登山丹沢

【丹沢】ミツバ岳 ミツマタ群生地 ~ 黄色の花と富士山のコラボ、3月に咲く早春の花の旅

2021年3月14日

神奈川県の丹沢にあるミツバ岳に行ってきました。標高は834mです。

西丹沢エリアの丹沢湖の近くにあり、ミツマタの花が咲くことで有名で、開花する3月下旬だけ登山客が集中する山です。山頂一帯に咲き、樹林の切れ間に見える富士山とのコラボレーションが見どころです。

ミツバ岳の由来はわかりませんが、正式名称は大出山おおいでやまと言います。

たくさんの花登山はしてきましたが、ミツマタを目的とした登山ってしたことないなと…。数年前に栃木県の焼森山に群生を見に行きましたが、周回コースを歩いただけなので、登山とは言えず記事にはしていません。

大山の麓の不動尻、高取山など丹沢に群生地がありますが、検索結果でも上位にくるミツバ岳に興味を持ち、久しぶりの西丹沢エリアを旅してきました。

ミツバ岳について

地図

「浅瀬入口」バス停を出発して、「細川橋」バス停に下山するコースです。下山後は、中川温泉に立ち寄ることが出来ます。

コースタイム

  • 9:27
    浅瀬入口バス停
  • 9:55
    滝壺橋
  • 10:59
    ミツバ岳
  • 11:54
    権現山
  • 13:22
    細川橋

行動時間3時間55分です。

アクセス

バスの時刻表は富士急湘南バスの「西丹沢エリア」を参照しています。

バスに座れないと1時間立ちっぱなしになるので注意

ミツマタ見頃の時期

ミツバ岳のミツマタ(三椏)見頃は3月下旬〜4月上旬です。

しかし、2021年は暖かい日が続いたため、中旬には見頃を迎えていました。ミツバ岳は私有地なので、公式的なアナウンスはないので、開花情報はSNSで調べるのが良いかと思います。

ミツマタの群生がある山は多いですが、ミツバ岳は山頂に咲くので、ミツマタ越しに富士山が見えるのが、登山者を惹きつける魅力です。

ミツバ岳 登山

新松田駅から西丹沢行きのバス、ミツバ岳は丹沢湖から登る

新松田駅

改めて思うのが西丹沢は遠い…。

小田急線の新松田駅から8:25発の西丹沢行きのバスに乗ります。改札を出ると登山者の行列ができているので一発でわかる。並んでいる8割はミツバ岳目的。

20分前に並んだので、辛うじて席争奪戦に勝利。新松田駅に到着してから、トイレとコンビニを済まそうと思わないほうが良いです。1時間以上立ちっぱなしになる。

臨時便は出ず、コロナ禍において超密です。べらべらと喋るおばさん達がいましたが、運転手のアナウンスで聞き分けよく、静かになりました。

浅瀬入口のバス停
スマホで撮った写真が歪んでるだが…?

ぴったり1時間で、ミツバ岳の登山口最寄りの「浅瀬入口」バス停に到着する。乗客の大半はここで降ります。910円掛かりました。他の登山客のヘイトを集めないよう、ICカードにしっかりチャージしておきましょう。

バス停からはミツバ岳登山口までは20分〜30分くらい歩く必要がある。団体グループと差をつけるため、小走りで駆け抜けます。

落合隧道おちあいずいどうと書いてあったトンネルを歩く。ダムの湖畔沿いなので、トンネルを2〜3個通り抜けます。反響するサラウンド登山マダムボイスが響く響く。

丹沢湖の橋の上に出ました。頭だけ富士山が見える。前日に低気圧が通り過ぎたので、雪が増えたようです。

椿の花が欄干に落ちていて、過ぎ去っていた季節があるこに気づきます。

ダム湖畔にはパーキングがあり、マイカー利用だとこのあたりを使うようです。どこも満車状態。

沖合の軍艦でも撃ち落とすのってくらいのバズーカレンズ隊がいました。鷹か何かの野鳥を狙っているのだろうが、彼らの見ている反対側で、大きな鳥が優雅に飛行していて、一人で笑ってしまった。

私有地なので急斜面、杉の樹林帯に咲く黄色いミツマタ

ミツバ岳の登山口に到着。

家を出て3時間以上が経過。下手したら長野県の八ヶ岳に行ける時間なので、西丹沢は改めて遠い…。

話には聞いていたけど、ミツバ岳は傾斜がエゲツない

特に入口から15分くらいは、足に力を入れないと前に進めないです。ストックを持ってきたら、十分に活躍すると思います。

ミツバ岳は個人所有の山なので、登山道の整備が他と比べてされてないです。実際、地図で見るとバリエーションルート扱いの破線になっている。危険ってわけじゃなく、登りにくいってだけですが。

花粉症の人が見るだけで、鼻がムズムズしてしまいそうな杉の樹林帯を登る。自分は花粉症ではないのだが、オリンピックのように4年に一回くらい目と鼻がムズ痒い年がある。

登山開始15分くらいでファースト・ミツマタに遭遇です。

黄色い花がPON!PON!

