
2023年8月13日
鳥取県の伯耆大山(ほうきだいせん)に行ってきました。標高は1729mです。
中国地方最高峰で、日本百名山にも選ばれている名峰。きれいな円錐形の山容から「伯耆富士」とも呼ばれていて、ブナ林の登山道や山頂からの日本海の景色も魅力です。

前回訪れたのは2015年の冬で、雪のない季節にも来てみたいと思っていた山でした。
雪に覆われた伯耆大山は剣ヶ峰の景色など迫力満点でしたが、やっぱり本来の姿は緑豊かな季節にあるはず、と思っていました。
今回は山陰旅行に組み込み、猛暑日で35度を超える中の登山。とはいえ山頂は涼しい別天地で、快適な山上と灼熱時刻の麓、対照的な世界を旅してきました。
伯耆大山 日帰り登山
コースタイム
- 6:34夏山登山口
- 7:59六合目(避難小屋)
- 9:01~9:38大山頂上
- 12:00行者登山口
行動時間は5時間26分でした。
早朝の気温が低いうちに夏山登山口から大山へ

早朝、前泊した大都会・米子市内から大山に移動します。朝日に輝く大山が際立ちます。

3日間、石見銀山・出雲大社・鳥取砂丘と巡り、いよいよ大トリの大山です。前日に訪れた炎天下の砂丘は砂が熱すぎて、サンダルでは歩くのがつらく、砂漠の恐ろしさを体感しました。

6時すぎの大山駐車場は既に車がいっぱいでした。

大山寺の参道を進みます。山頂へはルートが2つありますが、コースタイムの短い夏山登山口を目指します。

登山口のすぐそばにあるモンベル大山店。こんな場所にあって、気軽に買いに来るのは大変そうだけど、山陰では“大山は一度は登る山”という考え方に基づいたマーケティングなのかもしれない。

夏山登山口付近の駐車場は既に満車でした。ここには立派なトイレがあります。

夏山登山口から登山開始です。
夏山とついているけど、冬もここから登ったので、名前の意味はないのかも。

大山頂上までは約2.8km。平坦な道であれば45分ほどの距離ですが、実際は標高差約950mの登山道のため、標準コースタイムは約3時間です。

現在も山岳信仰が盛んな山のため、麓には仏像や石碑が点在しています。


大山1合目は標高900mです。
海抜0mと比べると5~6度低いはずですが、既に暑く半袖です…。もう8月は登山する気が起きないです。この日、麓の米子市の気温は35度です。

1合目からしばらくは、面白みゼロの階段が続きます。



何も覚えていない二合目~四合目は、単純労働登山道です。
まだ木々が日差しを遮ってくれていますが、風がなくて汗だくです。

標高1200mを超えました。中国地方では、この標高を超える山は数えるほどしかなく、中国地方ではかなりの高い場所になります。

木々の隙間から展望が見え、日本海の海岸線が見えます。

大山五合目まで来ました。
暑さによる疲労で、写真を撮るのもお座なりになってます。

「行者分かれ」の分岐です。大山寺方面の登山口からの合流地点です。
こちらは下りに利用します。
大山六合目から展望が広がり、日本海の大パノラマ


大山六合目に到着しました。
避難小屋があり、展望が開けていて、多くの登山者が、長めの休憩を取るポイントです。

大山の稜線が見えるので、ここでようやく大山を登っている実感が湧きます。

大山は実質の頂上である弥山(みせん)、最高峰の剣ヶ峰、三鈷峰(さんこほう)などの山で構成されています。
「大山」って山はなく、実は概念なんです。八ヶ岳とか、赤城山とかもそうだけど。

米子〜鳥取の海岸線は国道9号線が走る大動脈です。一直線の海岸線は、大山の土砂を波がならしてできています。なお、この周辺は作者の出身であるため、「名探偵コナン」の推されっぷりが凄いです。


六合目から植生が変化し、低木へと変わってきます。太陽の日差しが暑い、むしろ痛い!!

