2013年8月14日~17日
北アルプスの雲ノ平に3泊4日で行ってきました。
富山県を流れる黒部川の源流にある標高2400~2500mの台地です。北アルプスの最深部にあり、どの登山口からも辿り着くことが困難であることから、「日本最後の秘境」と呼ばれています。
今回は、富山県の折立から入山し、周回するコースを歩いてきました。
今回は前後編に分けてお送りし、前編は折立から入山、薬師岳の登山と雲ノ平に至るまでをお送りします。テント泊を初めて2年目、この夏の集大成の旅になりました。
雲ノ平周回 1日目(折立~薬師岳)
そもそも登山口から遥か遠い、富山県の折立へ
北アルプスの「雲ノ平」の名前はよく聞く。
「日本最後の秘境」、「歩いて2日かかかる」、「日本で一番遠い場所」こんなフレーズがついていたら、山を登り始めて少し経験を積んだ者なら憧れないわけがない。しかし、日々の仕事に忙殺される日本人にとって、日数のかかる登山行程は組みにくく、時間が取れたとしても山の連泊は体力と旅費の問題がのしかかるのです。
「雲ノ平に行くのは雲を掴むような話。雲を捕まえたかったら雲取山へ行けばいい。」
そんな言葉は僕が今作りましたが、1ヶ月前までは雲ノ平に行くことなるとは思っていませんでした。
今年から頻繁に登山をしている上様となんとなく計画が立ち上がったのは、2週間前くらいだったと思います。お互いお盆休みが暇だったので、テント泊でどこかへ行こうとなりました。
学習した。
毎回のように諏訪湖サービスエリアで、売店の片隅にある諏訪姫グッツコーナーや諏訪湖の夜景を撮影してもしょうがないということを。
長野県松本ICから上高地方面に進み、岐阜県に入ります。奥飛騨温泉郷を通り過ぎ、岐阜県道484号に入るとそこは飛騨の山奥です。
有峰林道は富山県富山市と岐阜県飛騨市を結ぶ有料自動車道です。この自動車道は6:00-20:00の時間帯でしか解放されないため、ゲート前でしばち待ちました。
自分たちの前の車は静岡ナンバー。よくこんな場所まで来たな。
普通自動車で1800円と高額な値段設定です。
通り抜けるだけでこの料金はもったいないけれど、3泊分の駐車料金と思えば安い気もします。新穂高温泉の駐車料金はもっと取られるそうです。
木漏れ日の差す林道ドライブ。
観光地化されていないので、施設らしい施設は点在するトイレのみ。
有峰ダム。
薬師岳から流れ出す豊富な水を貯めているダムです。いいダムですね。この林道は湖畔沿いをジグザグに進むので、直線距離は大したことないのに時間がかかります。
折立(おりたて)に到着です。
同様に富山県側からスタートした車のほうが若干早く到着できるみたいです。さすがお盆、駐車場は当然満車で路上駐車の列がずらっとできていました。
かなり後方に駐車。
登山口の近くにはキャンプ場がありました。
夕方のうちに到着して、野営する人も多いのでしょうか。林道の開放を待たずに出発できるし。
薬師岳登山口の前のロータリー。
都内から車を使わず来ようとなると、深夜バスで富山に行き、富山から出ている登山者用の路線バスに乗り換えるようです。
戻ってくるのは4日後、登山開始で薬師平を目指す
7時20分。
3泊4日の長い長い旅路のはじまりです。
入り口にはコカコーラの自販機が設置されています。
4日後に戻ってくる時に飲む冷えたコーラはさぞかし美味しいことだろう(伏線)
上高地や白馬方面などの長野県側の登山拠点と比べてしまうといささか寂しい気はしますが、それは大事なことではありません。
多くの人が準備を開始しています。
折立から登る薬師岳や雲ノ平は、日帰りが困難であるため宿泊する装備を持った人がほとんどです。
まずは太郎平を目指します。
かなり年季の入った立て看板で、上部には苔が付着しています。
序盤は樹林帯です。
颯爽とした滑り出しと気合の叫びは、10分後に泣き言に変化していました。2013年初のテント泊が初めての3泊。自分の肩にかかる負担はかつて前例がない。
7月に何度かテント泊をしようと思っていたのですが、台風や悪天に虐げられやれずじまいでした。
