2014年10月12日
栃木県の日光男体山に登ってきました。標高は2448mです。
日本を代表する霊山で、麓には二荒山神社があり、山全体がご神体とされています。下野富士という別称があり、均整の取れた形をしています。栃木県内の学校の効果には必ずと言っていいくらいに登場する名前です。
ってあれ?つい最近同じ説明をした気がするぞ。
1カ月ぶりの日光男体山です。
男体山は地元栃木の贔屓抜きに何度登っても素晴らしいと思う山です。しかし、1ヶ月という短スパン再訪は初めてです。経緯は後述しますが、今回もまた素晴らしい展望を男体山は用意してくれていました。
10月の台風直撃前の紅葉する男体山を旅してきました。
男体山について
地図
男体山のコースは極めてシンプル。
麓の二荒山神社から山頂まで一本道で、登り一辺倒です。勾配はありますが、各「合目」ごとに変化の楽しめる登山道です。
2合目から3合目間だけが車道歩きです。
コースタイム
- 9:58二荒山神社登山口
- 11:06三合目
- 11:22五合目避難小屋
- 12:30八合目避難小屋
- 13:18~14:50男体山
- 16:50二荒山神社登山口
登り3時間20分、下り2時間と標準コースタイムに近いです。
男体山アクセス
- 東武スカイツリーライン快速(東武日光行き)
- 東武浅草駅(6:20)→東武日光駅(8:25) 1358円
- 東武バス(湯元温泉行き)
- 東武日光駅(8:40)→二荒山神社前(9:30) 1150円
奥日光を観光するのであれば、以下の切符を購入すると安くなります。男体山の登山をすると途中下車して観光というのは日程的に厳しいですが…。
男体山 日帰り登山
浅草から東武線に乗って、日光を目指す
東京の自宅である最寄り駅をほぼ始発で出発し、浅草に到着したのは6時ちょうどでした。
浅草駅は両サイドを車道に挟まれており、白くレトロな外観が際立ち、お気に入りです。
電車が動き出すまで時間があったので、松屋で「ねぎ塩豚丼」を購入し、車内で食べます。
しかし、にんにくが効いており、車内ににんにくの臭いが開放。
本日同行してくる「ラブピンクさん」に「ちょっと臭いんですけど!」と怒られる。
この日の状況を説明すると3連休の中日で、最終日に台風が上陸する予定でした。
ちなみに前日は群馬県の武尊山に登っています。
下山が遅くなって、帰りも終電間際だったので、よく起きれたなと思う。
スカイツリーを見上げながら、東武線快速で日光を目指します。
東武日光駅(8:25)
紅葉期の日光行き東武線は北千住でほぼ席が埋まるので、浅草駅から乗り込むのが賢い選択です。
台風が迫っているため、予報は晴れになっていましたが、到着してみると曇天…。
ラブピンクさんはレモン牛乳のファンらしく、売店で買っていました。しかも、500mlのでかいパックのやつ。
本来であれば路線バスで奥日光へと向かうのですが、今回は地元の「たち君」が迎えてくれました。
日光市内の鬼平という和菓子屋で、日光名物の「水ようかん」を購入し、いろは坂を登ります。
いろは坂の中腹で、紅葉渋滞に巻き込まれます。
曇天具合に少々ガッカリしながら、奥日光に到着。
中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)に差し掛かると、なんだか雲が取れてきました。
二荒山神社(9:47)
男体山の登山口がある二荒山神社の駐車場に到着です。
東京からずっと曇天だと思っていた空はどこに行ったのやら。
二荒山神社の正面に立つと男体山の山頂までスッコーンと見えています。
日光市街まであった雲はいったいどこへ?
