登山中央アルプス・御嶽・南信

【長野】高遠の桜と五郎山 〜 落城の歴史とピンクが溢れるの伊那の旅

桜見頃の高遠城址公園

2025年4月12日

長野県の五郎山(ごろうやま)・高遠城址公園(たかとおじょうしこうえん)に行ってきました。五郎山の標高は907mです。

高遠城址は「天下第一の桜」と呼ばれ、1,500本以上の桜が咲く国内有数の名所です。1582年の織田軍による攻勢で高遠城は落城しましたが、当時の村民たちがその歴史を後世に伝えるべく、五郎山へと語り継いできた歴史があります。

五郎山の山頂

「桜を見にわざわざ長野まで行くのはもったいない」、というか「男二人で桜見物はちょっと微妙……」ということで、今回も旅に登山を組み込むのはお決まりのパターン。

しかし蓋を開けてみれば、なかなかにストーリーを感じる山歩きに、伊那名物「ローメン」のグルメ。終わってみれば、これ以上ないほど春を彩る大満足の旅になりました。

五郎山 日帰り登山

高遠城の登場人物が祀られる五郎山を登る

高遠湖ほりでいパーク

今回の目的地である「高藤城址公園」は桜の時期に大渋滞になると事前に知っていたので、深夜出発して早朝に駐車場に到着しました。

高遠湖ほりでいパークの駐車場

五郎山の登山口に近い「ほりでいパーク」の駐車場を利用しました。

五郎山の登山口を目指す

車道に出ると「五郎山(徒歩)→」の案内板があるので従って歩きます。高藤城址公園とは逆方向です。

高遠町

登山口を向かって歩いていると、桜が密集している場所があったので立ち寄ってみます。

勝間薬師堂のしだれ桜
勝間薬師堂のしだれ桜

特盛のしだれ桜です。「勝間薬師堂のしだれ桜」と書かれていました。樹齢140年になるそうです。

薬師堂は丘の上にあり、そこからは高遠城址公園が見えます。町全体に桜が咲いているんですね…。

五郎山登山口

五郎山登山口まで移動すると、打上花火が弾けた直後みたいな立派なしだれ桜がありました。

五郎山登山口

桜と鳥居なんて、和風の定番セットのような登山口です。

五郎山登山道

登山道は森の中で、桜もなく至って地味です。

一郎山

登山口を出発して分、一郎山に到着しました。お察しの通り、山頂の五郎山まで、順番に山が並びます。

一郎山

一郎山の解説が書いてあります。要約すると。

1582年、織田信忠(織田信長の長男)によって高遠城は攻め落とされました。城主の仁科五郎盛信は激しい戦いの末に自害し、仁科方は大敗しました。盛信は城の裏山に葬られ、この山は後に「五郎山」と名付けられました。

一朗山は、その他大勢の武士が祀られています。数が増えると位が上がるヒエラルキー順です。

二郎山

続いては、強烈な豚骨とにんにくが匂いそうな名前の「二郎山」です。

二郎山

城主の五郎さんの家臣の妻「諏訪はな」が祀られています。夫が亡くなった後に、黒髪を乱しながら長刀で敵中に切り込み、最後は短刀で自害したそうです。桜が散っているシーンが浮かびそうなヒロインです。

五郎山登山道

登山道は引き続き、特筆すべきことは何もなく坦々と登り坂です。

三郎山

木を切る音と「ヘイヘイホー」という歌が聴こえてきそうな「三郎山」です。

三郎山

徳川家康に仕えたことがある渡辺金太夫が祀られています。織田信長からも「天下第一の槍」と称された槍の達人であったと伝えられています。

金太夫という名前からして、実力者ながら親しみあるひょうきんな人物だった..に違いない。

四郎山

お次は四郎山。クレヨンしんちゃんにそんなキャラがいたような気も…。この山って縁起悪くて、受験生は絶対登れないですね。

四郎山

四郎山には「小山田昌行」が祀られていて、五郎さんの側近だそうです。かつては、武田信玄にも使えた侍だそうです。寡黙だけど全てを見通すような目をしているようなキャラクター像が浮かびます。

