登山八ヶ岳・美ヶ原・霧ヶ峰

【長野】美ヶ原高原ハイキング 〜 レンゲツツジの咲き始め、初夏の牧場日和の旅

美ヶ原

2023年6月17日

長野県の美ヶ原に行ってきました。標高は王ヶ頭の2034mです。

山頂には王ヶ頭ホテルがあり、周辺には広大な牧場が忘れていて、夏の間は牛が放牧される高原です。 山頂付近まで道路が通っており、最短1時間弱で山頂に到達できるため、誰でも気軽にハイキングを楽しめます。

美ヶ原

真夏に一度訪れましたが、雷雨に遭遇して撤退しました。11月にも訪れましたが、寒風が吹き、牧場には牛が居ない寂しい状況でした。なので、牛が放牧されている初夏の一番良い時期に再訪したいと思っていました。

カラッと晴れた6月、梅雨の晴れ間に旅してきました。

美ヶ原高原ハイキング

コースタイム

  • 7:39
    ふる里館
  • 8:10
    アルプス展望コース分岐
  • 9:31
    王ヶ鼻
  • 10:05〜10:45
    王ヶ頭
  • 11:22
    ふる里館

ふる里館の駐車場から最短ハイキング

美ヶ原のふる里館
美ヶ原のふる里館

美ヶ原の登山口は様々ありますが、最短かつ定番の「ふる里館」からスタートします。朝7時30分に到着しましたが、満車間近でした。

ここに駐車できない場合、道の駅の駐車場になります。少しだけ徒歩が追加されます。

八ヶ岳と富士山の眺め

駐車場からすでに展望がよく、八ヶ岳連峰が見え、さらに富士山が見えました。6月のど真ん中で、清々しい梅雨の晴れ間です。

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それでは、ハイキングスタート。

気合い入れて登山の格好で来てしまったが、標高差はほぼ無く、登山道ですらないので、普段着でも良かったな…。

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歩き始めてすぐに牧場エリアです。

5月下旬から10月中旬にかけて、牛が放牧されています。歴史は古く、明治時代から牧場が存在するらしいです。

美ヶ原の牛

早速、じゃれ合っている2頭の牛がいました。

ここだけ切り取ると、広大な北海道帯広の牧場に見えなくもない。

美ヶ原の牛

近くで見ると、お互いの頭を利用して、狂ったように痒みを取っていました。

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駐車場をスタートして数分、山本小屋があります。完全個室の旅館のようや小屋らしく、王ヶ頭ホテルと比べるとリーズナブルです。

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牛に混じって、元気に動き回るポニーがいました。

準備されたばかりのニンジンの餌を狙っています。ポニーの首の可動域では食べられないみたいです。

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「あ…。」

成長の瞬間、そして人間の敗北の瞬間に立ち会ってしまったようだ。成す術もなく、見守ることしかできませんでした。

美ヶ原の牧場

美ヶ原の名前に『』が付いている理由がわかるほど広大で、平らな草原が広がっています。標高2000mであることを忘れてしまうほどの景観です。

八ヶ岳連峰と牛

生まれ変わったら、美ヶ原の牛になりたい。

どこか別の場所に出荷されたとしても、「美ヶ原出身」と言えば、その他の牛から一目置かれると思います。

美しの塔

少し遠くに美ヶ原の山頂がある「王ヶ頭ホテル」が見えています。パンフレットに載ってる美ヶ原は、この図なことが多いです。

美しの塔

美ヶ原高原のシンボル、『美しの塔』です。

もともとは、濃霧時の避難塔として建てられたそうです。現在では車道が整備された美ヶ原ですが、開発が進む前の時代には、登山者にとって貴重な目印となっていたのでしょう。

美ヶ原の牛

夏でも涼しい牧場で、ありあまる草を食べて、クソして、昼寝して、乳を搾られる人生。

「上級牛」すぎる。

美ヶ原の牛

きっと、彼らは「柵の中を歩く人間」を、見下しているに違いありません。

アルプス展望コースを歩き、断崖絶壁の裏の顔を見る

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このまま、ほぼ車道のコースで山頂を目指してもいいのですが、「アルプス展望コース」を経由します。

