2021年11月14日
神奈川県の北丹沢にある南山遊歩道に行ってきました。標高は544mです。
宮ヶ瀬湖の北側に整備された遊歩道で、山頂である南山また展望台からは、丹沢山塊と宮ヶ瀬湖を眺めることができます。丹沢の中でもマイナーなコースですが、トイレや広場、展望台が整備されています。夏はヤマビルが出現する山なので、晩秋から早春にかけて歩く人が多いそうです。
この日は、朝が少し遅め、帰りは夕方までと言う条件で、丹沢の地図を眺めていたところ、微妙な位置にある南山に目が付きました。
ヤマビルの発生も落ち着いた晩秋の丹沢シーズンで、静かな遊歩道を旅してきました。
南山遊歩道について
地図
鳥居原ふれあい館をスタートして、県立あいかわ公園に下山しました。
コースタイム
- 9:51橋本駅
- 10:48鳥居原ふれあいの館
- 11:07南山遊歩道の入口
- 11:53権現平
- 12:31南山の山頂
山頂で40分くらいランチ休憩
- 13:47県立あいかわ公園
- 14:15宮ヶ瀬ダム
- 14:50半原バス停
- 15:50本厚木駅
行動時間は4時間2分です(バス停からバス停まで)。
南山遊歩道について
橋本駅からバスに乗って、鳥居原ふれあいの館へ
拠点となる駅は橋本駅で、JRの相模線と横浜線、京王線の3路線が乗り入れている駅です。丹沢を歩くために降りるのは初めてでした。新宿と横浜に45分程で行けるから便利な立地の駅。
10数年前に友人宅に行くのに一回だけ降りたことがあるかなぁ…。
橋本駅北口2番乗り場から「鳥居原ふれあいの館」行きのバスに乗車。47分の乗車で終点「鳥居原ふれあいの館」で下車します。直通のバスは午前中に4本出ています(2021年現在)。
鳥居原ふれいあの館は、道の駅ではないけど、産直販売をしていたり、簡易的なレストランが併設している施設です。この日は、めちゃくちゃ混雑していて、特にツーリングしている人が多かったです。
鳥居原園地からは宮ヶ瀬湖が眺められ、ドウタンツツジが紅葉していて、湖畔の一部を真っ赤に染め上げていました。
11月のベスト紅葉シーズンではありますが、正直なところ南山に対しては、紅葉を一切期待していなかったので、嬉しい誤算です。
宮ヶ瀬湖は神奈川県全体の9割を担う水源になっており、神奈川県民は宮ヶ瀬湖の存在なしには生きられないのです。湖に架かる橋は「虹の大橋」と名がつけられています。なにやら、自殺の名所でもあるので、夜には訪れたくないところ。
お昼にはラーメンを持参していましたが、売店で魅力的な総菜がたくさん売っていたので、おにぎりいなりを購入しました。おいなりさん大好物。
ヤマビル注意の南山遊歩道
さて、鳥居原ふれいあの館から道沿いに歩いていくと、南山遊歩道の入口が見つかります。
ヤマビル注意の看板。
大山周辺を境界にして、そこから東側の東丹沢エリアはヤマビルが発生することで有名です。この南山においても、ヒルが発生するのでスプレーが設置されていました。
発生時期の5月~11月はできる限り登りたくない山域です。11月上旬に終盤を迎えるので、今日は大丈夫だろうけど、心の奥では安心できません。ヒルだけには絶対に遭遇したくない。
登山口を入り、序盤こそ急登でしたが、上部に来ると歩きやすくなりました。
まず、目指すポイントは権現平(南山園地)です。1.6キロの道のです。
杉の樹林帯の中をのんびりと歩いていきます。宮ヶ瀬湖畔にある山ですが、展望はほぼ皆無で、隙間からうっすらと湖面が見える程度。
低山でよく見かけますが、鉄塔の周辺は木が狩りはらわれていて、ススキが大量に自生しています。
ススキの合間から宮ヶ瀬湖が見えます。正面に8年前に登った高取山が見えていました。相州アルプスに迷い込んで、少しだけ遭難しかけた思い出があります。
遊歩道とはなってますが、ちゃんと登山道。樹林帯で展望はないものの、稜線なのでしっかりとアップダウンがあります。1か月以上ぶりだったので、息上がってました。
鹿よけのつもりだけど大解放されているフェンス。コース唯一のトイレがありました。
神奈川の展望スポット、広々した権現平
トイレを過ぎると現れるのが、権現平(南山園地)です。ここだけキャンプ場のように整備されています。
苔むしてて自然に還ろうとしていますが、ベンチがいくつもあります。南山の山頂は、2組でキャパいっぱいなので、4~5人パーティだったら、権現平でお昼にするのが良いかと思われます。
広場から奥に進むと、権現平展望台があります。
これだけ環境が整った遊歩道にも関わらず、かつ紅葉シーズンなのに登山者は全くいない…。地元の小学校が遠足で歩いたりするのでしょうか。
さて、展望台からは、山の麓の景色を見ることができ、相模ナンバーのエリアの地区がよく見渡せます。
奥には横浜ビル群が立ち並びます。また、この日はうっすらと相模湾の海岸線が見えていました。
権現平を後にして、南山山頂に向けて進んでいきます。