頭が下にぶら下がったミツマタの花。上から見ると白、下から見ると黄色に見えます。

ミツマタは単純明快、3つに別れて花を咲かせているから、その名がつけられています。花のところだけだと、思いがちだが、地面に出ている部分からすべて三股にわかれています

ミツマタは3月くらいに奥多摩や丹沢を歩けば、自然と目にするが、ミツマタ目的の登山は初めてなので、山頂の群落に期待が高まります。

しかし、山頂のミツマタ・パーティーに迎え入れられるためには、修行のような植林の樹林帯を登らなければならない。中盤にかけては林業するのにつづらに整備されている。

標高が上がると杉が終わり、丹沢らしいブナの樹林帯へと変化する。落葉で登山道がわかりにくいけど、人がじゃんじゃん歩いているので問題なし。

新緑のシーズンになるとキレイなんだろうが、ミツマタの咲かないこの山を登る人は極端に少ないだろうな。

しばらく見かけなくなっていたので、「本当にミツマタがたくさん咲いてるのか?」と不安に思ったが、山頂に近づくとミツマタが増えてきた。

黄色いミツマタの密度が増えて、甘い匂いがしてきたら、山頂はもうすぐそこです。

黄色く甘い匂いの漂うミツバ岳山頂、ミツマタと富士山

ミツバ岳の山頂に到着です。

登山口からぴったり1時間かかりました。一人だったのでそこそこ早いペースだったと思う。しかし、山頂看板だけ見ると、ミツマタなんてないじゃんと思ってしまうな…。

お目当ての風景は山頂から西側に向かって数歩。ミツマタの花と富士山とのコラボレーションが見事です。

ちょうど満開か満開寸前くらいでした。この日は雨が降った翌日だったので、霞もなく、富士山の雪が大盛りです。

パノラマで見たミツバ岳の山頂。

勘違いしていたのですが、山頂がミツマタが埋め尽くされているのかと思いきや、意外とミツマタの花はスカスカと咲いています。

なので、森を埋め尽くすようなミツマタ群落はここにはなく、そういうのは大山の麓の不動尻などが名所のようだ。

みんなミツマタを前に配置して、富士山を切り取って撮影しています。

で、出来上がるのが密集しているような写真。

ともあれ、青空の下で咲くミツマタはエネルギーを感じ、背景に富士山はミツバ岳オンリーの風景

南側は行きに湖畔を歩いていた丹沢湖が見えました。

ミツバ岳で飲む三ツ矢サイダーは美味い。

3は日本では縁起がいい数字で、実際ミツマタの草は吉兆の草らしいです。

山頂には30人〜40人はいたんじゃないでしょうか。山頂は平らなので、休憩できるスペースがたくさんある。そして、思ったのが、ここは一人で来るとこじゃないかな…。

私有地なのに結構な人が火器を使って食事やら宴会をしているのを見かける。看板とかで曖昧だが、せめて隣の権現山でやればいいのになと思う。

もし、自分が山を持っていたら、火気厳禁にして、入山料をがっぽり徴収するね。ミツバ岳の所有者は心が広い。

山頂看板の一つは、手持ちできるようになってます。

正式名称は大出山おおだやまと言うらしいです。ミツバ岳の由来は調べてもわからず。そして、何故ストレートにミツマタ岳にしなかったのかは謎である。

ミツバ岳のミツマタが最大の目的ですが、まだ登山は続くので、大休憩は取らず、ミツマタと富士山のコラボレーションは見納めにします。

このコースを歩くのは正解なのか、ミツバ岳から権現山

ミツバ岳から権現山へ向けて歩いていきます。

大半はミツバ岳の往復で帰っていくようでした。進めばその理由が頷けます。

ミツバ岳〜権現山の稜線の道幅は広いので、落ち葉に隠れてしまった登山道を謝ると見失ってしまいそう。

ミツバ岳から少し下るくらいのところにミツマタが咲いていています。

権現山の登りも結構な急斜面です。

ミツバ岳で大休憩を取ってしまうと心が折れてしまうかも。権現山の領域に入ると、ミツマタは完全に咲いておらず、ご褒美の展望もほぼない。

ミツバ岳とセットで登る人は多いらしく、そこそこの賑わいがありました。ベンチテーブルが2つあり、ここは個人所有ではなくなるので、登山整備がされているようです。

権現山に到着です。

標高1018mなので、ミツバ岳より180m高いです。誠に遺憾ながら、樹林に囲まれた地味過ぎる一座。ミツバ岳をピストンで帰る人が多いのも頷ける。

この山を目的に登ることはまずないだろう。

富士山の展望も木々の隙間から辛うじて見える程度。グリーンシーズンだと影も形も見えないな。

二本杉峠を経由して下山、人気のないミツマタスポット

権現山からは二手に分岐している。

