2021年5月4日
神奈川県と静岡県にまたがる金時山に行ってきました。標高は1212mです。
箱根エリアで断トツに人気のある山で、都内近郊のハイカーであれば一度は登ったことのある山です。間近に見える富士山の展望に優れていて、山頂には名物メニューを提供する山小屋があります。金太郎伝説がある神社があり、下山後の観光と温泉に恵まれています。
ゴールデンウィークに混雑する山に行ってみた。
という企画ではありませんが、久しぶりに初心に帰り、登山からの温泉で癒やされるというのをやってみたくなりました。金時山はこれで3回目ですが、乙女峠から金時神社に縦走するスタンダードなモデルコースを歩きました。
新緑の山でリフレッシュし、温泉で汗を流し、名物をいただく、箱根を日帰りで旅してきました。
金時山について
地図
乙女峠から金時神社の縦走コースを歩きました。
コースタイム
- 8:37乙女峠バス停
- 9:06乙女峠
15分くらい休憩
- 9:35長尾山
- 10:15金時山
- 12:02金時神社
行動時間は3時間25分です。
静岡県側から神奈川県川に抜け、金時山をいいとこ取りして、コースタイムも短めなコースです。
ゴールデンウィークの金時山 登山
御殿場駅からバスに乗って、乙女峠のバス停から登る
電車を乗り継いでやってきたのは、静岡県の御殿場駅です。
神奈川県の国府津駅からJR東海の御殿場線に乗り換えたのですが、御殿場駅で改札でピーピーとゲートが締まり、股間を強打仕掛けました。
交通系ICの仕組みがわかってないが、JR東日本とJR東海で乗り換えるとダメなようだ。
金時山のアクセス方法は多々ありますが、GWの混雑を考えると御殿場駅から路線バスに乗ると登山者が少なく良いと思います。
本数は少ないけど、全員が座席に座れる乗客数でした。
バスに30分程度揺られ、乙女峠のバス停に到着しました。ここはまだギリギリ静岡県で、乙女峠の真下を抜けると神奈川県に入り、箱根の温泉街に入ります。
GW前半に行った十国峠・日金山もだが、神奈川と静岡の県境をひたすらフラフラするGWでした。
バス停から歩いてすぐ、わかりやすく「乙女峠入口」の看板を発見。
何かしらの作業用道路を進んでいくと、乙女峠への入口を発見しました。ここからは「乙女ハイキングコース」を歩きます。
乙女峠までは約30分の道のりで、整備されているけどしっかりとした登山道です。乙女ハイキングコースとは名ばかり、全くキュンとしない植林された杉林を登っていきます。
ゴールデンウィーク頃だと、木々の隙間から入る木漏れ日で、新緑の葉が綺麗に輝きます。
バスのりばと乙女峠の中間地点の看板。
乙女峠だけを目的に登ってくる人もいるのかな?この看板の文字、ミニマムで乙女っぽいが、中「間」点が独特のなので、それはないか。
陰気だった杉林を抜けると、登山道が一気に明るくなってきました。
グッド・ルッキング・富士山、標高1005mの乙女峠展望台
乙女峠に到着しました。登山口からゆっくりなペースで30分かかりました。
富士山方面に展望が広がっています。展望台があり、展望台を撮影するための展望台がある、親切設計です。カメラを置いて、タイマー撮影できる。
この日は5月4日でしたが、前日までに降雪があったようで、理想的な雪の積もり具合です。麓に広がるのは静岡県の御殿場の町並み。
乙女峠は標高1005m、名前の由来の案内板がありました。
昔、仙石原の娘が父親の病気を治そうと、峠の先の地蔵堂の日参し、満願の日(※日数を決めてお参りをすること)に父親の病気は治りましたが、彼女は雪に埋もれて死んでしまった、と伝えられています。彼女の霊を哀れみ、乙女峠と呼んでいます。
哀しい物語です。
こういう類の伝承は表向きの物語の裏に、教訓、戒め等があったりするもので、もしかすると、勝手に国越すると危険な目に遭うみたいな意味が隠されているとか…あるかもしれない。
乙女峠からは、金時山へと進路をとります。ここからは、静岡県と神奈川県の県境を歩いていくことになります。
乙女峠からちょっと登ると開放的な休憩スポットがあり、ベンチにテーブルが設置されています。
ここからは神奈川県の箱根方面の展望があり、箱根の最高峰である神山が見えてきました。
しばらくは、傾斜のない緩やかな道が続き、清々しい新緑のトンネルを歩いてきます。登山者も比較的少ないので、快適に歩けます。
時折、トレランの人が猛ダッシュで追い抜いていったりします。箱根外輪一周とかしてるのかな?
