【長野】御嶽山 登山 ~ 噴火から5年目の夏、黒沢口から剣ヶ峰の旅

登山 中央アルプス・御嶽
御嶽山の頂上

2019年8月4日

長野県と岐阜県に跨る御嶽山おんたけさんに行ってきました。最高点の剣ヶ峰の標高は3067mです。

長野県の木曽きそ地方の霊山で、現在でも信仰がある山です。2014年9月27日に噴火し、犠牲者・行方不明者あわせて63名の大惨事は記憶に新しいです。2018年に一部区間で立ち入りが解除、2019年に山頂である剣ヶ峰への登頂が可能になりました。

御嶽山

2012年の同じ8月に訪れていますが、天気が今一つパッとしなく、下山中に雷雨にあいました。当時は標高が高いところをガンガン登りたいという思いが先行してしまい、記憶の薄い山でした。

剣ヶ峰への立ち入りが解禁されるまで、5年待ち、再び夏の木曽御嶽山を日帰りで旅してきました。

御嶽山 登山

タピオカミルクティーを飲み、長野県木曽地方へ

池袋のゴンチャ

タピオカ登山部の夜は深い。

しかし、登山用のリュックを背負い、花火大会帰りのカップル多数いる中、池袋ルミネの高層階にあるタピオカ屋の列に並ぶのは、中々の地獄だった。

タピオカミルクティーはお腹にたまるので、登山前の飲料として適しているんじゃないだろうか…。是非、登山口や山小屋で販売して欲しいものだ(無理)

タピオカミルクティーが3つあるだろ、これ全部おじさんのなんだぜ…。

御岳ロープウェイ

東京圏から御嶽山は遠い。

中央道の伊那ICを降りてから、下道が長い長い。というわけで、5時過ぎに御岳ロープウェイに到着した。王滝ルートが通行不可の現在、剣ヶ峰への最短は黒沢口ルートです。

御岳ロープウェイ オンライン割引券

御岳ロープウェイはオンライン割引券(1日30組限定)があるので、確実にゲットしておきましょう。これで、下山後のジュース代が実質無料になる。

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ロープウェイの管理棟を出ると御嶽山が見える。横幅が広いどっしりとしたたたずまいから、キリマンジャロやキナバル山のような海外の山の雰囲気を感じる。

冬場はゲレンデで、夏はお花畑として利用されているようです。

御岳ロープウェーで標高2150mの登山口

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ロープウェイが動き出すのを待つ登山客。

このロープウェイを使わなくても、さらに上部に登山口があります。ロープウェイの利用有無で、20分~30分しかコースタイムに差は出ない。しかし、楽したい気持ちには逆らえなかった。

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エアコンがないのでうちわのサービスがありました。

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ロープウェイ利用でぐんぐんと高度を上げていきます。15分ほど乗車。

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隣接する北アルプスと中央アルプスに挟まれ、御嶽山は人里から遠く離れて深山幽谷の雰囲気がある。

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標高2150mのロープウェイ頂上駅。標高3000mを越える御嶽山なので、標高850mは登らなきゃ行けません。筑波山1個分の標高です。

御嶽山は独立峰ですが、実際は複数の峰で構成されています。剣ヶ峰、継母岳、継子岳、摩利支天山など。今回、目指すのは最高点の剣ヶ峰だけです。色々回ろうと思うと日帰りだと厳しいので、宿泊を検討した方が良い。

今回のコースだと岐阜との県境を跨ぐことなく、全て長野県の領域です。

仏像と石碑が立ち並ぶ、御嶽山の信仰の道

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ロープウェイから少しばかり歩くと登山口があります。しばらくは横移動しながら、樹林帯を歩いて行きます。

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5分だけ歩くと7合目の行場いきば山荘に到着。

7時前にもかかわらず、売店が営業していました。名物のちからもちは食べてみたかった。位置的に1合目から登ってくる人が宿泊する小屋でしょうか。

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行場山荘からは樹林帯の登り坂となります。

8月初旬と言う無敵の夏山シーズン、ここ御嶽山も3000mの峰を目指してたくさんの登山者で列を作っていました。特筆することもなく、単調な階段歩きが続きます。雨降った後は泥が酷そう。

