
2025年4月27日
新潟県の坂戸山(さかどやま)に行ってきました。標高は634mです。
南魚沼市六日町に位置し、かつて城が築かれていた歴史ある山です。4月中旬から雪解けし、花が咲き始め、カタクリの群生や、麓では満開の桜を楽しむことができます。周回コースでも約3時間と手頃なのも魅力です。

新潟県は、良い意味で得体の知れないスケール感を持ち、アルプス級の高山から魅力的な里山まで、実に多彩な山が揃っています。日本海を間近に望む角田山(かくだやま)のパンチの効いた景色をきっかけに、次はどんな里山があるのかと探していたところ、評判の良い坂戸山に行き着きました。
ベストシーズンとされるカタクリの時期に合わせて旅してきました。
坂戸山 日帰り登山
カタクリの群生地と桜、展望抜群の薬師尾根コース

南魚沼市の狭い路地を抜け、8時前に坂戸山駐車場へ到着しました。幸いにも、かろうじて空きがありましたが、9時半頃から一気に混雑すると思われます。その場合は、登山口から離れた場所に駐車するしかありません。
一方で、早朝すぎるとカタクリがまだ花開いておらず、訪れる時間の匙加減がなかなか難しいところです。

登山口には鳥坂神社があり、そこから「薬師尾根コース」と「城坂コース」の二つに分かれます。どっちから登るかは好みかと思います。

展望がより良さそうな「薬師尾根コース」を登り、「城坂コース」を下りにしてみました。

鎌倉時代末から南北朝時代にかけて、この地には「坂戸城」があったとされ、登山道に歴史の気配を感じます。江戸時代には廃城となり、その後は信仰の場として、参道のような役割へと姿を変えていったのではないかと思われます。

そんな山の歴史のウンチクは賞味どうでもよく、さっそく桜が綺麗です。


新潟の山沿いは冬に豪雪となるため、関東の平地に比べて 2~3週間ほど遅れて満開を迎えます。

急坂を桜の根っこに足をかけながら登っていきます。

等間隔に配置されている仏像が、何らかの意図があるんだろうけど、それがわからず不気味。

登山口を出発してから10分ほどで、地面が紫色に染まったカタクリの群生地に到着します。

まだ、太陽の光が届かない時間で、花が開いているのは僅かでしたが、見応えがあります。「プリンス」のステージ衣装くらい目を惹く紫です。

「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」と呼ばれ、厳しい冬を越えて春先に花を咲かせます。世界屈指の新潟の厳しい冬を耐えた、カタクリは面構えが違います。

春を告げる花のヘッドライナー同士である桜との共演が見れるがポイント高いです。

カタクリの密集度が高いし、ロープが貼られているので、この場所は人の手が入っていると思います。ただ、この先もカタクリは至る所で見れるので、先へ進みます。

合目を区切る看板が立っている丁寧なコースです。

有数の米どころである南魚沼の街が見えます。山はまだたっぷりと雪を蓄えています。田植えは後1~2週もすれば始まるのかな?

1時間弱で短時間で登れる山ですが、角度は急なので、足腰を求められます。地元のランナー?が何往復もしていて、トレーニング場所でもあるようです。

薄ピンクの斑点がポップな「イワウチワ」が咲いていました。


ツツジやコブシの花も咲いていました。カタクリのシーズンが終わっても、花の彩は終わることがなさそうです。

6合目をすぎると展望がより良くなってきます。六日町(むいかまち)の中心地と信濃川が見えます。

日当たり良好な道を息を切らしながら尾根道を登ります。ただ、夏は日差しが厳しそう。

標高500mまでは急斜面のせいか、標高の割に高度感が凄い。

一瞬も滑らかになる区間はなく、最後の最後まで厳しいコースでした。
城趾残る坂戸山頂上、八海山の大展望

坂戸山の頂上に到着しました。
標高634mは「スカイツリーと同じ高さ」とよく言われますが…スカイツリーは建造物の高さなので、厳密には同じではないです。が、それは野暮か。正論は時に正しいとは限らない。

頂上からの眺めの中で、ひときわ目を引くのが八海山(はっかいさん)です。日本酒で高い知名度があり、ブランド力の高い山です。言葉の響きが、とても美しいと思ってます。
一度登っていますが、かなりデンジャラスなコースです。

かつて城があった名残なのか、山頂は広く平らです。山頂収容人数が多めです。

一段高い場所に神社がありました。扉を開けてお参りしておきました。

山頂の奥に「大城・小城」とあったので、往復するのに時間もそれほど掛からなさそうなので行ってみることにします。

道幅細め、展望よしの稜線を進んでいきます。

一部、雪を踏む場所がありました。


樹林帯の中に入ると、野生のカタクリが群生していました。
朝日だけが当たるような木陰が、カタクリにとってベストな環境のようです。テレビではあまりみたいけど、劇場では人気の芸人のような存在。

