2017年12月10日
神奈川県の湘南平に行ってきました。標高は181mです。
平塚市と大磯町の境にある丘陵で、ハイキングコースがいくつかあり、頂上付近は公園が整備されています。湘南平・浅間山・高麗山などの山々を総称して「湘南アルプス」とも呼ばれています。
展望台からは360度の展望が開けて、富士山、丹沢、箱根の山々、相模湾を眺めることができます。
サザンが「ハイキングで出会った女の子と恋に落ちる」のような曲を歌ったことがあるだろうか。いや、ない。
湘南と言えば、ビーチ、海水浴、サーフィン、夏の輝く太陽、そして海です。そんな、登山・ハイキングとは、完全に相反する湘南を旅してきました。
湘南平について
地図
大磯駅を起点にして、反時計回りに周回するコースを歩きました。
コースタイム
- 10:22大磯駅
- 10:55高来神社
- 11:16高麗山
- 11:49~12:26湘南平
- 14:32大磯駅
食事を含む
行動時間は4時間10分でした。
湘南平ハイキング
大磯駅から高来神社、東海道の宿場町の面影が残る街
東海道線の大磯駅にやって来ました。
海沿いのこの駅に、ハイキングで降り立つ日が来るとは思っていなかったな…。駅の裏手にはこれから登る丘陵地帯が見えています。
駅前にあった「パンの蔵」という店で、山頂で食べるパンを購入しました。
大磯ビーチの看板をくぐり、ハイキングコースの入口がある高来神社を目指します。
栃木出身の自分ですが、子供の頃から大磯と言う地名は知っていて、テレビが元気だった頃の大磯ロングビーチの印象が強いです。
夏になると、芸能人がプールで騎馬戦大会をして、水着ギャルがポロリする番組です。あれをゴールデンで放送してたのだから凄い時代ですわ。
国道1号線から、旧道に入ると東海道の名残である「大磯宿」の行灯がありました。
江戸時代は、山と海に挟まれ、防風のための松並木に囲まれた小さな宿場町だったようです。
現在でも松並木は残っていて、当時の面影を保っています。
「江戸見附」を解説した看板など、史跡を学ぶことが出来ます。ちなみに、「見附」は宿場町の出入り口に番兵が駐在する軍事的な施設です。東海道の場合、東京側を「江戸見附」、京都側を「上方見附」。ためになる。
東海道線の下をくぐります。
途中にあった冬の花の代表格、椿の花が満開でした。
大磯駅から30分程歩いて、高来神社に到着しました。
関東近郊の登山者にはおなじみの「関東ふれあいの道」の看板がありました。神奈川県の「07.大磯・高麗山のみち」として設定されています。
高来神社は、高麗山の麓にある神社で、「高麗」という字が表す通り、朝鮮半島に由来のある神社です。西暦700年以前に創建しているようで、書物が失われたことにより、詳細不明だそうです。
ちなみに、埼玉に高麗と言う町があり、700年ごろ各地に住んでいた、高句麗の渡来人を集約した歴史があります。
その高麗にある日和田山にもその時代の名残を感じることが出来ます。
高麗山公園ハイキングコースで高麗山を目指す
それでは、高来神社の裏手から高麗山の登山?ハイキング?スタートです。
最初にいきなり分岐があり、男坂と女坂を選択します。
警察用語である疑わしい人物を「クロ」、潔白な人物を「シロ」と言うように、険しく急な坂を「男坂」、なだらかで登りやすい坂を「女坂」というのが登山の業界用語です。
登山感を味わうために男坂を選択しました。元気な少年たちが駆け抜けていきます。
男坂の名の通り、岩肌が露出した登山道です。
カジュアルな恰好とスニーカーですが、頑張って登ります。
海沿いの町の低山とは言え、しっかり登山道してます。
12月なので落ち葉が滑べるのが厄介です。
途中、10人以上のグループで登っている人たちもいて、意外な盛況っぷりに驚きを隠せない。
男坂が終わり、女坂と合流すると、長い石段が登場し、いく手を阻みます。
石段を登り終えると、ポッカリと広い空間に出ました。
高麗山の山頂に到着です。
麓にあった神社からは20分程かかりました。ボーイスカウトが何やらプリントを記載していて、正面から看板を見れなかった…。
ここ数年以内に設置したと思われる、新し目な「お社」がありました。
そして、ポップなシーサーも何故か置いてありました。
展望はゼロ。周囲の街並みや海も見えない樹林帯です。
名前の通り、高句麗から渡来した人が住んでいてたようです。現在から1500年も前の話なので、地名にしか残ってないようですが、どういう扱いだったんだろうか…。
高麗山は東海道五十三次に描かれています。
田んぼと畦道が広がっていたようです。奥には白色で富士山が描かれています。
またの名を湘南アルプス、アップダウンを経て湘南平へ
高麗山を後にして、湘南平を目指します。
高麗山以外にも八俵山、浅間山など複数の山が連なっていることから、「湘南アルプス」とも呼ばれ、ご当地アルプスの一つです。
小さなアップダウンの稜線歩き。道幅が2mない箇所もありました。この湘南アルプスが木が全くない禿山だったら、かなり爽快だったろうなと。
「大磯高麗山の自然林」として、神奈川県の指定天然記念物らしいです。植生が豊富らしい。
三浦半島の山々と同じように常緑樹が多く、紅葉する木は少なめです。
所々で、紅葉する楓の木があり。12月において、全国的に終盤の紅葉を見せてくれました。
何やら物騒な名前の「地ごく沢」の分岐点。里山らしく、複数のハイキングコースがあるようです。
墓標タイプの関東ふれあいの道。
「千畳敷」とあったので、脳裏には中央アルプスのことが浮かぶ。調べてみると湘南平の名称は1957年ごろに決定され、それ以前は千畳敷と呼ばれていたとか。
