Mt.Radio

【Mt.Radio】登山と睡眠の因果律、眠れぬ子羊のレクイエム – Part.4

香港

アラジンというか、ウィル・スミスに青色のボディーペイントを施したものが魔法のランプから飛び出してきて、「願い事を三つだけ叶えてあげよう」と言ってくる。もはや定番となった回答であるが「願い事を100個に増やしてくれ」と、設定無視するお願いする。万が一、そのお願いが通ったとする。
そこで、私は7つめで「どこでも眠れる能力が欲しい」と言う願いごとをすると決めている。

子供の頃、修学旅行で泊まったホテルでは中々寝付つくことができなかった。

クラスメイトと夜を過ごす非日常体験からの興奮が冷め、消灯となる。周囲が寝息を立てはじめると、「寝なきゃ、もう寝なきゃ」と頭の中で反芻する。これが自分自身へのプレッシャーになり、返って眠れなくなるのだ。昔から、自宅以外の環境ではなかなか眠ることができない、睡眠に対して非常にデリケートな人間なのだ。

登山において、山小屋で寝る、テントで寝る、というのは、睡眠デリケート民からすれば、難易度SSクラスなのである。

山小屋は見ず知らずの人間がひしめき合い、就寝前に風呂に入っていない状態だ。80デシベルは超えるいびきが、そこらじゅうで奏でられる。当然ながら仕切りはない。前日の天候が悪いと、干されなかった布団がねっとりしているなんてことも…。

そんな、環境で寝れるか?寝れるはずもない。テントは個人スペースが確保されるから快適。なんてことを言っているテント狂信者がいるが、テントもまた睡眠デリケート民からすれば、山小屋同様の過酷な環境である。空間が狭く、寝袋は窮屈、そして何より寒い。「風の音と木の揺れる音が心地よい子守唄」と、ポエムを語る輩がいるが、実際は隣のテントからガチャガチャ食器を整理する音とトイレに向かって歩く靴の音が、不快な旋律が響いているのが現実。問題になった某レ○パレスでも歯が立たないくらいの遮音性だ。

そんな、環境で寝れるか?寝れるはずもない。

マイクロブタ

どこでも眠れる能力」は、登山のおいて圧倒的な優位をもたらすのだ。

登山では宿泊以外でも、睡眠が求められることが多い。移動中、車中泊、駐車場での仮眠、駅舎の中で野宿することもある。僅かばかりでも寝ることによって、得する場面が多々ある。登山というのは出発が早く、到着が早いのが好まれる。そのためには早寝早起きが必須。そして、睡眠による体力回復は言わずもがなである。

解決方法はないのだろうか。

旅先 眠れない」で検索すると結果がたくさん出力されてくる。しかし、「それで寝れたら苦労はしねぇんだよ」と言いたくなる内容ばかりで役に立たない。アロマを焚いてリラックス効果アップだ?山小屋でそんなことしたら、宿泊客から総スカンを食らって、出禁になるわ。シャワーを浴びて自律神経を活発だ?シャワーなんてあるわけがない。キンキンに冷えた湧水しかないわ。目ばっちり覚めるわ。風邪ひくわ。

アイマスク、耳栓でもなかなか寝れない自信がある自分だが、多少効果的だった方法を教えよう。

Pink Floyd(ピンクフロイド)の「Meddle」というアルバム最後に入っている「Echoesエコーズ」を聴く。23分もある大曲なのだが、暗闇で聴くと、宇宙を浮遊するかのようなサウンドがある。眠れない人は、是非一度試して欲しいと思う。リピートして1曲目になると、凶悪レスラー・ブッチャーの出場曲にもなった「One Of These Days」って、曲になってしまうので注意が必要である。登山者の眠れるプレイリストを公開したら評判いいんじゃないだろうか…。

旅館でパタッと寝て、「のび太君並みの速さで寝てた」と、翌日に言われることがあるが、あれは道中に全く寝てなくて、電池が完全に切れた状態。言わば気絶している状態なんだよな。睡眠とは違う。

玄界灘

寝ようとしているだけの時間“を無くしたい全ての眠れぬ子羊たちよ…。
良い夜を。おやすみなさい。

VERYBLUE
VERYBLUE

登山で眠れなくて困っている人の悩み、眠るために努力していることを良かったら是非コメントして下さい

コメント

  1. 「いわば気絶している」すごく共感して読みました笑
    自分は、ここぞという時は、ド○エルみたいな睡眠導入剤を使用しています。規定量の半分でも6時間以上は熟睡できます。逆にちょい寝には使えないですが。。

    • 気絶寝する時は、深夜ずっと起きてて、まるまる1日活動してると眠ります。眠りが深すぎてスッキリした感覚がないんですよね。
      睡眠薬っててっきり処方するものだと思っていましたが、市販でもあるんですね(←薬にうとい)、良さそうだったら試してみます。
      夜行バスに勝ちたい!

  2. いつもブログ参考にさせて頂いております。
    私はどちらかというと寝付きは良い方ですので、参考にならないかもしれませんが、ソロで(車利用)山に行く事が多いので、逆に眠気に負けないようコントロールする事が多いです。
    満腹になったり、糖質を多く取ると眠くなるので、家に帰ってお風呂に入っていつでも寝れる状況でないと、腹5、6分目ぐらいの軽食で済ませたり、暖かく程よい気温だとまた眠くなるので、車の窓を開けておく事が多いです。ので、逆を返せば、睡眠力が高まるタイミングで目を閉じる(公共機関利用、ご当地グルメを絡めるとタイミングが難しいと思いますが)高速バスなどでは活用出来るかと。(勿論、自分に合った耳栓などアイテムは必須)
    日常生活で一度、自分の眠気のタイミング、ピーク、習慣などを見直して計画に組み込めると良いかもですよー。

    • いちさん コメントありがとうございます。
      眠気をコントロールできる自身への制し方は見習うものがありますね。
      山から下りてきたら、欲望を垂れ流し状態で、飲み食いしてますから…。
      動けないくらいに食事して高速バスに乗ったことないので試してみます。ただ、リバースの可能性があるので諸刃の剣ではありますが…。
      日常生活は決まったルーチンがないので、見直してみるのも大切だと常日頃から思ってます。
      ここぞという時に眠れるよう見直してみます。

  3. 迷わず睡眠導入剤を飲んでいます。
    普通に内科で処方してもらえます。
    お酒よりずっと体に負担がかかりません。

    • コメントありがとうございます。
      キナバル山に登った時に、たまたま一緒になった人は処方してもらったと聞きました。
      山で宿泊できないからで、処方できるものなのですね。
      その人はおしっこが頻繁に出ると言ってました。お酒を飲んでもそうかもしれませんが!

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