太郎坂から北の方角に特徴的な形をしている山がありました。鍬崎山でしょうか。土地勘のない山域から眺める山はさっぱりわかりません。
風の通り抜けない樹林帯をひたすら歩き続けます。
とても地味な道です。
有名な?アラレちゃんが描かれた看板がありました。
こじんまりとしたスペースがあるので小休憩。
アラレちゃんポイントから少し登ると徐々に展望が良くなってきました。
9時5分。
標高1870m地点の三角点がある場所に到着です。太郎平までは標高差400mで、今までより平坦な道に変わります。しかし、薬師岳山頂まではまだ標高差1000m以上を残しています…。
扇子は夏の登山のマストアイテムですね。
日のあたる場所は熱線を浴びじりじり汗をかきますが、木陰に入るとひんやり涼しいです。
珍しく赤いコーディネートをしています。
遠くに剱岳(つるぎだけ)が顔を出していました。
来年、登らないと行けない理由があるので、2014年の7月か8月に登る予定です。
有峰ダムが眼下に見えます。
謎の縞々ポール。
序盤の樹林帯と比べると道幅は広く、平坦で歩きやすいです。しかし、テント泊装備に体が慣れていないので、途中休み休みですけど。
太郎平までのコース上に小屋はおろか水場すらないので、玄人向けの登山道ですね…。
紅葉?
お盆中盤ということで、行程を終えて下山してくる人も多数すれ違います。
心の片隅にうらやましいと言う気持ちが芽生えてしまうのはなぜだろうか。
そして、ついに薬師岳が姿を現しました。
白く開けた山頂、植物が生えていないことがパッと見てとれます。
標高2000mを越えてくると樹林帯はなくなり、高山植物の花が目立つようになります。
8月中旬となると高山植物の最盛期は過ぎており、枯れかけている花が目立ちます。
頂上も見えてきたことだしペースを上げますか!
…とはならないところがテント泊登山という過酷な現状。
ズームして見てみると山頂と思われる場所に小屋のような建物が見えます。
「白馬方面のようにロープウェイがあればな~」
登山口からの樹林帯にロープウェイがあればと思ってしまうのはエゴでしょう。
薬師岳の山頂を見上げるように斜面にびっしりとニッコウキスゲが咲いていました。
薬師岳と呼ばれる山は日本に数多くあるようです。それこそ駒ヶ岳と同じくらいに。
その頂点を極めるのがこの北アルプスの薬師岳。それに見合う貫禄は十分に備えています。
ようやく最初の目的地である太郎平が見えてきました。
あそこまで行ったらもう重い荷物とおさらばだぜ!
太郎平に到着して、キャンプ場にテントを設営する
太郎平に到着です。
いやー長かった。
正式名称は「太郎兵衛平」らしい。
標高は2330mあります。
太郎平の向こう側には北アルプスの奥地の景色が広がります。
3日目に登る予定の水晶岳と鷲羽岳が見えます。わかりにくいですが、二つの山の手前、平らになっている場所が雲ノ平です。
この写真は去年の10月に北アルプス最高地点の奥穂高岳から眺めた景色。
左上のエリアが今回の雲ノ平周回エリアです。去年は目の前に見える槍ヶ岳ばかりに見ていて、雲ノ平エリアは全く意識していなかったです。こうやって一度登るとルートが一つ一つ繫がっていくのがアルプスの醍醐味ですね。
小屋にて炭酸飲料を買おうとしたらまさかの売り切れ。
従業員いわく、お盆ということで物資補給のヘリが飛ばず、北アルプス全域の山小屋で物資不足だそうです。太郎平小屋では軽食堂が営業しています。しかし、売り切れが目立つ。
太郎平は、北アルプス奥地の登山拠点です。
写真の左に行くと薬師岳山頂、正面に進むと雲ノ平、右に行くと黒部五郎岳に続きます。
キャンプ場は太郎平から薬師岳方面へ歩いて10分ほどのところにあるので移動。
薬師岳の白い山頂が青空に映え、とても凛々しい。
道中に池塘がいくつかありました。
太郎平から少し移動すると手前の山に隠れていた槍ヶ岳の穂先が姿を現しました。
ラーメンに乗っているナルトのように、北アルプスになくてはならない山ですね。え、今時そんなラーメン珍しいって?
