
2024年3月30日
東京都と神奈川県にまたがる草戸山に行ってきました。標高は364mです。
高尾山の南東にある町田市最高峰の山で、複数のハイキングコースが存在します。特徴はそれだけの低山ですが、3月のカタクリのシーズンに「城山かたくりの里」と繋げて歩く人が多いです。
今回は、高尾山口駅~草戸山~城山湖~城山カタクリの里~橋本駅の縦走コースを歩きました。

街に春を告げるのが桜の花なら、野山に春を告げるのはカタクリです。
3月下旬から4月にかけて、カタクリの花が最盛期を迎え、多くの登山者がその姿を楽しみに訪れます。そんなカタクリの名を冠した「城山かたくりの里」は、以前から気になっていました。
満開のタイミングを狙い、ハイキングコースを組み合わせながら旅してきました。
草戸山ハイキング
高尾山じゃない、高尾山口駅から草戸山へ

草戸山の最寄駅は、高尾山でおなじみの京王線の高尾駅です。暖かい3月下旬ということで、長袖一枚の人が多いです。

「四辻・草戸峠」を目指します。
高尾駅に降りて、草戸山を目指すハイカーはほとんどいません。逆張りコースです。ジャズ喫茶に行って、ダンスミュージック聴くようなもんです(?)

まずは、「四辻」を目指すのですが、登山口は民家の隙間にありました。

そこそこ、急な坂を15分ほど登ると「四辻」に到着し、次は「草戸峠」を目指します。


尾根道は歩きやすく、太陽の光が差し込み、3月中旬ごろから芽吹き出す、新緑の美しさを感じます。

目立つ花もなければ、展望もないので、絵的には変わり映えはしません。
今回は、久しぶりに会う友人と登っていたので、ずっと喋っていたので退屈はしませんでした。

アップダウンが多く、意外と大変で、一人で歩いてたら愚痴をこぼしまくっていたでしょう。

四辻から1時間20分で「草戸峠」に到着しました。
見どころ皆無で、1時間以上のコースタイムはなかなかです…。

草戸峠からは高尾山方面の展望が見えます。
頂上の電波塔や公衆トイレなどの施設が見えます。まぁ、高尾山は眺めて美しい山ではないですね。

杉が植林された尾根道を行きます。花粉症の人は卒倒しそう。
町田市の最高峰、草戸山の山頂

草戸山の山頂に到着です。峠からは10分ほどでした。
しかし、山頂看板があまりにもしょぼ過ぎる件について。まさかのマジックで書いてあります。

一応、地図上に後付けで設置した「町田市最高地 参六四米」の表示がありました。なんで、昔の数字(大字)なのだろうか…。
町田市はもっと看板に金をかけても良いじゃないだろうか…。

「山ノ神」の祠がありました。
広々しているけど、展望は今一つだし、山頂感はあまり無いです。

都心方向の展望が開けているけど、杉が邪魔してそこまで見えません。

最寄駅のマクドナルドで買ってきた、なんの情緒もないソーセージエッグマフィンを食べました。しかし、山で食べるジャンクフードはうまい。

草戸山は東京都と神奈川県にまたがます。
地図で見ると、神奈川県にキックがめり込んだように町田市が存在しています。なので、「神奈川県町田市」というネタはこすられ続けています。その端っこがこの草戸山なのです。


草戸山の後は、下山コースになるかと思いきや、急階段の登りが待ってました。人間工学に全く基づいてない、嫌らしい段差の階段です。


階段を登りきると城山湖があります。くぼんだ場所に桜の木が植えられていますが、まだ咲いていませんでした。

対岸を見ると、植木が「しろやまこ」の文字の形に刈り込まれていました。外国人が掘っている日本語タトゥーみたいなチープ感があります。
ところで、城山という山はどこかにあったんだろうか。