七合目は見逃し、八合目です。

展望の範囲が一気に広がります。

米子市の街も見え、山陰地方にくっついている「ストラップ穴みたいなとこ」が見えます。

条件が良いと年に数日、日本海上に浮かぶ「隠岐の島(おきのしま)」が見えるようです。興味あるけど、行くことあるかな…。

鋭く切れ落ちた大山・剣ヶ峰が見えてきました。緑に覆われた斜面と、むき出しの山肌とのコントラストが印象的です。
これは火山由来の地質と過酷な自然環境によるもので、現在も「崩壊」が進んでいます。

「大山はいつか崩れてしまうのか…」と思いつつも、それは何世代も未来の話。

標高1600mまで来ると、暑さも和らぎ、涼しさを感じるようになってきます。また、高山らしい雰囲気も出てきました。

高度が上がると、弧を描く海岸線が見えます。これは「弓ヶ浜」です。
大山から日野川へ流出した砂が海流で運ばれてできた巨大な砂州です。さらに江戸時代以降、上流の「たたら製鉄」に伴う大量の土砂が流出したことで半島の形成が加速。

漁港として有名な境港(さかいみなと)は天然の良港で、外洋から守られる場所にあります。
とても、興味深い地形です。下山したら海鮮を食べねば…。
植生保護の木道、真夏に冷涼な風が流れる天空散歩

大山がもたらす地形変化に関心を示していると、頂上手前の分岐に差し掛かりました。

ここからは、デリケートな植物を守るために整備された木道を歩いていきます。
昭和40年代の登山ブームの時期には、多くの踏みつけによって山頂が一時「砂漠化」してしまったようです。

8月中旬なので、花の最盛期は過ぎていると思いますが、「ハクサンフウロ」が咲いていました。


大山九合目に到着です。遠くには山頂が見えて、今まで比べて格段に緩やかです。

標高1,700mともなると、下界が30℃を超える真夏日であっても、山頂は20℃前後。春先のような爽やかさです。中国地方で一番涼しい場所がここです。

山頂まであと200mまで迫りました。

「ガクアジサイ」が咲いていました。

頂上避難小屋が見えてきました。山頂はすぐそこです。

振り返ると高度感がすごいです。とても、標高1700mとは思えない…。

頂上まで木道が続いていて、頂上自体も木道の踊り場のようになっています。
中国地方最高峰、大山頂上の弥山

9時6分に大山頂上・弥山(みせん)に到着です。
夏山登山口を6時半に出発したので、2時間半かかりました。しかし、中国地方最高峰とは思えないシンプルかつポップな山頂碑だな…。
ちなみに、ロープの奥に人いますが、白昼堂々と立入禁止の看板を無視してる関西人です。

山頂で飲む「白バラ牛乳」は美味しい。
大山ブランドは関東圏まで広く浸透していて、「大山ハム」などの加工肉や「大山どり」などの特産品が有名ですよね。

(ルールを守れば)山頂からの展望は海側である北側の景色の方角です。

大山から広がる水平線の風景は雄大で、遠方から訪れる価値は十二分にあると思います。海と街が近く、標高1700m以上とは思えない景色です。

大山頂上は自由な移動はできず、登山者の入れ替えが激しく、長居する場所じゃないので下山を開始します。

避難小屋に立ち寄ります。
真冬にこの小屋に宿泊し、朝焼け山頂写真を狙うマッドなカメラマンがいるとかいないとか。

避難小屋の中には売店があり、軽食やドリンク、大山グッズが販売されていました。

登山者が快適に楽しむためには、こうしたグッズの収益も大切です。アーティストのコンサートがグッズで支えられているように、登山にも“推し活”の意識を持つべきですね。
ネット販売しているインフルエンサーのグッツは買わないでよいです。

避難小屋から9合目までは周回できるコースなので、登りとは別の木道ルートを歩いてみます。

雪解けの6月くらいだと、この周辺は花が咲くのかな?

「鳥取と島根のどちらが東か西か」日本人の95%が理解していません。
しかし、大山山頂からの景色はその疑問を綺麗に解消してくれます。西側に目を向ければ、島根県の松江やしじみの宍道湖までを見渡すことができ、2つの県の位置関係が刻まれます。

