2013年11月30日
山梨県の三つ峠に行ってきました。標高は1785mです。
三ツ峠山とも呼ばれており、最高峰の開運山、御巣鷹山、木無山の3つの山の総称になっています。富士山の北に位置し、遮る山が無いため、富士を眺めるのに絶好です。
三つ峠へは東京都心部(新宿駅起点)から100キロと離れており、公共交通機関利用の登山としては早朝から夜まで丸一日費やします。
三つ峠は何度もふられ続けた山でした。
何度となく行く機会を作っては、天候が悪かったり、人数が揃わなかったりと不遇を受けていたのがこの三つ峠。ようやく念願叶い2013年の秋に行くことができました。
河口湖で開催される「紅葉ライトアップ」イベントをオプションにして、晩秋の山を旅してきました。
三つ峠山について
地図
富士急行の「三つ峠駅」から天上山ロープウェイに縦走するルートです。駅から登山口まではタクシーを利用した方が良いです。
三つ峠山登山
富士急行線の三つ峠駅から徒歩で登山口へ
久しぶりにこのくすんだ水色の電車に乗りました。高尾駅でこの電車に乗り換えると山梨へ向かう気分にさせてくれます。車を持っていないくせに、おこぼれに預かって車移動ばかりしている自分ですが、電車とバスを利用しての登山は好きです。
やはり、ローカル線にのって旅をするというのは、その土地を支えていたインフラを体験できるからです。単に懐古趣味的なものかもしれませんが。
富士急行と接続する大月駅で、富士方面の登山客と富士Qに行く行楽客が乗り換えます。相反する週末の楽しみ方をする者同士ピリピリしているとかいないとか。
富士山方面へ行くのは新宿からの高速バスを利用しているため、富士急行に乗るのは初めてだったりします。
富士急行は山梨県の大月駅から富士山駅を結ぶ「大月線」と富士山駅と河口湖駅を結ぶ「河口湖線」の2路線があります。河口湖線はたった3キロなのになぜ1路線としてカウントしていないか謎です。
写真右手の人だかりはカメラマン。いわゆる「撮り鉄」と呼ばれる方々。時に問題になりますが、本日のお目当ては特急列車だった模様。
自分も登山道楽にハマっていなければ、鉄道オタクになっていたかもしれません。ジャンル的には「乗り鉄」「路線図オタク」でしょうか。
今回、同行するメンバ。
写真右二人はもう何度も一緒しているのでどうでもいいかと。
写真左は当ブログの読者で、たまにコメントをしてくれる「くま」さんを迎えての計4人です。膝上丈、左右非対称のカラーリングは攻めている。
三つ峠へ登るために降り立った駅はズバリ「三つ峠駅」です。
8時26分頃着の電車に乗りました。住んでいる場所によってはこの時間に来れない人いますね。富士急行は緑の看板とフォントが洒落ていますね。約30分の乗車で710円(税率アップ後)は高い…。
この時間に朝出てこようとなると始発で朝5時の始発です。辛い…。
駅前の田舎っぷり。
登山口方面とは逆方向になりますが139号沿いにはたぶんコンビニが有ります。たぶん。事前に食料は調達しておくのが吉でしょう。
というわけで出発です。
みずの赤いザックはクリスマスデコレーションが施されました。
看板がしっかりと立っているので道を間違うことはないでしょう。登山口まで舗装道を歩きます。
市街地の正面に三つ峠が見えます。
かなりの標高差があることがわかります。
左手を見ると富士山が。
今日は素晴らしくピーカンで、天気が崩れる心配は全く無用です。雪山大好き少年みずは「富士山に登ればよかった」と序盤でしょうもないことを言い出す。
ザックがとてもチャラけてるくせに。
雪の付き方がちょうどよく、富士山らしい富士山の姿。
え?登山道まで5.8キロ?
たぶん、これは山頂までのことを言ってるはず…。「っ」がものすごい違和感。
三つ峠グリーンセンターという場所に差し掛かります。ここからは市街地を離れ坂道に。
道中に神社がありました。
ん?桜?
冬も間近に桜なんて咲くはず…と思っていたのですが、春と秋に咲く「二期桜」という種があるらしいですね。
公衆トイレがありました。
まさかの三ツ峠風に建築された公衆トイレ。
利用客はここを通過する登山客のみだと思うのだがお金掛かっていますね….。
11月末、まだ紅葉が残っていました。
河口湖の紅葉ライトアップイベントは最終日なのでもう全部散ってるんじゃね?
