2012年3月3日
八ヶ岳の北横岳ヒュッテに宿泊してきました。標高は北横岳の2480mです。
八ヶ岳は冬でも登山者が多く訪れるエリアで、山小屋も営業しているところが多いです。今回は雪山初心者定番の北横岳にある北横岳ヒュッテに宿泊してきました。
八ヶ岳ロープウェイ山頂駅から徒歩1時間の場所にあります。
この冬、最大のイベント北八ヶ岳の山小屋一泊ツアーが行われました。
総勢11名が参加し、二日に渡って雪山を楽しんで来ました。1日目に北横岳に行き北横岳ヒュッテに宿泊、2日目に縞枯山に行く工程です。
つらい東京での仕事を終えた金曜日、翌日の雪山にときめいて眠りにつくのでした。
冬の北横岳ヒュッテ宿泊(1日目)
特急あずさに乗って長野県の茅野駅へ
「あー、良く寝た。時間は7時半。あれ?集合時間って7時半じゃ…」
はい、大寝坊をブチかましました。
一瞬で頭が雪山のように真っ白になりました。スマホを見るとたくさんの着信履歴。やってしまいました、予定では八王子に集合する時間です。
コンピュータを起動させ、路線検索。行程的にも1日目は北横岳ヒュッテまでなので、余裕がある。何とか今の時間からでも到着することが出来そうです。
太陽も登り切った10時に自宅を出発しました。これから、長野県の雪山へと向かいます。
自宅の世田谷から八王子へ移動し、11時40分発の松本行きの「特急あずさ」に乗り込みます。いやー、日本の電車網が発達しているおかげです。
ここで、ようやく気持ちが落ち着いたので、八王子駅構内で買った「豚蒲焼重(550円)」を食し、雪山登山の体力をつけます。
「ああ、みんなは今頃登山開始ている頃かな~」
電車内ではやれることもないので、小説「空色ヒッチハイカー」を読みます。そこそこ、面白かったです。
八王子を離れ山梨に入り、1時間程経つと車窓から八ヶ岳が見えてきました。
13時20分、八王子から1時間40分の乗車で、長野県の茅野駅に到着しました。東京と比べてグッと気温が下がります…。
茅野駅から路線バスに乗り継いで、八ヶ岳の麓のロープウェイ駅まで向かいます。
13時台の北八ヶ岳ロープウェイ線のバスが来て、10人ほど乗客を乗せて出発しました。
バスの乗車券は、バスターミナルの受付で購入しました(900円)。寝坊の代償は、片道交通費7000円なり。
北八ヶ岳ロープウェイに到着、標高2000mの坪庭
バスは蓼科山の麓ビーナスラインを走り、うねうね1時間かけて登ります。
14時55分、茅野駅を出発して約1時間、北八ヶ岳ロープウェイに到着しました。
気持ちいいほどの快晴で、雪山日和。みんなと登りたかったなぁ…。
ゲレンデなのでロッジがあります。ここでロープウェイのチケットを購入。2012年当時は北八ヶ岳ロープウェイのサイトに割引券があり、900円→810円に割引されました。
20分間隔で運行しているゴンドラ。
早朝なら登山客がいたのでしょうが、この時間に並んでいるのは全員スキー客なので、完全アウェーです。
ぎゅーぎゅー詰めのゴンドラ内。
位置的にど真ん中に立つことになってしまった。とんでもない羞恥プレイですよ。
ロープウェイの山頂駅に到着しました。
これから、下山する登山客がたくさんいて、これから登ろうとしているのは自分くらいなものです…。
麓の茅野駅じゃ風が強かったので山頂もそうなのかと思っていたら微風。吹き降ろしだったのかな。
それでも標高が高いので、雲の流れがとても速い。
入口の標識に通常サイズの5倍はあるきつつきがいました。
