2023年2月4日
栃木県の日光にある雲竜渓谷に行ってきました。
1月中旬~2月中旬にかけて、滝が完全凍結する氷瀑が有名です。
10年前に登山雑誌で紹介されてから、登山者に知られるようになり、毎年多くの人が訪れる人気スポットになりました。
氷瀑ツアーを毎年のように企画するのですが、暖冬のため、時期を一週間逃すと、暖かさのために氷瀑が崩壊してしまい、計画が白紙になっていました。
今回こそはと調整し、未経験の二人を連れて、久しぶりの雲竜渓谷へ氷瀑ハイキングに行ってきました。
雲竜渓谷について
地図
駐車する場所にも寄りますが、氷瀑のあるエリアまでは片道2~3時間かかります。
- 氷瀑のピークは2月上旬(暖冬だと週がズレると崩壊するかも)
- 週末の駐車場は混雑、早朝6時前に到着するのがベスト
- 最奥の雲竜瀑に太陽光が当たるのは10時前
- 最低でもチェーンスパイク・軽アイゼン必要
コースタイム
- 7:04ハイキングコース入口
- 9:08~10:00雲竜渓谷(最深部)
- 11:50ハイキングコース入口
行動時間は4時間46分でした。
雲竜渓谷 氷瀑ハイキング
早朝から駐車場の場所取り合戦、砂防ダムの林道からスタート
今回は車を出してもらったので、滝尾神社から続く砂防ダム林道の奥に進んでいきます。
氷瀑シーズンの週末は、駐車は混雑します。林道終点から順番に駐車するので、出遅れると往復1時間以上のコースタイムが追加されると思ってください。
早朝6時前に到着したので、林道終点から2分の場所に駐車できました。スタッドレスタイヤは必須ですね。この日は、からっからでしたけど。
今回歩くハイキングコースは、砂防堰堤に沿って整備されています。
土石流など上流から流れ出る有害な土砂を受け止め、貯まった土砂を少しずつ流すことにより下流に流れる土砂の量を調節する施設
個人的にこの管理をしている施設とは仕事上の付き合いがちょっぴりあります。
車両進入禁止のゲートをくぐって、雲竜渓谷を目指して歩いて行きます。
体感ですが、ハイキングコースの7割がアスファルト、3割が山道という割合です。序盤の序盤でアイゼンの装着は不要ですね。
ゲートをくぐって、すぐ橋を渡り、川の対岸へと進みます。
通行止の看板は立っているけど、これはハイキングする人向けじゃないです。
10年前の2013年に来た時は、河原は一面の雪原でしたが、この日は日陰に雪が数センチ積もっている程度でした。
「果たして、氷瀑は出来ているのだろうか…。」
疑問を抱きつつ、奥へ奥へ進んでいきます。
巨大な堰堤がありました。
堰堤からは女峰山が見えました。
男体山と双璧を成す山で、コースタイムが8時間~10時間と、難易度が高い山です。まだ、登ったことないんだよなぁ…。
雪道へと変わって来たけど、傾斜が無いのでアイゼンは不要。
暖冬で雪は少ないけど、雲竜渓谷の奥地へ
建設や工事業者へ注意喚起するのぼりをくぐります。
「墜落災害」って初めて聞くワードだ…。砂防ダムなので、落石が多いのでしょう。
ここからは、アイゼン(チェーンスパイク)を装着しました。川と並行する形で、進んでいきます。
格子状に組み上げられたパイプの下を進んでいきます。以前は無かったし、塗装が綺麗なので、最近になって設置されたようです。
これで土砂を防ぐのでしょうか。
そして、ここからは山道の区間になります。川に沿って進むと、崖の下に出てしまうので進めません。
再び、車道と合流し、広場のような場所に出ます。
ツバメ岩の下が落氷が多発するらしいけど、写真が色褪せてて、よくわからない…。
渓谷の最深部へと進入していきます。
階段を降りて、1m〜2m級の岩が転がる川沿いを進んでいきます。
前回来た時は、膝下くらいの積雪がありましたが、所々で地面が剝き出しです。
本当に氷瀑は出来ているのだろうか?
不安が増しつつも、奥へ奥へと進んでいきます。
入口から片道2時間、雲竜渓谷の氷瀑エリア
そんな、不安を裏切るように氷瀑が出現しました。
ハイキングコース入口を出発して、2時間4分かかりました。ここから、300m程の区間が、雲竜渓谷の氷瀑を見れるエリアです。
3m程の崖をコーティングするように氷柱が造られていました。
春から秋は滝で、11月~12月くらいから徐々に凍結し始めるのかな?