城山湖から道なりに下っていくと、金比羅宮がありました。香川県にある坂が長過ぎて、観光客泣かせの神社の分社ですね。

狭い境内のベンチから眺める街の風景が良かったです。龍籠山展望台というのがあるようですが、この景色で満足して行きませんでした。

転倒を推奨してるんじゃないかくらいの角度の下ります。


かすれていて読めないけど「かながわ美林50選」の何かしらを歩きます。
「美林(びりん)」って漢字使わなくないよな…。でも、町田市に桜美林大学があるか…。

とか考えていたら、桜の木がありました。桜美林だ。


最後の竹林を抜けると、街まで降りてきました。ここから、城山かたくりの里は5分弱で到着です。
野花のベストアルバム、城山かたくりの里

本日の目的地、「城山かたくりの里」に到着しました。
相模原市の観光地のように紹介されていますが、これは市じゃなくて個人の花園なのかな?

里内で開花している花の一覧が掲示されていました。ドンピシャで、カタクリ満開のタイミングでした。それにしても、寿司屋の品書きのようです。


JR橋本駅への直通バスの乗車券(片道)+入園券で1500円でした。1時間に一本出ています。カタクリ開花期間中は1時間おきに直通バスが出ています。


まずは、雪割草を発見しました。日本海側の雪国に春を告げる花です。新潟県の角田山などで、群生を見たことがあります。

日高草の花がしていました。北海道のアポイ岳(襟裳岬あたりの山)に咲く高山植物です。日高屋のせいで安っぽく見えてしまうが、かなりレアな花です。

そして、メインのカタクリです。森の中、一面に咲いています。

桜と同じく日本原産の花で、緑が茂る前にひっそりと野山の地面に春を告げる花です。花弁が大きく、茎が20cmくらいあるので、存在感があります。

白いカタクリは、数万株に一つしか見られない非常に貴重な存在だそうです。プロ野球で完全試合が達成される確率くらいのレア度です。

栃木県のみかも山、新潟の角田山、佐渡ヶ島などで、カタクリがアホほど咲いてる風景を見てしまうと、規模が小さく感じてしまいますが、都内近郊でこれだけ見れるのは貴重だと思いました。

こちらは、アカヤシオです。
栃木・群馬の1000~2000mの山で見ることが出来るツツジの一種です。


折り紙で作ったような大きい白い花は、コブシの花です。山でよく見るけど、群生地があるかはよくわかってません。

ヒカゲツツジなどの珍しいツツジも咲いています。山梨県の坪山などで咲く、珍しい(?)ツツジです。

丹沢などの低山でよくみられるミツマタが咲いていました。登山する目的になる花の一つです。有名なのは栃木の焼森山、丹沢のミツバ岳など。


赤いというかブラッドオレンジに近い色をしたミツマタ(アカバナミツマタ)は、山じゃ見られないので園芸用なのかな?

園内には工房もあり、限定的にオープンしているカフェがありました。


梅やツツジも咲いています。次から次へと花の種類が移り変わります。

最近まで桜も梅の違いもわからなかったくらい花に疎い自分ですら楽しめる場所です。




カタクリ以外にもあらゆる野草の代表的な品種がそろっていました。
城山かたくりの里は野草のアベンジャーズですね。アベンジャーズ見たこと無いけど。

一時間ほど散策し、バスが出発する時間になり、JR橋本駅に戻りました。駅前はリニア駅の新駅開発が進んでいました(本当に運行できるの?)。


下山後は橋本駅から移動し、淵野辺駅で大勝軒のラーメンを食べました。つけ麺じゃない大勝軒を食べるのは、初めてだったけど美味しかったです。
草戸山のハイキングを終えて

もし自分が山を登る前にこの「城山かたくりの里」を訪れていたら、「いろんな花が咲いているな」くらいにしか思わなかったと思います。
しかし、登山を経験し、少しでも野草に詳しくなった今だからこそ、野山で見かけるさまざまな種類の花が集まり、一斉開花する「城山かたくりの里」の良さが理解できたのかもしれません。

例年だと3月20日ごろにカタクリが満開を迎えるようなので、「城山かたくりの里」の開花情報を参考にして、是非訪れてみてください。
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