9月中旬に神奈川県川崎の京浜工業地帯の夜景クルーズに行ってきました。
数年前から流行し始めた工場夜景。その知名度は上がり写真集まで発売されるようになりました。今までマニアックな世界が、一般にも浸透するようになり都内近郊で、ツアーが毎週のように開催されるほどになっているようです。
まだまだ暑さが引かない熱帯夜の夜に、ディープな世界を旅してきました。
越後駒ヶ岳の夏山登山を最後に2週間に渡る長期的な風邪にかかっていました。咳と鼻水が止まらず、一度治ってはまた再発を2度繰り返しました。
特に鼻水がひどく、ティッシュ箱を1日に2箱を消費していたほどです。
登山は全くできず、病み上がりに登山仲間のレジェンド氏の誘いを受け、この工場夜景ツアーに参加しました。
集合場所はみなとみらい線の日本大通り駅。
ちなみに平日、会社帰りの集合です。
駅から大さん橋ふ頭まで歩きます。
この日は熱帯夜で、半袖一枚で十分なくらいの気温でした。
お台場にあるビックサイトの偽物みたいな形の建物を目印に向かいます。
ふ頭ビルに到着。
すでに夜景クルーズの乗客がエントランスホールで待っていました。
チケットは3500円。
飲み会を一回ケチればなんてことない金額ですね。
夜景クルーズの小型船舶。
救命胴衣の着用は義務です。
中と外に席がわかれていて、座る場所は自由。8人のグループだった自分たちは内部を占領。
ちなみにお酒やお菓子は持ち込み自由。船内でビールが売っていたりします。
20時に船は出発。
遠ざかる横浜。
内部には自分たちしかいなかったので、自由に動きまくりで忙しい。
山のようなはしゃぎっぷり。
更に遠くなる横浜。
JR鶴見線の海芝浦駅。だったと思う。
東芝の社員と関係者だけしか改札を通過できないらしい。海に面している駅のため、一般の撮影スポットとして人気らしい。
船は工業地帯に入っていく。
タンクがつまったところ。
ウルトラマンの世界であれば真っ先に踏み潰されて爆発しそう。
火を吹き上げる鉄塔。
血管のように張り巡らせたパイプラインが外灯の明かりに照らされてその光景がたまらない。
停泊中の船。
大型貨物船というのだろうか。
煌々とライトがついているので何かの作業中らしい。
さらにディープなエリアに突入していく。
船の運転手が解説を交えてくれるのでわかりやすい。
窓から眺めたり、時折速度がゆっくりになる場所では甲板にまであがってよかったりする。
瓦礫の山。
夜の猫の集会のように置かれたクレーン車。
このワクワク感はどこから生まれてくるのか謎です。
全てに役割があるであろう無数のパイプ、赤や黄色に点灯しているライトの数々、螺旋状に続く階段。
何が製造されているか想像がつきません。
日中は何百という会社の何十万人という人が働いている工業地帯。
みな口を揃えて言うのが、97年に発売されたプレイステーションソフト「ファイナルファンタジーⅦ」に登場した舞台である「魔晄炉(まこうろ)」に似ていると…。
ソフト発売当時は、最新のコンピューターグラフィックスに感動したもんだ。
メラ!
あ、ゲームが違う。
何かを生成する過程で出る廃ガスを燃やし続けている。
一度、工場見学しないとこういう知識が付かないな…。
景観のためにデザインされ造られたのではなく、生産するための合理的に造られた施設なのに、ここまで美しく感じることが不思議でならない。
富士山のように眺めると青く白く美しく見えるが、その山肌に立つと岩石でできた荒々しい醜い姿と同じような理屈なのかも。
ここで働いている人達は労働の場であり、ラインを間違えると危険に脅かされるという場所だと思われる。
船に取り付けられた大型のクレーンが何かの荷を運んで、ジョウロのようなものにその荷を落としている。
この仕事をしている人はどういう経緯を経て大型クレーンを操縦しているのか想像もつかない。
横浜ベイブリッジをまさか潜る日が来るとは…。
開通当初に車で通った時は興奮したもんだな。大黒ふ頭の売店で、クールミントガムのジャンボサイズを買ってもらった記憶が蘇る。
工場夜景クルーズのツアーは21時半を持って終了。
赤レンガ倉庫の裏手のステージで何かのリハーサルをしている模様。
翌日はスピッツのコンサートだったらしい。
横浜に帰港。
帰りはぐるっと横浜の夜景を楽しみながら。
潮風にあたったからか、汗ばむような熱帯夜だったからか、少しベトついた体。
あまりにも巨大で一体どのように自分たちの暮らしに関わっているのか想像ができません。単純に工場の夜景が綺麗という感想で終わらず、日本を支える重要な臓器の一部ということがわかり、とても良い社会勉強になりました。
日常でありながら、非日常のような空間を楽しんだ平日の夜でした。
コメント
あ、これ行きたい。うちの会社のキラキラも見えるかも(笑)
>booon38beeさん
平日の夜にいいですよね・3・
そういえば工場地帯走ってる路線は鶴見線でしたね。是非、企画をば。