アルプス展望コース

分岐付近に年期が入ったトイレがあります。

美ヶ原の牛

アルプス展望コースは、王ヶ頭ホテルの南側へと回り込みます。

美ヶ原のレンゲツツジ
美ヶ原のレンゲツツジ

道端にレンゲツツジが咲いていました。

美ヶ原はレンゲツツジの名所の一つです。群生地エリアは、このコース上とは別の場所ですが、ところどころで花を咲かせています。

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美ヶ原では、ほとんどの人が最短コースしか歩かないと思いますが、麓からの登山道もあるようです。まぁ、でも近くにでも住んでないと…ね?

新緑のカラマツ
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霧ヶ峰へと続く中央分水嶺トレイルにも興味はあるのですが、なかなか実行に移せず、課題として残っています。日帰りだと大変なのかな?

美ヶ原のアルプス展望コース

美ヶ原の平らな高原をイメージとは真逆の岩が剥き出しの断崖絶壁の山肌を見ることができます。

顔の肌がツヤツヤな美魔女タレントだけど、よく見ると、首や手の皺が…みたいな。

美ヶ原のアルプス展望コース

長野県ナンバー2の都市である松本市と北アルプスが正面に見えてきます。北アルプスのシンボル「槍ヶ岳」がはっきりとわかりました。

美ヶ原のアルプス展望コース

レンゲツツジが至るところに咲いていました。体感では五分咲きほどで、満開は翌週以降になりそうでした。

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岩が崖に向かって張り出している場所があり、スリル体験も可能です。

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徐々に王ヶ頭ホテルに近づいてきました。熊笹に切り開かれた道を進んでいきます。

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レンゲツツジが満開を迎えたら、いい感じのフラワーロードになりそう。

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分岐がありました。山頂の王ヶ頭は後回しにして、「王ヶ鼻」を目指します。

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本線(?)の車道と合流し、王ヶ鼻方面に向かいます。正面に槍ヶ岳のトンガリが見えています。

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植生が少し豊かになり、ズミが白い花を咲かせていました。

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最後はカラマツの樹林帯です。秋になるとカラマツの黄色い紅葉が楽しめます。

ブランドマウンテンの大展望、松本からは鼻に見える王ヶ鼻

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王ヶ鼻に到着しました。

全方位展望が開けてるスペシャルビュースポットです。日本百名山の三分の一が見えるらしいですが、真偽は不明です。

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五竜岳や白馬岳がある北アルプスの北部の山々が見えます。6月中旬でもたっぷり雪をたくわえています。

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南側は八ヶ岳連峰、南アルプス、その間に挟まれて富士山が見えます。

6月でこれほどクリアに景色が見えるのもなかなか無いです。登山日和中の登山日和「The Day」ってやつですね。

御嶽信仰

美ヶ原には御嶽神社があり、この王ヶ鼻には多くの仏像が並んでいます。

御嶽信仰
御嶽山

文字通り御嶽山への信仰があるため、仏像はすべて御嶽山の方角を向いて並んでいます。

関東にも浅間信仰(富士山の信仰)のある山だと、仏像は富士山の方を向いています。

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松本市からは王ヶ頭は王の冠、その王の鼻に見えるらしい。

いやゆる、王様って中世ヨーロッパの王様のイメージなのだろうか。意外と名付けの歴史は浅いのかもしれない。

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王ヶ鼻は、山頂の王ヶ頭とはセットで訪れるべき場所ですね。

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それでは、王ヶ鼻から引き返す形で、王ヶ頭を目指します。

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最後、山頂に向かうショートカットの坂道が、今回一番の傾斜でした。