御嶽山 女人堂

黙々と登り、空が開放されてくると、8合目の女人堂にょにんどうに到着です。

女人堂は、御嶽の山小屋の中で最も歴史が古く、明治初年から山小屋として営業しています。それまでは避難小屋や修験者のおこもり堂として存在していました。八合目金剛童子より先は神の聖域とされ女人は登山を許されず、頂上を目指した男性達の帰りを小屋で待っていました。

https://ontake-nyonindo.jimdofree.com/%E5%A5%B3%E4%BA%BA%E5%A0%82%E7%B4%B9%E4%BB%8B/

女人禁制の名残のある小屋です。信仰の山には見かけ、新潟の八海山にもありました。

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女人堂からは高木がなくなるので、下界の景色が見渡せるようになります。乗鞍岳のりくらだけが際立っていました。

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売店が営業していて、冷えた炭酸飲料を購入することができます。下山時にお世話になりました。

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女人堂には御嶽神社の八合目(出張所的な?)があるので、お守りや札を購入できるようになっています。

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8合目からいよいよ神域に入るため、鳥居、仏像、石碑、謎のオブジェなどが見られるようになります。黒沢口コースは最も古い登山道のため、それらの史跡の数が一番多いらしいです。

外国人が熱心に撮影してたのが印象的でした。

断崖に立つ修道院があるギリシャのメテオラのように海外にも山岳信仰はありますが、キリスト教やイスラム教は偶像禁止なので、日本の山、仏教徒の山で、たくさんの史跡があるのは珍しいだろうか。

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女人堂を過ぎたところでは、展望が開けていきます。

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正面にそびえるのは木曽駒ヶ岳をはじめとした中央アルプスの山々。

空木岳うつぎだけを登った時は御嶽山のどっしりとした山容が象徴的でした。中央アルプスと御嶽山は長野の塩尻と岐阜の中津川を結ぶ木曽街道になっている。

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チシマギキョウ

黒沢口コースに限って言えば、水気がないのか、高山植物はあまり咲いていなかった。岩場の影に少しづつ咲いていました。

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標高2500mを越えてくるとハイ松帯に変化していきます。

この辺りは霊園のように石碑が立ち並んでいる。登拝して亡くなった人の慰霊碑なんだろうか。

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御嶽山は現在でも信仰が色濃く残り、行者さんがたくさん歩いているのが特徴。

日本三霊山は富士山、立山、白山(後二つを入れ替えて御嶽山)と、御嶽山は補欠扱いだが、一番霊山らしい印象がある。山形の月山がっさん、愛媛の石鎚山いしづちやまも行者さんが多かった。

それにしても寝不足で全然ペースが上がらず休憩を15分に1回はしている。Saku兄は移動中一番寝ているくせに、座った30秒後に眠りに落ちている。

森林限界を超え、荒々しい岩石が転がる火山の雰囲気

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ハイ松帯を抜けると、火山らしい岩稜帯に変化する。1~2mの大きさの岩がゴロゴロところがっています。見通しが効くので、次の中継となる石室山荘が見えていますが、距離が縮まらない錯覚に陥る。

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わが故郷の栃木県の瑞鳳霊神があるらしい。何を意味しているのかサッパリわからんってのがたくさんある。

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まだまだ山荘は遠い…。

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ようやく、九合目にある石室山荘に到着です。

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中央の廊下がそのまま登山道になっていて、通り抜けることできます。山荘を迂回するルートも勿論ある。山荘の内部はヒンヤリと涼しい。

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石室山荘まで来れば、山頂一帯に出るまで10分ちょっと、最後のひと踏ん張りです。

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ゴロゴロと岩石が転がっていますが、噴石なのかと思ったけど、分布を見ると違うようです。