太郎平から少しくだった場所に薬師岳キャンプ場がありました。既に多くのテントが張ってありました。
みんな到着が早い。
広いキャンプ場ですがお盆ということで既に定員オーバー状態。
ギリギリ良いスペースを確保することができました。
管理小屋が一棟あり、受付の時間は13時ということで少し待つ羽目に…。
これから薬師岳まで登頂しなければならないのに。
「今日登るか?」
「明日登るか?」
で少し議論をしましたが、明日の行程を楽にするために本日中に登ります。既に時計の針は14時を回っています。
重い重いテント泊装備置いていき身軽になったから、きっと楽勝。
キャンプ場から樹林帯に入ると流れ出る沢に沿って登る形になります。
豊富に水が流れているので、汗ばんだ体を洗いました。
樹林帯を10分少々で通り抜けると岩礫帯へ。
水量が豊富なので高山植物が多く見られます。
王道のチングルマ。
薬師平。
立ち入ることができませんが、チングルマがびっしりと咲いていました。初夏に来たら真っ白になっているんでしょうね。
薬師平から少し登るとまさにアルプスという景色が広がりました。
斜面にはびっしりとチングルマが咲いています。
実を言うと、この日の前日から体調に違和感を感じていました。
ちょっと頭痛がするかな?といった症状だったので、特に気にすることもなくこの日の登山にのぞみました。しかし、この登りから身軽にもかかわらず息が切れて、立ち止まっては登るの繰り返しでした。
楽勝だと思ったのに…。
息切れにひーひー言いながら登り続けると山荘が見えました。
薬師岳山荘に到着です。
標高2700m地点にあるこの山荘は建て替えたばかりなのか、とても綺麗でした。
今の時間に登っている人のほとんどはこの山荘に宿泊する人でした…。
山荘の売店で辛うじて売っていたジュース。
「なっちゃん」オレンジ味を購入、一気に飲み干し頂上へ向けて足を進めます。
この時間になると雲が掛かりやすくなるのか、絶望的なくらいにガスに覆われています。
山頂かと思うと次のピークが見える。北アルプス名物の偽ピーク連続攻撃。
しかし、この雄大な山容を持つ薬師岳だからこそでしょう。薬師岳の圏谷群は特別天然記念物に指定されているのだとか。
山頂手前にある避難小屋を通り過ぎる。
避難小屋というより、雨風を凌げる人一人分のスペースの岩室。山頂へ到達してもキャンプ場まで戻らなければならないというプレッシャーとの戦い。
後立山連峰もそうですが、この斜面は滑るから登りにくいなまったく。
薬師岳は今回登った山の中でも一際、山の大きさを感じました。
そして、ようやくガスの向こうに山頂らしき場所を確認。
展望はないけど晴れ間は見える薬師岳の山頂
薬師岳山頂
まさかの16時到着です。登山口の折立を出発してから13時間が経過しています。かなりの鈍足、テント設営、テントの受付順番待ち、体調不良でかなり時間を消費しています。
しかし、ガスに覆われ絶望的な眺めかと思っていたけれど意外と晴れていました。
標高2926m。
折立からの高度差は1410mです。よく登ったもんだ…。
薬師岳から更に北へと続く稜線は、遠く立山まで続いているようです。立山方面から来た大学の山岳部であろう学生軍団がこの薬師岳山頂で精根尽き果てた顔をしていました。地図上で確認するといくつものアップダウンがあり、重装備のテント泊装備では歩きたくない道です…。
山頂に建てられている祠。
窓は日本海側を背に南側を向いていました。
あっぱれあっぱれ。
山頂から下に見える川は黒部川です。
写真では確認できませんが、後立山連峰まで眺めることができました。
日没が怖いので、下山を開始します。
いくら真夏とはいえ、16時30分に下山を開始することになろうとは…。
北アルプスの雲の動きは常に変動しています。登りの時には見えなかった下界の景色が見えるようになりました。
早朝車で通過した有峰湖が見えます。
ガスが晴れ、稜線が見渡せました。