おニューの赤いウェアを新調した「たち君」。自分で登山道具を買う事なんてなかったのに成長したなァ…。
社務所にて登拝料500円を納め、登山者届けと同じように記帳します。
「17時に正面門が閉鎖するので気を付けて下さい」と注意されます。迂回路はある。
二荒山神社で無事下山を祈願。
10時前に登山開始です。
先頭を歩きたがるラブピンクさんなので、本記事はほぼラブピンクさんのグラビアになるので悪しからず。
「二荒山奥宮登拝口」と石碑に記されています。
男体山は霊山で山全体がご神体です。なので、登山ではなく登拝(とはい)が正しい。記事内ではわかりやすく登山で統一します。
二荒山神社から登山じゃなく、登拝を開始
最初の鳥居をくぐるとまずは石段のぼりです。
二荒山神社は標高1280mです。
10月中旬で、1合目付近は色づき初めでした。
石像と対峙。
最初の祠に屋根の部分にハート形を発見し、テンションが上がるラブピンクさん。自然の中にあるハート形を見つける嗜好があるようです。
そこはラブの面目ということなのだろうか。
石段を登り終えると一合目の石碑が登場です。
最初の鳥居が一合目じゃないんだとがっかりする場面です。
一合目~二合目は熊笹が茂る樹林帯。
どこからともなく温泉の硫黄臭さが漂ってきます。
ここは土の斜面なので、前日に雨が降るとぬかるんで歩きにくい場所です。
二合目の看板はたぶんありません。
樹林帯を抜け、舗装道に入ると三合目の石碑が登場。
癒しのコンクリート舗装道。
紅葉が徐々に深まってくるのを楽しみます。
木を見上げるような構図で撮るのが流儀らしい。
舗装道が終わると四合目の鳥居が登場します。
3合目鳥居のちょっと先に中禅寺湖を眺める場所があるので忘れずに。
四合目に突入。
四合目から山頂まではずっと登りで、平坦な場所はほとんどでてきません。修験道らしい修験道の山、それが男体山。
登山道の土の占める割合が徐々になくなり、足元は岩がメインになってきます。
男体山は独立峰であり、紅葉を見渡しながら歩くという山ではなく、見上げる山です。
紅葉の名山としての名はあがりませんが、上を見上げると彩りが豊かで、飽きの来ない楽しみを与えてくれます。
日光は戦場ヶ原、中禅寺湖周辺などいくらでも紅葉を楽しむスポットがあります。
11時32分 5合目
スタートして1時間半、五合目に到着しました。
6合目の大雲海~男体山山頂
五合目に来て、日光に来る道中が曇天で、二荒山神社に来て晴れたのか、ハッキリしました。
日光の外輪山が雲を堰き止めています。
関東平野は一面雲海になっていて、遥か彼方には奥秩父か八ヶ岳の山並みが確認できました。
現在、九州を進んでいる台風。
関東平野上空に前線がわかりやすくあるかのように、上層の雲が波を打っていました。
展望の良い場所でポーズをお願いすると男らしいポーズをとるラブピンクさん。
「女子っぽいポーズ下さい!!」と言ってみると。
こうなった。
五合目後半からはガレ場の始まり。
しかし、人の往来のある山なので、崩れるような浮石は少ない。
六合目の石碑に辿りつく。
登山道から岩の上に登った場所にあります。
そこからの眺めの遥か彼方にうすぼんやりと富士山のシルエットが見えました。
男体山から富士山までの直線距離はかなりのものなので、年間に何度見れることやら。
関西出身のラブピンクさんにとって、富士山を見れるという事に特別な情感があるようです。
なので、一番テンションが上がっていました。
な、泣いたー!!!?