植生が剥げている斜面は地すべりの後遺なのでしょうか。荒々しい地形が残る一方で、緑が少しずつ戻りつつあり、自然の自浄作用を感じる光景です。


大神山神社奥宮(または大山信仰)の山頂の拝所である「石室(せきしつ)」があります。大正9年(1920年)に夏山登山口が整備されて、避難用として作られたようです。


雪のない大山山頂も素晴らしいコースでした。再び、一本道のコースと合流して、下山します。

六合目の避難小屋まで降りてきました。標高下がると、暑い暑い、暑い!
行者登山口へ分岐、北壁の眺めと大神山神社

この暑さの中、少し長くなるコースを選ぶのを迷いましたが、行者コース(大神山神社方面)へ下ります。

夏山登山口のコースより険しい印象です。この頃になると暑さでヘトヘトでうろ覚えです。

水は流れていないけれど、河原のような場所に出ました。砂防ダムなのかな?
直射日光がキッツイ。


大山の「北壁」を眺めます。遠くから見ると富士山のような円錐形ですが、ここから眺める景観はそれとはまったく異なります。

群馬県の谷川岳の一の倉沢のようで、紅葉する時期に訪れると良さそうです…。元谷小屋があるそうですが、スルーしてしまいました。

暑さでヘロヘロになりながら、神社を目指します。

神社の裏手に出ました。ここで、登山道は終了です。

大神山神社奥宮があります。
霊峰・大山の中腹に鎮座する神聖な社で、大山信仰の中心となる場所です。かつては大山寺と一体の神仏習合の聖地で、地蔵菩薩を祀る「大智明権現」として栄えましたが、明治時代の神仏分離により現在の神社となりました。
歴史は正直「ふーん」ですが、6月の夏山開きに開催される「松明行列」は見てみたいです。

しかし、2023年当時は改修工事中でした。残念。

一応、中には入れますが、内部での写真撮影不可でした。そういえば、奥宮って山頂にありそうですが、崩壊しているから建設できないのかな…。

さて、ここで下山完了ではなく、長い石畳の参道が待ち構えています。

茅葺き屋根の重厚な造りの「神門」は、大山の景観と見事に調和しています。参道の途中にありながら、神聖な領域との境界をしっかりと感じさせてくれます。

あとはチョロいと思っていたのに、この石畳がとにかく下りにくい。歩幅ずれるし、足をぐねりやすい。

やっと、石畳を抜けました。

というわけで、真夏の伯耆大山登山は終了です。真夏の8月はハードでした。


大山参道にはモンベルが運営している「大山参道市場」があります。手広くやってますね。そんなことよりエアコン最高です。

冷えた空間で食べる白バラ牛乳ソフトクリーム。HP:1/100→HP:20/100に回復しました。そして、水を1リットルは飲んだ。

ボンネットで大山どりが焼けるほどの駐車場に戻ってきました。

途中、大山のビュースポットがいくつかあるのですが、1分も外に出たくない…。
「山芳亭」で境港直送の海鮮どんぶりを食べる

大山から移動して、昼食を食べるために「山芳亭(やまよしてい)」に行きました。
なお、食事を優先したので、風呂はまだ入ってないです。

イオンモール日吉津の敷地内にある市場内の食堂です。イオンに市場とは珍しい…。お盆休みのためか、1時間くらい待ちました…。


隣が廃墟空間なのに、店が狭い…。

こちらは「マグロ山かけ丼」です。写真では伝わらないけど、親の敵みたいに脂ののったマグロの切り身が入ってます。1200円前後だったはず。

10種類以上のある「おまかせ海鮮丼」を注文しました。
松葉ガニ、マグロ、いくら、かつお、エビなどなど、「オールブルーは鳥取にあったのか。」と思うくらいの種類の豊富さです。特に、希少な白エビ(もさえび)が抜群に美味しかったです。

ここの海鮮丼は、自分史上でもトップクラスの美味しさでした。鳥取の人は毎日こんなに安くて、美味しい海鮮を食べてるんですね。羨ましいです。

食事のあとは皆生温泉(かいけおんせん)へ移動し、「汐の湯(しおのゆ)」に立ち寄りました。
日本海を一望できる露天風呂があり、海水浴客に混じりながら、大山でかいた汗をゆっくり癒しました。

その後は山頂から見えていた「弓ヶ浜」で、大山を眺めに行きましたが、山頂に雲がかかってしまった…。






その後は、境港で「水木しげるロード」を見て回りました。目抜通りにゲゲゲの鬼太郎の妖怪像が並んでます。

東京へのフライトの時間の許す限りでしたが、楽しめました。むしろ、見どころが多くて時間が足りなかった…。
登山を終えて

崩壊へと向かうむき出しの険しい山肌と、山頂に広がる豊かな緑。冬には雪に覆われて見えなかった景色を目にでき、やはり雪のない季節に登ってよかったと感じました。大山こそ、雪の季節と無雪期の両方を登るべき山だと思います。

しかし、真夏の8月に登る大山はなかなか過酷でした。次は紅葉シーズンの10月下旬ごろに訪れてみたいと思います。ただ、大山だけを目的にするのも少しもったいない気がします。今回で山陰の主要な観光地はひと通り巡ってしまったので、次はもう少し深く掘り下げて訪れる必要がありそうです。
ちなみに、鳥取県の面積に対して大山の割合は4.5%だそうです。大山は名の通り巨大なのです。

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