これは爽快。先ほどまで体調不良でグロッキー状態だったのがウソのように飛び跳ねての下山。
帰りも薬師岳山荘でなっちゃんを購入。
小学生くらいの歳の姉弟が売店の切り盛りをしていて可愛らしかったです。
チングルマの花がふさふさした状態。
薬師岳テント場に再び戻ってきました。
これから後3日間も行程を残しているのに、初日からこんなにへとへとで良いのでしょうか…。
夕食は簡単に肉と野菜を炒め、なんでも美味しくしてしまう「宮のタレ」で頂きました。
陽が当たっているは暑いくらいですが、夜は急激に冷え込みますね。
薬師平キャンプ場は窪地にあり、テント場の正面からは黒部五郎岳が見えるくらいで樹木に視界を遮られています。
最終日に黒部五郎岳に無事登頂できているのか…。
夕飯を食べ終えた後はぐっすり眠りにつきました。
雲ノ平周回 2日目(太郎平~雲ノ平)
北アルプス周回2日目。
本日も快晴です。
Tシャツ一枚でもちょうどいいくらいの気温です。
テント場から少し離れた場所にある水場。
10秒以上手を入れてられていられないくらいに、冷たい水が絶え間なく湧き出しています。
テントを撤収。
キャンプ場から少し登り、再び薬師平に戻ってきました。
「相棒、ここで下山したら間違いなく幸せなまま帰れるぜ。」
「仕方ないさ。そこに冒険という宝が待っているのなら。地獄にだって足を踏み入れるさ」
太郎平から薬師沢へ、かなり急な下りが続きます。
薬師平から薬師岳を一望する緑豊かな風景は、日本のものとをは思えない自然に満ちたものでした。
さらば太郎平。
戻ってくるのは2日後の未来だ。見えるぞズタボロの状態で足取りが覚束ない姿が。
見えにくいですが、これから目指す雲ノ平は正面に見える台地。
果てしなく遠くに感じる。
薬師沢まで降りると木道が整備されていて、非常に歩きやすい道でした。
水の豊かな一体なので、植物園のように花が咲いています。
多少のアップダウンで苦しめられながらも、少しづつ近づく沢の音がこの旅一番の安らぎを与えてくれた場所でした。
薬師沢の水はとても冷たく、日本海へ流れ込む源流です。
この道はなだらかで本当に良かった。
良かったのはここまで。
薬師沢小屋に到着。
正面に川が流れているので、清流の音が轟々と響いています。たぶん、小屋の中まで筒抜けなのでしょうが、それがとても心地よさそうな山荘です。
トイレを利用させてもらいましたが、見た目からは想像できないくらいに清潔でした。
小屋正面のデッキはこんな感じになっています。
吊り橋効果を狙って山ガールを待ち伏せするも一向に現れる気配がなかった。
釣りを楽しんでいる人がちらほらいました。
こんな奥地で釣りをする人もまた下界では変わり者と呼ばれる人の一人でしょう。しかし、この空間でじっとしていることができる時間はとても有意義そうです。
この吊り橋をは言わば黄泉の門。
雲ノ平へと続くです。
吊り橋を渡り切ると沢に沿って、アクロバティックなコースに変貌を遂げます。
テント装備での梯子の昇り降りはきついったらありゃしない。
地図上でこのコースを見てもらえばわかります。等高線がびっちり詰まり、距離は短いのに2時間というコースタイム。
ストックが邪魔になるくらいに傾斜がきつい登り坂です。
2時間も代り映えのしない樹林帯の道がずっと続き、4日間のうちで最もきつかった道であることは間違いありません。
北アルプスの持つ雄大な光景やじっとりとした原生林の雰囲気は全くありません。
2時間後。
ぐったりです。エネルギーをすべてを使い切りました。
登り終えたら展望が開けるのかと思いきやハイ松地帯。しかし、道は平坦なので歩きやすいです。
「アラスカ庭園」
雲ノ平には8つの庭園があります。
日本庭園、奥日本庭園、スイス庭園、奥スイス庭園、ギリシャ庭園、アルプス庭園、アラスカ庭園、祖父庭園。名称のつけ方は突っ込みどころ満載ですが、それぞれ植生に特徴があるようです。