乙女峠から10分ほど歩くと、長尾山に到着。
山頂というより広場。なぜ、こんな空間がぽかんと空いてしまったのだろう。
箱根の地下にはネルフ本部があるので、有事の際には開閉して、エヴァンゲリオンが出てくるのかも知れない。
長尾山からは若干の上り下りがあり、ロープの張った岩場もあるが、子供の歩いているので特に心配はないです。
木々の隙間からは富士山、目線の高さにはミツバツツジが咲いていて、足元にはスミレ。あちこちに目を楽しませてくれる道です。
金時山は3回目だけど、1回目は11月中旬、2回目は3月初旬なので、樹林の葉っぱがあるハイシーズンに来れたことになる。
芦ノ湖が見えてきました。
数年前に遊覧船に乗った時は、9割の乗客が中国人観光客で、鬼のように騒がしかった思い出がある。
緩やかだった道を取り返すかのように、赤土の急斜面です。踏ん張りながらラストスパート。岩がゴロゴロしてきて、山頂が近づいてきました。
金時山の例の看板が見えてきました。
ゴールデンウィークの金時山の山頂は密・密・密
金時山の山頂に10時15分の到着です。
めちゃくちゃ混んでる。スタートの速い乙女峠からだったので、ピークタイムは避けられるかなと思っていたが、ゴールデンウィークの金時山を侮っていました。
ご時世柄「密」という表現がふさわしい密な山頂です。通勤時の品川駅くらい混んでるんじゃないか。
岩の上で記念撮影とかできるレベルじゃねーぞ!!!
人の多さに目がいってましたが、金時山から見る富士山は素晴らしい。3回目にして、スッコーンと富士山が見えました。でも、乙女峠から見た富士山のほうが…。
山頂には、金時茶屋と金太郎茶屋の2軒の小屋が営業しています。身軽で来たので、食事は小屋で食べようと思います。それぞれの小屋で名物メニューが存在します。
「金時茶屋のなめこ汁」と「金太郎茶屋のまさカリーうどん」。
なめこ汁は行列ができて、15分くらい待ちました。なめこがゴロゴロしてます。
まさカリーうどんはスパイスが強めのちょい辛、ガラムマサラを渡されます。事前に具が入っている写真を見たけど、今日は何も入ってなかった…。山グルメとして、一度は味わっておきたかった。
お昼ごはんを終えて、もう一度、金時山からの展望を楽しむ。正面には大涌谷が見えて、噴煙が上がっているのが見えます。火山規制で観光できなかった哀しい思い出、温泉卵だけ食べた。
モヤッとした空気ではありましたが、遠くの山まで見え、富士山の裾野の奥に、南アルプスや奥秩父山塊が見えました。
人がひっきりなしにやってくるので、落ち着いて山頂を楽しめませんでしたが、ゴールデンウィークの賑わいは体感できて良かったかな。自分の行動が制限されなければ、人混みは嫌いじゃないタイプ。
金時山で100人中90人がやる、「斧を持って天下の秀峰の看板で記念写真」は、今日はやめておこうとなり、金時神社方面へと下山開始します。
矢倉沢峠や金時神社から登ってくる人が大多数で、登山者の数に対して、道幅が一人分しかないので致命的。登山者がボトルネックでつまる箇所がたくさんある。
金時山の名物となっているパカッと割れた巨大な岩。金時宿り石があります。金太郎のモデルである坂田金時とその母になる山姥が雨宿りをした伝説があるとか。寒さのせいで、割れたらしい(←????)
