ニュース

【登山ニュース】2023年度から山小屋・テント宿泊料金の更なる値上げ

山小屋値上がり

2023年の新年度、登山者界隈に激震が走るニュースがありました。それは、北アルプス(白馬・五竜エリア)の宿泊料金の改定です。

料金改定の理由は、今更言うまでもないですが、世界的な物価上昇・燃料費の高騰ですが、驚愕の上昇率になっています。

2023年度の料金改定

白馬岳、五竜岳の山小屋を運営するグループで、4月3日に宿泊料金改定の発表がありました。

その料金が以下になります。

山小屋宿泊料金
白馬山荘・五竜山荘・白馬大池山荘1泊2食:15,000円
素泊り :11,000円
白馬鑓温泉小屋・キレット小屋
白馬山荘 (4/29~6/30の残雪期) 
1泊2食:16,000円
素泊り :12,000円
猿倉荘1泊2食:12,000円
素泊り :8,000円
五竜テント場・大池テント場・鑓温泉テント場1張2,000円と1人2,000円
2023年宿泊料金

1泊2食付きで、15000円の大台を超えてきました。

素泊りも1万超えです。都心部のシティホテル、グランドホテルの料金と並んできました。

ちなみに、料金改定前も白馬・五竜エリアの山小屋はその他の山域と比べると、山小屋料金は少し高めの設定です。

山小屋の宿泊料金は50%アップ

白馬山荘2018年2021年2023年
1泊2食付9,80012,00015,000
素泊まり6,8008,50011,000
テント場1,0002,5004,000

コロナ前は1泊2食付きでも1万円以下で、今回で50%アップしています。

テント泊に至っては、何と4倍です。

様々な物・サービスの値段が上がりましたが、ここまで値段が上がったものあるでしょうか。

卵1パックが800円になったら、さすがの日本人もデモするでしょう。

テント泊料金は4倍

テント1泊4000円

やはり、注目を浴びたのが、テント場の料金です。

ソロ登山者が一泊すると4000円かかります。

テント泊は、宿泊費が安く済むというのが最大メリットでしたが、それが消滅した料金改定です。

「一泊4000円はさすがに高すぎる。」、「殿様商売だ。」と批判の声が上がっています。また、「学生が払える値段じゃないので、将来の登山業界が失敗」という不安の声も上がっています。

ちなみに、コロナ前の1000円でも他のテント場より高いので、白馬岳のテント場で「ちょっと高いな。」と思っていました。

槍ヶ岳グループは学割を適用

若者が山に登らなくては日本の登山文化に未来はありませんので、大学や高校の山岳部・ワンダーフォーゲル部の活動を支援する為、槍ヶ岳山荘グループの山小屋にあるテント場では、大学生以下のテント料金はひとり1,000円としております。

https://www.yarigatake.co.jp/view/10846/

槍ヶ岳山荘グループのスタッフブログの抜粋です。学割を採用するみたいです。

しかし、現在の山小屋はたくさん問題を抱えていることが書かれていました。

  • テント泊は利益率が悪い
  • トイレ管理は莫大な費用が掛かる
  • テント場に張れず、ヘリポートや危険な沢沿いにテントを張る人がいる
  • ソロテントの増加でスペース不足
  • 繁盛期にはキャパオーバー