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二ノ池小屋への分岐点に到着。以前とは違い、火山灰で濁った二ノ池が見えました。帰りはあちらに立ち寄ります。

御嶽山 行者

たくさんの行者が登ってきました。御嶽信仰と言っても、それぞれ宗派が違うのか、修験装束のデザインが異なります。

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2018年までは、分岐点から剣ヶ峰にかけての登山道が制限されていました。寝不足でとても鈍足だったSaku兄が、ここに来て覚醒し、軽快に歩き始める。

出会った当初はショートスリーパーを謳っていたが、最近では寝不足で登山に挑むと薬物キメてるくらい呂律が回っていないときがある。

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2014年に噴火したときに積もったと思われる火山灰が目立ちます。火口から1キロ圏内なので、少しばかりの緊張感がある。

この辺はもう噴火したとき噴石が降り注いだエリアです。

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剣ヶ峰の直下には、頑丈な新しい小屋が建設中です。

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噴火時に避難できるシェルターがありました。噴火からたった数年でここまで設備が整うなんて凄いです。

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ぬかるんだ火山灰。

噴火後は、ここよりもっと火山灰が積もった泥の中を捜索してたのか…。現在では除去されていますが、10~20センチも積もっていたとか。

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御嶽山の剣ヶ峰へ向けて、最後の階段です。標高3000mの世界、空気が薄いので、一段一段がとてもしんどかった。

御嶽山の最高峰、噴火の名残がある剣ヶ峰

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9時50分に御嶽山の剣ヶ峰山頂に到着です。登山口を出発したのが、6時20分だったので、3時間半かかりました。

山頂は御嶽神社奥ノ院の境内。

噴火後はたくさん火山灰が積もったようでしたが、今では取り除かれていました。お弁当広げて休憩するような山頂ではないですね。

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噴火当時の爪痕が残っています。厚さ10センチ以上ある石板がポッキリ折れています。噴石が直撃したら、ヘルメットをしていたとしても助かりませんね…。

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前回訪れた時はガスガスだったので、晴天下で眺めを見ることが出来た。剣ヶ峰の真下に見える火口(一ノ池)の迫力があります。

噴火前は外輪を歩くことが出来たが、今は立ち入りが禁じられています。

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反対側は現在は通行できない王滝コース方面です。

剣ヶ峰の頂上から王滝頂上の荒涼として何もない一帯。犠牲者半数以上がここで亡くなったようです。

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噴火した火口は角度的に見ることができない。

自分は噴火のあった翌日の日曜日に、東北の栗駒山くりこまやまに紅葉を見に行っていました。

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仙台から御嶽山に日帰り登山をして、未曽有の大惨事になった噴火後の翌日に、同じ火山である栗駒山に登る行動力、体力、精神力の全てのステータスがSクラスの70代の夫婦と話しました。

仙台から御嶽山は8時間以上かかるぞ…。

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新しくなった奥ノ院

御嶽山が噴火した2014年は梅雨に入ってから週末の天気に全く恵まれませんでした。

夏山シーズンは梅雨明けもボロボロで、そのまま台風シーズン到来、連日晴れることは皆無でした。ようやく、9月下旬に入って文句の無しの秋晴れになった週末の土曜日、しかも正午。

御嶽山の噴火は最悪中の最悪のタイミングでした。

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祈りと願いをささげる場所で、悲劇が起きてしまうの何とも切ない。

御嶽神社の奥ノ院の社務所は営業していて、御朱印を頂きました。御朱印帳を持ってくるのを完全に忘れていた…。

御嶽山から王滝頂上

長居する山頂ではないので、やること終わったら下山を開始します。

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2014年の御嶽山の噴火の慰霊碑がありました。犠牲者58名、行方不明者5名。

長崎県の雲仙普賢岳うんぜんふげんだけの火砕流による犠牲者44名を越え、戦後最悪の火山災害です。ちなみに御嶽山と普賢岳は大きく違い、普賢岳は人災と言う側面が強く、登山者の犠牲者はゼロです。

