ここ数年の登山の流れというか、何となくの傾向をウォッチしていると、とある山に極端に登山者が集中することが多くなった。
ヤマレコとヤマップのウェブサービスや趣味でSNSが充実したことによって、「この山が良いっぽい。なら、週末の天気よさそうだし、遠いけど行ってみるか」と、簡単に情報収集と臨機応変な実行できるようになったからだ。それ以外にもコロナウィルスやメディアの社会の波、開山○○○周年などのイベントでも登山者の動向が左右される。
そんなわけで、来たる2021年はどこの山がトレンドになるのかを考えてみた。
2021年の流行する山を考えた
やはり、2021年は「コロナからの解放」がキーワードなのは間違いないだろう。2020年に行けなかった場所に登山客が集中するのは必然的な流れなんじゃないだろうか。
コロナの社会的な影響が落ち着くと仮定して、自分が思う2021年に流行する山を考えてみた。
閉山されていた富士山
富士山が新型コロナウイルスの影響で今夏、閉山されることになった。登山者が密集した場合の安全が確保できないとして静岡県は18日、県内の登山道3本を7月10日~9月10日の2カ月間閉鎖すると発表した。
2020年、富士山はコロナの影響により閉山し、お預け状態でした。それならば2021年こそはと思っている人も多いはず。
ただ、来年の開山期間中7月〜8月、例年通りの誰でもウェルカム状態になるかは不明。海外の山みたいに登山者を制限する可能性もあるとか。
エクストラハードモードだった南アルプス
富士山のように閉山していないわけじゃないけど、小屋の大半が閉まっていたので、難易度がエクストラハードモードだった南アルプス2020。そのため、南アルプス中心に登ろうと考える登山者は多いかもしれない。山界隈で超「密」スポットの北岳山荘や北沢峠とかどうなるんだろうか。
南ア南部は今まで行ったこと無いので、いい加減行ってみたい。体力がだいぶ落ちてるけど。
九州のミヤマキリシマ
自粛期間中とミヤマキリシマの開花時期(5月下旬〜6月中旬)が、もろかぶりだったのので、予定をキャンセル人は多いかもしれない。九重山、阿蘇山、霧島山、由布岳、普賢岳などのミヤマキリシマの群生地に人気が偏るかも。
そして、2020年は北海道遠征登山が流行していたので、屋久島を含めた九州遠征が流行するのじゃないかと憶測する。
西暦の山、2021mの山は?
必ずブレイクする西暦年の山だが、標高2021mは「コレだっ!」って山が特にない。
あるにはあるが、山頂に向かう途中の山だったりする。例えば、桧横手山という山が標高2021mだが、日本二百名山の笊ヶ岳の途中にある山で、行く人がいるのか疑問だ。笊ヶ岳はコースタイムがむちゃくちゃ長いことで有名。
ちなみにだが、日本百〜三百名山の中で、20年代の標高と一致するのは仙ノ倉山(2026m)しかない。
2021年は丑年、干支の山
西暦年は一生に一度だが、干支の山は12年周期のチャンスがある。来年は「丑年」である。
美ヶ原に牛伏山、八ヶ岳に牛首山、巻機山に牛ヶ岳など、全国各地に牛がつく名の山は多いようだ。しかし、いずれも付属の山で、今ひとつパンチが弱い印象がある。たぶん、地方の低山には結構多いだろうけど。
自分が調べた中で、一風変わった名前のモアン山という「牛」の文字が描かれた山がある。もしかすると、注目を浴びるかもしれないが、とても気軽に行ける場所にない…。
東北の樹氷
ここ2〜3年は暖冬で、東北の樹氷があまり育たなかった。やっと、成長したと思ったら、雨に降られて溶けてしまい、短い期間しか樹氷を見ることが叶わなかった。2021年のシーズンは、暖冬になってしまうかはわからないが、樹氷が成長すれば、狙っている人は多いかもしれない。
ちなみに樹氷ができる山の代表は、蔵王山、西吾妻山、森吉山、八幡平、八甲田山。自分も今年は狙いたいところだが、晴天と休日が重なるのはかなりの幸運が必要。徳を積まねば。
2020年の流行山を振り返る
2020年、世界規模で見てコロナの流行の話題は外せない。登山業界も例にもれず、多大な影響を受けていた。コロナがまだ海の向こうの話題だった時、トレンドになった山があった。それは、群馬県の武尊山にある剣ヶ峰山である。標高2020m、西暦と同じ山だったためだ。2017年の雲取山でも同じムーブメントがあったが、やはり一生に一度、というより人類史で1回しかないイベントなので、必然的に登山者が集中した。そして、雪山でも登りやすい部類だったからだろう。
さて、3月の連休移行、日本全国で自粛要請となる。そして、6月中旬に自粛開けとなり、そこで登山者が集中した山があった。福島県の吾妻山連峰の一つ、一切経山である。これには自分も行ったが、コロナ騒動とはなんだったのかと思うくらいに人がいた。ワタスゲが当たり年で、それがツイッターで拡散されたことが一因していると思われる。
夏は山小屋が営業している北アルプスに集中、そして、北海道の山に遠征する人が多かった印象がある。GoToも始まり、飛行機チケットの値段も例年に比べると安かったというのもあるかもしれない…。
紅葉シーズンの秋は、やはり混雑が各地で発生したようで、東北の紅葉の名山、栗駒山は例年にない程の登山客が集中したというニュースをやっていた。また、10月の連休中、立山のキャンプ場で混雑が発生して、トイレの長蛇の列の写真にドン引きした。そして、まさかではあるが『鬼滅の刃』の社会現象的大ヒットにより、モデルとなった(らしい)雲取山が、西暦年の2017年に引き続きブレイクする出来事もあった。
M-1グランプリ 2020
もし、その年最も流行したナンバーワンの山を決める大会「M-1グランプリ」があったとしたら、2020年は福島県の一切経山に捧げたいと思います。スカイラインのおかげで容易に登れるとは言え、溢れんばかりの登山者が集まり、コロナの自粛明け最も話題になったと言うのが審査理由。異論は認める。
自分も行ったのですが、「山なのにだいぶ密じゃねーか」と思った程でした。
2021年、どこの山が流行するか未知数です。一切経山に人が集まるとか誰も予想できなかったと思う。来年はこの記事に対する答え合わせの記事をあげようかと思います。覚えてたら。
コメント
明けましておめでとうございます
こういうトピックをたててもらうと
考えるきっかけになるので助かります✨
なるほどと思うものばかり。激参考にさせてもらいます。
あとは自分が思うに
テント場が定員制を導入した場所かどうか、ですね。
コロナ禍中で富士山・南アルプスにいけない人がなだれ込んだ
山として自分が聞いたのは
常念岳テン場、蝶ヶ岳テン場、あとは火打山の高谷池ヒュッテテン場
密すぎて嫌になったって聞くので
逆に2021は空くんじゃないか、、、と甘い考えでいます…
今年も楽しいブログ配信を待ってますね!
>mt.moonさん
あけましておめでとうございます。
参考にして頂き、ありがとうございます。
北アルプスは結構混雑したようですね。常念岳に日帰りですが行きましたが、テント場は賑わっていそうでした。
高谷池ヒュッテは確かにだいぶ密集しますね。
2020年の冬と比べて、2021年の冬は全然ひどい状況ですが、GW開け頃の本格シーズンINには落ち着いていいるといいですねえ…。
今年もよろしくお願い致します。