このアラスカ庭園は西端にあり、シラビソ林がアラスカっぽさがあるらしいです。
「そ、そうだね…。」
午後になると上空に雲が登ってきました。
目指す雲ノ平の中心部はまだまだ先で、豆粒のように山荘が見えました。
「奥日本庭園」
8庭園のうちの一つ。ハイマツ帯が日本的らしいです。
「そ、そうだね…。」
8つの庭園すべてを巡る気力と体力はなく、見ることができたのは2つのみ。
「これか!」って要素があるわけじゃないので期待しないほうがいいです。
雲ノ平は火山である祖父岳(じいだけ)の噴火によって形成された溶岩台地なので、火山岩がごろごろと転がっています。
岩石と高山植物群の景色は火打山(ひうちやま)に似たものを感じました。あの時も地獄を見たけど。
ようやく豆粒に見えていた雲ノ平山荘が目の前に。
雲ノ平山荘に到着です。
途方もない長さでした。
雲ノ平山荘では、11:00~15:00頃まで食堂が営業しています。
内装がとても北アルプスの奥地にあるとはとても思えない綺麗さでした。
ノートパソコンと立派なオーディオ機器でBGMを流しちゃったりしているし。
携帯の電波は当然入りません。
雲ノ平山荘の手作りカレーを頂きました。
大き目の肉がごろっと入っていて、びっくりしました。味はスパイスが効いていて、ちょっと辛目でした。水が有料なのに…。
売店ではやはり炭酸飲料は売っておらず、野菜ジュースを購入しました。
雲ノ平キャンプ場…。どこだよ…。
というわけで、山荘からキャンプ場までまだまだ20分の道のりを残しています。
カレーを食べ終えた後、受付にて幕営料500円を支払いました。
そして、ここからが雲ノ平らしい秘境の花畑。
コバイケ草の大群生です。
コバイケ草は珍しい高山植物ではないので、白山、白馬岳、鳥海山などでさんざん見てきました。
しかし、雲ノ平のコバイケ草は、山に自生しているというわけでなく、人の手によって植えられているかのような気さえします。
明日、目指す水晶岳はガスの向こうに岩々しく君臨していました。
雲ノ平キャンプ場に到着した時には、いい場所がほとんど埋まっていたため、結構厳しいスペースに設営しました。
地面濡れていてべちゃべちゃでした。
2日目のディナーはミートソーススパゲティとウィンナーで、雲ノ平への急坂で減ったスタミナを補給しました。
その後、疲れた体を癒すべくテントの中で携帯スピーカーで音楽を流し、小説を読みながら過ごしました。雲ノ平をつづんだガスはそのうち小雨をもたらし、テントを打つ雨滴の音を聞きながら眠りにつき2日目が過ぎ去りました。
雲ノ平周回(前編)を終えて
「天に昇るためには地獄のような苦しみを味わえ」とよく言ったものです。
地図に理想を描いても、現実はいつも厳しいものです。
雲ノ平がメインの旅なのに雲ノ平のシーンが極端に少ないのは仕様です。
雲ノ平を散策して写真を撮りたかったのですが、2日間の疲れ(特に雲ノ平への急坂)で、テント設営後は中で死んだように横になっていました。なので、雲ノ平について詳細に書けないのが心残りです。
2日目のコースタイムは6時間ちょっとで、4日間のうちで一番短いと高をくくっていたのに…。まだまだ修行が足りませんね…。
しかし、1日目の薬師岳は想像を越える素晴らしい山でした。長野県側の山と違い、手つかずの自然を感じることができました。
さて、後編はさらに北アルプスの最深部を目指します。
3日目は水晶岳と鷲羽岳を登り黒部五郎岳へ、4日目は黒部五郎岳を登り下山します。
後編へ続く。
※コース紹介や追記は後編を書き終えてからまとめて修正します。
コメント
初めまして。登山記録100回おめでとうございます。
毎回楽しく読ませていただいています。予告編が出てからいつアップされるのか毎日チェックしていました。綺麗な写真や興味を引くコメントを見て実際に行った気分になり、いつか自分も体力と技術を身につけて同じコースを登ってみたいと思います。後編も期待しています。
>yamaboさん
初めまして!