行きに降り立った浅瀬入口のバス停まで直接降りるルートもあるが、二本杉峠から細川橋バス停のコースを歩く。一般ルートで、下山後に温泉も入れる。

権現山からの下りもまた急斜面。ミツバ岳と違って階段が整備されているが、登ってくるのはかなり辛そう。

一部開けた場所があり、丹沢の主稜線が見えた。未だに丹沢最高峰の蛭ヶ岳は未踏。麓に見えるのはこれから目指す中川温泉郷です。

若干の登り返しがあり、休憩スポットっぽい広場がありました。

二本杉峠に到着。ここにもテーブルベンチが2個設置されています。

小御嶽大権現の石碑。小さいのか、大きいのか、どっちなんだい。

後は、上野原登山口方面に下るだけ。

歩きやすいと思いきや、一部がけ崩れしている場所も。

私有地のミツバ岳〜権現山になかった看板が頻繁に出てくる。神奈川県は何かと不祥事をしているが、こと登山道に関しては文句もつけようのない整備をしてくれている。

下山中に遭遇したミツマタ群生。

森を埋め尽くすって程ではないが、そこそこの規模で黄色い花を咲かせていました。

ラストのミツマタ。

登山だけじゃなくても、この丹沢湖周辺には道端に結構咲いてるんですけどね。

杉の樹林帯を抜けると、沢と合流。

川でピクニックをしている人がいたり、外界が近づいてきた。権現山からの下山中は、登り二組、休憩している団体しかいなかったので、寂しかった。

アスファルト道に降りたら、バス停のある道路まで5分。

ふる里の丹沢蕎麦と中川温泉

降りたらすぐ食事処へ。

ふる里 (山北/麺類)
★★★☆☆3.20

事前に調べていた「手打ちそ ふる里」でランチにしました。

蕎麦と定番の定食メニューが揃っています。田舎にあるにしては値段が高い気はするが仕方ない。下山後に蕎麦なんてヘルシーなもの食えるかと信念があるので、唐揚げ定食を注文。

しかし、「今日はもう蕎麦だけしかないんですよ。」と無情な回答。店内はこんな田舎の食堂にも関わらず家族連れが二組。イオンのフードコート並に子供が騒いでいる。テーブルを見て、「こやつらが品切れさせたのか…。」と、もっと早く下山すればと後悔。

しょうがないので、ざる蕎麦(大盛り)をオーダー。

蕎麦は普通に美味しかった。

正直、蕎麦の味はわからないが、長野県の有名どこで食べた蕎麦より好きかもしれない。ただ、下山後においての満腹感は得られなかった…。

「ふる里」から5分ちょい歩くと「丹沢ホテル時之栖ときのすみか」があり、日帰り入浴をやっている。バス利用なのに、食事と温泉をすんなり利用できるのは良いコースかも。

コロナの影響で、日帰り入浴でも予約が必要な場合があるので、事前確認は必須。

中川温泉は神奈川県でもマイナーな温泉郷。武田信玄のかくれ湯だとか。

時之栖の道路沿いには「中川温泉入口」バス停があり、14時50分便に乗り込みました。西丹沢から乗ってきた登山客と併せて座席は満席。

朝に降車した「浅瀬入口」バス停では、全員が座れず、下山後に1時間もバスで立ちとなった。換気し窓が全開なので、花粉症の人は地獄だろうな。

16時前に新松田駅に戻ってきました。

ここから自宅までは1時間弱、なんだかんだ18時前に帰宅となるので、西丹沢エリアは改めて遠いなって思いました。

ミツバ岳の登山を終えて

黄色いミツマタの群生+白く冠雪した富士山」は、代替のない「ここだけの風景」だと思います。

このミツバ岳を機に、毎年3月になったらミツマタの咲く山を登ろうかと思います。まぁ、この次の週は栃木県の焼森山に向かっているんですけど。まだ、地元の人にしか認知されていないだけで、たくさん群生地が存在すると思うんですよね。

個人的にミツバ岳は、絶妙なアクセスの遠さと週末のバスの混雑を考えると、再訪は「う〜ん」って思ってしまいますが、価値のある一日を過ごすことができました。

そうそう、この帰りに今日ってホワイトデーじゃんってことを思い出しました。この陰キャ登山者の自分にもおこぼれがもらえたので、そのお返しを買うべく、デパ地下のスイーツ店に登山ザックのまま並ぶのでした。町中で登山服でいることに対してメンタルタフな自分でも、さすがに恥ずかしかった…。

ミツバ岳の地図はこちら

コメント

  1. 登山に行けていないので、凄く気分転換になりました!
    ありがとうございました!
    また楽しみにしてます。

    • こうさん
      コメントありがとうございます。
      また、楽しんでいただけるよう更新したいと思います。
      またのコメントお待ちしております。

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