火山灰の積もる二ノ池、日本最高所の湖

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剣ヶ峰から分岐に戻って、二ノ池山荘へと降りていきます。

御嶽山 二ノ池

二ノ池は日本最高所の湖(標高2905m)です。前回は二ノ池小屋の畔でご飯食べいたら、雷雨に遭いました。火山灰がつもって濁っているようです。

ちなみに一ノ池は雪解けのシーズンしか現れないらしい。

御嶽山 火山灰

登山道に火山灰が積もっているので、ねちょねちょしています。

二ノ池

自由なレイアウト。

御嶽山 二ノ池山荘

二ノ池山荘は噴火以降に新設されて、ピカピカでした。いやー御嶽山は日帰りじゃなくて、宿泊するべきですね。

御嶽山とラムネの空

ザックの中になぜかラムネが入っていたので飲みました。夏のしぼり汁です。ブトウ糖の味ですけど。

御嶽山 二ノ池

当時はやっていたポーズをする人たち。

御嶽山

二ノ池から先にはアルプス的な稜線が広がります。剣ヶ峰だけのピストンでは御嶽山の良さの2割も把握できないのではないかと。次は五ノ池小屋に宿泊してみたい。

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二ノ池から巻き道を通り、下山を開始します。

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まだまだ登ってくる人、下山する人で、大混雑していました。今の時間帯登ってくる人は、月曜休みで宿泊する人でしょう。羨ましい。

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標高下がり、樹林帯に入ると暑い暑い。女人堂でちょっと休憩したら、行場山荘まで一気に下りました。

御嶽ロープウェイ

ロープウェイまで降りてきて無事に下山完了。とても良き、夏山でした。

せせらぎの四季で温泉と御嶽名物「百草丸」

せせらぎの湯

下山後は御嶽山の登山口からはだいぶ離れて、木曽福島温泉「せせらぎの四季」に立ち寄りました。空木岳の帰りにも立ち寄っているので2回目です。

木曽街道

遠くの空に入道雲、木曽街道を走り、長野の塩尻まで移動します。

ご当地グルメな食事には時間的にありつけず、街道沿いのドライブイン食堂で、何てことない唐揚げ定食を食べました。

百草丸

御嶽山のお土産に百草丸ひゃくそうがんを買って帰りました。1938年から売られている健胃薬です。一回につき20粒飲まなければならないハード仕様。近所のマツモトキヨシで売っていたので、わざわざ現地で買う必要はなかった気がする。

忍者が使いそうな名前でそそられますね(?)

長野高速

長い下道を抜けて、高速道路に乗る頃に雨が降り始めました。

栃木方面に帰るなべ氏とは群馬県の高崎で別れ、強烈な夏の高速渋滞を避け、家路につきました。

30秒で動画にまとめています。

御嶽山の登山を終えて

御嶽山 8月

御嶽山の噴火による犠牲者の中には、自分の登山仲間の一人が含まれています。噴火から数日経ち、速報で名前を見た時、衝撃を受けました。日本を揺るがす大きな事件は、これまで何度も起こりましたが、身近に起きたのが、山に関することだとは思いませんでした。どんなグループでも友達を作れる人だったので、葬儀の際、会場に入りきらない程の友人が参列し、突然すぎる別れに涙していました。

他の山から御嶽山を見るたびに、その出来事を思い出します。

御嶽山の集合写真

本文でも言っていますが、御嶽山の最高峰である剣ヶ峰を日帰りでピストンだと、ハンバーガーからパテ(肉の部分)だけを抜いて食べたようなもので、御嶽山を深く味わうには、宿泊して岐阜県側も歩かなければと思いました。

御嶽山は北アルプスでもなく、中央アルプスでもなく、御嶽山は「御嶽山」という存在。信仰の歴史、災害の記憶、麓に残る文化、そして広大な山体に広がる風景、それらがまるっと御嶽山であることを感じる旅でした。

御嶽山の地図はこちら

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