さて、今回のコースです。
これから北横岳ヒュッテを目指します。そこまで距離はないので、日没前には到着できそう。
15時から雪山登山開始、北横岳ヒュッテまで孤独の登山
15時26分に登山開始です。
こんな時間に雪山を登り始める奴なんてアタオカです。
こんな時間から歩き始める愚か者は自分だけのようで、道には誰もいません。
ロープウェイ山頂駅の全貌。
山頂駅から少し進むと「坪庭」の標識。
坪庭はリフォーム用語で、敷地の一部にちょこんと存在する小規模な庭のことを言うようです。
上から見た坪庭。
八ヶ岳全体の坪庭ということで、スケールは広大。標高2200m上空に、これだけの雪原が広がっている空間は目を圧倒させてくれる。
こんな広大な雪原を独り占めした気分で悦に浸っていると、前方からすごい人数の団体ががが。
すれ違うのを待つだけで3~4分は要した。
「これから登るのかよ・・・」的な目を何度も受けた気がする。
いい雪の砂丘だ。
太陽の光に照らされて、上質なメレンゲ菓子を思わせる色を発してる。
綺麗なものは汚したくなるのが人情。だが、足が埋まって辿りつけず。
スノーシューという深い雪の上でも歩ける便利なグッツがあるようですが、貧民の自分には買えないのです。
坪庭を抜けると樹林帯の中に突入。
道がすっかり踏み固められているのでアイゼンつけてなくても歩くことできます。いや、でもつけていた方がいいです。
「きっと、今頃みんな山小屋で心配して待ってくれているんだろうな」
青空に生える雪を纏った白い木々は、純潔の象徴のような心洗われる風景。
風景に見とれている時間はなく、先を急ぐ。
森の中に入ってから誰ともすれ違わなくなって、さすがに寂しさが募ってきました。
北横岳ヒュッテに到着、山頂に夕日を見に行く
あ、山小屋だ。
16時7分 北横岳ヒュッテ---
10時に家を出発して、約6時間かけての到着です。来れるもんだね。
木造のいかにも山小屋らしい山小屋の佇まい。
おじゃまします。
皆、小屋の前で待っててくれるかと思ったのですが、さすがに寒くて中にいるのか・・・。
UNOして楽しそうに遊んでやがった・・・。
まぁ、迷惑かけてスイマセンでした。てへぺろ。
夕食前に山頂に夕日を見にいく予定だったので、1回の玄関ストーブ前で一人旅の緊張感から逃れてのコーヒータイム。
玄関には山雑誌がずらっと並び、「岳」なんかの漫画を始め、ずっといても飽きないくらいの書籍がありました。
そして、全員集合しての夕日に向かって出発です。
展望できる場所までは僅か10分で行けるらしい。既にみんな登頂してきた後。
結構、傾斜がきつい。
アイゼン履けば良かった。
空が徐々に橙色に変わり始めてきた。
そして山頂。
去年の夏、日帰りで登った赤岳を含む南八ヶ岳が綺麗に立ち並んでいます。大汗をかきながら野趣溢れる大自然を歩いて、山頂直下の登りにだいぶ苦労した記憶が蘇ります。
そして、反対には同じく去年の夏に登った蓼科山。一日に百名山3つ登るという無茶なことして、最後の美ヶ原は撤退に終わったなあ。
本職の人かカメラが趣味の人なのかわからないけれど、かなりの高価そうなレンズと機材で撮影してる人が二人ほどいました。よく長時間極寒の山頂で、耐えられるなぁ。
夕陽は雲の陰に隠れていましたが、それでも夕陽が演出してくれる世界はとても美しい。
総勢11名でパチリ。映画のジャケットっぽく加工してみました。
「オーシャンズ11」ならぬ「マウンテンズ11」
!?
