2012年7月29日
新潟県の妙高山に行ってきました。標高は2454mです。
上越地方を代表する山で、「越後富士」と呼ばれています。市の名前、観光地の名称に使用され、とてもブランド力の高い山です。北信五岳に数えられ、山岳信仰が色濃く残る歴史があります。
今回は、火打山と妙高山の1泊2日のテント泊登山の2日目です。
1日目の火打山は、スタートが遅くなったせいで18時に登頂し、19時にテント場に戻りました。なので、完璧に休息は取れない状態での妙高山の登山になりました。
コースタイムは短く、テント泊装備もデポできるので、楽勝と思っていましたが、そうは問屋が卸さない旅になりました。
火打山・妙高山について
地図
笹ヶ峰をスタートして、1日目は火打山に登り、高野池ヒュッテにテント泊しました。2日目は、黒沢池ヒュッテに荷物をデポし、妙高山を往復し、笹ヶ峰に下山しました。
妙高山 テント泊
高野池ヒュッテのテント場から妙高山を目指す
朝5時に起床しました。
週末ということもあってテント場は、だいぶ密集度が高く、どこかのおじさんのイビキが響き渡る環境でした。そして、24時過ぎ辺りに雷鳴が聞こえたり、完璧な睡眠は出来ませんでした。
夜中は霧に覆われていたようで、テントの外側のフライシートはびっしょり濡れていました。
テント泊初心者のタチ君は起き上がって来る気配がなかったので、自分が一人朝食の準備。
マヨコーンパンを焼きました。
朝食後はコーヒーを入れて、優雅なひと時でした。この時までは。
周辺の登山者が続々出発する中、7時に出発です。
テントにつけていた管理用のタグをヒュッテに返却し、妙高山に向け出発です。
まずは、黒沢池ヒュッテを目指すため、茶臼山を登ります。2日目のテント泊装備は、肩にずっしりきます。
本日の天気は曇りがちですが、まずまずの出だし。
山頂の雰囲気はゼロですが、標高2171mの茶臼山を通過しました。高谷池→黒沢池は下りになるので、ちょっぴり楽です。
茶臼山を越えると「黒沢池ヒュッテ」が見えてきました。
こちらも湿原が広がっています。そして、手前の尾根道の奥に見えるのが妙高山の山頂です。
枯れかけの高山植物。この辺りも高山植物の花が多いようです。
高谷池ヒュッテを出発し、50分程で黒沢池ヒュッテに到着しました。こちらの小屋は球体が特徴的です。
ここから、妙高山を往復することになるので、みんなザックをデポしていました。
ちなみにこのヒュッテにも水場がありますが、「高谷池ヒュッテ」同様に生水では飲めません。
テント泊の重さから解放され、身軽な装備で妙高山を目指します。
妙高山本体の外輪山を越えるために一度「大倉乗越」まで登り、そこから降ります。
なんだこのキャラは。
ゼリーをお皿に盛ったような形の妙高山本体が現れました。
写真では伝わりませんが、麓までの距離とそこからの高度差を感じ、少し心を挫かれます。
雪が残っていたら結構やばそうなトラバースを進みます。
岩がもろくて足場が安定しません。
一人分の一本道で20人ほどの団体に巻き込まれてしまいました。
妙高山の裏手は、見どころがゼロの無慈悲な急斜面
ベンチが2つほどある分岐点に出ました。
ここから妙高山までは永延と急坂を登ります。
はっきり言って修業かと思うくらい辛かったです。
もう、どうしょうもないくらい急坂です。
前日の疲れもあり、身軽なのに息が切れました。
少しづつですが山頂に向かうにつれ、岩が大きくなってきました。
景色が変わらないため、写真も少なかったり。急斜面で見所がないって、一番精神に害を与えますね。
雲が上がってしまった妙高山の山頂
9時59分 妙高山山頂 ---
ほぼ地図上のコースタイム通りに到着しました。決して遅いわけじゃないんだけどな…。余裕をもって出発してください。
昨日の火打山より妙高山の方がメジャー度が高いので、看板も少し豪華です。
火打山の標高が2462m、妙高山が2446mなので、ほんの僅かしか差がありませんね。
残念ながら山頂は雲に覆われてしまい遠くまで見渡せませんでした。
空を見ると太陽が出てたのに。
外輪山に本体が囲まれているので、浅間山に似た雰囲気がありました。
妙高山山頂は大きな岩がごろごろ転がっている山頂で、結構広いです。なんだか不思議と人が多い。
帰りの時間が不安なので、山頂で休むのはそこそこに下山を開始。
無我夢中で駆け下りました。
外輪山を越える頃に、太陽が射し始め体から水分を奪う奪う…。
二人で1,5リットル持ってきた水が底を尽きました。
11時52分 「黒沢池ヒュッテ」帰還 ---