コメントありがとうございます。
登山記録を100回達成したことは、まるで成長していないということです。
登山雑誌に載るような役立つ情報を提供できているわけでないのですが、等身大の登山をお伝えできれば思っています。
自分は体力と技術はありませんよ?
あるのは、その山を誰よりも楽しもうと思う邪な気持ちだけです。
いやー、すごいとこに登ったもんですね。写真を見て思いましたが、やっぱり僕は夏山が好きみたいです。
そして僕は今年はあの三つ峠が登り納めになってしまうかもです。(先週末は川苔山に行けませんでしたw)
>だのんさん
コメントありがとうございます。
夏は夏で暑いからこりごりで、早く涼しくならないかなと思っていましたが、今では暑い夏が恋しいです。
川乗山行けませんでしたかー。残念ですね。まぁ、行きやすい山ですし…。
三つ峠の記事をアップできるのはいつになるやら…。
来年もよろしくお願いします。
いやはや、雲の平いかれたのですね!やはりご健脚ですね!
私もいつかは行ってみたいのですが、テント泊装備での長い距離を登ることを考えるといつも二の足を踏んでいます(笑)
でもVeryBlueさんのブログを見てますます行きたくなっちゃいました♪来年のお盆にでも計画してみます。でも劔岳や槍穂縦走も行ってみたいし、雲の平ブログ後半を参考に決めたいと思います(笑)楽しみにしてます!
>あっきーさん
白馬、鳥海に続きコメントありがとうございます。
雲ノ平行ってきましたよ。去年のうちはまったく予定に入ってませんでした。
この旅で少しは成長できたかもしれません。ただ、後編にも書きますが、3泊4日はなかなか無茶な旅でした。ただ、この無茶をできるのも今のうちと思って乗り切りました。
剱岳は来年マストな予定なので、かならず登頂します。
槍ヶ岳こそ今年に行こうと思っていましたが、なんだか最後の最後にとっておくのもありかなと考えるようになりました。
楽しみにしていただけて幸いです・w・
veryblueさん、いつも私のつたないコメントにご返事頂きありがとうございますm(_ _)mveryblueさんの男体山の記事からこちらを読み始め、焼岳でスッカリハマっております。遅れましたが100回目のブログおめでとうございます。これからも色々な登山を楽しみにしております。劔岳、計画されているのですね。veryblueさんは扇沢からまったり満喫コースでしょうか?私は交通費と時間になかなか余裕がないので早月尾根日帰りを考えています。もし山頂でveryblueさん御一行に遭遇できれば最高なのですが♪
>あっきーさん
いつもコメント頂きありがとうございます。
2012年と2013年は登山に時間を捧げたので、来年は少しペースを落とし、他のことにも挑戦する年にしたいです。
まだ具体性はありませんが。
剱岳を日帰りとはすごいですね。
今のところ自分も早月尾根を考えています。
立山はテント泊でのんびり過ごすのがよさそうなので。
来年も北アルプスや東北をのんびり登りたいと思っているのできっと会う機会はあるのではないかと思います!
おめでとうございます!登山記録100回って、素で驚いてます。コツコツ面白可笑しく楽しませてくれたことに改めて感謝です。どうもありがとうです。
今日八ヶ岳から下りてきたので、夏の景色が懐かしく映りました。光が眩しいね。テントサイトの混み具合は年末年始の雪山と同じだと気付き、仕事しながらの縦走とか長期登山は盆暮れに限られるかと思いました。北アルプスにはいつも過酷な展開があるようですが、今回はどうなのか愉しみです。深いから本当に旅って感じですね。
>blahさん
コメントありがとうございます。
毎度、お付き合い頂きありがとうございます。
今年も去年同様に登山一色の年になりました。来年からは少しのんびりペースになるかとおもいます。
冬の八ヶ岳良いですねー@@;
自分は足がないので、なかなか行く機会に恵まれませんが、天狗岳や冬の白駒池を歩いてみたいです。
今回は体力だけでなく、内側もやられました…。
気長に待っていてください!