ただ、前回の氷瀑と比較すると、暖冬の影響で、太さ30~50%オフと言った印象です。
警告の中央は川が流れていて、踏み跡以外を歩くと、雪を突き破って冷水にドボンする可能性があるので注意して下さい。
海洋生物みたいな複雑かつグロテスクな形で成長した氷が造られていました。
奥に進むと、たくさんの氷瀑が連続する空間に出ます。個人的に「氷瀑ガーデン」と呼んでいる広場です。
水滴がポタポタと落ち、現在進行形で融解しているので、いつ崩壊してもおかしくない危険な状態でした。
意を決して、裏側に回り込んでみました。太さ1m以上ある氷瀑です。ヘルメットをあっさり貫通しそうな鋭利さなので、一枚撮ったらそそくさと退散しました。
2013年の氷瀑と比べると、半分ほどの大きさでしょうか。
アフリカのキリマンジャロの氷河、シベリアの永久凍土など、地球温暖化の影響で世界中の氷が溶けている現在。雲竜渓谷の氷瀑は、数年後に消滅してしまうのかもしれない…。
融解しているのもあって、前回はいたアイスクライマーはいませんでした。
さて、最大の名所である雲竜瀑を見るため、渓谷の終点を目指します。
ラスト5分くらいの区間ですが、何気に危険ポイントです。結構な傾斜、一人分の道幅なので、アイゼンは必須です。万全を期すなら12本爪アイゼンでもいいかなーくらいです。
斜面の上から、氷瀑の空間を見渡すことが出来ます。さすがの人気で、次から次へと人が来る。
圧倒的なボリューム感、渓谷最深にある「雲竜瀑」
そして、いよいよ終点の雲竜瀑が見えてきました。
9時42分に雲竜瀑に到着しました。
人間と比べると、より氷瀑の巨大さが際立ちます。全長は100mなので、ゴジラと同じ高さです。
ちなみに、初期ゴジラは高さ50mだけど、ビル標高が高くなるにつれて、90年代に100mの設定になった。
まさに、圧巻です。片道2〜3時間かけて来る価値ありです。なんなら、そこらの山頂の景色より感動するかもしれません…。
雲龍瀑の広場は実質的な終点になるので、人が滞留しがちです。岩が浮いている箇所で、人が移動するものだから、プチ落石を受けましたよ。
到着時には陰っていたけど、10時前に太陽の光が差し込みました。
雲龍瀑を見るには10時到着がベストな計画です。
雲竜瀑を堪能し、帰路につきます。10時過ぎて続々と人が増えてきました。
途中、3メートルほどの氷瀑が轟音とともに崩壊しました。もし自分に落下すれば、とても無事ではすまないでしょうね。
氷瀑の欠片がロックアイスのような透明度でした。実際はゴミが多かったりするのかな??
黙々と林道を歩きながら帰ります。
駐車場まで戻ってきました。行き2時間4分に対し、帰り1時間50分でした。コースが平坦なので、帰りがとりわけ速くなることはありませんでした。
さっぽろラーメン「あかしや」でラーメン、やっぱりの餃子
雲竜渓谷から15分少々移動して、「サッポロラーメンあかしや」にやって来ました。日光市街の観光エリアから離れているので、地元民向けの食堂っといった感じです。
みそ・しょうゆ・しおの味が選択でき、こだわりが強すぎない庶民的なメニューです。
さっぽろラーメンを歌っているので、バターコーンラーメンをチョイス。思い描く安心の味です。
「栃木に来たら餃子に食べないと気が済まない病」に掛かっているメンバなので、餃子は必食です。
栃木の餃子らしい、野菜多めのアッサリ餃子です。焼き加減はクリスピー加減がベストでした。
久しぶりに「あげゆばまんじゅう」が食べたくなったので、お願いして日光駅前の店に立ち寄ってもらいました。
揚げた饅頭と程よい塩加減が絶妙で、日光を代表する名品です。
体が冷えなかったこともあり、温泉はパスし、昼過ぎには全工程が終了。
明るいうちに自宅に帰ることが出来ました。
雲竜渓谷のハイキングを終えて
初めて氷瀑を見に行った2013年は、見頃が一か月くらい続いたものですが、暖冬の影響で見頃の時期が厳しくなっています。そのため、事前情報を確認してチャンスを逃さずに行くことが重要です。
やはり、雲竜渓谷の氷瀑は圧巻の風景でした。
個人的には危険な箇所は最後の部分だし、週末は人が多いので簡単なコースだと感じますが、数年ごとに死亡事故が発生しているので、訪れる際には十分な注意が必要です。気を付けてください。
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