こんなにバテるとは思わなかったってくらいバテました。
妙高山はほとんど修業ですね…。もうこのコースでは登りたくないです。
もう我慢できずヒュッテでC.C.レモンを購入。
からからの喉に強炭酸が染み入ります。
12時14分 下山開始---
15分ほど黒沢池ヒュッテで休憩を入れて下山を開始しました。
ああ、荷物が重すぎる…。
しかし、黒沢池のコースはとても平坦で素晴らしかった。
「ワタスゲ」という白い綿がくっついている植物の大群生があるので、まるで天国のようにふわふわした湿原です。
盛夏の高山湿原、時間がタイトでなかったらのんびり歩きたかった。
前日に分岐した富士見平を抜けて同じ道に出ます。ここからはただ降るだけ。
やたら小さい子供が登山してるんですよね。夏休みだから親が連れてきてるんでしょうか。
「12曲がり」のくだりで地獄を見て、ようやく憩いの黒沢に到着。
小学校低学年の一団がハイキングに来てました。沢にスイカが冷やしてあって、こっそり食べてやろうかと思ったけど、なんとか踏み止まりました。
この沢の水がぶがぶ飲んだけど、別にくださなかったので大丈夫だと思います。皆飲んでるし。
後は、安定の林道歩き。
暑さにだいぶやられた行程でした。
15時20分 下山 ---
とても長かったです…。
もう汗まみれなのでずっと温泉入りたかったので、帰りを急ぎます。
笹ヶ峰からインターに向かう途中にある、杉の沢温泉「苗名の湯」に立ち寄りました。
大人450円で入浴できます。なぜか2階に浴場がありました。休憩施設は充実していましたが、浴槽は室内1個なので少し物足りないです。
んで、お昼ごはん?にすぐ隣の蕎麦屋へ。
天ぷらそば1200円を頂きました。
大満足のボリュームと天ぷらが揚げたてでとても美味しかったです。大根のお新香の漬け具合が絶妙でした。
やっぱり山に来たら蕎麦を食べるのが正解ですね。
温泉に入り2日間の汗をさっぱり流し、宇都宮に向けて帰りました。自分はその後、東京へ向かうんですがね。
上信越道の浅間山付近でもの凄い豪雨に見舞われ、関越付近の渋滞に巻き込まれつつも何とか日付が回る前に東京に帰ることが出来ました。
妙高山の登山を終えて
妙高山を単体の視点で見た場合、樹林帯の急斜面を往復するだけの面白みに欠けるコースでした。たぶん、妙高山の良さは「燕温泉」側からの登山が正式なようです。効率的に百名山をカウントアップする手段としてはいいのかなと言うのが感想です。
なので、1泊2日なら燕温泉~妙高山~高野池ヒュッテ泊~火打山~笹ヶ峰が、見どころの多いコースだと思います。体力はより必要になってきますけど。
妙高山は、展望も得られず、悔いの残る形になったので、また訪れたい山になりました。それでも、今回のテント泊で得られた経験は、今後生かせそうなので、大変充実した旅になりました。
コメント
いつも楽しく読ませて頂いてます。この登山行程と同じルートで、火打に登らず妙高山直行の日帰り登山をしました。・・・・・「妙高山はほとんど修業ですね…。もうこのコースでは登りたくないです。」ほんと同感!膝が割れそうに痛くなり、一歩歩んで止まりを繰り返し必死の思いで下山しました。
その前年に登ったルート(燕温泉から入り惣滝、黄金清水経由の最短コースで、黄金の湯の脇を通り、硫黄の匂いがする水場に⇒胸突き八丁⇒天狗堂⇒鎖場⇒頂上…なら往復で4時間半の行程で、楽々気持ちよかったです。黄金の湯・河原の湯ともに無料の露天風呂で疲れも癒せるので、お勧めです。
>だいごろうさん
はじめまして!
見ていただき感謝です。
火打山→妙高山のルートは、見所らしき場所が一つもないので、それも辛かったですね。せめて展望が良い場所や沢が流れてくれていたりとかがないと…。
妙高山は温泉側から登るメジャールートが良さそうですね。
そうそう、帰りに温泉に寄ろうとして周囲の温泉を検索に掛けるとその黄金の湯と河原の湯が引っ掛かりました。
え?温泉無料なのって目を疑いましたよ。次行く機会があれば寄ってみたいと思います。
おはようございます(^^)ほんと無料なのに清掃も行き届いてます。燕温泉街の組合のご好意のようです。
黄金の湯は脱衣所もきれいで、青緑色の湯の花が舞い濃い感じのお湯がすごくいいです。
河原の湯は、登山道の途中の沢に面して、結構下った所にあり乳白色の湯。何度か道が崖崩れで閉ざされて利用不可の年がありました。
>だいごろうさん
ネットで写真を見る限りとても良さそうなところです。
自分の家からは遠い場所なので、早々にというわけにはいきませんが、絶対行きたいと思います。
紅葉の時期はとても良さそうですね。