突然涙を流したラブピンクさんは紅葉、雲海、富士山の眺めに感情の上限を振り切り、涙腺が決壊したみたいです。
男体山に4度登っている自分もこの景色にはうっとり。
初めて登った時も紅葉してたし、雲海も見れてたけど辛すぎて余裕がまるでなかったからな…。
たち君の存在がかすれ気味ですが、彼は普段からクールですので。
六合目を過ぎると少しだけ樹林帯に入ります。
日の当たらない鬱蒼とした場所で、岩に苔がへばりついています。こういった小さな変化が男体山の魅力の一つ。
関東平野から押し寄せる雲の海が日光の中禅寺湖になだれ込んできます。
凄い光景を見ている気がする。
七合目まで厳しいガレ場が続きます。
七合目の石碑はひっそりと設置されています。
飲み込まれていく中禅寺湖。
七合目~八合目はずっとガレ場が続き、徐々に岩のサイズが大きく変化していきます。
八合目 瀧尾神社
八合目まで来ると葉が散っている木が多く、紅葉の見ごろを過ぎていました。
山頂の紅葉は10月上旬、中腹の紅葉は中旬が見ごろといった具合。
別にここを通る必要はありませんが、岩くぐり的なスポットがあります。
八合目からは火山岩の上を歩きます。
男体山が最後に噴火したのは、調査では7,000年も前のことらしいです。
八合目からの終盤に樹林帯に入ると九合目の石碑があります。
九合目からは山頂へ向けての天空の階段の始まり。
赤土が滑りやすく、木材で段組みされていますが、これが歩きにくいのなんの…。
森林限界を越え、中禅寺湖の全景が背景に見えてきます。
とても開放感のある道。
最後の登りにさすがにへばってきたのか、ラブピンクさんが絵的にダメなポーズになっている。
そんな時は画的に映える「登るべき岩」の上でインターバルを置く。
そして、ようやく山頂の鳥居が見えてきた。
13時18分 男体山山頂
二荒山神社の登山口から3時間20分で到着です。
大剣輝く男体山の山頂、関東を埋め尽くす大雲海
山頂は奥宮がありますが、これは夏の登拝祭の時期などにしか開かれません。
お目当ての山頂を見に奥に進みます。
「おにぎりがあるやん。」と、おにぎりが大好物なラブピンクさんが飛びついていました。日本のコンビニで、おにぎりに感動する外国人みたいな喜び方です。
雲の形をしていないフラットな雲海が、関東平野を覆いつくす光景は圧巻の一言。
男体山に鎮座する剣と対面(1カ月ぶり2度目)
一応、普段からクールなたち君ですが、栃木県の象徴とする男体山に登れご満悦のようでした。
刃は群馬県の赤城山を向いています。
これは神話に基づくいており、栃木県と群馬県は古来より、仲が悪いことを示している。
日光上空にちょうど気圧の前線があるようで、上層の雲が綺麗に弧を描いていました。
極めて貴重な一日に登れたという実感があります。
男体山より奥には日光白根山があり、さらに奥には尾瀬の燧ヶ岳などを見ることができます。
燧ヶ岳とはつくづく縁がないので、登りたいところです。
まぁ、やるよね。
集合写真。
男が前に出ているという愚にもつかない写真に仕上がってしまった。
一等三角点。
個人的にお気に入りの山頂休憩スポットである「男体山神社」に移動し、お昼にします。
ラブピンクさん特性の男体山おにぎりとトマト、レモン牛乳、水ようかんです。
トマトに入っていたうずらの卵がトトロになっていました。
芸が細かい。
中禅寺湖と戦場ヶ原が眺められる大展望、背景は関東平野を埋め尽くす雲海という特等席。
筋斗雲で飛んでいるみたい。
非常に名残惜しい山頂ですが、下山を開始します。
男体山下山~下山後
木々の隙間から関東平野の雲が外輪を越えて、中禅寺湖に流れ込んでいる様子が見えました。
これも滝雲ということでいいのかな。
3合目まで降りてきました。
すっかり夕暮れ。
足が長くなったと喜ぶラブピンクさん。
参拝時間ギリギリの17時前に下山できました。
三合目まで晴れていたのに二荒山神社の標高はガスに覆われていました。
二荒山神社を出発し、いろは坂を下ったところにある「やしおの湯」で汗を流しました。連休中日ということもあって、ものすごい混雑。
宇都宮に移動して、「宇都宮みんみん 宿郷店」にやって来ました。
店じまいの8時ギリギリに滑り込み、最後尾を示す団扇を渡されました。