19時から晩御飯なので小屋に戻ります。
小屋に戻ってきた頃にはもう真っ暗。
塩出汁の聞いた鍋が晩御飯でした。かなりボリュームがあって、最後の締めのうどんが一玉しか食べれませんでした。
お酒の八ヶ岳連峰。
部屋に戻って宴会が開始されました。みんなおつまみ持って来すぎ+夕飯のボリューム多すぎでほとんどおつまみは手付かず。こうなることは最初からわかってたはずなんだ・・・。
んで、今回主催してくれたキキさんの誕生日をサプライズで祝いました。
前回の天城山の記事の冒頭で神保町に買い物に行っていたのは、今回のメンバ数人と一緒にプレゼント選ぶためだったのです。プレゼントは登山用のピンク色の靴下と猫柄の手ぬぐい。このプレゼントは自分が預かっていたので、その責任もあって一人旅を決行したと言っても過言ではない。
ケーキはみやじゅんが成城石井で購入してきて持ってきてくれた。彼にしてはなかなかいいセンスだと関心。ホイップや苺、チョコペンなんかを持ってきてくれたメンバもいて大成功に終わりました。
右の黄色の服を着ているのが、今回主役のキキさん。
そんなわけで、有り余る酒とおつまみで楽しい宴会が行われましたとさ。
そして、静かに山小屋の夜は更けていくのでした。
標高の高い場所で飲んだ酒のせいで、頭がガンガン響いて寝付けなかったけど・・・・。
自分のようなデリケートな就寝を求める人間にとって、山小屋泊は試練なのです。どこでもすぐに寝れる人が羨ましくてしょうがない。あのスキルはどうやって鍛えればいいですかね。是非、方法があったら教えてください。
冬の北横岳ヒュッテ宿泊(2日目)
ガスガスの北八ヶ岳、強風の中で縞枯山へ
そして、3月4日(日)二日目が幕を開けます。
昨日とは違って山全体を雲が覆ってしまいました。よって夜明けを見にいくのは中止で朝ご飯です。
朝ご飯は朝7時から。
鮭に卵に立派な朝食でしたが、昨日の飲みすぎ食べすぎのせいであまり食が進みませんでした・・・。
あれ?同じ靴下の人が二人いる。
若干、グロッキーなメンバがちらほらいましたが出発です。
2日目の日程は、一度ロープウェイ駅まで戻ってから縞枯山(しまがれやま)を目指します。
朝8時に出発です。
風はありませんが雲が覆っているため遠くまでは見渡せません。
みやじゅんがバランスを崩しているところ。
こやつが目の前を歩いているのが不思議でしょうがない。大人数のときは大抵彼が先頭、自分が最後尾なので。
坪庭まで戻ってきました。
山と山の間の向こうに青空が見えています。八ヶ岳をすっぽり雲がかぶっている模様。
みんな寝不足なのか黙々と進行。という自分も少し頭が痛い。
荷揚げのおじさんとすれ違いました。
ロープウェイ山頂駅に到着。
まだロープウェイは動く前の時間なので、とても静かです。
謎の講義が開始される。
縞枯山を目指し歩き始めます。
平坦な道をずっと進んでいくと青い屋根の建物が見えてきました。
少々風が強くなってきました。
正方形の形をした縞枯山荘に到着。
絶妙な角度で配置されている排気ダクトに美を感じるのは自分だけだろうか。この山荘は、ソーラーパネルや風車で発電してるみたいです。
雪に閉ざされた山荘と聞くと殺人事件が起こってほしいですよね!ちょっと誰か悲鳴あげないかな。
すこーし太陽の光が届くも晴れる気配はなさそうです。
熱心に写真を撮る人を撮る。
みんなカメラバックに入れてカメラを持ち歩いていますが、自分はめんどくさいのでいつでもどこでも素の状態で持ち歩いています。いつか壊しそう。
そして、縞枯山に登る分岐に到着。
ここから登りの角度は上がって、今回の中で一番大変な場所だったと思います。
9時45分 縞枯山
標高2403mの縞枯山に到着です。看板は雪に埋もれていました。
山頂です。
木が枯れているのがわかるかと思いますが、縞枯山の由来はそのまま「縞枯れ現象」から来ています。
木についている雪が一定方向になびいていることからもわかるように、山頂は風が強くて吹き飛びそうでした。