という疑念がここで少し和らいだ気がします。
豪快に水が流れています。昔、三つ峠で採れた水のCMってありませんでしたっけ。
カラマツやもみじが水の底に堆積しています。
富士山を横目に三ツ峠の登山開始
登山道に行くための遊歩道に到着。
長かった舗装道とおさらばです。
ようやく登山口に到着しました。
駅から歩いて1時間10分程かかりました。4人いることだしタクシーを利用しておけばだいぶ短縮できなと後悔。
横瀬駅から武甲山の登山口みたいな感じで、登山客を載せたタクシーに歯ぎしりをしていました。
三つ峠の登山道は序盤からグイッと登らせてくるルートです。
序盤にのぞきポイントがありました。
上半身をかがんで、股から富士山を眺めるとパンツに見えるらしいです。たぶん、違うと思います。
三つ峠からは遮る山がないので、富士山のデカさと言ったらありません。山の斜面のカラマツの紅葉がいい感じです。
ここまでは馬でも来れるでおなじみの「馬返し」
三つ峠は要所要所で見どころポイントを揃えてくれています。地域密着型の山はこういうサービスが嬉しいです。
「愛染明王塔」
愛染明王は、仏教の信仰対象らしいです。調べても見てもさっぱりわからず怒りん坊だということはわかった。
「空胎上人の墓」
江戸時代の後期に三つ峠を開山したお坊さんのお墓だとか。
八十八の仏像が並んだ場所もありました。
これだけ史跡が多いということは古くから歩かれた三つ峠の修験道ルートということですね。
山の尾根上を登り終えると絶壁に沿っての道になります。
標高の高い場所だと湧き水が凍っていました。
岩山らしくなってきました。
ここはクライミングをする人にとっての聖地でおなじみの場所らしいです。
週末はボルダリングか登山をすること以外に頭のない、みずは外岩への憧れから登りだした。
ザックについているクリスマスリースが非常に滑稽である。
小学校の頃は、「よく塀の上に登っている子」でおなじみだった自分も登ってみました。
上の方には本格的にロープを携えて登っているクライマーがいました。
スポーツ的な要素を山に求めない自分にとって、クライミングをする日は来ないでしょう。たぶん。
標高をあげるに連れて、木々の葉は完全に落ちているので、見るものが富士山くらいしかありません。
ボルダリングゾーンを過ぎると山頂直下の小屋「四季楽園」に到着です。
自動販売機がある!
綺麗に整地されていてびっくりです。作業車両も停めてあったので、どこかに道があるんでしょう。
今まで見えなかった南アルプスがここでお目見え。
三つ峠の最高峰、縁起の良い名前の開運岳
最高峰の開運山です。
巨大電波塔が建設されていて、山梨への電波の中継に重要な役割を果たしている施設。
ザックを置いて、開運山に登りに向かいます。
開運山最後の登りは砂利で、足が滑るため苦戦しました。
そしたら横の茂みから見慣れない生物が…。
カモシカです!
非常にナチュラルに出現しました。登山道をあるく人間との距離は3メートルありません。
全く警戒心がなく、堂々と歩いています。
過去2度ほどカモシカを見ましたが、浅間山での遭遇の時は、自分を見た瞬間に森の奥へ逃げて行きました。もう一つは木曽駒ヶ岳からのバスの帰りでしたが、それは距離が離れていました。
このカモシカは自分が非常にレアな動物だと認識しているのでしょうか。動物園のふれあいパークの距離感。
「ん?写真なんか撮って、そんな俺が珍しいのか?」
という余裕っぷりを感じる。
「もう十分撮っただろ?じゃあな」
登山道を横切り、反対側の茂みへと消えていきました。カモシカの価値観が崩れました。
突然のカモシカの出現に呆気を取られましたが、三つ峠の山頂に到着です。
かなりのんびり歩いてですが、駅に電車が到着してから4時間かかっています。
終始見え続けていましたが、やはり富士の眺めは最高です。
山頂は360度の大展望で、遠く北アルプスまで眺めることができました。
おなじみ山梨百名山の看板も立っていました。
山頂は下から見上げていた岩山らしさがなく、広々としていました。
下山ルートはカチカチ山ロープウェイ
お昼にラーメンを食べていたら、突然気持ち悪くなってきてゲボしちゃうとかいうハプニングがありました。吐いたらスッキリしたので、なんてことなかったのですが、未だに原因は不明。
標高1700mの山で高山病にかかったのか…?
