登山奥武蔵・秩父

【埼玉】天覧山・多峯主山 ハイキング 〜 桜咲く小道と吾妻峡、飯能駅から里山周回の旅

天覧山のハイキング

2019年4月13日

埼玉県の飯能市にある天覧山てんらんざん多峯主山とうのすやまに行ってきました。標高はそれぞれ197mと271mです。

アクセス良し、手軽さ良し、展望良し、意外と自然が溢れていると人気のハイキングコースです。今回は飯能駅をスタートして、天覧山〜多峯主山を縦走し、下山してから吾妻峡あづまきょうを歩きました。

天覧山のハイキング

「いつか登ればいいや。」と思っている山はないでしょうか。

自分の中でその代表格が天覧山でした。登山を始めた時には存在を知っていましたが、9年間も素通りし続けていました。テレビ番組を見ていて、武蔵野うどんが美味しい、何やら飯能には四里餅という美味なる餅があることを知り、これは天覧山に行かねばと思い立ちました。

新緑が芽吹き、桜が満開の埼玉県の飯能にある里山を旅してきました。

天覧山・多峯主山について

地図

天覧山・多峯主山の地図

西武線の飯能駅から天覧山、多峯主山を周回しました。帰りは入間川沿いの遊歩道を歩いています。

コースタイム

  • 11:04
    飯能駅
  • 12:07
    天覧山登山口
  • 12:22
    天覧山山頂
  • 12:58
    多峯主山山頂
  • 13:51
    吾妻峡(ドレミファ橋)
  • 15:28
    飯能駅

天覧山・多峯主山 ハイキング

飯能市老舗の武蔵野うどん「古久や」の肉つけうどん

西武秩父線にのって

天覧山の最寄り駅である飯能はんのう駅に向かう。西武秩父線で池袋から40分~50分。新宿から高尾山に向かうのと同じ距離感です。

飯能駅はかなりの混雑ぶりで、天覧山が高尾山並みに人気だなと思ったが、開園したばかりのムーミンバレーパークの客でした。

飯能駅前

天覧山には飯能駅から歩いていくことができます。

飯能駅は、登山好感度が高い棒ノ折山に行くときは、駅前からバスに乗る。また、秩父方面に行くときは飯能駅でスイッチバックする駅だ。何かとお世話になる駅ではあるが、この駅から登山をするのは初めてです。

飯能の老舗 古久や

午後から登山の予定をしたので、昼食は飯能グルメです。やってきたのは、飯能の老舗「古久こく」で、武蔵野うどんのお店です。埼玉県はうどん消費量が香川県に次ぐ2位で、隠れたうどん県です。

飯能の老舗 古久や

店内は古民家。古民家風ではなく、純粋に古民家。

遠方からも食べにくる人がいる人気店。11時の開店直後に訪れましたが、2組ぶん待ちました。

古久やの肉つゆうどん

一番人気だと噂の「肉つゆうどん」を注文しました。武蔵野うどんの特徴とされる、極太かつハイチュウくらい硬い麺よりは、少し細く柔らかい。

豚肉とネギがたっぷり入っていて、ガツンとボリュームのあるうどんでした。

古久や 七味とゆず

浅草の七味とゆず粉末で味変できる。

都心より少し遅れて咲く飯能の桜、天覧山の登山口を探す

飯能市の桜

うどんを食べ終えた後は、天覧山に向かって歩いていきます。桜がちょうど満開を迎えていて、公園ではお花見をしている人がいます。

飯能市の桜

隣にある日高市の巾着田では、桜と菜の花の共演で有名。秋の曼殊沙華も有名で、二度ほど訪れています。

能仁寺
能仁寺

天覧山の麓には曹洞宗の能仁寺のうにじと呼ばれるお寺があります。日本の庭園百選(というものがあるらしい)に選ばれるくらいの有名な庭園があるらしいです。見学しなかったけど。