樹林帯を抜けると、おそらく「大城・小城」と呼ばれる場所に出ました。ここにも城があったのかはわかりません…。

この場所からも展望が良く、群馬と新潟の上越国境上の山々を見渡すことが出来ました。苗場山、巻機山などなど。

ミネザクラが咲いていました。

ステレオタイプなオタク口調の4人組がキャッキャしてたのが印象的でした。美少女キャラのTシャツの写真を念入りに撮影していたので、ネットの片隅で公開されているかも。

行かなくても良かったかなと思いましたが、離れた場所から坂戸山頂上を眺めるのには良かったかもしれません。
野生のカタクリが無限に続く城坂コース


それでは、帰りは「城坂コース」で下山します。

頂上から少し下った場所に、八海山のベストビュースポットがあります。

薬師尾根コースと比べると、こちらのほうが少しだけなだらかに感じます。登りの負担を抑えたい場合は、このコースを登りに選ぶとよいと思います。



こちらのコースは登山道の脇に、呆れるくらいカタクリが咲いています。角田山、佐渡ヶ島の登山でも思いましたが、日本海側はカタクリの量が圧倒的です。


展望の開けた斜面を、つづら折りで整備されたコースです。てっきり樹林帯かと思っていたけど、こちらも展望が良いとは…。

雪渓が残っている区間もあり、アイゼンを持っていなかったため、転倒しないよう慎重に下りました。登りでこのルートを選ぶ人が一定数いるのも、こうした理由からかもしれません。

景色の抜けの良い場所で咲くカタクリを見れるのは珍しいかも。

麓付近まで降りてきました。軽く50人以上とはすれ違ったので、やはり春は人気なんですね。

あまり通行があるとは思えない作業道路に桜並木がありました。


ポツポツとですが雪割草が咲いていました。

「上田五十騎発祥之地」という石碑が立つ場所まで降りてきました。
坂戸城を拠点とした上田衆が、上杉景勝の直臣団として結集した起源の地だそうです。よくわかんないけど、五十騎もいたら、有能なのは4~5人だろうな…。


立ち並ぶ桜の下にカタクリが群生していて、もう春すぎて滅!状態(?)になっていました。



駐車場に戻ってきました。周回して3時間18分の登山でした。

新潟の登山口で見かける詩の看板がありました。他には巻機山、平標山なんかで見たかな…。誰が設置して、全部でどれくらいあるんでしょう。まあ、あまり興味はないけど。
天地人のロケ地らしい桜満開の銭淵公園



坂戸山登山口から近くにある銭淵公園(ぜにぶちこうえん)に移動しました。桜が見頃を迎えていて、「観桜会」という桜まつりが開催されていました。

子供が遊ぶ遊具とかはないので、公園というより日本庭園に近いです。100本以上の桜が植えられています。

大河ドラマ「天地人」の舞台になったようで、その像がありました。
バカでかい「愛」の文字が付けられた兜をかぶった妻夫木を見て、日本文化を理解していない外国人監督が撮ってる?と思った記憶があります。

公園からは先程まで登っていた坂戸山が見えます。天から地まで歩いてきたという意味では、登山者は天地人かもね。なんてね。




駐車場は満車でしたが、敷地が広いため、都内のように足の踏み場もないほどの混雑ではありませんでした。絶妙な賑わい。


池から池へと小川が流れていて、水辺に水芭蕉が咲いていました。

登山口から近いし、桜も見事で、訪れる価値ある公園でした。
長岡生姜ラーメンと魚沼産コシヒカリおにぎり

公園から少しだけ移動して、「らーめんヒグマ」にやって来ました。新潟だけのローカルチェーン店です。

新潟五大ラーメンの一つ「長岡生姜ラーメン」が、看板メニューです。胃の中に醤油が染み込んでくるようなビジュアルに食欲がそそられます。


ピリッと効いた生姜と優しい甘みのスープが最高の飲み心地でした。冬にスキーをした帰りとかに食べるとよりウマいんだろうなーと。

ラーメンも良いですが、南魚沼といえばコシヒカリです。「うおぬま倉友農園」におにぎりを買いに来ました。

このために、クーラーバックを持参してきました。ラーメンでお腹いっぱいなので、家に帰ってからのお楽しみです。
三台峡谷の一つ清津峡、謎アート見学

午後、ずっと訪れたかった「清津峡(きよつきょう)」にやって来ました。市街地からは40分~50分くらい山道を走りました。


清津峡は入場料が必要で、事前予約が必要です。そこまで混んでない感じでしたけど。

清津峡渓谷トンネルは全長750m、往復で30~40分の観光地です。トンネル内は色が変化する演出になってます。


清津峡は長野・富山県の黒部峡谷、三重県の大杉谷と共に三大峡谷の一つです。登山観点で言うと、清津峡は一つ格落ちな気はします…。清津川を歩く「トレッキング湯沢1」というコースがあるようです。
まぁ、個人的には観光して、三台峡谷制覇ということで!


部分的に現代アート的な模様になっています。写真映えするからか、デートスポットになっているみたいで、若いカップルが多いです。こんな山奥なのに…。

清津川と言えば思い浮かぶ、写真でもよく見かける最奥部の、床に水が張られたポイントに到着しました。

雪崩とる…。
と、風景2割減でした残念。ちなみに、水の高さがない端っこを通って奥まで行って写真を取ります。なので、結構待ちが発生します。

リピートはないと思うけど清津峡に満足し、新潟県民がこよなく愛するアイス「もも太郎(イチゴ味(りんご果汁))」を食べて帰りました。

自宅に帰ったらさっそく魚沼産コシヒカリで一日を締めました。神楽南蛮、ふきのとう味噌が美味しかったです。
登山を終えて

標高は1000m未満ながら展望に恵まれており、特にカタクリのシーズンにはそのポテンシャルが一気に開花する山だと感じました。近くに標高の高い山々が連なるおかげで、いわば「虎の威を借る狐」のように、実際の標高以上に大きな山に登っている感覚を味わえます。

コースタイムは約3時間と短めですが、展望・花・変化に富んだコースと要素が詰まっており、名低山として全国ランキング入りしてもおかしくない一座だと、勝手ながら思っています。


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