というわけで、下山を開始します。
下山は、天上山ロープウェイ方面へ。
中央道を挟んで見える山は道志山塊。
最高峰の御正体山の縦走は来年秋にでもやりたいと思っているが、バスの便が限られるのが難点。
途中にススキがはえている場所がありました。
やはり、ススキ越しに見える富士山が富士周辺の山に来たなって気分を盛り上げてくれます。
正面右手に河口湖が見えてきました。
道は非常にゆるやかで歩きやすいですが、早起きだったので全くもって眠くなす。
遠くからロープウェイのアナウンス音がどんどん近づいているのを感じながら歩いていくと、ロープウェイ乗り場に到着です。
何軒かのおみやげ屋、売店、展望台、とってつけたような神社があり、まさしくここは観光地です。
ここ河口湖の天上山(てんじょうざん)は、昔ばなしの「カチカチ山」のモデルになった地らしく、たぬきとうさぎの像が置いてありました。
愉快な顔をしたたぬきですが、お婆さんを殺害して鍋にしてしまう、殺人たぬきという事実。
ロープウェイの片道切符を購入して、河口湖まで降ります。
ロープウェイは2機あり、それぞれにうさぎかたぬきが乗っています。
日が短いので、16時半ですっかり薄暗くなってきました。ロープウェイを降りたところでタクシーを呼び、温泉へ移動しました。
本日の立ち寄り湯は「河口湖温泉 野天風呂 天水」です。
富士山ブランドで入湯料は1000円と高めですが、内湯と広めの露天風呂があり施設は満足です。ホームページで割引券を印刷し、ぬかりなし。
河口湖紅葉ライトアップ
温泉を早々に切り上げて、歩いて5分ほどの紅葉ライトアップ会場へ。
バスの時間が迫っているため、15分ほどの散策を余儀なくされるものの、そんなに広くやっていわけではないので助かった。
夜の撮影は苦手てぶれまくりです。
イベント最終日だったので葉はだいぶ散り、ぎりぎり残っているという感じでした。
初めての参加にも関わらず、よくついて来てくれたと思う「くま」さん。
パンツの丈が非常に寒そうであるが、タイツを二枚履きしている模様。女子か。
紅葉ライトアップはすでに演出がほどこされているので、素人がカメラで撮影してもそれなりに綺麗にみえるのが良い。
焚き火をしているところもあります。
山の格好で来ているなんて自分たちくらいなものです。
真っ暗でわかりませんが、富士山の裾が何とか見える。
紅葉ライトアップはこの季節、山と絡めて積極的にオプションにしていくべきですね。
本場、京都のイベントも見てみたいです。
紅葉ライトアップ会場のすぐ近くにバス停はあります。
しかし、定刻過ぎても全くバスがやってこない。時期的に運行していないのか、はたまた既に行ってしまったのかと不安になってきました。バス会社に連絡すると道路混雑で遅れているらしい。
目の前の道路全く車走っていないんですが。
寒空の下、15分ほど待たされてバスが到着し、河口湖駅へ。
18時半に河口湖駅に到着し、電車の時間まで構内の食堂で名物の「吉田のうどん」を食べました。
取り立てて美味しいというわけではない。
19時台の電車が到着。
よく見ると電車のデザインが白い部分は富士山、青い部分は空になっています。
富士山の世界遺産登録にだいぶ力を入れていますね。
ここから自宅に帰るのが長く、家に到着したのが22時を回っていました。丸一日を使い切ったという、大充実の内容でした。
これで日曜日は昼まで寝て過ごすだけ…というわけにはならず、雪山となった谷川岳へと向かいます。果たして十分な休養が取れるのか…。
三つ峠の登山を終えて
前々回の「三国山~不老山」、前回の「石老山」、今回の「三つ峠」と何やら「三」と「老」がつく山を登ったことに気づいたのは、この記事を書いている現在。
登山をはじめて3年経過したということで、「3年老いた」ということでしょうか。
登山をはじめて体力がついたので、むしろ3年前より生き生きしていますが。週末に体力を酷使、平日は確実に老いぼれ状態なのは否めない。
三つ峠の縦走ルートは昔ながらの修験道、ロープウェイのある観光地と両極端ですが、三つ峠のよさを十二分に味わえるルートではないでしょうか。
三つ峠駅から山頂へは初心者だと「ウッ」となってしまう道ですが、様々なルートがあるので、自分にあったコースを選んで登ってみて下さい。山頂は360度の大展望であるため、冬の空気の澄んだ日に登ると良いかもしれません。
三つ峠から中央線方面へ縦走するルートも面白そうなので、忘れた頃に行ってみようかと思います。
カモシカとの遭遇や紅葉ライトアップイベント等オプション盛りだくさんとなりました。
コメント
この度はご一緒させて頂いてありがとうございました。
今度は丈の長いパンツを買おうと思いますw
またご一緒させてくださいねー。
>だのんさん
もはや既に半年ですか、隣町だというのに。
では、夏にでもご一緒しましょう。もう夏ですが。
今度三つ峠山への登山を考えている者です。とても参考になりました!
登山仲間が少ないので、よかったら今度ご一緒したいです。
>茶さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
富士山も冠雪し、富士山により近い三つ峠は絶好の展望が待っていると思います。
SNSなどで適当に絡んでくれると良いですよ@x@b
ありがとうございます!
早速インスタグラムをフォローさせてもらいました。
静岡近辺の山にいらっしゃる際にご一緒できたら嬉しいです。
>茶さん
つい先日に浜石岳に行ってきました。
とても、いい山でした。
静岡方面はまだまだ未開拓ですので是非。