常緑樹が少なくなり、紅葉終わりかけの木々が出てきました。
浅間山に到着しました。
湘南平と高麗山がメインを張っていますが、最高峰はこの浅間山です。
江戸時代には、敷居が高かった富士信仰。
しかし、近所の山に浅間神社を置くことで、富士山に登ったことと同等のご利益が得られる庶民の信仰です。
日本全国にそんなに数がない一等三角点がある山だったりします。
浅間山を過ぎると道は平たんになってきました。
人の手が入っている刈り揃えられた階段が出てきたら湘南平はもうすぐそこです。
森を抜けると、巨大なテレビ塔が見えてきました。
恋人たちが鍵をかける、神奈川の全てが見える湘南平
湘南平に到着しました。
この湘南平には高麗山公園があり、展望台、レストハウス、広場、ベンチ、遊具があります。徒歩じゃなくても、車でも来れますし、駅からバスも出ています。
それでは、レストハウスの上にある展望台に行ってみましょう。
湘南平より西は森林が広がり、小田原の町と箱根の山々が見えます。
そして、薄っすらと雪をまとった富士山が見えます。
湘南平より南は、大磯駅と海岸線。
東の方に目をやると、鎌倉方面が見え、江の島が見えます。その奥は三浦半島です。湘南全域が見渡せます。
湘南平より北は、丹沢の山々が連なり、大山が目立っていました。
展望台から高麗公園を見下ろすとこんな感じになっています。都心部までずーっと街並みが続くので、夜景レベルかなり高いのでは。
標高200m未満の低山ですが、周囲に障害物がないので、神奈川の全てが見える最高の展望地でした。
この湘南平ですが、恋人が南京錠をかけることで有名なスポットだそうです。
平塚あたりのカップルが鍵を掛けに来るんでしょう。そして、メールアドレスを「taro-hiro-loveforever@docomo.ne.jp」みたいに設定しているんだろう。例えが平成しか思いつかない…。
「恋人同士で鍵をかけて、永遠の愛を誓う」いわゆる「愛の南京錠(Love Lock)」は、パリのセーヌ川にある橋であったり、世界中にこのようなスポットがあります。観光スポットとして奨励しているとこもあれば、景観にそぐわないと撤去するところもあるとか。
噴水に小銭投げ入れたり、登山道においてあるケルンなんかも、これと同じ仕組みですよね。
駅前で購入したパンを食べ、お昼休憩。みかんの形をしたパンに惹かれました。
三浦と伊豆の二つの半島に囲まれた相模湾。湘南平は位置的に中間なので、大きく湾が見渡せる気がしました。
12月の海を眺めながら乗るブランコを漕ぐと冷たい空気を肌を裂きます。
公園のベンチでは、子供よりも高齢のハイカーの方が多く、お湯を温めて食事を作ってました。
桜がたくさん植えられているので、4月のお花見の時期に来ても良いな。
それでは、湘南平を後にして、大磯駅へと戻ります。下山は「高田公園コース」というのを利用しました。
特に見どころらしい見どころはなく、あっさりと山道を抜けました。
大磯のマンホールは松の木と海辺。下の花は何だろう…。
大磯駅前まで戻ってきましたが、下山後の飯にありつくため、海岸の方へと移動します。
湘南発祥の地の大磯、スパイスカレーとケーキを食べる
途中、「湘南発祥の地 大磯」と書かれた石碑がありました。
つらつらと歴史が書かれていましたが、真実かは定かではない。湘南がどこからどこまでと言う議論はあるらしいけど、明らかに内陸なのに「なんちゃって湘南」を名乗っている店は御用です。
海鮮を食べたかったので、漁港の人気店「大磯港 めしや」にやって来たけど、1時間以上の行列で見事に撃沈です。
大磯周辺は飲食店は多いけど、時間的にしまっている店が多く、「CHAIRO」というお店に入りました。
熱々の焼きチーズカレーを食べました。海沿いの町で食べるカレーは美味い。
カレーを食べた後は、デザートを食べに大磯駅前に「鴫立亭」にやってきました。葉山にも店舗があり、この大磯が本店で、創業40年以上の老舗洋菓子店です。
重厚感あるショーケースの中には美味しそうなケーキがズラリ。販売メインですが、カウンターとテーブル3席あり、イートインしました。
このお店一番の人気がモンブランだそうです。
甘さ控えめのマロンクリームと粒々の栗がギッシリ。学校の帰り道に拾って食べた栗の150倍美味しかったです。
こちらはショコラ・シャンテ。
濃厚なチョココーティングがとてもラグジュアリーな仕上がり。昔、母親が買ってきた工場で欠けたチョコを集めたお徳用パックチョコの20倍美味しかったです。
コーヒーも美味しく、体もポカポカと暖まりました。
海鮮を食べられなかったのは残念でしたが、美味しい食事にも巡り合えて良かったです。
ふと、サザンが聴きたくなりアルバム「綺麗」に収録されている「旅姿六人衆」を聴きながら、大磯駅から東海道に乗り、帰りました。
湘南平のハイキングを終えて
- 大磯駅直結で、2~3時間で周回
- 海が間近にありながら、山らしい自然あり
- 360度の大展望
- 東海道の面影を残す史跡がたくさん
湘南平は200m未満の山とは侮るなかれ、旅の魅力をギュッとパックされたハイキングコースでした。特に展望台から見える眺めは、神流川でも1,2を争うのではないでしょうか。
12月の湘南平は冷たい北風が吹き、少し寂しい印象でした。高麗山公園は桜が咲き、お花見スポットらしいので、4月に再訪しようと思っています。
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