」って読んでました。ははは。
6時前に姥沢駐車場に到着。
二つのタイムロスがなければ、1時間早く来れたのに・・・。先行している登山客の車が10台ほどありました。
東北の山は森林限界が低いと知った登山道
準備体操をして、パンをひとつかじり出発です。
たちの頭の上にあるのが月山です。結構、遠くに感じる。
登山リフトが運行していますが、8時ごろに営業開始のため使うことはできません。
駐車場から5分くらいのとこに建っている姥沢小屋の脇から登山道へ入ります。
いかにも裏道、登山口。
ちゃんと板で道が整備されていて歩きやすいです。標高1200mくらいなのに木が全然高くないことに気づく。
豪雪地帯だから、高い木が生えないんでしょうか?
朝6時なので、誰もいなくて静かな上にとても涼しく快適。
20分ほど歩くと視界をさえぎる木がなくなり、一気に展望が開ける道になります。
この標高でこんなに視界が広がっているのは初めての経験。
登山口から中盤にかけては、湧き水がそこらじゅうから湧き出ていて、一箇所だけ飲料できる場所がありました。
氷水のように冷えていて最高に美味しい。
振り返ると既に雲の上でした。
今までに見たことないくらいに高山植物が豊富に咲いていました。名前は全く存じ上げないのですが。
8月下旬なので最盛期は過ぎていますが、それでも多くの花が咲いていました。
序盤の森の中の道は、それほどきつくありません。
多少道が濡れているので滑ります。
自分は大転倒しました。
登山口からわずか30分程度でこの風景。
今まで標高2500m前後の山は結構登ってきましたが、それ以下の標高なのに見晴らしが抜群です。
すごいぜ東北!
300キロ移動してきた疲れも吹っ飛ぶくらい爽快な青空。
気持ちの良い登山道の動画です(34秒)
姥沢コースからずっと見えている山(写真右)は山形県と新潟県にまたがる朝日連峰です。
地図上で見ると一般道からかなり遠くにある山なので、手ごわそうです。
登山道を歩いていると水の音が聞こえてきて、ふと下を見るとこのように湧き水が流れている箇所が随所にあります。
ほとんど休憩は取らずがんがん進みます。
途中で単独のおじさん二人に抜かされました。あまり抜かされることがないので、少し悔しかったり。
リフトから上がってくるコースと合流。
道が合流したあたりから傾斜が少しきつくなってきます。
8月も終わりなのにまだ雪が残っていました。
ここにある雪は9月には溶けてしまいますが、日陰になっている部分は万年雪になるそうです。月山はかなりの豪雪地帯ですからね。
来た道を振り返る。
東側(写真左)が雲だらけ。
AM7:36に頂上手前の牛首(うしくび?)に到着。登り始めてちょうど90分。
ホルモンは好きだけど、牛の首なんて食べたことないな。鳥の首(せせり)は好物。
これまでの道は序の口。
牛首を過ぎてからが、月山が本領発揮してきます。
しかし!
稜線上に出ると今まで秘密のベールに包まれていた北側(秋田方面)が現れました。
写真右は鳥海山(ちょうかいさん)で、個人的登ってみたい山BEST5に入っている山です。
山頂への道は非常に険しい岩を登ります。
リフトを使って楽々山頂を目指そうとする人は、この登りでやられるはず。
月山は昔から修行の山だけあった甘くはないのです。
急な登りの途中にあったお地蔵様。
延命させてくれるのかな。
月山神社と鳥海山の展望がある月山山頂
忍者屋敷!?
と思ったら山頂神社です。
山頂は360度の眺望。
東側(宮城県側)は、雲海が広がっていました。月山を挟んで西側の庄内平野は雲ひとつなく日本海まで澄み渡っています。
東と西で雲海がわけられている景色に感動。
月山山頂は施設も充実。
山頂に営業している山小屋がありました。
トイレもありました。
月山神社(Wikiへ)
かなり歴史ある神社みたいですね。兎年にお参りするとご利益あるらしいので、今年がまさに旬ですね。中を見るには500円払います。
見とけば良かった…。
月山ランチは月見カレー
ランチといってもまだ朝9時なんですが。
本日のメニューは、ゆで卵の黄身を月にあしらった「月見キーマカレー」でございます。
カレーを温めたお湯の余熱で、ワイルドにナンを温めます。アウトドアで食べるカレーは、極上の美味さですね。
本日はデザート付き。
カレーがちょっぴり辛いので、あまーい杏仁豆腐を購入。
杏仁豆腐の上に乗せるために買ってきたパインの缶詰、ザックから出てきたのはなぜかナタデココの缶詰。
やっちゃったぜ☆
結局、雲をイメージした「雲海スイーツ」ということで落ち着きました。
実際、ナタデココと杏仁豆腐の相性良くて美味しかったけどね。いいんだ、それでいいんだ。
ゆるやかに広がる月山の世界
昼を食べているところに飛んできた蝉。
(・ω・)←の顔文字が背中に書かれていると思いませんか?