おひさしぶりでございます!
登山記録100回、おめでとうございます。すごい大記録ですね(*Д*)
旅の記録を残すのも大変な労力でしょうが、どんなコメントを載せようか考えながら
登山を満喫しているんでしょうね。羨ましい限りです。
季節は冬になり、めっきり寒くなったので、最近は正直腰が重くて
なかなか外に出るのもおっくうになってしまいました…仕事も忙しく…
ちょくちょくブログ拝見してますので、今年もよろしくお願いしますm(__)m
>えふさん
お久しぶりです!
100回もよく書いたなと思います…。最近ではめっきり更新が減ってしまいましたけど…。
もうちょっと記事のボリュームを下げようかと検討中です。
まぁ、半年前でも1年前でも登山の記憶は不思議と薄れないので、いつでも書くことはできます!
登山や旅の計画を立て、気分が前日まで盛り上がっても、当日の朝の寒さにやられて「行きたくない」「布団から出たくない」と思います!
今年もよろしくお願いします。
最近更新がなかったと思っていたらPCがぶっ壊れていたんですね。大変でしたね。
個人的にはこの雲ノ平の後編を楽しみに待っていますので、またぼつぼつ更新してください。
前より文章に凝っておられるようなので大変かと思いますが、前のシンプルな記事も山の臨場感が伝わってきて良かったですよ。
引き続き応援しています。
>こばちさん
コメントありがとうございます。
そうなんです。
見事にPCが壊れてしまいました。しかし、無事にHDDから写真データは取り出せたので事無きを得ました。バックアップって大事ですね。
これを機にいろいろプロバイダやらネット関係のアカウントの整理を行っていました。いつの間にか色々無駄にしていた部分を発見してだいぶ片付きました。
ぼちぼち環境が整ってきたら再開しようと思います。
これからは脱線しまくりの内容からシンプルに行きたいと思います!
はじめまして。
日光、那須へ行く際に良く目立つ高原山をググって巡りあいました。几帳面に沢山、面白く載せていらっしゃるのでもしかしてと思い、雲ノ平を探して在りました!
そして、雲ノ平への薬師沢小屋から登り切った二人のくたびれ果てた姿の写真で共感しコメさせて頂きました。あの急登り、本当に疲れますよね。10回ぐらい登り、あそこで毎回大休止ですが、平気で通過する人や木道に寝そべっている人色々でして、今度行くときはどんな人がいるか楽しみです。
これからも時折お邪魔させて頂きます。
>odekake3さん
コメントありがとうございます!
ブログを読み、コメントを頂き光栄でございます。
栃木県が誇る高原山はいい山です!麓のスッカン沢も含めてまだまだ楽しめそうな場所がありそうです。
雲ノ平に10回も言っているんですか@@!
すごいですね…。あの急な坂には心が折れて、しばらくはいいかなと思ってしまっています…。
今度登るときはゆとりがあるように日程を組みたいです。
[…] 撮り初めまでは友人のブログを参照してください。 見比べ見るのも面白いかもしれません。 【北アルプス】雲ノ平周回(前編) ~ 北アルプスの最深部、薬師岳と雲ノ平の天国と地獄の旅 […]
はじめまして。
今年の夏休みに折立から新穂高への縦走を予定しており、自分のことのようにとても楽しく拝読させて頂きました。ありがとうございます。
今シーズンがテントデビューで、テン泊で縦走しようと考えてます。
テントか小屋か、、、最後まで重さに耐えられるか不安ですが、このブログをみていたらそれでもテントで行きたいと思えました!
雲の平の急登りは心して望みたいと思います。
>yamayamapさん
初めまして。
コメントありがとうございます。
折立~新穂高は無駄のない縦走ルートですね。
薬師岳に登る行程は厳しく、体力的時間的にも余裕がありません。
もしテントで行かれるようでしたら、雲ノ平の縦走までに2回ほどは経験された方がよいと思います。
日帰りとテント泊装備は雲泥の差があるので。