王ヶ頭ホテルでソフトクリーム、美ヶ原の山頂

王ヶ頭

王ヶ頭に到着です。標高2034mです。

」ヶ原の「」ヶ頭って、日本一、自己顕示欲の強い山の名前ではなかろうか。

王ヶ頭

長野県のほぼ中央に位置する美ヶ原は、県内の各方面に電波を送る施設群があります。ここを爆破されると、長野県は大混乱に陥ることでしょう…。

王ヶ頭

王ヶ頭は、どことなく自然の雰囲気がなく、「敷地内」といった印象。周辺で食事をしている人がいないのも、その一因かも。

王ヶ頭ホテル

山頂からすぐ隣、スタート地点からずっと見えていた王ヶ頭ホテルに立ち寄ります。

王ヶ頭ホテル

前回来たときは、ホテルの外装がベージュ色で、昭和丸出しなスキー合宿所みたいでしたが、ダークブラウンの外壁と赤い屋根に変更され、洗練された印象になっていました。

Cafe 2034

休日は9時半から営業している「Cafe 2034」で、夏季限定のソフトクリームを食べます。

Cafe 2034

標高2000mの高原牧場を眺めながら食べるソフトクリームは美味い。美ヶ原の牛乳が使われているのかはわからないけど。

Cafe 2034

標高と同じ、西暦2034年元旦の王ヶ頭ホテルは、予約が殺到するのは間違いないでしょう。物好きハイカーも全国から集結すると思われます。

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砂煙を立てながら、王ヶ頭ホテルの送迎バスがやってきました。選ばれし宿泊者たちなので、ハイカーは通行の邪魔をしてはいけません。

いつか泊まってみたいな…。

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それでは、美ヶ原高原を後にし、下山します。下山っていうのかな…。

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行きの時の8時台と比べると観光客が増えてきました。

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スタート地点のふる里館に戻ってきました。のんびり歩いて、3時間50分のハイキングでした。

扉温泉のジンギスカン定食とアガタベーカリーの牛乳パン

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美ヶ原からかなり回り道をして、扉温泉「桧の湯」に立ち寄りました。1時間以上かかったかもしれません。近いと思ったけど、妙に遠かった。

扉温泉

瓶コーラの自販機があるだけで、星5つあげちゃう。

入浴料が確か300円で安く、それでいて、森林の中の露天風呂が気持ちよかったです。

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お昼は松本市まで出ると時間がかかってしまうので、併設している食堂「かけす」で食べることにしました。

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もつ煮、牛すじ、とんかつ、カレーなどご飯が進みそうなメニューばかりです。

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山の後は羊肉のちょっぴりくっさい野生味が恋しいので、ジンギスカン定食をチョイス。鮮やかな色をした手作りのお漬物が嬉しい。

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ボリュームにはかけるけど、ニンニクの効いたタレに絡まって美味しかったです。

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こちらは天然きのこそば。得体の知れないキノコがたくさん入っていて、ドラゴンボールに登場する別の惑星みたいでした。

アガタベーカリー

松本市内まで降りてきました。最近まで知らなかったのですが、松本市はパンの街らしいです。

「小松パン」が発祥の牛乳パンが名物になっています。今回は「アガタベーカリー」で牛乳パンを購入しました。たっぷり入った牛乳クリームがお得感あります。

松本市を抜けるのにすごく時間がかかって、15時過ぎに出たのに、自宅には21時着になるのでした。

美ヶ原高原のハイキングを終えて

美ヶ原のまとめ

ようやく、美ヶ原らしい美ヶ原をのんびりと歩くことができました。

美ヶ原では牛が牧場に放牧され、高原の新緑が映え、アルプスに雪が残る6月が最も魅力的な時期かもしれません。次に訪れるときも、きっと同じ時期を選ぶと思います。

今回は日帰りで時間が限られていたため、レンゲツツジの群生を見られなかったのが心残りです。

美ヶ原の集合写真

過去には、コースタイムが短い美ヶ原を軽く見ていて、蓼科山、霧ヶ峰、美ヶ原を1日で登頂しようとするような、若気の至りのようなことをしていました。今回、改めて美ヶ原の良さにようやく気づけました。

ああ、美ヶ原高原の牛のような人生を送りたい。

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