いつのもやつを二人で撮ってみた。
月山山頂陽のあたる斜面は、一面花が咲いています。
なんだかんだで一時間半くらい頂上でダラダラ過ごしました。
月山から見える山々。
さて、下山を開始します。
雲の峰いくつ崩れて月の山
松尾芭蕉が月山を訪れたときの有名な句ですが、写真のように大気が暖められて雲が上昇していく様子を表してるのかな。
確かに下にあった雲が、一斉に上昇していく光景は圧巻。
下山する頃には、リフトも稼動しているためかどんどん登山者が増えてきました。
すれ違った小学校の団体。
とても元気に挨拶されました。
後方の親たち落ち武者の如く疲労困憊していました。
Before(7:05)
After(10:50)
夏雲がぽんぽん生まれてくる光景を目に下山。
さすがに日差しが照りつけ、肌を刺激する熱を感じます。
下りは道がちゃんとしているため楽々。
途中で、30歳くらいの男の人と70歳くらいのおばあちゃんが一緒に登ってました。
男の人は軽装で、おばあちゃんは普通に街を歩くような格好で登ってました。
すれ違ったあとで気づく、ここは姥沢コース→姥(うば)→姥捨山?
ま、まさかね・・・。
11時半過ぎに無事下山。
途中の湧き水に助けられた。
戻ってきたとき駐車場には結構車が停まってました。
人気の山ですね。
駐車場を出る頃には、月山の周りはすっかり夏雲に囲まれてました。
汗まみれの体を綺麗にするために温泉へ。
温泉街が山を降りたあたりに何軒かあるので、適当に「つたや」って旅館に入りました。
旅館の温泉のため日帰り入浴800円で少しお高め。
内風呂は良かったのですが、露天がダメだった。
昼間は稼動させてないのかもしれないけど、湯がにごっていてぬるく少し臭った。
なんとなく撮ったやつ。
月山は死と再生の山らしいです。
歴史に詳しくないので、月読命が全くわからない・p・
少し勉強してみよう。
途中のサービスエリアで山形名物たまこんにゃくを食べ、眠気と戦いながら一気に宇都宮まで帰りました。
宇都宮のラーメン右京で打ち上げ
宇都宮に帰ってきたのが夕方5時。
お腹もだいぶ空いていたので、宇都宮の「ラーメン右京」に行きました。自分の通ってた中学校の学区内でしたが、訪れるのは今回がはじめて。
18時開店で、30分前から待ちが発生する人気店。
座敷で田舎のばあちゃん家に帰ってきたような雰囲気の店内。
完熟味噌ラーメンを食べました。
完熟なので濃い味かと思ったら、意外とあっさりでした。
チャーシューが分厚く、全体的にかなり量がありました。満腹でございます。
ここの餃子は紫蘇入りでさっぱりしてます。
今回は、両親が秋田の花火大会に行っているため実家には寄らず、19時半の宇都宮発湘南新宿ラインで東京へ帰りました。
月山の登山を終えて
月山は予想以上に美しい山でした。
2000m前後の山で、あの眺望のよさは東北の山ならではですね。また東北の山に行ってみたいと思います。東京からの日帰りはかなりハードですが…。
弥陀ヶ原コースの記事
鶴岡市方面の登山口、弥陀ヶ原湿原から登った記録です。
コメント
これまで登った山の中ではベストだろうな。
絶対にまた行きたいと思える山だったわ~
東北はアルプスとは違った魅力があるな
初めまして。
登山歴3年。まだまだ未熟者です。
男体山に登ってみたく色々と見ていてこちらのブログに辿り着きました。
文章、写真どちらも素敵で臨場感溢れるブログをワクワクしながら拝見しております。
登山を始めてすぐの頃に登った山が月山でした。
本当に綺麗な山で是非また行ってみたいと思える山です。
あ~懐かしいな♪ そうそう!この景色見た~♪と思いながら拝見させて頂きました。
過去の記事もゆっくり楽しみながら拝見させて頂きます。
>かるままさん
初めまして!!!
コメントが遅れてしまって申し訳ありません。
拝見してもらいありがとうございました。
登山歴3年はベテランですよ。
自分も初めてすぐのころに月山に登り、東北の山の良さに気が付くことができました。
今の今まで各地の山を巡りましたが、月山に初めて登った時の感動は心に残っています。
過去の記事、参考になるかはわかりませんが、またのコメントをお待ちしております。
お疲れ様です!
コメントありがとうございます。
登山歴3年と申し上げましたが登った山は・・・まだ片手で数えられます^^;
一番最初のブログから順番に拝見し、只今2011年7月23日の富士山 登山まで辿り着きました。
毎日少しずつ読み進めていくのがとても楽しいです♪
>かるままさん
最初の頃の文章はなかなか読みにくいと思いますが、お付き合いください!!!