五郎山の山頂へ

そして、山頂に続く最後の登りです。

平和な高遠の街を見下ろす五郎山の山頂

五郎山の山頂

登山口を出発して1時間20分、五郎山の山頂に到着しました。

五郎山の山頂

最後を飾るのは城主「仁科五郎盛信(にしなごろうもりのぶ)」です。

仁科盛信は、武田信玄の五男として生まれた戦国武将で、信濃仁科氏を継ぎ武田勝頼に仕えた。
武田氏滅亡の甲州征伐では高遠城に籠もり、織田軍の降伏勧告を拒んで最後まで抗戦し、26歳で討死した。

当時の村民から深く慕われていたのでしょう。山頂に慰霊碑を建て、死後も後世にその名を残そうとしたことからも、それがうかがえます。

五郎山の山頂

というか、あなた26歳か??

26歳なんて仕事に慣れ始めて、週末は山に登って、下山したら温泉に浸かって「カツ丼うめー!! もう仕事行きたくねー。」……なんて、しょうもないなことをしていました。26歳にとって最大の敵は、休み明けの月曜日でした。(今でも)

一方で、5万の敵と対峙する26歳って…。

五郎山の山頂

戦国の世を生きた若き武将は、桜咲く平和な高遠をどう思うのだろう。

五郎山の山頂

高遠は現在こそ山間に囲まれた町ですが、かつては信濃・甲斐・三河・美濃を結ぶ、交通・軍事の要となる重要なチョークポイントでした。山の上から見下ろし、地理的な視点で歴史を捉えると、その意味がより実感できます。

五郎山の山頂から中央アルプス

山頂より西側にも展望があり、木曽山脈・中央アルプスの山々が見渡すことが出来ました。

五郎山から下山する
五郎山から下山する

それでは、五郎山を後にして、下山します。登りとは別のコースで下ります。山頂からすぐ車道に出ます。

五郎山の桜並木

麓近くなると桜並木が出てきました。

高遠城址公園に溢れる桜が撮れるフォトスポット

白山観音

有名なフォトスポットがあるので、「白山観音」と書かれた山道に入っていきます。

白山観音

おそらく、桜の時期にしか人が入らないと思うので、少し野生強めの道でしたが、人だかりが見えたらフォトスポットです。

白山観音

木の葉っぱで見えないけど、これが白山観音かな?

そして、この場所から撮影できるのは….

桜満開の高遠城址公園
白山観音から高遠城址公園

高遠城址公園の桜に埋もれる何かの屋根です。

んー、あまりにも遠すぎて、肉眼で見る分には、何の感情もわかないかな。わざわざ、公園からは40~50分は坂道を価値はないです。

白山観音カメラマンたち

望遠カメラマンが大量発生している場所に、目で見て感動する絶景はありません。桜の季節になったらSNSにこの写真が出てくるので、このへんのオジが撮ってる光景を思い出しそう。

残念フォトスポットを後にして、下っていくと桜が増えてきました。

仙丈ヶ岳と桜

途中、桜の木ごしに仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ)が見える場所がありました。

仙丈ヶ岳と桜

南アルプスでも日帰りも可能な登りやすい山です。過去2回登ってますが、10年以上ぶりに登りたくなってきました。

桜並木
ほりでいパーク駐車場待ち

駐車場に戻ってくる頃には、駐車場待ちの車列が出来ていました。6時前に来て正解です。

残雪のアルプスが映える桜満開の高遠城址公園

ほりでいパーク

登山の荷物を一旦車において、高遠城址公園を見学しに行きます。

高遠湖

人工的に造られた高遠湖、そして高遠ダムに沿いながら15分ほどです。

公園に近づくにつれて、観光客が増えてきました。

すずらん牛乳特製桜ソフトクリーム

入園する前に、すずらん牛乳特製桜ソフトクリームを食べます。すずらん牛乳は木曽駒ヶ岳の麓にある牛乳加工工場で、安くておいしいです。

すずらん牛乳特製桜ソフトクリーム

お団子付きの桜ソフトクリームは、インスタ映えです。やってないけど。

高遠城址公園の入場料

入園料大人600円です。入口が多少混んでいるのでネット購入がおすすめです。

桜満開の高遠城址公園
桜満開の高遠城址公園

ここでは「タカトオコヒガンザクラ(高遠小彼岸桜)」とう品種が約1500本咲いているのが特徴です。ソメイヨシノより小ぶりで赤みが強いようです。自分には違いはわかりません。