飯能市のトレッキングマップ

3言語対応のトレッキングマップがありました。

これから歩く、「天覧山~多峯主山~吾妻峡」は、飯能市が推奨するモデルコースのようでした。多峯主山から先も稜線は続き、「飯能はんのうアルプス」と呼ばれているらしいが、それが公式に存在するかは不明。

天覧山の入口をようやく見つけて、公園のような敷地内に入っていきます。このへんも桜が綺麗に咲いていました。

とても歩きやすい天覧山のハイキングコース

天覧山登り口

天覧山登り口」を発見し、いよいよ登山開始です。山に入るというより、公園の中に入っていく感じではありますが…。

天覧山の由来

天覧山の由来と書かれた看板があった。

明治16年(1883年)、「明治皇が来て、景色をごになった。」ことが由来のようです。その後は、よくわからん歴史が長々書かれている。

新緑の天覧山の登山口

フレッシュな緑が輝く登山道。

新芽が出始めるシーズンは、無条件に心が踊ります。

天覧山 つつじ

ツツジも咲いていて、所々を赤く染めていました。

天覧山 中段
天覧山 中段

天覧山中段」まで来ると広場になっていて、休憩できるようなスペースがありました。

天覧山の中段をすぎると

中段をすぎると道幅が狭くなり、登山道っぽくなってきました。

天覧山 十六羅漢像

天覧山の名所とされる「十六羅漢像じゅうろくらかんぞう」がありました。

十六羅漢像について
  • 徳川綱吉の健康を祈ったお礼の品
  • 愛宕山あたごやまと呼ばれていたが、羅漢山らかんざんと呼ばれるようになった

ってことらしい。綱吉はお犬様でおなじみの生類憐れみの令の将軍。

羅漢らかんは「釈迦の弟子の中で最も位の高い弟子に与えられる称号」ってことらしいです。つまり、健康祈ってくれてありがとう、お礼に鬼滅の刃の「柱のフィギュア」プレゼントするわってことだろう。

十六羅漢石仏 配置図

ちなみに実際は羅漢像は16以上あるらしい。

岩場にならぶ羅漢像。

これらが造られた時代においての日本人が大好きな個性が強いリーダ像、新選組の隊長とか鬼滅の刃の柱のような存在だったのだろうか。

天覧山の岩場

羅漢像を横目に登山道は、岩場がむき出しに、険しくなってきました。

天覧山の岩場

鎖と岩場なんかもあり、なかなかに本格的な登山道です。岩場には木がないので、展望が見えます。

天覧山から見える富士山

奥多摩の山々が見えて、頭だけ富士山が見えました

天覧山のハイキング

階段を登ると、上からたくさんの人の声が聞こえてきたので、山頂はもうすぐのようです。

天覧山のハイキング

上を見上げると巨大なコンクリートの展望台が見えてきました。

富士山も見える展望台、標高197mの天覧山の山頂

天覧山の山頂

天覧山の山頂に到着しました。

登り口と書かれた場所から15分で登頂です。登ってみようかなと思い始めて9年経過しているので、実質9年15分かかりました。

看板じゃ195mと書かれているが、ネットで調べると197m。どっちが正しいのだろう。

天覧山の展望台

天覧山の山頂は平らに整備されていて、10畳ほどの展望台があります。360度の展望はなく、東側(東京方面)が開けています。

天覧山山頂から見える富士山

天覧山の山頂からも富士山は見えます。奥多摩のどっかしらの山が邪魔しているので、30%くらいの富士山です。

天覧山から見える富士山

例えば、棒ノ折山や武甲山といった、さらに奥地にある山頂では富士山は全く見えない。奥武蔵・秩父エリアの界隈で、富士山が見える山は、もしかすると天覧山くらいなのかも。

