patagoniaは登山がメインのアウトドアブランドであることは間違いないが、patagoniaで決めている人を山で見たことがない。
去年(2020年)、昭和レトロブームの影響なのか、羊みたいな質感のフリース(クラシックレトロXジャケット)が流行っていた。patagoniaを模した製品のオーバーサイズを着用したティーン女子が、駅前に必ず複数人はいた。
どちらかというと、patagoniaはタウンユースで着こなしている人の方が多い印象が個人的にはある。
私がpatagonia製品で唯一持っているのがR2ジャケットという製品。
これは、patagoniaの代名詞的なアイテムで、薄すぎず厚すぎない丁度よいフリース。表面の起毛がフワッとしていて、お金持ちが飼っているワンちゃんを撫でているような触感がある。
登山の停滞中や移動中の着用率が高く、手放せないフリースだった。しかし、山小屋のストーブに当たってしまったかは不明だが、いつのまにか背中部分の2か所が溶けていて、穴が開いてしまったのだ。
「まぁ、背面で目立たないし…」と、しばらく気にしていなかったが、度々、後ろを歩いていてる人から「穴、空いているよ」と指摘をもらうことがあった。「そりゃ、お尻だし穴くらい空いてるさ」と、寒いアメリカンジョークを返してはいたが、頻繁に着るものだし、いつかは修繕に出すかと考えていた。
たまたま、patagoniaで修理サービスの割引キャンペーンをやっているのを発見した。所要があったこともあり、渋谷店に持ち込むことにした。ちょうど、1ヶ月限定らしいが、1階が中古を販売する限定ショップがオープンしていた。アパレルの路面店が、ブックオフみたいに中古商品を販売するのは珍しいが、アメリカじゃ珍しくないそうだ。
社会的なキーワードになっている「SDGs」の取り組みだろうか。まぁ、「SDGs」って使いたいだけで、よくわかってないんだけども。
「修理は急進的な行為」
patagoniaって全体的にGoogle翻訳そのままみたいな表現をする。一角には、修理スペースが設置されていたが、私のフリースは工場送りになるようだ。見積価格はキャンペーン割引もあって1056円と、目を疑う破格で、しかも自宅への配送料が無料。実家のお母ちゃんに修理を頼んでも、送料だけで軽く超えてしまいそう。そして、フリースの修理はさすがにできないだろうけど。採算度外視していて、逆に不安になる。
購入から9年以上経っていて、既に販売していないカラーにも関わらず、生地がストックしているらしい。
「必要ないモノは買わないで。」
これを小売店が発言しまっていいんだろうかとは思うが、社会変化のうねりは徐々に始まっているようだ。アウトドア趣味の人が自宅に専用部屋を作り、アウトドアの道具をズラリと並べている光景に憧れたりしたものだ。しかし、将来的にはそんな物質主義的価値観が、ダサいと言われる風潮になっていくのかもしれない。
環境を考えて…という高い意識はないものの、時代に併せて賢い消費者になりたいところ。
ちなみに8月末に依頼して、10月中旬頃の発送なので、修理が混みあっているようだった。でも、本格的にフリースを使う時期になんとか間に合いそうだ。
patagonia渋谷店の近くにクラフトコーラ専門店「伊良コーラ」があったので立ち寄ってみた。コーラって砂糖の塊みたいなイメージだったけど、改めてスパイスと果実の味なんだなと再確認できて、爽快感も段違いで美味しかった。
そして、後日フリースが返送されてきた。補修箇所を見てみると穴が塞がっていた。よく見るとゴワゴワしているが、ぱっと見で「穴空いているよ」と指摘されることはないだろう。
裏面を見ると補修用のパッチが当たっていた。
すでに廃盤カラーのモデルだが、デッドストック生地を保管しているんだな。
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