桜満開の高遠城址公園

中央アルプスを見渡せる展望ポイントに人気が集まり、観光客が集中していました。

桜満開の高遠城址公園

テレビ局の取材が来ていて、映り込んだかもしれません。

桜満開の高遠城址公園

首都圏から遠いので、8割は日本人観光客ですが、次々にインバウンドのツアーが来ていました。もはや、外国人観光客がいない場所は日本には無いのかもしれません。

桜満開の高遠城址公園

城の名残はなく、公園内の「高遠閣」や門は昭和になってから建設や移設されたようです。部分的にタイムスリップが楽しめます。

桜満開の高遠城址公園

桜が雲のように見える「桜雲橋」は公園の象徴的なスポット。ただ、色塗りが新しすぎて、歴史の味わいはありません。

そういえば、仙丈ヶ岳のブランドを使った日本酒「仙醸」を買おうか迷いました。高遠の地酒だそうです。

桜満開の高遠城址公園(Takato Joshi Park)

登山帰りに何度も素通りして、高遠の桜を念願叶って楽しめました。

桜満開の高遠城址公園

それでは、お昼を食べるために、高遠から伊那市内へ移動します。

高遠城址公園の渋滞

高遠へ向かう車列が延々と続いていて、異常な混雑ぶりでした。山間の街で道路も限られているため、渋滞は避けられません。

六道の堤

途中、「六道の堤」に立ち寄りました。こちらも桜の名所です。車を止める場所がないので、自分だけ車を降りて少しだけ鑑賞。

六道の堤

江戸時代に建設された貯水池だそうで、現在も使われているのかな?

六道の堤

中央にある小島と桜のリフレクションで、ひょっとしたら高遠城址公園より絵力は強いかもしれないスポットでした。

あなどっていた伊那名物ローメンの魅力

ローメンうしお

伊那市内の「うしお」にやって来ました。ローメンの専門店です。

伊那名物ローメンとは?

焼きそばとも、ましてラーメンとも違うローカル色強めの名物です。

存在は知っていたけど、登山後にはボリュームあるソースカツ丼になっていたので、選択肢に入らなかった、いや食べる気にならなかった料理です。

うしおのローメンについて

セットメニューがあります。セットとはいえ、麺料理に1350円以上はなかなかのお値段です。

うしおのローメン

「よくばりセット」なるメニューがあったので、欲張るしかありません。限りないものそれが欲望(By 井上陽水)。

うしおのローメン

ご飯、トーフ汁、うしお煮(塩もつ煮)、そしておでんが付いてきます。

うしおのローメン

見た目はソース焼きそばですが、麺の上にキャベツがのっていたり、お肉がマトンだったり、ソースの汁っけが多かったり、やはり焼きそばとは異なるようです。

うしおのローメン

ソース焼きそばとは違い、どちらかというと油そば方面の味わいです。

マヨネーズで味変するのローメン

卓上にある調味料で自分好みの味に完成させます。

味はイマイチだったと「期待外れを期待」してたところもあったので、これは裏切られました。美味しかったです。桜のピンクも良いけど、食べ物は「茶色」が正義です。

午前部は終了です。午後はもう1座別の山に登ってきました。

登山を終えて

桜満開の高遠城址公園

念願だった高遠城址公園の桜をようやく目にすることができ、私の桜の記録にまた大切な一ページが加わりました。

残雪のアルプスを背景に、高台から見下ろす桜の美しさはまさに一級品。なにより、伊那の街全体が桜色に彩られ、場所ごとに表情の異なる風景に出会えたのが印象的でした。 まさに自分の足で稼いだ、大満足の「桜遊山」となりました。

五郎山の集合写真

桜のおまけのつもりで登った五郎山でしたが、その背景にある歴史を知ると、印象がガラリと変わりました。

悲劇的な結末でありながらも、日本人が好む「滅びの美学」を体現した登場人物たちは、まるで少年漫画のキャラクターのよう。当時の壮絶なドラマに深く思いを馳せることができる、味わい深い山でした。

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