奥秩父に属する両神山や雲取山あたりまで行くと、ようやく富士山が見えます。

天覧山からスカイツリー

埼玉の原風景の奥に、並び立つ東京のビル群が見えます。左端にはスカイツリーが見えます。この天覧山の3倍以上の高さがあるけど。

天覧山の山頂

ちなみに飯能市はアニメ「ヤマノススメ」の舞台で、主人公が初めて登った山が、この天覧山です。5〜6年前に見て、3話で諦めてしまったので深く知りませんが…。まだ、続いているなら今頃、アルプスかヒマラヤにでも登って、2〜3人仲間が遭難死しているくらいだろうか。

飯能アルプスとも呼ばれるらしい、多峯主山への縦走路

多峯主山の縦走路

念願の天覧山を後にして、多峯主山へと目指し、縦走路を歩いていきます。ここからは、より登山道らしい、道になります。

天覧山〜多峯主山

天覧山を少し下ると、ぽっかりと空間の空いた広場に出ます。ここだけ隔離された空間で、少し不思議でした。

天覧山にマムシ注意

マムシが出没するらしい…。

多峯主山の登山道

そんな平坦な場所もすぐに終わり、杉の樹林帯の登りへと変わります。この時期、花粉症の人には地獄のロード。

多峯主山の登山道

石段の中央でうずくまっている登山者がいて、事件かっ!と思ったら、虫を熱心に撮影している人でした。

多峯主山の登山道

傾斜は緩やかだけど、鎖が設置されていて、バリアフリー設計。

多峯主山の登山道

杉の樹林帯を登り切ると、登山者のガヤが聞こえてきて、多峯主山の山頂が見えました。

奥武蔵の展望台、標高271mの多峯主山

多峯主山の山頂

天覧山から37分で多峯主山の山頂に到着です。天覧山より賑わっています。

多峯主山の山頂

多峯主山の山頂は、天覧山より広く、ベンチもあるので、たくさんの登山者が休憩していました。

多峯主山の山頂と黒田直邦の墓

山頂看板の目の前にお墓がある珍しい山頂。

このお墓は黒田直邦くろだなおくにの墓だそうです。調べてみましたが、なぜここに墓があるかよくわからない人物でした。藩主だったのかな。

多峯主山から見る奥秩父の山々

多峯主山から北側は奥多摩〜奥秩父の山々が連なります。正直、目立つ山がないのでどれがどれやら。気になる人はそのへんの山座同定おじさんを捕まえて解説してもらうしかない。

多峯主山から見る都心のビル群

天覧山と同様に都心のビル群を眺めることが出来る。ちょっと霞んでいたので薄ぼんやり。

多峯主山から見える富士山

富士山も頭だけ見えました。多峯主山から更に奥に行くと、丹沢か奥多摩の山に隠されてしまう。

多峯主山を下山

多峯主山からは四方八方に分岐があるが、吾妻峡へと下山します。

多峯主山の御嶽八幡神社
多峯主山の御嶽八幡神社

多峯主山から下山して数分で、御嶽八幡おんたけはちまん神社に到着する。山仕事で休憩中昼寝をしていたら、いつの間にか麓に転げ落ちていて、「不思議だなぁ〜、よし神社つくるかぁ」って由来があるらしい。何だそれ…。

多峯主山の御嶽八幡神社 百段階段

参道の街道はホームメイドのようだ。昔の人の考えることは謎である。

多峯主山から下山

多峯主山を下山すると、またまたぽっかりと樹林がない場所に出る。

水仙が登山道にそって花を開いていて、春の匂いを風に漂わせていました。

多峯主山を下山

多峯主山を下山すると民家の裏手に出ました。吾妻峡へは一旦、車道に出てから反対側にあります。

ぷるぷるの大黒屋の四里餅と吾妻峡トレッキング

大黒屋の四里餅

吾妻峡に行く前に寄り道、「大里屋本店」です。よくあるローカルな和菓子屋ですが、有名な「四里餅しりもち」を買うことができます。

四里餅商事 大里屋 本店 (高麗/和菓子)
★★★☆☆3.52 ■予算(夜):~¥999
大黒屋の四里餅の由来

四里餅、誰がどう考えても、ダジャレ。ショーケースの中に由来が書かれていました。が、飯能市内の看板に言えることだが、達筆の長文で、読ませる気ねぇな。「いらすとや」の画像付きで解説してほしい。

吾妻峡ドレミファ橋の入口

四里餅を買ったら、吾妻峡ドレミファ橋への入口を見つけ進んでいきます。

吾妻峡ドレミファ橋

これがドレミファ橋のようだ。これは橋という定義に当てはまるのだろうか?