寒いんじゃなくて、痛い。
顔を外気に晒せないんで、ネックウォーマー等で顔全体で覆いその上からゴーグルをかぶってます。街でこの格好していたら10分で通報されるね。
休憩を取りつつ、展望台らしき場所まで行ってみました。
たぶん奥秩父方面。晴れてるし。
どっこいしょ。
いい岩を見つけると撮影したくなるよね。
北八ヶ岳から下山し、温泉に入って都内に帰る
下山を開始し始めて、ふかふかの雪原を見つけると皆が遊び始めた。
積もった雪の上をどこまで歩けるかみたいなチキンレースをしてみたり。
あえて飛び込んだり。
お花摘み。
ひゃっはー。
雪の上ではしゃぎまくるいい歳の大人達がそこにはいた。
誰かがやろうといったわけでもないのに30分くらいは遊んでたんじゃないかな。
遊びつかれて若干クールダウンしつつも、ロープウェイ駅まで帰ります。
11時52分 山頂駅 ---
長かった雪山も終わりです。
片付け。
さすがにこの時間にロープウェイで降る人は少なく、自分たち以外に観光っぽい人が数人いた程度。
ロープウェイからの眺め。
下界に降りてきました。昨日と違って雲をかぶりまくりですね。
ゲレンデの食堂でお昼にしました。ゲレンデの食堂ではカレーを食べるのがポリシーなのですが、カツカレーの値段が1150円と高く諦め。
なので、ソースカツ丼を食べました。
添えられた野沢菜が嬉しいところ。
車を30分ほど走らせ、茅野南ICの近くにある温泉「玉宮温泉望岳の湯」に立ち寄りました。市営のためお値段400円?とお安く広々とした浴槽でした。
男湯からはこんな感じに八ヶ岳を見ることができて、登ってきた優越感に浸らせてくれます。
帰りは自分が半分運転して帰りました。甲府過ぎたあたりから雪がガンガン降り始める上に風に煽られてヒヤヒヤでした。
冬の北横岳ヒュッテ宿泊の旅を終えて
レンタカーの手配から宿の予約、登山届けの提出、旅のしおりの作成と細かい作業までありがとうございました。また、言い出しっぺは自分でしたが誕生会の企画に協力してくれた皆さんありがとう。
そして、一人で八ヶ岳まで行った自分偉い(ぇ
北横岳と縞枯山は踏み固められていて、危険な箇所も少なく本格的な雪山の入門として最適な山でした。
来年こそは雪山に挑戦!という人は是非行ってみてください。
コメント
みやじゅんとは全く違うブログ書くよね!!
今度は寝坊しないようにね。。。。
誰かが歌ったテネシー・ワルツが好きだったのを思い出しました。
歌詞の内容はじめてしりました。
誕生日企画してくれてありがとう。三十路にもなってまさかでした。
さて、私も寝坊してしまう。。。
>kikiさん
こんばんは、コメントありがとうございます。
あれは寝坊ではなく、寝起きドッキリですよ。自分への。
テネシー・ワルツってカバー多いからふと耳に残ったアーティストはそれぞれ違うかもしれませんね。
また、いい企画を期待してますよ。
初心者向きと思い、1/27に行ってきました!
写真と同じ、絶好のコンディションでした。
山頂ではダイヤモンドダストがキラキラして、綺麗で感動しました。
今年はVERYさんが2011年に登頂した山に挑戦したいです。
ところで最近、電車&バスでの移動が少ないような・・
これからも色々な山を紹介して下さい楽しみにしています。
>マメミさん
雪山行かれたのですね!
やはり雪山で晴れると牛乳より濃い白とハワイより濃い青のコントラストに魅了されますね。
自分の足で見る雪景色はスキー場に行ってなんとなしに見るものとは一味違って見えます。
2011年は、夏は南アルプスの北岳に挑戦したり、東北に遠征したのがいい思い出です。
北アルプスの焼岳は、檜の棒でボスに挑む勇者みたいな気分でした。
徐々にエリアを広げて開拓していく楽しみがありますね。
直近では車を利用した登山が多かったのですが、年始はバスと電車で行くことが多かったですよ!
交通網を考えてどこまでいけるかを考えるのが好きなので!お得なマル秘プランもあったりします。