学生じゃなくても、20代、30代の上がらない給料でも厳しいので、若者が登山をしなくなるのは既定路線だと思われます。

インバウンドで外国人登山者が増加は確定

外国人登山者急増

白馬・五竜エリアの登山は、ウィンターシーズンと同じように外国人(オーストラリアやアジア富裕層)がメインターゲットになっていくんじゃないでしょうか。

白馬村周辺は、交通機関もバッチリで、登山ショップや宿泊施設が充実し、受け入れる体制が十分あります。

コロナ禍を経て、今シーズンからは以前にも増したインバウンドの盛り上がりが見込まれており、登山を取り巻く環境は今後さらなる変化を続けていくことが予想されます。

この事は、槍ヶ岳山荘グループのブログにも記載されています。

日本は高齢化で登山のボリューム層60~70代が登山を続々と引退し、若者の登山離れが加速するので、外国人登山者を受け入れるのは自然の流れかなと思います。

日本人が「ぼったくりだ!!」と思う高い料金も、物価の高い外国人から見れば安い訳ですし。それを見越した大幅値上げなのかもしれません。

アルプスを縦走していて、すれ違いざまに「ハロー!!!と言っている方が多いな。」と思う日が来るかも知れません。

山小屋の動向に注視する必要

2023年度に大きく料金改定する小屋もあれば、現状維持を続ける小屋など様々な状況です。

  1. 料金改定
  2. 予約が必要か不要か
  3. 予約の申請方法

上記は、引き続き注視する必要があります。

残念ながら、コロナ以前のように、宿泊料金がそれほど負担にならず、また山小屋・テント場を予約せずに登山に行ける時代は終わりました。

以前のように、戻ることは間違いなく無いでしょう。登山者も変化を問われる時代になりそうです。

コメント

  1. 「登山者も変化を問われる時代」
    自分もまさにその通りだと思います。
    ハンバーガー100円の記憶はそろそろ捨てましょうと。ほんと。

    • 自分は10年ちょっとしか登山を経験していませんが、始めたタイミングが良くて、なんやかんや環境に恵まれていた気がします。
      これからは地方のトレイルに目を移したり、登山ライフを徐々に変化させていこうと思います。

    • 登山歴50年以上、主にテント泊。今の登山界は何もかも商業主義を感じざるを得ない。結局山を生計に生きてる元ヤマヤが増えズレた大義名分をかざし商売してるだけ。メディアに出てる者たちは最たる者。一般社会では通じないアウトローが多い。又組織に抵抗感がある初心者が顧客としてのターゲットでスポーツ店も含めた市場だからであろう。私は登山は徐々に経験を積む過程を踏んだ者達の世界で充分と考えてる。誰でも来れる山でなくても良いはずです。私も体力の限界を知れば引退するでしょう。今後はシーズンはアルプス以外を主に計画するでしょう。2食付きの山小屋なんてホントに必要ですか?避難小屋で充分。贅沢な登山を望む方達はヘリコプターで行くのが一番では。

  2. 北アルプスを中心に山岳写真を50年撮影してきました。朝夕の撮影にはテント泊が一番良く行動できます。残念なことにテント1泊、1名\4,000とは驚きです。登山道の整備、山小屋のトイレなど経費もかかるのも理解できますが、値上げした根拠を数字で示していただけないと到底納得できません。
    すでに山岳領域は聖域ではなく「商業主義」に変貌したような気がします。
    山小屋は大量の燃料を空輸して冷凍食品を大量に貯蔵し贅沢な一泊二食付きを提供しています。私にはその必要はありません。山で使う装備、食料は自力で担ぎ上げます。それができなくなったら静かに引退します。その前に何故、テント宿泊代金を高額値上げしたのか数字で根拠を示してくださらないと全国の山岳会、登山家は到底納得できないと思います。

  3. 自分は体を壊して以来10年以上登山から離れていましたが、一泊一万五千円ではとても小屋に泊まろうとは思いません。リゾートホテル並みの待遇やサービス、食事が保証されるなら話は別ですが。
    白馬周辺は黙っていても観光客がおしかけるような土地柄で、コロナ以前から商売臭が酷いところでしたが、それがより顕著になっただけです。
    リタイアした富裕層やお金持ちの外国人のみに特化するなら、それはその方が良いのかもしれません。庶民は近寄らないだけです。

    • コロナ禍を経て5類となってから、山小屋はシーズンになるとどれくらいの登山者でペイできるようになるのか、素朴な疑問があります
      1人1万五千円として、コロナ前のシーズンなら、1泊畳三畳ほどのスペースに5~6人、縦に二段で18万、3段なら27万の売上げとなります
      三畳程度でこの売上げとなると、日本中の高級旅館やホテルでも有りそうにない料金設定となり得る
      まあ、混んでるシーズンしか都合がつかない私の場合、山小屋を諦めるしかないですが
      比べる方がおかしいと思う人も居るでしょうが、変だと感じる登山者も確実に増えるだろうね
      1度上げた宿泊料金はもう下がらんのでしょう
      結果として、それで登山ブームが去れば去ったでしょうがないとなりそうな気がしますね

  4. テント4000円とか、何なんでしょうね
    山小屋となると六畳あたり3人で45000円
    それが2段、3段ベッドだと、6畳のスペースで上下10万からの売上げにする
    もう、都会の超一流ホテルにも無い稼ぎ方ですが
    しかし、三流ホテルにも有り得ないサービスになる
    怪我した時に役に立つ以外のメリットは無いでしょう
    こんな場所でトイレ・水が有るだけで有り難いと思えと言われてるようで
    好きだから出来た山小屋経営から、コロナを経て脱却したのがこの形です
    登山客は他の選択肢が無いので、殆んどヤクザ紛いの商売になったと思ってます
    金額的には金持ちの趣味だから、金が無きゃ寄ってきなさんなとなった事は否めない

タイトルとURLをコピーしました