全てがうまくいったパターンというやつです。
3人で焼5人前、水2人前、揚1人前を食べました。栃木の山に登ったらやはり餃子です。
ちなみにラブピンクさんの一番の好きな食べ物の一つが餃子らしいです。
タチ君とは宇都宮駅で別れ、帰りはJRで帰京しました。
男体山の登山を終えて
1か月ぶりの短期間で再訪することになった男体山。
しかし、短い期間にありながら「また来てよかった」と思える素晴らしい景色でした。
東京から3時間、登って3時間弱の男体山です。
高額な航空券を買って海外の遺跡、日本では見ることができない北極圏のオーロラ等の自然現象を見るのと同等、もしくはそれ以上に価値のある景色だと思いました。
自然を旅することは巡り合わせで、曇りの日より晴れの日の方が良く、気象条件や計画段階での人為的な条件に左右されます。
様々な条件に左右されながら、巡り合う景色にまた旅に出たくなるのだと思います。
コメント
いつも楽しく拝見させていただいております。51歳のオヤジですが、veryblueさんのブログから始まり、今は社畜さんredsugarさんのブログまで楽しく自分の山登りの参考にさせていただいております。ちなみに男体山の2合目の石碑は存在します。登りから見ると大きな倒木の近く少し離れた右手にあったと思います。
>タツヤさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
ぐだぐだと書いていますが、山登りの参考にして頂きありがとうございます。
最近、みんなの更新に負けないように頑張って追いついていこうと思います。
男体山の2合目の表示あるんですか!
今度、探してみます!!
こんにちは。山の日である昨日、男体山でお会いした者です。
皆さんでお楽しみのところ、突然お声がけしてしまってすみませんでした。
自分のことは三頭山の記事の最後のコメントをご覧頂ければ、そんなのもいたなと思って頂けるかもしれません(笑)。
登山一年生の自分が、日本初の登山者の祭典である山の日にどこに登るか、男体山と谷川岳とで迷ったあげく、ロープウェーで登れる谷川岳は人が多いだろうということで、veryblueさんのブログによく登場する男体山に登ることに決めました。
ということで、山の残念都道府県の千葉県から程よく遠い日光へ初の前泊で挑みました。厳しい山だと伺っていたので、覚悟して臨みましたが、前泊のためにいつもより荷物が多めで、さい先の思いやられるスタートでした。
一合目からの急登は中々堪えましたが、それから先は割りと楽しく登れたと思います。後半少しばてましたが、良い景色もあってヌカザス尾根のような辛さは感じず、無事登頂できました。
一人で来ていた為、人の多い社付近は居辛く、人の少なかったあの場所でご飯を食べて、写真を撮っていました。
初めて来たのに何か見覚えのある場所だと思ったわけです。まさか生veryblueさんにお会いできるとは。芸能人に会ってしまったくらいの感動でした。
色々ありましたが、自分にとっては忘れられない山の日になりました。
あと、たまに出てくる音楽の記事が結構好きです。僕も洋楽好きなのですが、選曲が中々渋いですね。このブログを見て、ジョニ・ミッチェルのCDを買いました。
長文で失礼しました。
また縁があれば、どこかの山でお会いできることを楽しみにしています!
>szkさん
コメントありがとうございます。
実は目撃されることは何度もありましたが、声を掛けられたのは初めてでした。
なので、しどろもどろに返事をしてしまい申し訳ありません。
自分は地元の山である男体山を登ると決めていて、晴れなくても絶対来るぞと言う気持ちでやってきました。
直前で人を募ってみたら、女人登拝を引率するようなパーティー構成になっていました@@;
男体山は5回目でしたが、1合目~2合目の辛さ、3合目のボーナスゾーン。4合目から徐々に変化する登山道、9合目で広がる開放的な風景、山頂は圧巻の眺めと、毎度訪れても飽きない山です。
地元の山がこれで良かったと思っています。
音楽の記事は実は忘れがちだったので、復活させてみようと思います。
今度、一緒に登れる日をお待ちしております。