ロック部分が壊れてしまい、鹿の出入り自由になった扉をくぐります。
相変わらずの杉の樹林帯ですが、生い茂る笹の密度が少しだけ高くなった。
権現平から南山の区間は比較的にフラットで歩きやすい。心配していたヒルは全く出現しませんね。
山頂が近づくと、丸太の階段が登場します。
階段を登り終えると、山頂はすぐそこ。
宮ヶ瀬湖を眼下に見る南山の山頂
南山の山頂に到着です。
山頂はそこそこ広く、テーブルが二つ設置されています。ただ、ビニールシートを広げるようなスペースはないですね。
眼下には宮ヶ瀬湖ビュー。
そして、11月の山頂はススキが穂を揺らしてます。
西側の風景が優れていて、丹沢の主稜線上の山々を眺めることができます。大山~塔ノ岳~丹沢山~蛭ヶ岳~焼山まで。ピンとこないけど。
富士山は丹沢の稜線の向こうなので見るのは出来ません。
市街地側の展望も見えるには見えますが、権現平展望台の方が見える範囲が広かったです。展望に派手さはないので、やはり丹沢マニア向けですね。
既に食事を始めていた全身モンベルおじさんにテーブルの端っこを分けてもらい、鳥居原ふれあいの館で買ったおにぎりセット(300円)を食べます。
スープ代わりのチキンラーメン。初めて山でアルコールストーブを使って作りました。
しかし、この「南山」という名前は、どこから見ての南なんでしょうかね。
山頂を後にして、県立あいかわ公園に向けて下山です。意外と急斜面な個所もありました。
登山道の途中に宮ヶ瀬ダムが見えました。
よーく見ると、遊覧船が動いていました。ダムサイトから鳥居原ふれあいの館への便もあるので、周回ができるっちゃできますね。
紅葉が唯一感じられたポイント。
ある程度降りてくると展望の開けた場所があり、休憩所が設置されていました。トイレもベンチも休憩所も設置されているコースなのに、すれ違った人数は15人前後…。
看板に従ってあいかわ公園に降りていきます。階段が整備されているので、いつの間にか敷地内に入っているのかな?
下山していくと子供の遊ぶ声が響いてきました。
あいかわ公園に下山し、宮ヶ瀬ダムを見学
登山道は終了し、いきなり公園に出ました。山の斜面にある広場で、家族連れが遊んでいます。
明らかに場違いなのを感じつつも、南山道と書かれた指示板を頼りに公園内を下っていきます。山の中で迷わなかったけど、公園が広大すぎて若干迷いました。
長い滑り台に行列ができていて、子供を遊ばせるのも過酷。
カメラの設定画面を眺めながら歩いていたら、噴水の範囲にリアルに気が付かず、足を濡らしたのは私です。
せっかくなので、宮ヶ瀬ダムを見学しに行きます。
道中には滝があったり、ダム開発されていなかったら、神奈川県とは思えないくらいの自然が広がっているんでしょうね。
宮ヶ瀬ダム。
堤高156mは迫力があり、麓に立つを首をかなりの角度曲げる必要があります。首都圏50kmにあるダムでは最大級の大きさです。
ケーブルカー(?)のような乗り物があり、観光地化されてるんですね。もうちょっと早い時間に出発したら観光したかったです。
宮ヶ瀬ダムを後にして、中津川に沿って本厚木駅行きが出ているバス停に向かいます。
中津川の河川敷には、川の流れが全く見えないくらいに大量にススキが生えていました。
中津川に架かる橋を渡ったところにある半原バス停から本厚木行きのバスに乗りました。始発なのでガラガラかと思いきや待機中のバスの車内に意外と登山者がいました。仏果山とかに登ってた人達かな。
50分ほどの乗車で本厚木駅に到着しました。朝バスに乗った橋本駅とこの本厚木駅は、40分以上かかる距離です。登山時間が大したことないだけに不思議な感覚です。
B級グルメのシロコロホルモンに後ろ髪を引かれつつも、寄り道せずに帰宅しました。
南山遊歩道を終えて
南山遊歩道はコンパクトながら展望を楽しめ、神奈川県の水瓶である宮ヶ瀬湖を見学できる良いコースでした。紅葉は全くもって期待してませんでしたが、鳥居原のドウタンツツジの紅葉は見ごたえありました。
12月は宮ヶ瀬クリスマスイルミネーションイベント開催されるので、下山後にイルミネーション鑑賞をすれば、お洒落なプランかもしれません。宮ヶ瀬湖周辺の観光と合わせるのが、正解ですね。
登山で絶対に遭遇したくない動物は???
と、聞かれると9割以上がクマと答えると思いますが、たぶんその次に答えるのがヒルでしょう。ヒルって動物なのか???
個人的にクマには安全地帯から遠目で遭遇したい気はしますが、ヒルに関しては絶対に遭遇したくありません。映画「スタンドバイミー」で、沼を歩く少年たちの体に大量のヒルが取り付くシーンがトラウマです。地面から足を這いあがってきたり、体温を検知して木の上から降ってくるのもゾッとする。
これからも東丹沢の夏シーズンは、心理的閉鎖状態ですが、開拓していきたいです。
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