巾着田の川にも同じ橋があったので、発注が同じ業者なのだろう。

吾妻峡

吾妻峡は穏やかな入間川沿いの渓谷です。道路と沿っている渓谷ですが、新緑の葉っぱに溢れ、視界に人工物がないのが意外でした。

入間川の川岸で先程買った四里餅を食べました。これがめちゃくちゃ美味しい。

四里餅の特徴は、スライムくらいに餅の部分がぷるぷると柔らかいです。赤ちゃんのほっぺと同じ感触。秩父にも秩父餅という、同じようなの餅が売っている。どっちが元祖なのだろう…。

吾妻峡

川沿いの飯能駅まで歩いていきます。

川べりではデイキャンプをしている人が数組おり、思い思いに自然を楽しんでいるようでした。

吾妻峡のニリンソウ

これは森に咲いていたニリンソウ。

吾妻峡の鎖場

意外と険しいところがあり、鎖が設置されているようなところもありました。この上流には、棒ノ嶺の登山口でおなじみの名栗湖があります。

飯能駅へ続く看板

吾妻峡のトレッキングを終えて、後は飯能駅まで歩くだけです。

飯能の河原で新歓する大学生グループ

市街地まで戻ってきました。河原ではどこかの大学生グループが新歓の花見をしていて、気配を殺して横を通り過ぎました。

飯能市の銀河堂

銀河堂っていう喫茶店を発見。

飯能の町中に戻ってくると、喉が乾いたので、適当なカフェに入りました。妙にクセ強めな店でした。

喫茶店でコーヒーを飲んだことで、コーヒー欲が高まった。飯能駅から徒歩3分くらいの場所にある「AKAIFACTORY」にやってきました。コーヒー店ではなく、シェアアトリエのようです(よくわからん)。

天覧山珈琲

山帰りのお土産にコーヒー、ちょっと珍しいと思ったので、キャニスター付きの天覧山珈琲を買って帰りました。

西武鉄道

11時に到着して、16時前には飯能駅まで戻ってきました。

天覧山・多峯主山の登山を終えて

埼玉県の飯能市のお花見

天覧山〜多峯主山〜吾妻峡は、短時間で歩け、変化のある良コースでした。

駅から歩いていけるのも良い点。

標高300mに満たない低山ながら見晴らしもよく、春の4月〜5月、紅葉の11月頃は気温もちょうどよく歩けると思います。もっと、朝早く来て飯能アルプスを縦走したり、足を伸ばして巾着田を観光したり、ムーミン谷に行ったり、コースに色々な変化を加えて楽しめそうだと思いました。

多峯主山の山頂の集合写真

棒ノ嶺には3回、秩父には10回以上行っていたのに素通りし続けていた天覧山。存在を知って9年、ようやく叶った登山でした。

天覧山・多峯主山の地図はこちら

コメント

  1. 「いつか登ればいいや。」って山、ありますねー、めちゃくちゃ分かります。
    標準CT1時間の里山に往復5時間掛けて行くとか、どうしても後回しになりますね。。
    そこにしか無い景色って意味では、アルプスも里山も同じですが。。

    • コメントありがとうございます。
      自分もまだまだたくさんあります。本当はたくさんの里山に登りたいのに、費用対効果的にどうなのって思い、ずっと登ってない山がたくさんあります。
      男体山は何回も登っているのに、隣りにある女峰山は登ってなかったり…。

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