岩の上には植物がもじゃもじゃ生えていて、金○袋に見える噂が無きにしもあらず。
鬼滅の刃の主人公、炭治郎が修行で大岩を斬ったことで、聖地的な扱いを受けているとか。ちなみに、全国にこのように割れた岩があり、鬼滅現象にあやかっているようだ。
後半はやはり植林された杉林に変わる。金時山のメインストリートなので、非常に歩きやすい。
車道とぶつかりました。最近できた綺麗な道で、緑色に横断歩道が塗られていました。
最後は参道のような杉並木を下っていきます。午後から登っていく人もちらほらいました。
森の中からガサガサと音がしたと思ってみてると、ニワトリが散歩していました。ニワトリにしてはフォルムが変だなと思っていると、どうやら烏骨鶏らしい。
金太郎のモデルの坂田金時を祀る、烏骨鶏が放し飼いの金時神社
金時神社に下山して、金時山の登山は完了です。
金時神社ですが正式には「公時 神社」と表記されます。御祭神は坂田金時で、平安時代の武将です。金太郎のモデルとなった人物ですが、実在したか、伝説上の存在か、議論があるらしい。
知名度は桃太郎と並びそうだが、ストーリーを語れる人がほとんどいない「きんたろう」。
山で育った金太郎、山の動物と仲良し、山で一番強いクマを投げ飛ばす強さ。嵐が起きて川を渡れない困った動物たち。マサカリで近くの切り倒して橋を作って、みんな大喜び。
今思うと、何が面白いのかわからないストーリーではある。その後、たまたま将軍が通りかかり、金太郎の強さを見込まれスカウト。都で武将として大活躍するって話です。
「こんな田舎にとんでもない才能のやつがいる」みたいな、少年漫画によくある王道ストーリーでした。
森の中にもいましたが、境内の駐車場には放し飼いされた烏骨鶏がたくさんいます。地面の掘り方を子供達に教えている光景が可愛かったです。
社務所兼売店みたいなところで、金時神社の御朱印をもらいました。コロナのせいで書き置きの神社が多い中、手書きでした。
金時神社のトイレがエヴァンゲリオン仕様になっていました。
いっそのこと、金太郎というコンテンツから、エヴァンゲリオン仕様に変えて、エヴァ小屋とか、エヴァ神社になる「シン・キントキヤマ」どうですか…。
山頂の賑わいから分かる通り、駐車場は満車状態。
車を持ってないけど、ゴールデンウィークの箱根に車で来る気にはなれないな…。
金時神社から20分くらい歩いて、やってきたのは「マウントビュー箱根」の日帰り温泉です。露天風呂のにごり湯が極上でした。社務所で親切に割引券もらいましたが、期限切れで使えなかった…。
さて、帰るには宿の目の前にあるバス停から箱根湯本へ行くバスに乗ります。初号機タイプのバスが走ってました。
箱根湯本に行くには渋滞で1時間プラスされるというアナウンスがあったので、途中下車して大平台駅から登山鉄道に乗り換えました。
箱根湯本温泉の湯葉丼とてぃらみすソフト
箱根は登山で何度も訪れているので、今更観光するのもと思いつつも、何もしないのももったいないお化けが出るので、直吉というお店の湯葉丼を食べに来ました。箱根湯本駅から歩いて5分くらい。
温泉からちょっと経っているが、SAPPOROが喉に染み渡る。
湯葉丼・湯葉刺しセット(1700円)をオーダー。
想像と違ってグツグツと鍋で出てきました。出汁で煮込まれ、ホロホロとした湯葉をご飯にのっけて食べます。美味しくないわけがない。湯葉も豆腐も絶品でした。
駅前はそこそこ混んでいましたが、通常のゴールデンウィークよりは人手がないようでした。
箱根てぃらみすソフトクリームでフィニッシュ。茶色だし、見た目がなんかもう…。そこそこ列ができている人気店でした。
おじさんがプリントされたタグが刺さってる。なぜ?
駅前のえゔぁ屋もちょっとだけ拝見。映画効果もあって、前来たときより賑わってました。
ちなみに、エヴァンゲリオンは深夜放送で始めてみて、公開された映画も観ましたが、さっぱり理解できなかったZE。
登りと下山で登山口が違う縦走は満足感がありますが、さらにアクセスも異なると、旅の充実度が更に上がります。このまま日帰りで帰るのではなく、箱根の温泉宿に泊まって、浴衣を着て、懐石料理を食べるのが理想的ではありますが、貧乏登山者には難しい話ですわ…。
金時山の登山を終えて
金時山を登りに来ている登山者は、きっと、登山道も高速道路も下道も混雑するってわかっていると思うんです。それでも尚、金時山を選んでしまう、それだけ魅力のある山なんですよね。「天下の秀峰」の異名は伊達じゃないです。
混雑しない箱根の山だったら、お隣の明神ヶ岳や矢倉岳がいいのかな。前半に登った十国峠・日金山なんて誰ともすれ違いませんでした。
二度とゴールデンウィークに金時山には来ないと思いつつも、息苦しいコロナ禍のゴールデンウィークにおいて、山で汗をかいて、温泉で流して、リフレッシュできました。
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